No.0588 2014年9月6日 新着投稿⇒H.A.L.'s Monitor Report-E.M.G-boardの威力を確認!! Vol.11「音が粗くて聴いていられず今回は止めておきましょう!!」 北海道函館市 K.I 様より 前回の投稿をご紹介します。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0641.html 以前の投稿をご紹介します。歴史がありますね〜! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0546.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0420.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0412.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0285.html ■E.M.G-Boardモニター報告 モニターレポートが遅くなってしまいました。 どう書こうか解らないということで長引いてしまいました。 こう書くと、まるで良い感想の書きようがないととらえられてしまうかも しれませんが、それは違います。 むしろ、ころころ変化があり、止めどもなくなってしまったためです。 人の経験の極一部しか言葉にできないと日頃から思って下ります。 氷山で言えば、海面から出ているてっぺんが言葉で表現できる経験であり、 水中に在る氷山の大部分は言葉にできない感覚の経験でしょう。 ですから、どうやって語ればよいかけっこう悩んでしまいました。 それだけの「娯楽」を提供してくれるそんな「板」がこのE.M.G-Boardです。 あえて、ですます調とである調をまぜこぜにしてありますが、それくらい 衝撃的な印象であったという風にご理解下さい。 さて、先ずは拙宅のオーディオシステムですが、ざっと次の通りです。 前回の投稿と変化したのはdCSのDDCとDACが世代交代しました。 他はもう長いこと使用している機材です。 ■マスタークロック DCS 992/2 + タイムロード chronos 川又様企画によるサンプリング周波数176.4kHz出力改良済み ■プレーヤー ESOTERIC P-0s http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p0s/index.html ESOTERIC DV60 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/dv60/index.html DV60はユニバーサルプレーヤーですので、これで、DVDのオーディオ信号を PCMに変換して出力します。 ■DDC (digital to digital converter) dCS Vivaldi Upsampler http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-upsampler/ ■DAC (digital to analogue converter) dCS Vivaldi DAC http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-dac/ P-0sとDV60からのPCM信号をVivaldi Upsamplerにより、24bit 352.8kHzに アップサンプリングするか、あるいはDSDに変換しVivaldi DACに入力している。 今回の試聴はPCM352.8kHzにアップサンプリングの条件に固定した。 ■プリアンプ Jeff rowland synergy 2i http://www.taiyo-international.com/download/manual/#jrdg ■パワーアンプ Jeff Rowland model 12 http://www.taiyo-international.com/download/manual/#jrdg ■スピーカー B&W N801 and Murata ES-103b -*-*-*-*-*-*-*-*-*- まずは、P-0sの下に設置。 孤軍奮闘してP-0sをどかして、今まで愛用してきたT.I.P.ボードを外して 代わりにE.M.G-boardを置きました。 ラックの棚板と2センチの違いで試行錯誤して、3回P-0sを出したり入れたりして…重い。 そのために、ボードの表面が傷だらけに。 これはこのまま買い取るしかないなぁと思いつつ、PADのT.I.Pと違いがわから なかったらどうしようか?という一抹の不安、これでコスパの割に音の変化が なかったらへこむなぁと覚悟して、いざ試聴! 腰も痛いし、もう座りたくて、とにかくベストパフォーマンス聴いてやる、 投げやりな気持ちでE.M.G-boardに望みました。 手っ取り早くアースコードを接続して試聴。 これは、超やばいです! ほんとうにすげぇという音! 聞き慣れた曲が別の演奏のようです。 なぜなら、いつも聴いていた曲がゆっくり演奏しているように聞こえる。 そして、なにより自然なのです。音に違和感がない!! これは私がとても大事にしているポイントです!! 協調せずに、削りすぎずに。ただただ、自然な音なのです。 これは超やばいです。さらに2枚追加して使ったらどうなるのだろうか? T.I.PはChronos、Vivaldi Upsamplerの下に設置してあるので、2枚目と3枚目 のE.M.G-BoardはdCS 992/II、dCS Vivaldi DACの下に設置した。 ここで問題に気づいた。 ラックのゾーセカスの棚板よりも、E.M.G-Boardの方が数ミリ奥行きがある。 E.M.G-boardが木製のフレームに2センチくらいの若干ひかかってしまうのである。 そうすると、E.M.G-Boardが撓む。これは、まずいなぁ。 E.M.G-Boardのパフォーマンスを最大限に発揮できないかもと思い、川又さん にヘルプを求めたすると、下記のように丁寧なアドバイスをいただいた。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より ちょっと大変ですが、zoethecusを使用した場合の根本的な対応方法をご案内します。 これは本当に大変ですが、zoethecusに乗せているものをいったん降ろします。 次にzoethecusの棚板も取り外します。 そうしますとzoethecusの木製フレームのコーナー4か所にはアクリルの板が ななめに取り付けられており、そこにはウレタンのクッションが1か所で5枚 貼り付けられているはずです。 このクッション材は経年変化でつぶれてきてしまいますので、その上に E.M.G-Boardに付属している丸いフエルトを貼り付けて下さい。 その際に付属のフエルトの厚みが1枚分だけだと足りないと思いますので、 フエルトを三枚か四枚に切り分けて積み重ねて貼り付けて厚みを厚くして下さい。 このフエルトを棚板と木製フレーム・コーナーの支持部の間にはさむ事で 棚板がフレームよりも高くなりますので、その上で棚板にE.M.G-Boardを乗せ ることで木製フレームよりも棚板が浮き上がった状態で使用出来ると思います。 作業が大変ですが、ゾーセカスの良さを生かしてのセッティング方法として お薦め致しますので頑張ってみて下さい。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 本当に大変でした…。はい、ご指示通りに致しました。 またもやへとへとです。 DACもマスタークロックも傷つけたくないし、まして、落としたりしたら…と 必死になり、中腰での作業をすること、2時間あまりへたばりましたが、 肉体労働後の音質の激変を信じて、汗水垂らして人に手伝ってもらいながら なんとかコンポーネントを元に戻してみると、今度はちゃんとE.M.G-Boardが 棚板の上に乗っている。これで、GO!! いざ試聴です!! 六畳間のオーディオルームが何十倍にも広がったような音場!! スピーカーの裏側の壁面が消えています!! ホール録音では演奏会場の広がり感が以前よりリアルで「自然」になっています。 プリアンプのボリュームを上げても、音象が膨張しない。いい感じです!! ここで、ちょっと気分転換にPCオーディオでの効果を試してみたくなりました。 ハイエンドオーディオにしかこのボードは効果がないのか? そんなはずはないでしょう。 きっとコンシューマーレベルのPCオーディオでも効果は実感できるはず、 との期待を持って普段使いのパソコン、USB-DACに設置してみた。 パソコンはノートPC(Windows XP)、USB-DACはTEAC UD-501です。 http://teac.jp/product/ud-501/ パワードスピーカーはONKYO GX-77Mである。 http://www.jp.onkyo.com/pcaudio/poweredspeaker/gx77m/index.htm ビリージョエル 「ピアノマン」よりオネスティーを選曲。 アースコードはUD-501のねじをゆるめて差し込んだ。 すると、「such」の「s」「オネスティー」の「お」など、単語の冒頭の音が 明瞭になりました。ヴォーカルの旋律の抑揚が明瞭になった。 アクセントの位置、ピアニッシモで歌う箇所などが一層協調されて聞こえる。 これ、やばいです!! UD-501がまるでハイエンドDACのように聞こえます。 もっとも、Vivaldi DACと比較するのは野暮という物ですが。 エントリーモデルのコンポやパソコン再生にもE.M.G-Boardは有効ですよ!! 気分転換したところで、メインオーディオにもどりましょう。 さて、dCS992/II、Vivaldi DACのアースコードを接続。 ジャー・パンファン 【遙香 far away】よりトラック3 「睡蓮」 アースコードを繋がない時は広がりながらも団子になっていたのに、アース コードを付けたら…。 冒頭のイントロで右から左に音象が確実に動く音の定位感が違う。 二胡の演奏が登場する。全然違う!!音象の定位がぶれない。 二胡の演奏がセンターの空中にぴたっと停止して、ぶれない。 二胡の外弦と内弦の音が確実に聞き分けられる。 こんなに違うのか? やばいですよ、これ!! 今井美樹 【Ivory V】に移る。トラック10 「潮騷 (2002 Live At Gloria Chapel)」 ライブ録音なので、今井美樹の姿が立体的に浮かび上がるかどうかがポイント。 結果は…期待通り。いや、期待以上です!! 今井美樹の声が平面的ではなく、ステージにちゃんと立っている、つまり、 壁面から離れた所に立って歌っているそんな風に聞こえてきました。 これ、凄過ぎです!! Vivaldiを中核とするdCSシステムが別の物のようです。 プリアンプのボリュームがどんどん上がっちゃいます。 音でマッサージをされているようで、心地よい!! ところで、dCS992/IIにはアースコードを接続する端子がない。 しかたなく、ねじをゆるめようとしたが壊れるのを恐れ躊躇した。 そこで、microUSB to RCAアースコードを某社のRCA/BNC変換アダプタを介して、 992/iiのBNC端子に接続して、アースコードの効果を試したのだった。 しかし、どうも、アダプタの接点の精度が気になる。 そこで、川又さんにmicroUSB to BNCケーブルは作れないかとお願いしたところ、 私の無理な要求を聞き入れて下さり、micro USB to BNCアースケーブルを新たに ラインアップして下さいました。感謝です。 そして、microUSB to BNCケーブルで試聴…。情報量が増えました! アースコードの騒動はこれで終わらなかった。 ふと、リアパネルを見ると、AES/EBU端子がある。 もしかして、接続端子によってアースコードの効果が変わるかもしれないと 思い立ち、Vivaldi DAc用途に購入したmicro to XLRケーブルを接続してみた。 違いました!! 明らかに、音色及び音場空間の印象が変化する。 BNC端子とAES/EBU端子のどちらが望ましいかは多分好みだと思う。 ただ、音が変化することは確かです。 もちろん、Vivaldi DACでも上記と同様のことを試しました。 音が変化しますね。傾向は同じです。 概して、アナログ系にアンバランスケーブルとバランスケーブルを使った際の 音の変化に似ているようです。 ついでに、Vivaldi UpsamplerはT.I.Pの上に乗せてあるのですが、このボード にはアースはない。一つ上の棚に置いてある992/II用のE.M.G-Boardには2個の microUSBアース端子があるので、空いているアース端子からmicroUSB to RCA ケーブルをUpsamplerに繋いでみた。 またもや、音が変化!フロアーノイズが下がりました! これは、きりがない。 選曲に合わせてアースコードを繋げばその時の気分でいろいろな印象の音場が 再現されそうです。 アースコード接続の有無で音の違いをまとめると次のようになる。 1.アースコードを接続すると、センターヴォーカルは音象が小さくぴたっと固定する。 2.アースコードを接続すると、PCMのサンプリング周波数を176.4kHz以上に アップサンプリングし、量子化ビットを24あるいは32ビットにした時と同様に、 音の解像度が上がる。 3.音場空間の広さはアースコードの有無によってはあまり変化しない。 4.アースコードを繋ぐと、音場がクリアになる。 繋がないときはあたかも音に霞がかかったような印象になる。 5.アースコードを繋ぐと、余韻が漂うと共に、ハイハットなどの発音点の打音 の瞬間が音象と分離される。ハイハットの打音と余韻を例に挙げれば、 (1)打音の瞬間にドラムのスティックがハイハットに打ち付けられる瞬間の 位置は限りなく「点」となり、 (2)その後のハイハットの振動音が音象となり広がり、そして… (3)その音が消滅していく余韻の持続とフェイドアウトというように、明確に 三つのフェイズに分割して聴くことができる。 GND恐るべし!! こうなると、アナログ系に使用したらいったいどうなるのだろうか。 期待が膨らむ。まずは、Synergy 2iに使ってみた。 アースコードは、microUSB to RCAケーブルをKardasのRCA・XLR変換コネクタ でXLRプラグをinput端子に接続。曲を聴く。 すごいです! 背景が静かです!! サウンドステージも左右に大きく広がる。 その一方で、音源が中心にまとまる傾向が感じられた。 且つ、S/N比が高くなったためか、音の荒さがわかるようになってしまった。 テレビで言えば、高解像度で何十年前のフィルムを見るようです。 音が粗くて聴いていられず、今回はこれを止めておきましょう。 次に、パワーアンプに使用したらどうなるか? デジタル系は変えずに、プリアンプからパワーアンプにE.M.G-Boardを移してみた。 私のパワーアンプJEFFROWLAND Model 12はRチャンネルの本体プラス電源・ Lチャンネルの本体プラス電源と4段重ねになっている。 E.M.G-Boardはリバーシブル使用。 ということは、上下の空間に効果が広がると言うことになる。 であれば、Rチャンネルの電源部とLチャンネルの本体の間に入れれば一石二鳥になるはず。 microUSBの端子も2個有るので、MicroUSB to RCAケーブルを2本接続していざ試聴! 最後は、グレングールド【ゴールドベルク変奏曲】を聴く。 もう、元に戻れない音というか目の前にピアノがスタジオの中にぽつんと置い てあってグレングールドが弾いている気配が生々しく、このオーディオにも まだ先があったのかと思わせる音!! 悦楽!! 官能的です!! 終わりに… 道楽とは、道を楽しむというが、オーディオも終着点という物はなくて、 一歩進むと、新たな地平が見えてくる。 お金も時間も切りがない悪く言えば、底なし沼の蟻地獄だが、良く言えば、 期待と好奇心の向こう側にまた一段上の悦楽が待っているとも言えよう。 生涯所得の何分の一かを投資したコンポーネントたち、Esotericも、dCSも、 Jeffも、無限の可能性があることを改めて実感した。 音が変わること、それ自体がおもしろい。 それこそがオーディオの道楽の原点だろう。 そういう意味では高級オーディオでなくても、TASCAMのUD-501であっても、 ちゃんと悦楽の高見へ誘ってくれる、そんなアイテムがE.M.G-Boardでした。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より K.I 様ありがとうございました。気に入って頂けて何よりでございます。 私が実験していない分野まで試聴と評価をして頂きまして感謝致します。 そして、本日9月5日には久しぶりのご来店で、ESOTERIC Grandioso C1の 登場で完成したGrandiosoフルシステム全てににE.M.G-boardを使用しての試聴 を楽しんで頂きました。そして、今だけしか聴けないという貴重なスピーカー にも大変感動して頂き喜んで頂けた事を私も嬉しく思います。 K.I 様とは20年近くのお付き合いとなりますが、これまで導入された機材が 音質の根底を支え、そしてE.M.G-boardでその根底を押し上げることが出来た ということは本当に私も嬉しく思いました。ありがとうございました。 E.M.G-boardはハルズモニターで試聴中の会員がまだ他にいらっしゃいます。 皆様に鍛えて頂き、それが他の会員の皆様の音質向上につながるのであれば 私も本望でございます。皆様からのE.M.G-boardのご感想をお待ちしております。 |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!! |