《HAL's Monitor Report》
No.0222 - 2004/6/7 宮城県在住 T O 様より モニター製品 ナスペック PPR-100 「H.A.L.'s Monitor」をお願いするのはこれで2度目です。 1度目は、だいぶ前になりますが、N801用にCooper Headを試聴さ せていただきました。その時も感じたことですが、今回も迅速な対応に さすが「プロ中のプロだな」と感心しました。 さて、バッテリー電源を使用しての感想ですが、結論から先に述べると この製品は使えます。音質の向上とそれに要するコストの関係から みれば人それぞれの感じ方、考え方はあるでしょうが、やはり、川又氏が 薦めるだけの製品であることはことは確かだと思います。 今ではあまり話題にもならなくなり、半ば見捨てられた感じもうける 801ですが(笑)、この4年間、ひたすらこのSPをよくならそうとだ けしてきました。 その結果現在のシステムは下記のようなものになっています。 (といっても、ハイエンドのユーザーの方々から見れば、あまりたいし たシステムではありませんが・・・・笑) P−0s VUK →Levinson 30.6L→380SL→334L、335L → N801 これを、NORDOST、NBS、Synerjistic Research、MIT、Nirvana等の トップモデルを中心にケーブルをとっかえ、ひっかえしながら使っています。 (一貫性のなさ!笑) こんなシステムのなかに、今回のPPR-100を迎え入れました。1週間から 10日といわれた試聴期間だったのですが、仕事の都合で少しオーバーして しまいました。(スミマセン!) この間にクラシックはオケから室内楽、器楽、声楽まで、ジャズもビッグ バンドからトリオ、ソロとまた他のジャンルのものまで、いろいろと聴くこ とができました。 枚数が多いため、タイトル名は列挙しません。様々なディスクを試聴した 結果、自分なりに感じたメリット、デメリットを述べさせていただきます。 メリット 1.バッテリードライヴにしなくとも、PPR-100を通したACの音がやや滑らか な印象で、悪くは感じない。ただこの作業は煩雑なので、何度も繰り返 して比較試聴したわけではありませんが、普段聴き慣れたディスクで 「悪くなったと」は一度も感じませんでした。これは長時間のリスニングには 大事なことだと思います。充電中、いちいちACケーブルをPPRー100から 壁コン等に繋ぎ変えていたのでは面倒くさいですよね。 1.1番肝心のバッテリードライヴの音ですが、一言でいって滑らかになる 印象です。ACの音もやや滑らかになると書きましたが、バッテリードライブ でははっきりと感じます。弦でも声でも刺激成分や歪感が減り、 その結果滑らかに或いは艶やかになったと感じます。 3.既に以前のモニターレポートで、どなたかがお書きになっていたと思い ますが、悪くなったと思えるところがないことです。価格的にこの製品と 同クラスか、少し上の国内、海外の電源コンディショナーをこれまでに 使ったことがありますが、良い点と同時に気になる点もありました。 気になったところをあげると、高域がのびずつまったようになる、音場全体 に何か薄い幕でも降りたようになる、音が磨き上げられてつるんとして しまう(こんな表現でわかるかな?)・・・・といったことがあったのです。 そういう気になる点はこのPPRー100からは感じられませんでした。 デメリット PPRー100をACからバッテリーにスイッチを切りかえたとたん、「ヴ−ン」と トランスのうなりのような音がします。これはもしかすると我が家だけのこと かもしれませんが、最後までこのうなり音はしました。ただ、P-0sを1台だけ 繋いだときはさほど大きな音ではないので、5mほど離れた試聴位置では よほど耳を澄まさない限り聞こえませんし、音楽が流れているときはもちろん 全く気にはなりません。ところが、P-0sにDACやプリを繋ぐとこのうなり音は と大きくなります。特にDACの時は消費電力が大きいのか、「ヴ−ン」と うなり音も大きくなります。これはちょっと気になりました。(笑) この点からも、フロント機器1台につき1台のPPRー100という使い方がベスト ですね。(何という贅沢!笑)それにちょっとしたパワーアンプ並の大きさである PPRー100を2台、3台と置くと、全ての機器を1段置きで使っている私に とっては、置き場所も相当気になります。設置方法を考え、「お財布」に相談 しないといけませんね。特に「お財布」への相談はかなり厳しくなりそう・・・・ (笑)。 あと、これはデメリットということではないのでしょうが、PPRー100はノイズ フロアをぐっと下げて、音場の透明感や静けさが増すといった作用の仕方は しないように思います。 最後にしつこくまとめますと、繋ぐ前と比較して悪いところは出さずに 刺激成分・歪感を取り除き、滑らかさや艶やかさを増してくれる 製品というのが私の印象です。やはり電源の整備は必須事項ですね。 川又様、(株)ナスペック様、 今回は貴重な経験をさせていただきありがとうございました。 |