《HAL's Monitor Report》
No.0210 - 2004/2/20 広島市在住 N N 様より モニター製品 ULTRASONE Edition7 http://www.timelord.co.jp/ULTRASONE/PRODUCTS/products.html http://www.timelord.co.jp/ULTRASONE/PRODUCTS/edition7.html 先日お借りした商品のレポートをお送りします。 非常に遅くなってしまい、誠に申し訳ありません。 まずは我が家の現在のシステムを。 CDプレーヤー:classe OMEGA SACD ↓(Dolphin Analog ver.3+/AC:Dolphin PS.1) プリアンプ:RedRoseMusic 3A SilverSigneture ↓(Dolphin Analog ver.3+/AC:Dolphin PS.1) パワーアンプ:RedRoseMusic 150 ↓(Dolphin SP&JB XP/AC:Dolphin PS.2*2) スピーカー:VerityAudio Parsifal Encore(Makore) まだまだ土台・ルームチューニング等が弱く、とうてい山頂は見えない 状態ながら、大きな不満もなく音楽を楽しめています。 しかし先日妹が出産のために帰省し、産後も含めて2ヶ月弱ほど音量 に不自由な生活が続きました(^^;; これまで使用する機会に恵まれなかったヘッドフォンへの興味が沸いて きたところへ、グッドタイミングなモニター案内の配信!! 買うならば現状の音にひけを取らない良い音を!と思いますし、更には この製品は限定生産品とのこと! 日本人ってのはつくづく「限定」という言葉に弱いですね〜(私だけ?) さっそく餌に飛びついてしまいました(笑) そして、数日後にはヘッドフォンと専用アンプのセットが我が家に到着! 仕事の疲れも吹き飛び、「また何か買ったの?」と不信な目を向ける 家族に背を向け、そそくさと部屋に運びこみました。 今回のヘッドフォン試聴用のシステムです。 CDプレーヤー:classe OMEGA SACD ↓(Dolphin Analog ver.3+/AC:Dolphin PS.1) HPアンプ:SAEC HP-2000 ↓(Dolphin Analog ver.3+/AC:Dolphin PS.2) HP:ULTRASONE Edition7 HP-2000は比較的低価格ながら今回の主役であるEdition7と同じSRS(脳 内定位機能)を搭載しており、ULTRASONE社の輸入代理店であったSAECが 専用に作ったアンプだそうです。 つまりEdition7の能力をフルに発揮できる相棒って訳ですね(^^) さて、最初にこの製品のウリでもある装着感を確認。 これは・・・グッドです!!! ベンツのシートに使用されている高級レザーっていう売り文句は伊達 ではないですね。 軟らかく、それでいて湿り気を帯びたようなしっとり感が優しく肌を 包みこみ、適度にひんやりと心地良い装着感。 頭部の絞め付けも丁度良く、本来は心持ち少しキツメかな?という感 じですが、レザーの軟らかさが絶妙でキツサを感じさせません(^^)/ これは良いですね〜〜〜! しばし余韻に浸った後、気を引き締めて本命の試聴開始です。 まずは試しにと、先日衝動買いしてしまったJ-POPから(^^; 倉木麻衣 『Wish You The Best』 録音は期待せずに軽い気持ちで買った物ですが、うちでは結構まともに 歌ってくれて安心したCDです(^^; さて、期待のEdition7で聴いてみたところ・・・ あまりの酷さに脱力感が(T□T;; よくJ-POPが「ドンシャリ」と評されるようですが、まさにその音でした。 不自然なまでに強調された低域と、キツク耳障りな子音。 破裂音の度に鼓膜に突き刺さるような不快感(涙) これについてはTruBassのツマミを0にすることで軽減できましたが・・・ 腰を折るような出だしに、ちょっと弱気になります(^^; ではジャンルを変えてと思い、次のCDを。 ナナ・ムスクーリ 『アメイジング・グレース』 某ドラマに触発されて最近また引っ張り出したCDです(^^; 数あるアメイジング・グレースの中でもベストと思う歌声ですが・・・ これは相性が良いですね! 伸びやかな広域の余韻だけでなく、力強さまでしっかりと再現。 音場も自然にふわっと広がり、音楽に浸れます。 おおーー!と思わず顔が綻んでしまいました。 じゃあこれはどうか?2者の中間と思われるCDを。 平原綾香 『Jupiter』 説明するまでもなく、原曲ともども有名な曲ですね〜(^^) 力強いブレスと重厚で魅惑的な低域、うってかわって美しくのびる広域、 そして両者のハーモニーが幻想的に広がります。 こちらも安心して聴けました。 こりゃあ1発目の名誉挽回かな〜 その後も大貫妙子、宇多田ひかる、サラ・ブライトマン、サイモン&ガーファ ンクルなど新旧織り交ぜたボーカル中心のCDをとっかえひっかえ聴いて みましたが、総じての印象は「アンプの機能を使用するなら聴く曲を選ぶ」 「機能オフなら高レベルで安定して聴ける」といったところでしょうか。 ただし、SRS等を解除した状態がEdition7の能力をどれだけ発揮している のかは未知数ですが・・・(^^; 結論として、良かった点をあげますと・・・ Edition7本体の完成度の高さ。これに尽きます!! 低域から広域まで苦もなく再生するレンジの広さ。 スピードもあり曲の変化にしっかり追随してくれるのは流石ですね。 セットで使ったHP-2000のSRSの効果とマッチングした曲では、まさに 最強、天井の調べを奏でてくれます。 フィット感も良く、重さも手頃で丁度良いです! ヘッドフォンを装着したままリクライニングチェアーで横になってみま したが、位置さえ調整すれば圧迫感を感じることなく使用できました。 (他と比べたことはないですが、私には不満のない物でした) コードの長さも充分にあり、端子も充実しているため使用に不便は感じ ないと思います。 (能率が不明なので携帯プレーヤーとの相性は分かりかねますが(^^;) 次に不満点ですが・・・(^^; Edition7については、本体の外観が少々安っぽく感じられたことと、 収納する木製ケースが期待ハズレな出来だったことが不満でした。 本体以外に費用をかけることへの賛否はありますが(パーシファルは 売価の3分の1はケース代では?と思ってしまいます^^;)、Edition7に ついては公式ページでもその高級さを売り物にしている訳ですから、 徹底的にこだわりを見せて欲しかったですね〜(^^; セットでお借りしたHP-2000については、 これは私の求める方向性とは違う製品であり、結果として好みが合いま せんでした(^^; このアンプの特徴であるSRSとTruBassですが、共に従来のヘッドフォン システムの欠点の改善・補完を目的とした「加工された音」であると推測 します。 ソースの情報に色付けせずに、「ありのままの音楽を楽しみたい」私には 方向性の違う音に感じました。 SRSはonにすると確かに音場感というか余韻は広がるのですが、極端な 話、ツマミを最大にすれば銭湯の中で聴いているような音になってしまい ます。 イメージとしては、ヤマハのDSPをかけた感じに近いかな? 曲によってツマミで調整すればバランス良い音にもなりますし、エコー感 が非常に合う相性のよい曲もあるのですが・・・ 私には人工的に味付けされた感じがして好きになれませんでした(^^; TruBassについても、上記の感想でも書いたように、曲によっては不自然 に強調された低音が再生されてしまい、加工された音といった印象が強 くて馴染めませんでした。 これもツマミで調整できますが・・・私は専らoffにしていました。 (ただ、私は元々低域の強さを求めずスローテンポの曲をのんびり聴く人 間ですので、そこを差し引いて読んでください(^^;)) 最後に、 このたび大変迅速・丁寧に対応くださった川又店長と猪瀬さん、そして タイムロードおよびサエク社にはこの場を借りて深くお礼申しあげます。 おかげさまで非常に貴重な経験が持てました。 せっかくご好意でお借りしたにも係わらず、営業には役立ちそうにない レポートになってしまったことをお詫びいたしますm(_ _)m ただ、製品の良し悪しということではなく、自分の求めるスタイル・音に めぐり合うのは個人では至難の技ですので、このような機会を頂き、自 分の好みが再認識できたことは非常に有りがたく思っております。 どうやら私はヘッドフォン派には転向できない人間のようです(^^; 次はQRDかイルンゴのアンダーボードの導入かな〜(^^; |