《HAL's Monitor Report》


No.0112 - 2002/6/9

東京都文京区 K・H 様 より

モニター対象製品:PAD AC TANTUS 0.75m
         PAD AC PROTEUS 0.75m
         PAD CRYO-L2


使用機器 
KRELL KAV 300iL
KRELL KAV 280cd
B&W N 804
MIZUNOSEI XLR  インターコネクト
MAXIMAS Biwire スピーカーケーブル

スピーカーケーブルの交換で音が激変することは以前より体験しており、
4月中旬には MAXIMUS BIW を導入しました。システムエンハンサーを
2晩かけてようやく本領発揮ということでバーンインの重要性を感じて
おります。

以前より夜遅く音楽を聴くと音が綺麗に聞こえる気がしておりました。
まわりのノイズが減ることもあるでしょうが、電気的なノイズの減少も
関係しているのだろうと想像していました。

そういうわけで AC ケーブルをPDAに交換するとどうなるかは興味が
ありました。他のモニターレポートではその変化が大きくうたわれて
いますが、私のような初心者でも分かるものなのか?

また使用するシステムによっては影響が出やすいものと出にくいものが
あるだろうということで今回モニターに応募させてもらいました。

まずAC PROTEUSをアンプに接続、1日システムエンハンサーをかけておく。
AC TANTUS には2晩システムエンハンサーをかける。

まずMUSE で 女性ボーカルのチェック。 AC PROTEUSと AC TANTUSは
明らかに傾向が異なる。AC TANTUSの方が重心が低くピアノはゆったり
と余裕を持って鳴る。

しかしヴォーカルはAC PROTEUSの方がより上位方向に口元が定位し、
伸びやかである。アンネ・ソフィー・フォン・オッターのコッポンゲン
では喉の奥が見えるようであった。

しかし、やや湿度が低いという印象。

TANTUSは奥行きがあるのだが奥に引っ込んでしまい伸びがない。
どちらかを購入しようかと検討している身にとっては難しい問題に
なった。良くなったのは確かなのだが導入するにはコストが高すぎる。

翌日、壁コンセントをCRYO-L2に変更し、TANTUSをAMPにPROTEUSを
CDPに接続。IMAGEを聴く。前日と異なり非常に良い。

そういえばMAXIMUSのスピーカーケーブルに変更した際にも、3日目
から音が激変したことを思い出した。バーンインが進んだものと
思われた。 特に盤古2001の『異人回廊 』 ではポ〜ンとたたかれた
打楽器の音がスピーカー間の中央の一点から音波が球状に拡散し減衰
してい行くのが認識できた。

またバックの男性のかけ声もステージ奥に半円形に取り囲んでいる
ように聞こえ自然と音楽を聴いているのが楽しくなる。
ここでノーマルの電源ケーブルに戻してみる。

やはり…立体感に欠ける。

MAXIMUS導入で音場が上下、前後に広がり、低音が力強くなり、情報量も
増えたと喜んでおりました。しかし、AC TANTUSはこれに立体感を加え、
低音はさらに力強くゆったりとした余裕を与えてくれました。

音の実在感が増したというのか、ギターや打楽器がそこで演奏されて
いるかのようなリアルさがあります。

小曽根真のwe are all aloneもゆったりと聴けます。
問題のヴォーカルですが、マライヤ・キャリーのmy allは十分に伸びが
あり、こぶしがセクシーです。

しかし、MUSEに収録されている曲の中には改善度にやや不満の残るも
のもいくつかありました。Kenny G のソプラノサックスももう一つと
いったところです。

左右の音場感の広がりも今ひとつというところ。
しかしこれ以外は満足で今後の課題というところでしょうか
(セッティングの問題やシステムの限界ということもあるでしょうし)

最後に山下達郎 ON THE STREET CORNER2からAMAPOLAをかけてみました。
やられました。今まで聴いていた曲と同じとは思えない。

出だしのヴォーカルの雰囲気がまず違いました。ベルの音が非常に
リアルです。パーカッションの音がスピーカーの右奥深くからズド〜ン
と響きます。

今回はAC TANTUS二本購入となりそうです。

最後に今回の貴重な機会を与えてくださった川又様、
シーエスフィールド様に感謝申し上げます。


HAL's Monitor Report