《HAL's Monitor Report》


No.0048 - 2000/12/22

宮城県仙台市在住 Lick 様

モニター対象製品:SONY SCD-1 / PAD AC Dominus

サウンドパークダイナ試し聴き

 HALの川又さんの御好意によりソニーSCD-1プレーヤーとSACDのディスク4マイ、更に、電源ケーブルまで貸して頂き3週間、使わせて頂きました。

 早速ですが自己紹介を軽く書きますと、

 私は仙台に住んでいるため、普段ダイナとは縁が浅く、スピーカーをダイナから以前購入させて頂いた(B&W M802 III)位です。また、HALを訪れたのは最後が既に2年前の年末とかなりの昔。その時はノーチラス801、802を聴かせて頂いたあと、おっとりとオリジナスノーチラスを聴かせて頂き、その違いに興奮しながら、かえってノーチラス802ならわざわざ買い替えなくてもと納得させられ(というか、無理に納得)たという記憶があるくらいです。

 このような、殆どお店に縁がない私がメールで上記の依頼をしたところ、あっさりと貸していただきました。うーん、太っ腹です。価格からみると、HALの中ではそれほどでなくても、一般的には高価なものです。感謝です。

 私の現在のシステムはSP: B&W 802 Premain :Marantz PM15 CD: Esoteric X50wラインケーブル Wireworld Golden reference II, 電源ケーブル:SynersticReserch AC Master couplerといった、次第です。

 今回の目的はいろいろありましたが、やはり気になる次世代のSACDを自宅できくとどうなるであろうかということと、おそらく近い将来も買うことはできないであろう(ごめんなさい)PADのドミナス電源ケーブルを試すことでした。

 楽しみにして待つつもりが、川又さんからメールが来ると共に、2ー3日で両方が到着してしまいました。これにはあせりました。1週間位かかると思っていたので仕事が忙しい時に頼んでしまい最初の一週間はあまり聞けなかったのと、最後の一週間もまた、出張が急にありまして、これまた3週間借りたのに、あまり聞けなかったからです。

 さて前置きはさておいて、あくまで私のシステムと環境、あと私の耳(これが一番頼り無いのですが)での体験を述べさせていただきます。

 まず、SACDプレーヤーですが、まずは従来のCDの再生はと試してみました。ここではポップス、クラシック、ジャズとなるべく多彩な録音を使って試してみました。

対象 CD: スティングの新作 
     内田光子 シューベルトピアノソナタ
     ビルエバンス ワルツフォーデビーxrcd

 あくまで現在のCDプレーヤーとの比較になります。一言で言えば、ソニーのSACDプレーヤーについて感じたのは『透明感』です。音の迫力はハッキリ言ってしまえばX50wの方がかなりあるように感じますし、ボーカルなども遠く感じました。うーん。やはり同じ価格帯では、後は好みの問題なのだろうと思いました。

気に入った点:透明感、ワイドレンジ感
気に入らなかった点:中域が弱い、特にボーカルが引っ込んでしまった感じ。

ここで貸して頂いたSACDのディスク、を聴いてみました。

使用したDisc
マイケルジャクソン スリラー:CD,SACD
ペライア モーツアルトピアノ協奏曲:CD,SACD
マイルス:カンインドオブブルー:CD,SACD

 まずマイケルですが、自宅で用意したCDと比べてみることにしましたが、昔のCDではちょっといかんかとも思い、ベスト盤のを使ってみました。これはなかなか面倒ですので、結局、SACDプレーヤーで両者を聴き比べを最初にしました。最初普通のCDをかけてみてから、SACD をかけてみます。これには驚きましたが、SACDはCDから同じ曲を聴きくらべると私ごときの耳にもはるかに滑らかに聴こえま す。ここでこのプレーヤーの透明感が非常に良くでてきている気がしました。あと、音に奥域がでてきます。
 あと、ペライアのモーツアルトピアノ協奏曲、マイルスのCDなどで比べてみましたが、グランドピアノの音の肌理の細かさが、感じられCDをかけたときに感じた力が弱い感じが薄れました。

 私が予想していたのと違って、自宅の古いSP,Ampでもそれなりに音が良い方向へ、変化しましたのでびっくりしました。あとは、リマスターの影響なのか古い録音のマイルスなどの音色や、定位がかなり良くなったのにはびっくりしました。

 次にこれまた貸して頂いた電源ケーブルを試してみます。環境は同じでこのケーブルを自宅のX50wにつないでみました。

比較
付属ケーブル
PAD Dominus(借りたもの)
Sinerstic Reserch,AC Master Coupler
です。
 そもそも、X50wのケーブルは細いのですが、意外とプアーでありますので付属からACMasterCouplerに変えた時は口があんぐりあいてしまった程です。Teacもそれなりの価格のものにはもう少し気を配ってほしいものです。さて、とどきましたPADですが、これが太い。あと、値段がアレなものですから、当然取り回しには太さとともに心を痛めます。プレーヤーとほぼ同じ価格のものを繋げるなどは普通しませんから、このプレーヤーも喜んでいることと思いますが P0なんかが相応しいのだろうと思いました。PADにまず、いきなり付属との比較をしてみます。
 ここでは最初のスティングの CDを使いました。当然、音量もかなり上がったように感じ、同じプレーヤーとは思えません。ACマスターとも当然比べましたが、ここからも音が大きくなったと最初は感じました。まず、高低音の伸びは全く違いますし、余韻が違います。あの、太さが余韻を作るのか、余韻は安いケーブルで消えてしまうのかと思える程違います。が、あくまで、鈍重な音になるというのではなく、余韻感なんです。訳の判らない表現ですが、そんな感じにしか表現できませでした。
 一時期、これは欲しいと思い(SACDには実はあまり思いませんでしたが、)ましたが、やはりプレーヤーと自分にとっては余りにも不釣り合いかなとも思い、返品の日を迎えることとなってしまいました。買う気が無いのに借りるとはというお叱りも受 けるかも知れ無いですが、借りると買う気になるということもあります。ので、これからもこのような企画は是非続けて下さい。

高価な品々を長く貸して頂いた川又さんには感謝の気持ちで一杯です。

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