No.0030 - 2000/10/6
東京都渋谷区 K K 様
モニター対象製品 信濃電気株式会社 GPC1500
渋谷区代々木、電車ですと小田急線の参宮橋で建築の設計事務所をしているK Kと
申します。HALのメールマガジンをいつも楽しく拝見しております。
家には終電で寝に帰るだけのことが多く機械は事務所に置いています。
他の人間もいるのでいつも好きな音楽をかけっぱなしにはできません。
CD PIAYER/ PHILIPS LHH700FT
TRANS/ LUX LT1000
PRI/ 6189SRPP
POWER/ EL34S QUAD606
SP/ B&W805 GOODMAN-AXIOM80 シーメンスオイロダイン
FM TUNER/ 歩道で拾った、OTTO FMT-30?
と言うラインナップで、FMを流していますが、自分の好きなCDをかけられる
機会は極く限られています。
置く場所も限られているので出来ればスピーカーはひと組にしたいのですが、
値段も大きさもまちまちの3台が各々違う長所と短所があって減らすことが
出来ません。ジャズのサックスに目の前でブリブリ言ってほしい時はオイロダイ
ンが良いし、クレーメルのバイオリン協奏曲をAXIOM80の音色で聞いてしまう
と他が退屈に思えます。(1年に200回ほどコンサートに行くクラシック好きの
友人に言わせると本物はこんなに魅力的な音はしない、音を作りすぎると言いっ
ています。)
B&W の805は801の様なスケール感こそありませんが正確な音色と音場はさす
がに新しいスピーカーです。言い換えるとどの1台も他の2台の美点を持ってい
ません。
70年代中ごろに出てきたコーン紙を重くして下を伸ばしただけ能率の悪くなった
スピーカーには感心したことがありませんでした。(アムクロンを左右に何段も重
ねたウェストレイクには心底感心したことがありましたけど。)
A-7を聞く度に何が進化したのだろうと思っていましたが、ここ10年ばかりの新
しいスピーカーの見せてくれる音場の世界には感心することしきりです。いつか
肉の厚さと音色をかね備えた新しいスピーカーが出てくることを期待しています。
(でもアルテックで聞くジャズの世界が意味を失うわけではない事も分かってき
た気もします。)
どんなに新しい機械にあこがれても、コンデンサーをいくつか変えたり、真空管
を差し換えたり、少しお金がたまったらトランスを買いたいなどの夢でさえ、なか
なか全てを実現できない生活からはクレルやジェフローランドでオリジナルノーチ
ラスを鳴らす世界にはどんなにあこがれてもなかなか手が届きません。毎回送って
頂く新しい機械のレポートには興味津々でも手にいれる機会はもちろんモニター
にもまるで無縁と思っていたのですが、今回の信濃電気GPC-1500のモニターには
つい手が出てしまいました。
今回、GPC-1500とHSR-510のモニターをさせて頂いたのですが、2台それぞれ
にいくつかのスイッチ(選択肢)があって手持ちの機械との組み合わせも数限り
無く考えられます。そんな中でとても2台の能力を、全て確認することはできませ
んでした。現に同じ組み合わせのままでもこのままもう返したくないと思ったり、
コンセント直接から取った時と差が分からず落胆したりもしました。
しかし、おおむねGPC-1500の効果は中低域をしっかりくっきりさせる方向で、
HSR-510は時々音を素晴らしく荷力的にみせる時があります。どちらかと言えば
HSR-510の効果の方が分かりやすい気がします。どちらにも共通して言えること
は今まではフォルテの部分でひずんでいたことに気づかせてくれることです。なん
となく音の大きなところにさしかかると心理的にあるプレッシャーを感じていたの
に何のストレスもなくスルッと、通り過ぎてしまうことに何度か驚きました。
今までで言えばアンプやなにかの電源コードをアクロテックの6Nコードとホスピ
タルグレードのコンセントとプラグに変えた時や、パワートランスや電源用ブロック
コンデンサを変えた時の変化にGPC-1500は近いものがあります。もちろんその
ベクトルの大きさは色々ですが共通するものがあるように思えます。
しかしHSR-510の効果は電源の強化と言う言葉で括られてきたものとは少し違う
ような気がします。これは他の人にも是非聞いてみて欲しいものです。
それに50ヘルツと60ヘルツが選べるのも関東で暮らしている私には魅力でした、
ただ裏のコンセント間隔が狭く大きなプラグが並べられないのが残念です。
2台を直列に並べれば各々の効果を損なうことなく楽しめます。ただ私のところ
では両方を使うことで何倍もの効果になるというふうには感じられませんでした。
とてもその内様の全てを説明しきれるとは思えません。一言で効果を断言は出来
ません。
が、何かがあるようだ一度自分のところで聞いてみようか。と誰か一人でも思って
もらえればと思います。
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