No.0629 2020年4月2日 新着投稿⇒H.A.L.'s Monitor Report - Accuphase E-800 |
H.A.L.'s One point impression!! - Accuphase E-800 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1580.html 上記評価よりハルズサークル会員限定の連動企画として自宅試聴を実現しました! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Vol.1「何よりもオーケストラの躍動感が伝わってくるのです!」 神奈川県相模原市 F・O 様より 最初にかけたのはムラヴィンスキー指揮・レニングラードフィルの「ショスタコーヴィチ 交響曲第5番」(1973年の来日ライブ盤)です。 第一楽章では、床を伝わって響いてくるような弦の低音でそこにステージがあるように思え、 第四楽章では最後のティンパニの叩かれる音が、すべて鮮明であるがゆえに、緊張感のある演奏、 ライナーノートにも書かれていた「張り詰めた空気」感が伝わってきます。 次にかけたのはいつも聞いているヤンソンス指揮・ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団の 「ドボルザーク交響曲第9番」(RCOLIVE盤 2003年収録)です。 こちらも第三楽章の弦が折り重なるところで決して音が「ごちゃまぜ」になることなく、 でもちゃんとアンサンブルとして聞こえてきます。 3番目にかけたのはベーム指揮・ウィーンフィルの「美しく青きドナウ」(1971-2年ごろ録音)です。 これは今まで漫然と聞いていたのがバレてしまうのですが、演奏の音がふと途切れ、次の音に 移るわずかな間にホールの反響音と思える音が聞こえてくるのです。 この音源はウィーン楽友協会で収録されたとジャケットには書かれているのですが、 収録エンジニアが意図的に入れたのか、それともたまたま入ってしまったのか、 いずれにしてもホールの雰囲気が伝わってくるようで驚きました。 ちなみに1975年来日ライブの同曲も聞いてみましたが、そのような音は聞き取れませんでした。 あまり「ありきたり」の感想で申し訳ないのですが、それは今回試聴を申し込んだ理由とも 関係あるかもしれません。 私は二年ほど前まで転勤で地方におり、その間自宅にいる時間が少なかったこともあって (しかもその間に直下型の地震にあって、当時使用していた重量級のスピーカーが 倒れかけたこともあり…)オーディオ機器の大半を整理してしまっていました。 ただ関東に戻り自宅にいる時間が増えると、やはりスピーカーが恋しくなってしまいました。 そんな時、地方のオーディオショウでも何度か試聴し気になっていたKiso Acousticの HB-X1の中古品と出会いました。 すでにアンプも手元にはなかったので、AccuphaseのA-20Vをほぼ同時に購入し、 パッシブアッチネータを介して鳴らしています。 ただ、以前転勤先で試聴した時と比べ「HB-X1はこんなに音が狭く、低音もでない ものだったかな」と感じ始めていました。 原因はセッティング(家のレイアウトの関係でスピーカー台は使用していません。)や 家の構造の問題かなとも思っていました。 ただ、もしかしたらアンプの問題かもしれない、と思った時、E-800の試聴の募集が あり申し込んだ次第です。 アンプをE-800に替えた効果は「ショスタコーヴィチ第5番」の冒頭の弦楽器の 低音から明らかでした。 今まで聞いていた低音がカットされていたのかと思えるぐらい低音がのび、 決して音崩れしない。 「ごちゃ」となることはなく、各パートの音がシャープに聞こえてくるのです。 そして音の広がりが縦横・奥行きとも伸びたように感じられます。 でもそれでイヤーモニターのような分析的な音になったわけではなく、むしろ 勝手に「HB-X1らしい」と思ってしまうような「響き」は感じられるのです。 これまでの組み合わせで何となく感じていた「もや」のようなものが取れた気がします。 でも、何よりもオーケストラの「躍動感」が伝わってくるのです。 「HB-X1」の力なのか、それとも「E-800」によってそのポテンシャルが引き出されたのか、 私にはわかりません。 ただ、ただオーケストラ曲を聴くのが楽しくなって、1日中ディスクを替えながら 様々な曲を聴いていたので、他の音源(声楽とかピアノとか、クラシック以外とか)を 聴く時間がなくなってしまったのも事実です。 (これではリポートにはなりませんね…ごめんなさい) ただ、E-800はそれだけではない気がするのです。 「美しく青きドナウ」でホールの反響音のようなものまで聞こえてきた、 というのは、同じディスクを何回も(歴代のさまざまな組み合わせで…) 再生していながら、これまで全く気づいていなかった点です。 先日、40年前の16mmフィルムの映像を4Kで蘇らせた番組を放送していたのですが、 その中にHDR(High Dynamic Range)の解説がありました。 今までフィルムには記録されていながら、当時のフィルムから映像信号への 変換技術では再現できなかった薄暗闇の中の人が、HDRの技術で映像信号上に 再現できたというものです。 番組に影響されただけかもしれませんが、今回の件も、E-800とHB-X1の組み合わせ によって、今まで聞こえていなかったささやかな音が聞こえるようになったのかな、 と思えば、E-800はHDR技術のようにスピーカーのポテンシャルを可能な限り引き出し、 ディスクに記録された音をあますところなく再現してくれるものではないか、 そうすら感じてしまいます。 まだ部屋の模様替えができておらず、あるべき姿で設置できていない中でも E-800に変えるとこれだけ音楽が楽しくなるのかと、大変驚いております。 その上で不躾な質問で恐縮なのですがE-800とHB-X1の組み合わせは、 一つの選択肢としてありうるものでしょうか。 川又店長のご意見をお聞かせ願えれば幸いです。 重ねてになりますが、今回の試聴は今後のシステム構成を考えていく上で、 大変参考になりました。今後ともご教授のほど何卒よろしくお願致します。 あくまで試聴経験の乏しい私の私見です。乱文の段はご容赦ください。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より F・O 様ありがとうございました。何かを聴いて何かを感じる…、これがそもそもの スタートとなるわけですから、経験の量とは関係ありませんので貴重な体験談として ありがたく拝見致しました。 「E-800とHB-X1の組み合わせは、一つの選択肢としてありうるものでしょうか」 というお問い合わせに関しては私なりに回答させて頂きましたが、皆様に実体験を して頂くことで前述のように感じて頂く、発見して頂くことが重要なことなのです。 今回の企画で経験値が高まったこと、そして方向性を見出して頂ければ何よりでした。 これからも何卒よろしくお願い致します。ありがとうございました。 そして、ハルズサークル会員限定企画応募のためにも是非ご入会下さい! https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/circle.html |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください! |