《HAL's Monitor Report》


No.0142 - 2002/11/26

神奈川県川崎市在住 H・K様より

モニター製品 B&W Signature 805

  (株)ダイナッミク・オーディオ
   川又店長殿

先日はB&WSignature805 の試聴の手配を賜りありがとうございました。
B&W社製品には川又店長の高い評価と熱意を”ハルズ・サークル”や
5555HALで経験しており、小生の胸 中も穏やかならぬ存在です。
今回B&W社製Signature805を自宅で試聴でき大変感謝致しております。
以下に所感をお送り致します。

◇試聴システム概要:

・入 力   :Studer A-730
・プリアンプ :Marklevinson 26SL
・パワーアンプ:Macintosh MC500
・ケーブル類 :Cardas(Pre-Power間)、Neotec(Speaker-cable)
※通常はTannoy Westminster(一番初期のモデル)で聴いています。
 今回はスピーカのみS-805に置き換えて試聴しました。  
 
◇設置で問題発生

S-805は専用スピーカ台があることは百も承知していましたが、本体のみ
お借りしましたので送られてき  た当日、はたと困ってしまい、とりあえずは
昔使っていたAr3aを納戸から取り出しその上に置いてスイッチON! 
WestminnsterとはS/Nが格段にいいなー位の印象で1時間ほど試聴しました
が、いつもの5555HALや輸入オーディオショーのB&Wの印象とはだいぶ違う?
でもすぐにわかりました!

その根拠は、もうずいぶん前になりますが、川又店長が開催されていた試聴会
での「音波の伝搬とエンクロージャーの影響の(口元に薄い雑誌両方に開いて)
解説」を思い出し、これはスピーカ台を整える必要があることに気づきました。
今から購入は間に合わないと、友人に拝借することにし再設定しました。
その結果、我が家でのB&Wの音場がそれらしくできあがり試聴を重ねました。

◇オーディオに対する考え方

音楽の聴き方、聴くジャンル、再生技術、資金力等々、それぞれに十人十色で
あることを前提に、またオーディオ環境の構成のどの一部を変えても再生音は
変化することも川又塾で経験済みです。従ってオーディオについての評価基準
を何にするか?、たとえば5555HALのハイエンドシステムもいいだろうし・・ 
 
ただ先立つものの制約上、小生の場合は、クラシック中心に聴くと言うことも
あり、コンサートホールの印象(残像)を自宅でいかにイメージできるかと言
うことを考えています。  

考えようによっては一番大変なことかも知れません。

が演奏家の主張、雰囲気がオーディオシステムでイメージできればいいと・・
・・・・。
こういう事はいくら言葉を換えて表現しても解釈がそれこそ十人十色で、
評価基準を定義することは不可能です。
私自身長い間合唱をやっています。特に近年(17〜18年)は男声合唱に熱
中しています。その経験から身にしみていますが、いい演奏をするにはいい
ハートが必要であり、そのためには心身共にいい人間性を持ち合わせていな
ければ・・・・・・。

なんか説教じみてきましたのでこれでやめますが、オーディオ再生にも人間
性、音楽性がそのままでてくるようで、実は「怖い」という気がしています。

◇B&WSignature805について

今回は自前のWesminsterとのCD一枚ごとの比較試聴と言うことはしませんで
した。あくまでもS-805の音楽の表現が我が家でどのように鳴ってくれるかと
言う事を主眼に試聴しました。  

10日間で約14時間、土・日曜日を中心に試聴しました。

主なCDは以下の通りです。

1.  PHILIPS  410448-2  Wagner TRISTAN und ISOLDE
2. BRAHMS Lieder  (JessyeNorman & D.Fischer Dieskau  Daniel
Barenboim)
3.  F35G 5031  B.ファスペンダー「Frauenliebe und Leben」(女の愛
と生涯?)
4. DG 463259-2  ANNE SOPHIE MUTTER  「Vivaldi  LEQUATTO 
STAGIONI」
5.  TOCT 9921  須川展也 美しい夕暮れ
6.  SRCR2095  宮本文昭ベストアルバム
7.  VICC 60276 佐藤美枝子(SOP)「さくら横ちょう」
8. EsttifilharmonicKammerkoor  「BalticVoices」

〈私の評価〉

・W estminnsterに比べ(スピーカだけを変えただけ)S/Nが圧倒的に
 優れている。その結果、音楽の静かな部分の表現が際だって好ましい。
・同じ事かも知れませんが、高域が澄みきって聞こえる。
・音場の表現は明確に全面にでてくる。ただし5555HALのS-800がどうしても
 気がかりになってしまう。
・低域は少々余裕が無いと言う印象。

今回16日に横浜県立音楽堂でEstonia Philharmonic Chamber Choir
(世界一流の混声合唱団)を聴き、たまたま会場で同じ演奏曲のCDを買っ
てきて早速S-805で試聴しました。結果、会場のホールトーンの表情が少々
不足という感じでした。もちろんアンプ、ケーブル等機器の構成要素に
よっては違った表現になると思います。

◇結 論 

やはりS-800を追求しようということですかね。
悩みは続く・・・・。でもいい経験でした。
 
正直言って、川又店長主催の試聴会に参加し始めた頃は、アンプやプレイヤー
は技術とともに変わっていくだろう、しかしスピーカーは変わり様が無いと
信じていたものでした。

しかしながら近年の技術の進歩でスピーカがこうも変わるのかと驚いていまし
た。その最先端とも言えるB&W Signature805 の音を自宅で試聴でき、
Westminsterを選定するときにJBL4344と比較し迷っていたのが懐かしく思い
出されます。やはりS-800目標にがんばろうと言う気持ちです。 
川又店長ありがとうございました。  



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