《HAL's Monitor Report》
No.0063 - 2001/05/06
神奈川県綾瀬市在住 Hos 様 モニター対象製品:MMW-1
2回目の登場となります。(前回のレポートはこちら) SP:Dynaudio Audience80 AMP:GOLDMUND Mimesis SRI2 DAC:Perpetual Technologies P-3A CDT(P):TEAC VRDS-25xボードの試聴にちなみその他の敷物を紹介すると、ラックはQUADRASPIRE QAV-M table。アンプの下には御影石(300×400×30mm,12Kg)を敷いてあります。スピーカの下にはDIY店で購入した板を貼り合わせたもの(300×400×54mm,9Kg)にTAOCのスピーカスタンドSST-40Hの底板を重ねて敷いていました。スピーカは付属のスパイクで4点支持。スパイク受けはTAOC PTS-4を使用し、ボードとの間にthe j1 project SQ5519Aを挿んでいます。床は板張りです。 MMW-1は一枚20Kgもする重量級のボードです。これを自室のある2階まで持ち上げ、スピーカ(約25Kg)とボードをどかし、所定の位置に設置して、スパイクで傷つけないように注意を払いながらスピーカを載せるのは大変疲れる作業でした。それでも少しでも早く馴染ませてやりたかったので、帰宅後の夜中に作業してやりました。そして出た音は素晴らしい……と言いたいところですがガタガタとスピーカを動かしてしまった後です、まともな音が出るはずがありません。数曲鳴らして少し落ち着いたところでの感想は、量感が消えてしまったこと、ベースの音像が明らかになったこと、ボーカルが張りを増して前に出てきたというものでした。中高域の解像度はさらに上がり、さらっとした音触です。定位は少し頭を動かすだけでずれてしまう程厳しくなってしまいました。落ち着くまでは悪い点には目をつぶり、少しずつ調整と試聴をしてゆくことにしました。 試聴は主に女性ボーカルのJ-POPです。これらを聴きながら日々微調整をしてゆきました。スピーカとMMW-1の隙間にスポンジを入れて、少し音の角をとってみました。定位の不安定さは特に対策をせずに消えていましたが、スピーカをもう少し内振りにしました。音が痩せ気味になったので、スパイク受けの下に挿入していたSQ5519Aを取り除き、アタック音を活かす方向にふりました。試用期間中はMEIの方とメールをやり取りさせていただき、チューニングのアドバイスをいただきました。大変頼もしく、また嬉しく思いました。ありがとうございました。 導入してすぐ解ることはS/N比の大きな向上です。これほどの見通しの良さは初めてです。そして、低音の引き締まりです。量感とトレードオフになりましたが低音楽器の定位が明らかになりその動きも明瞭です。このふたつだけで、ずいぶんと私の音は大きく変化しました。S/N比だけでなく音の制動も機敏になったのでしょう。中域の音が軽快になりました。細やかな音が一層聞こえるようになり、とても美しく消えてゆきます。聴き慣れた曲からも耳を掠めるように初めての音が聴こえることもしばしばです。 あまりの制震効果の大きさから、うちのシステムではステージ周辺で脇を固める楽器の音が小さくなり過ぎるという影響が見られました。また、賑やかで雑多なイメージを持つ曲では分析的になり過ぎる傾向があると思います。細かな音はより明らかになるので、全体としては非常に精緻なミニチュア的なサウンドイメージとなりました。 今回の経験から、リジットを標榜してきたセッティングは必ずしもそうでなかったことが解りました。MMW-1は強力なボードです。不要な振動に悩まされている方には最適なアイテムだと思います。今回は重量に挫かれてアンプやプレイヤーの下に試用することは見送りましたが、必ず十分な効果を持つと確信しました。 最後になりましたが、川又殿、MEI殿に感謝の意を捧げさせていただきます。ありがとうございました。 |