《HAL's Monitor Report》


No.0108 - 2002/5/9

東京都大田区在住 yasu様より

モニター対象製品:PAD TANTUS / DOMINUS

yasu様のこれまでの投稿は…。
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0062.html
http://www.dynamicaudio.co.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0049.html
当初から比べてシステムのアップグレードにご注目下さい。

モニター対象
 Interconect-Cable  TANTUS-XLR(#3)
 Speaker-Cable    TANTUS-BW
 AC-Cable       DOMINUS

■第一印象
・連休を利用してのPADケーブルのモニター試聴対象が連休前日に届いた。
・まずは、インターコネクトケーブルでTANTUSとMIZUNOSEIを聴き比べた。
 曲は、res ”Ins+Outs” の2曲目:マシュケナダ。
・TANTUSにすると、S/N良く、音と音の分離がクリアーになるのが分かる。
・しかし、演奏全体のバランスが崩れたように感じた。
 各々の楽器が、張り切りすぎて、目立ち過ぎている感じになった。
 ・・・各々の音が硬い!
 これまで聞きなれているMIZUNOSEIの方がバランス良く、楽しめた。
(システムエンハンサーを2回かけているが、まだバーイン不足かも・・・?)
・クリアーさに期待はしつつも、ちょっとガッカリした第一印象。
 これが試聴の始まりだった。

■その後のヒアリング・メモより
・第一印象から一日過ぎてから・・・曲は、ゲルギエフの”胡桃割”。
・スピーカーケーブルもTANTUSに繋ぎ替えた。
・硬さは残るが、バランスは良くなってきた。
(スピーカーケーブルTANTUSとの組合わせかバーインが進んだからか?)
・曲の最後に打楽器の連打で盛り上がりところは、TANTUSの良さである
 クリアーさが際立つ!・・・インターコネクトケーブルをMIZUNOSEIに
 戻して比較したところ、TANTUSで「ダダダダダ・・・」と聞えていた
 ところが、「ボロボロボロ・・・」とまったく音がぼやけてしまい
 インパクトの薄い演奏に様変わりしてしまう印象を受けた。
・この部分は、後日バーインが進んだ後にバランスも良くなった中で聴い
 てもTANTUSの良さとして感じた。

・続いて、良かったのが、声楽系の曲・・・ヴェルディ”ファルスタッフ”。
 昨年レコードアカデミー大賞となったアバド指揮ベルリンPOの曲を聴いた。
・これは、TANTUSを聴いてしまうと、申し訳無いがMIZUNOSEIでは物足りない。
 TANTUSは、歌手陣・個々のニュアンスをリアルに目の前に展開してくれた。
・第二幕・第二部の最後・・・ファルスタッフが水の中に投げ込まれるシーン
 ・・・横に並んだ歌手陣、各自の立つ位置もはっきり認識できるし、
 声のフォーカスと艶がとてもリアルで、楽しく聴けた。
・歌劇等に限らず、ボーカル系は全般的にリアルさが感じられ良い。

・さて、オーケストラは…ヴァント「日本ライブ」&ゲルギエフ「春の祭典」。
・どちらも、クリアーで、音の分離が格段によく、自然と演奏に引き込まれる。
 (これは、バーインもかなり進んできたためと思える。)
・ヴァントの演奏は、深淵で気高い雰囲気が漂い、ゆっくりしたテンポにも、
 常に張り詰めた演奏に、グッと引き寄せられ、集中してしまう。
・ゲルギエフは対照的に、エネルギッシュな音がグイグイと迫ってくる。
 いつしかその気になって、自分も指揮棒を振っている。
・追加で、ゲルギエフ”展覧会の絵”。
・これには、参った! 「バーバ・ヤーガの小屋」は、TANTUSでの演奏は、
 切れがあり別格・・・こんな緊迫した演奏だったんだ・・・改めて感じる。
 申し訳無いがMIZUNOSEIにして聴き比べたが普通の演奏になってしまった。
 こんなに違ってしまうとは…予想以上のその違いに驚いてしまった。

・つぎはJAZZから、ケイコ・リー”Voices”。
・これは、HALでChronosの効果を確認する実験で聴いた曲。
・さすがに、HAL+Chronosに比べれば、フォーカスは緩むものの、
 TANTUSにすると、自宅のニアフィールドではリアル感がぐっと増す。
 それは、曲を聴き続けていくほどに、自然と彼女の歌声に引き込まれ
 ている自分に、ふっと気付く・・・その瞬間が証明してくれる。
・残念ながら、MIZUNOSEIではここまでの感覚には至らない。
・恐るべし、TANTUS インターコネクト・ケーブル!。

(おまけ)
・さらに欲がでて考えた・・・DAC-Pre間をTANTUSに替えてみたら?
・DACに使っているDeliusがホット(#2)なので、位相反転して繋いで見た。
 さて、その効果は・・・
・確かに、TANTUSのクリアーな良さは感じられるが、Pre-Power間の時に
 入れた場合に比べると効果は小さい印象を受けた。
・パワーアンプを適確にドライブすることが、これほど音質に大きく
 影響するということか・・・???

■最終印象(まとめ)
・PADのケーブルは、試聴する毎に、最終的には魅力に惹き込まれてしまう。
・今回のインターコネクトのTANTUSも、第一印象は「イマイチ」と思ったが、
 聴き込んでいくにつけ、手放したくないケーブルになってしまった。
・S/N、フォーカスが良いので、非常にクリアーな音が分離して聴ける。
・特に、声楽系は、個々の歌手のニュアンスや表情までもクリアーに聴け
 演奏全体がぐっとリアルになる。
・スピーカーケーブルのTANTUSも、同一傾向にあり、インターコネクトと
 組み合わせて、両方をTANTUSにすると、それはイイ。
・但し、インターコネクトとスピーカーケーブルのどちらかを選ぶとすれば、
 迷わず、インターコネクトのTANTUSを選ぶ。 それも、Pre-Power間へ。
 (DOMINUSは聴いてないが、きっと、もっとイイのだろう!)
・目標は、音は決まった。
 いつかTANTUSクラスのインターコネクトを導入しリアルな音を聴こう!

最後になりますが、非常に高価な商品を試聴にお貸しいただきました
シーエスフィールドの今井様、そしてHALの川又様、有難うございました。


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