《HAL's Monitor Report》


No.0073 - 2001/09/22

東京都在住 k・E様

モニター品  ジェフローランドD.G シナジー2 プリアンプ
                    〃          モデル10 パワーアンプ
                    〃          モデル12 パワーアンプ

現有機器
CDトランスポート  エソリテックP0s
DAC         MSB Platinum Link
プリアンプ     テクニクスC3000
パワーアンプ    アキュフェーズP1000×2(BTLモノとして使用)
スピーカー     ウィルソンオーディオ System6
          村田製作所 ES-103A


こんにちは、みなさん。H.A.Lの川又店長のはからいで、ジェフのアンプの試聴をさせていただきましたのでモニターレポートを簡単ではありますが書かせていただきます。

まず、現有システムのプリアンプのみをシナジー2に変えてみました。
通電直後は「えらく堅いなあ?」とおもいましたので二時間ほどたってから聞いてみました。
すると堅さもなくなり、いい感じになっていました。
まず細かい音までかなり掘りの深い印象です。キャスリーン・バトルの「エバ・マリア」では、バトルのソプラノが今までにないリアルさで、なおかつビブラートはヒステリックになることなく細部の響きまで聞えました。聴きごたえのあるボーカルです。

さて、今度はモデル10をいれてプリ,パワーをジェフの組合せとしました。
やはり、電源投入時はなんともしがたいあやふやな音でありましたが、時間がたつに連れてやわらかな、スムースな音になって行きました。まず、驚いたのは前のシナジー+P1000との組合せとあまりに音色が異なることです。音色はあくまでソフトでしかもそのソフトな中に埋れるわけでもなくすべての音が存在することです。前出のキャスリーン・バトルのCDでは、バトルの歌声はレースのカーテンの向うで歌っているがごくやわらかになりました。

私としては前出の組合せのほうが好きですが、小沢誠爾指揮のバッハの「ミサ曲ロ短調」を聞いたら頭をかかえてしまいました。いやー、もうコーラスの響きが全然違うんです!
すばらしいホールトーンの中に少年達の歌声が聞えるのです。現有機器ではコーラスが聞えてその歌声のあとにホールトーンがくっついてくるように聞えていたのですが、今回は逆で歌声と同時にホールトーンが出てきて歌声をホールトーンが包むような感じに聞えるのです。この響き、音色には感動を覚えました。まるで現場で聞いているような音です。

それから、ウラジミール・トロップのピアノ小曲集のCDを聞きました。
これも、すばらしい、音色です。トロップのゆっくりと押し下げるようにキータッチが今までになくリアルでハンマーが弦をなでるような音色とその余韻は空気の中に溶け込むまで美しく響いています。いいです!こういう響きは現有機器では絶対に出ない音です。だからといって、作られた音ではないことは明白です。なぜなら、とっても自然に聞えるからです。どこかで、聞いたコンサートホールのピアノの音に似ているからです。

さてさて、今度はパワーをモデル12にします。音の傾向はモデル10と同じですが、やはり、音が中央に寄っていたモデル10とはことなり左右のスピーカーを中心にス−っと音場が広がります。音質も少しクリアーになった気がします。やはり、モデル12のが彫りが深くていいですね。最初モデル12を試聴した時、あまりの音の硬さに困惑しまして、思わず川又店長にその主旨をメールしましたら面白い返事が返ってきました。
「モデル12はバナナと同じなんです。まだ青いうちはかたくてすっぱくてだめです。熟すまで待ってあげてください。」
とっても、的を得たウィットにとんだ返事ですね。いうとおりにして一晩電源をいれっぱなしにしておきましたら、朝起きたらMY ROOMはアンプの熱でオーディオルームならぬバナナ室になっていました。おかげでバナナは完熟して、とっても美味しいバナナをいただくことができました。(^。^)

ということで、ジャズのボーカルなどではチョット、パンチがないかなあと思いましたが とにかく、ゆったりとした荘厳な響きはすばらしいです。
今は、もうジェフのアンプは手元にないのですが、どうしてもあの響きは忘れられません。
期が熟したら是非とも手に入れたいアンプですね。

それでは、この辺でリポートをおわりますが、川又店長様、大場商事様に厚く御礼申しあげます。

東京都 k・E


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