《HAL's Monitor Report・RELAXA3PLUS特別編》
No.0169 - 2003/3/12 埼玉県川口市在住 LUX FAN 様より モニター製品 ・RELAXA3PLUS 「ないのなら、創ってしまえ ホトトギス」by LUX FAN 目次 1.はじめに 2.RERAXA3とは 3.ヒアリングレポート 3.1 出演者 3.2 ヒアリングシステム 3.3 R3の印象 4.ないのなら、創ってしまえ ホトトギス 5.ブリッジくん登場 6.メリットと要望 1.はじめに いやー、いいものを輸入してくれましたユキムさん。 これは、音質はもちろんのこと、タイトルにも関連することなのですが 発展性があるという点で大変評価しているものです。 私のモットーは「やってみる、変化がないと思えば気にしない」です。 この趣味の世界は「ああすれば、こうなる。」「こんなことはしてはい けない。」等色々な諸説があり、やってみたいことも多いし、やって みたけど変化がなかった場合は不安になったりすることもあります。 私は、「できる範囲でやってみます」、そして「自分の感覚として変化 が感じられなかったら」、それはそれで「いいじゃないですか」と気に しないことにしています。これオーディオを楽しむ私の秘訣です。 そして、発展性のあるRELAXA3に一味工夫してみました。 この報告を中心として、加えてRELAXA2(以下、R2)とRE LAXA3(以下、R3)の比較をレポートしてみたいと思います。 2.RERAXA3とは R3の構造を詳しく見てみましょう。 RERAXA3(以下、R3)の構造 ・ガラス板:縦・横;44×54cm、厚さ;0.8cm、重さ;約4.6Kg(実測) ・フット(ガラス板を支えるシリンダー)底面約4cm、上面約2.5cm(実測) ・ブリッジ(フットを一定間隔に固定するもの):縦・横;40×50cm(実測) R3はRERAXA2(以下、R2)とはまったく構造が違います。 まず、フットという磁石を内蔵した構造のものが別途あります。 この独立した構造になっているというのが今回の重要なポイントです。 では、R2はこの部分はどうなっていたでしょうか。磁石がむき出しになって おり、この磁石が底面と天板に付いていました。また磁石の付いた天板が所定 の位置にあるように底面にガイドピンが付いていました。 このため、磁力が外に漏れやすい、ガイドピンがあるため天板が沈み込むと下 から出てきます、このため天板以上の大きさの機器は載せられません。 また、注意しないとガイドピンで機器の側面を傷つけてしまうことになります。 R3の特徴的なフットについて少し詳しく見ていきましょう。 形でいえば、タイヤハウスのそばについているショックアブソーバーに構造 が似ていますね。ただし、ショックアブソーバーはショックをコイル状のバ ネが吸収して、そのゆれを収めるという目的ですのでちょっと目的が違いそ うですね。 ショックアブソーバーの中には油の粘性に代えて空気で、そのゆれを治めよ うとしたものもありましたが、R3のフットは底に比較的大きな穴が開いて いるということは純粋に磁石の反発を利用しているみたいで、空気をあまり 利用していないですね。 密閉型にすれば水鉄砲の要領で更に荷重に耐えられると思いますが、載せる ものの重量や更に精度が要求される等理由があるのでしょう。 次に、R3では天板がアクリルからガラスに変わっています。 当然、アクリルのままでも良いのですが、替えてきたと言うことは音質の ことを考えてとにらんでいます。 それも、強化ガラスです。昔、学校で試験管を床に落としても簡単に割れな かったようにこれも同様な素材でしょうから割れ難いと思います。これは、 音質というより取り扱い優先とにらんでいますがいかがでしょうか。 軟性の方が振動を吸収しそうで良いような気も・・・。 さらに、ガラス板の4辺は直線ではなく丸みが付いています。ここら辺の デザインがイタリアのセンスというところでしょうか。 3.ヒアリングレポート 3.1 出演者 R2、R3、フットくん、ブリッジくん、ガラスくん、コーリアンくん 3.2 ヒアリングシステム CD:P0(ESOTERIC)、DAC:D−70(ESOTERIC)、 Pre:SC−5with BB-5(marantz)、Pw:M−2000(Accuphase)、 SP:DS−1000ZX(DIATONE) 今回はESOTERICの論文コンクールの時から居座ったままになるDAC のD−70にR2やR3を載せかえて比較してみました。 ケーブルをはずして、載せてはケーブルを繋ぎ、又ケーブルをはずしてもう 大変でした。次回はぜひ健究所長を派遣させてください。 3.3 R3の印象 R3の印象の前にR2はどうだったかを復習して置きましょう。 R2については、以前川又さんが紹介されたように皆様や川又さん自身も述べ られておらせますので省略しますが、実は私も以前報告して購入おりました。 http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0129.html これを要約しますと「R2にプレーヤーを載せると音が左右、前後に広がり、 音が立体的に再生されて来る。反面、ソフトによっては響き過ぎることもあ る。」というものでした。 R3の印象については、既に皆さんや川又さんからさまざまな表現をされて いるので、引用してみましょう。 「低域がしっかりした」「鮮度が上がった」「爽快感が増した」「解像度が 増した」「空間の広がりと見通しが良くなった」「タムが引き締まっている」 「ベースの散らばっていたエネルギーをかき集めたみたい」「ボーカルの口元 の搭影面積が小さく引き締まっている。」「低域の楽器を凝縮する方向で作用 している」 皆さん、それぞれR3を聞いたからわかるすばらしい表現をされています。 私が付け加えるとすると、R2は響きの良い金属(例えば、寺の鐘を小さく したようなものを想像してください。)を叩いた時、響きがゆっくり減弱し ていくように聞こえます。 一方、R3は低域がでるようにその鐘を少し大きくしたものを叩いたすぐ後に 手を添えて響きを止めてしまったような音に聞こえました。叩いた瞬間の音は R3の方が少し低い音域も含めて出てきますが、響きの長さが違う音です。 したがって、後から来る音と重なり合わず音そのものがクリアーに聞こえます。 このことによるのでしょうか、私のシステムでは中央の音が従来より薄くなり、 左右に分離して聞こえるように聞こえました。このような音が好きな方もい らっしゃるし、時間を掛ければ調整で希望の音を出すことができるかもしれま せんが、私はもう少し中央の音を濃く出したいし、口元だけでなくその顔さら にはその存在がみえるように音の周りに響きを少し追加してやりたい。 さてその方法は・・・。 ということで、本題に入ってゆきます。 4.ないのなら、創ってしまえ ホトトギス 昔、これに似たことを武将が言ったとか言わないとか。先ほどのように現状の R3では音質に関して少し自分には合わない点が出てきました。 さて、どうするか。ジーーー・・・ットR3を見つめます(写真1)。 http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/op-pho/ph01.jpg そうだ、このR3の構造上の良いところはR2とちがって天板に磁石が付い ていないことなのです。 そう、ただフットくんの上にガラスくんがのっかっているだけなのです。 ガラスくんが気に入らなければ、気に入るほかの材質のものに交換しても構造 上まったく問題ないわけです。 例えば、すぐ思いつくのが木の板であり、金属の板であり、また音の良いとい われる制振ボードなんかもためす価値ありですね。 極端なことを言えば、機器の大きささえあえば天板は無くても良いわけです。 オーディオ機器をフットくんの上に直接置けるわけですから・・・。 さらに、木や金属など塗装ができるものであれば、好きな色を塗るというのも 楽しいですね。例えば、木にニスを何層にも塗ってR3(ストラディバリ)と か、金属にメタリック塗装をしてR3(メタリック)とかいくらでも考えられま す。 さらに、1枚とは限らず2枚、3枚と重ねたり、またこの組み合わせの順序を 考えたら夜も眠れないですね。 というわけで、私はガラスくんの替わりに最近気に入っているコーリアンボード にして音質を比較してみました。 名付けて“R3(コーリアン)” コーリアンというのは、化学メーカーのデュポン社が造っているプラスティッ クで重く、硬い等の理由から大理石に似せてキッチンの板材として使われてい ます。また、オーディオの世界ではこれらの性質を利用して制振や響きがきれ いということからスピーカーのバッフルやパワーアンプの側板として使われる こともあります。 人工の物ですから色は白から大理石、御影石に似せた模様をいれたものから黒 に近い色までさまざまなものがあります。 わたしが秋葉原のSムセンで入手したのは白御影石に似せて造った縦横41× 53cm、重さ約4.6Kg、厚さ1.3cm ほぼオリジナルのガラスくんに大き さも重量も同じものでした。 重量が同じということはのせるものも変わらないということです。 さて、ガラスくんに替えてコーリアンくんを載せたのがこの写真2です。 http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/op-pho/ph02.jpg みてくれは、ガラスくんのほうがいいですね。 オリジナルの音質についてもう一度整理しておきますと、磁石で浮かすことに より左右、前後の奥行き感が出てきます。一方、ガラスくんにすると響きが減 り、音が出ている部分がピンポイントでわかるようになってきます。 例えば、ボーカルを聞きますと音源の口元の位置がピンポイントでわかるよう になってきます。しかし、私は「もう少し顔が想像できたり、体に反射した音 から全身から音が出てきているように聞きたい。」という欲求が沸いてきます。 それでは、お話のボーカルに登場してもらいましょう「PURE ACOUSTIC-大貫 妙子」から“突然のおくりもの“。 「出ました!!」 お化けじゃなくて「顔が」口元だけではなく顔全体がみえます。 それに、薄かった中央の音が濃くなり、歌っている人の後ろからオーラの 光が射すように音の広がりが見えるようです。 ピアノの右手が鍵盤を強く叩いたときに出る「ガツン」という音も出てきま した。次にオーケストラを再生して見ましょう。川又さん推奨の「くりみ割り 人形」から1番、左右に明確に分かれていた音がスピーカーから離れ中央に 集まってきました。 左右、奥行き感はそのままに中央の音が濃くなったため、オーケストラの演奏の 一体感がでてきました。また、トライアングルの音が高音だけでなくもう少し下 の音も再生されるため力強く聞こえます。 では、管楽器ではどうでしょうか。「メロディー- 諏訪内晶子」から“なつかし い土地の思い出作品12”後半の7分以降のバイオリンの最低域から最高域まで に徐々に上がっていき、音が徐々に小さくなって消えてゆきます。 この低域と高域の再生と響きを聞いてみます。今までと同じですね。低域が力強 く再生されます。ただ、高域にちょっと響きがのるようにも聞こえます。 さらに、人工的に響きをつけたソフトではどうでしょうか。 「エルフィン-今井美樹」から“エルフィン”。これはだめですね。お風呂場と はいいませんが響きすぎます。調整が必要です。 その他、フルートで高域をチェロで低域を確認しましたが、同じ結果でした。 したがって、コーリアンくんにしたときの音はオリジナルのガラスくんに少し 響きを加えて、低域を強化した音という印象でした。あくまで、私のシステム で聞いた場合はという条件は付きますが。 さあ、まだまだコーリアン以外にもさまざまの材質がありますよ。 皆さん楽しんでみてください。 5.ブリッジくん登場 ところで、登場の機会のなかった「ブリッジくん」そこで何してんの? 私 「ジー・・・(見つめる音)」 ブリッジくん「たらー(冷や汗の垂れる音)」 私 「ガラスくんやフットくんの活躍に比べて、もしかしてあなた要ら ないんじゃないの!」 ブリッジくん「ウッツ!」 私 「色もグレーで地味だし。ホラ叩くと響くでしょう。響くのあなた が原因、もしかして鉄でできてるの?色でも変えてみない。」 フットくん「ウッソー!」 私 「何色が良い?!シャンパンゴールドなんかどう?オーディオ的に はやっぱり黒?いっそイタリア製なら思い切って赤なんかで自己 主張してみない?!」 フットくん「エー!・・・。(助けて、助けて・・・)」 さて、この結末はどうなるのでしょうか。乞うご期待。 6.メリットと要望 最後に、R3のメリットと更なる改良が行われることを期待して要望を まとめさせていただきました。 メリット ・R3の天板はガラス製であるため、R2のアクリル板に比べて傷つき難い。 ・構造上、天板を替えることによって色々と工夫できる。 板の大きさのことは書きませんでしたが、重量さえ許せば大きな板を載せ てより大きな機器を載せられます。 ・天板のセットがしやすい。 R2は磁石がむき出しのため反発力と吸着力が強くセットするのに苦労し ました。一方、R3は置くだけです。 ・外に漏れる磁力が少ない。 フット内に磁石が入っているため磁石同士がくっつくことも少なく、オー ディオ機器への影響も少ないと思われる。 ・デザインが良い。 音質を優先してコーリアンの板にしましたがやはりガラスが一番スッキリ していて、浮いている感じがします。 要 望 ・ガラス板をオプション設定していただきたい。 強化ガラスですが、割れたときの補充用として、さらに2枚重ねにして 音の変化を楽しむために ・ブリッジと天板を小さくしたものを作っていただきたい。 標準的な棚に入るようにするためであり、大きい機器を載せるときは大きな 天板を載せることで対応可能です。 ・高さを低くする。 標準的な棚に入るようにするためです。 ・要望というより希望ですが、このレポートのようにオリジナルの材質の ボードを造って販売していただきたい。 さあ、左右や前後の広がり感および天板を取り替えて音の変化を楽しむには、 まず“RELAXA3”を入手しなければ始まりませんよ。 ケーブルの次に交換して楽しむのは“RELAXA3”のボードの交換だと いわれるように、皆様!手に入れて一緒に楽しみましょう! |