茨城県水戸市在住　タンノイ様

モニター対象製品：AD  AC  DOMINUS  15A  Rev.B  Signature  1m
　　　　　　　　　PAD  DIGTAL DOMINUS; AES EBU [1.0m]

主なコンポーネント

SP　タンノイ：ウェストミンスター・ロイヤル
Pr　上杉：UBROS-18
Pw　上杉：UBROS-21(1998年製WE300B仕様)
CD　エソテリック：P0-S(P0からのバージョンアップ)
DA　エソテリック：D-3

接続ケーブル類

PO-Sの電源コード　JPS：GPA
P0-SからD-3　カルダス：ライトニング(BNC)
D-3からPr　カルダス：クワァドリンク(XLR)、JPS：スーパーコンダクター２(RCA)
PrからPw　Goertz Alpha Core:Sapphire With RCA'S
PwからSp　エソテリック：ヴァンデフル(ゴールドムンド製バナナプラグを用いて、バイワイヤリング接続)

部屋の状況

12畳の洋室(床はコルクタイル張り)ですが、SPの上の天井の高さは5ｍあり、そこから 傾斜してきて低い所で2.8ｍと約15〜16畳程度のエアーボリュームがあります。

6月5日
　試聴ケーブルが到着。
最初に、PO-Sの電源コードのみをPAD製にする。

　最初のCDは、カンターテドミノ(proprius PRCD7762)の9曲目と10曲目。一聴して、ノ イズレベルが下がったことが確認でき、9曲目の最初の女性ソプラノの声が静かにか つ気品高く表現される。声がホールに響いていく様子が目に見えるようである。ま た、最初に聞かれるドアの開閉音(譜面台を倒したような音かもしれない)が約３ｍほ どの高さから明瞭に聞こえる。10曲目では、50秒頃に聞かれる「車が走り去る音」が よく聞き取れる。しかし、その前に聞こえる2つの微少ノイズに、やや実在感が足り ない印象。

　次は、キース・ジャレトのケルンコンサート(POCJ2524)トラック１の出だしの部分。 2人の笑い声と3人目の笑い声が、位置関係も含めて明瞭に聞き取れる。ピアノの直接 音とコンサートの微少な騒音の分離がとても良い。キースの力強い打鍵に対しても、 決してざらつきを感じさせない再生音に感心する。トラック３の最後の部分は、最後 の音が鳴ってからキースがペダル(多分？)を放すまでに聞こえる響きが美しく表現さ れる。ペダルを放す音が聞こえ、その後の拍手と続く部分の素晴らしさはこのCDの白 眉の部分であると思う。

6月6日
　最初に、Jazz at the Pawnshop(PROPHONE PRCD7778)の3曲目「High Life」を聞く。 3次元的な音場再生は申し分なく、楽器の前後関係も良く再現されているのだが、楽し い猥雑なクラブでの演奏が、空調の完備されたコンサートホールで演奏されているよ うな印象を感ずる。やはり、前日に感じた音の実在感にやや物足りなさを感ずる。

　続いて、MUSICA SACRA(OPUS CD19506)の3曲目と7曲目を聞く。3曲目最初の女性ソプ ラノの位置関係が、前後左右高さも含めて明瞭に再現される。SAXの強奏時にもざら つきを感じさせない。7曲目は、MOZARTのピアノ協奏曲27番の第2楽章を思わせる曲で あるが、美しすぎて寂寥感の表現力がもう一つであると感じた(贅沢な悩みですが ・・・)。

6月7日
　いよいよ、デジタルケーブルもPADにする。

　カンターテドミノ(proprius PRCD7762)の10曲目。走る去る車の音が近づいてきて遠 ざかる様子(音のドップラー効果！)まで分かる。3次元的な音場の再生能力は昨日よ り向上している。ここで、MOZARTのピアノ協奏曲第27番を聞く。演奏は一番好きなエ ミール・ギレリス(p)カール・ベーム指揮VPOのCD(DG 429810-2)。本当に美しい再生 音である。第2楽章も気品高く静かに演奏されてゆく。しかし、ギレリスがピアノの 音を極力少なくして表現しようとしたMOZARTの悲しさ・寂しさが物足りなく感じてし まった。

　ノーチラス801を力のないパワーアンプで駆動したときに聞ける、音がきれいに中空 に浮いて実在感のない音に感ずる印象と近いものを感じてしまった。しかし、これは 鳴らし始めたばかりなので仕方がないことかもしれない。また、村田のスーパー ツィーターを付けて中低域の骨格感を付けてやれば解決できるような気もする。

　ここで、突然DAコンバーターの調子が悪くなり、音が出なくなってしまいました。こ れから、音の変化が楽しみであったのに残念です。以上で試聴のレポートを終わりに させて頂きます。

　今回短い間でしたが、PADの素晴らしい製品を聞くことができ、本当にありがとうご ざいました。