《HAL's Monitor Report》
No.0057 - 2001/03/18
北海道函館市在住 KI様 モニター対象製品:PAD TIP
結論から書きましょう。 リスニングルーム:6畳と4.5畳を合わせた部屋 CDプレーヤ:日本マランツ CD−7 + PAD ACイスタル プリアンプ:タグマクラーレン PA20r + PAD ACコロッサス パワーアンプ:タグマクラーレン 100P スピーカ: アコースティックラボ ボレログランデ スピーカケーブル:PAD MIZUNOSEI インターコネクトケーブル:PAD MIZUNOSEI その他:コーナーにはASCのチューブトラップまず、いつも聞いているアイネ・ゾフィー・ムッターの「四季」をプレイした。 第1印象は、「音量が小さくなった!」であった。続けて「あれ!音の延びが今までと違う」であった。そして、あとは、「恐るべし!!」と数回口ずさんでしまった。 次のCDは、ヨー・ヨー・マのシンプリバロックの1曲目をセットした。 もう、音量が小さいという印象は消えていた。第一印象は、「あれ!ヨー・ヨー・マとバックのオーケストラとの間に奥行き方向に距離がある!」であった。第2印象は「チェロの音質が変わった!」であった。つやつやしてリスニングポジションの方向にのびてくるのである。そして、あとは、「恐るべし!!」という感想だけが残っていた。 最後に、タイタニックのサウンドトラックを試聴して、その日は終わろうと決意した。そうしないと「後引き豆」のようにきりがないからだ。タイタニックのサウンドトラックは、PCM録音されているため、私がよくリファレンスにしているCDの1枚である。このアルバムの1曲目と最後の曲を聴くことにした。まず、1曲目の笛が聞こえて来る。「綺麗なリードだ!!」、「後ろ斜め方向へ笛の余韻が伸びて行く」のであった!! これはやはり、「恐るべし!!」である。次に最後の曲。二つの笛がくっきり分離して聞こえる。やはり、斜め後方への反響音が美しい。聴き終わって、ただただ、興奮が続き、同時にまるで、魔法にかけられたような奇妙な感覚だけが残っていた。 4 TIPによって変わったと感じた聴覚印象のまとめ 読者には「恐るべし」と言われてもなにがどう恐ろしいほど変わったのかわからないと思われるので、ここでまとめをさせて欲しい。 (1) 空間の広がり感の変化:左右方向の広がりにはあまり変化がなかったが、上下方向及び奥行き方向への音場の広がりが明らかであった。特に、斜め上後方への音空間の広がりは顕著であった。 (2) 反響音がいっそう、聴こえるようになった。しかも、その持続が長い。それだけではなく、反響音の聴くえる方向に指向性があった。上・または、斜め上後方へと反射音が伝わっていくように聴こえた。 5 プリアンプの下にTIP ひとしきりTIPによる音の変化を楽しんだ後、TIPをプリアンプの下に設置してみた。 同じ上記の曲をかける。第一印象は再生音が大きくなったことである。しかし、音空間広がり感・反響音の持続感は消えてしまった。妙に太った音という印象であった。 6 ハイエンドでなくてもTIPの価値があるしかし? TIPを機器の下に置くだけで音質が変わる。少なくとも私にはそう感じられた。聴覚印象はたしかに変わった。しかし、大脳の前頭葉で、つまり理屈の上ではまだよくわからない。機器の下にTIPを置くと有害な電磁波から逃れられるのか?物理学の博士号を取得できるほど研鑽を積まないとこの疑問は解決されないのであろう。ま、なんであれ、音が変わるのだから、魔法にかけられている方が幸せだと思っている。 高価なオーディオ機器でなくても、TIPの効果は確実に聴感上現れる。 この結論をもってモニターレポートの終わりとしたい。 7 終わりに 今回、TIPの自宅試聴をお願いしたところ、快く快諾いただきました。 川又さんにこの場を借りてお礼を申し上げます。 |