No.0024 - 2000/09/08
埼玉県川口市 K.T. 様
モニター対象製品 PAD ACドミナス
マイ・メインシステム
プリ チェロ パレットプリ
パワー キノシタJMF HQC2200UPM
スピーカー キノシタKM−1V
CDプレーヤー wadia21
CDトランスポート デンオンDP−S1
DAコンバーター ビクターDA999
ケーブル ワイヤーワールド、PAD等
太っ腹なダイナの川又さん、ありがとうございました。そしてまいりました。私が間違っておりました。
1.序章
「ケーブルで音が変わる?確かにほんの少し変わるけど、コストパフォーマンスを考えたらどうもね。」これが、私の考え方です。いや、でした。
ある日部屋の掃除方々、機器のセッティングを少々いじっていた時にふと思いました。
「ケーブルにも一時凝ったけど、電源ケーブルによる変化で感動、感心したことってないな。」「音友達のあいつも某P社の電源ケーブルを売りに出していたっけ。電源ケーブルなんて大差ないよね。」
私ははっきり言ってオーディオ道ではまだまだど素人ですし、機器もこれを読まれる皆様からすれば幼稚なものでしょう。そんな私が考えたのは、「では、大差あるものを一度聴いてみよう。聴いてみたい。」大差、それは価格の差(こう考えることがど素人)「よし、一番高いやつを聴いてみて、まずは頭の中の固定観念を打ち砕こう!」
この時点で、思い浮かんだのが川又さんのあのごつい顔、いや失礼、あのやさしいお顔。
翌日さっそく「PADのACドミナスをお借りしたいのですが?」とメールを打ってみると、早速今日送るとのこと。さすがダイナ、さすが川又さん。(けして私はダイナの上得意というわけではありませんし、直接川又さんと話したのも1〜2回、もちろんご本人は覚えてないでしょうけど)そんな私にACドミナスを2本もポンと貸してくれるとは、よく聞きなさい某ユニオンさん!
2.本題
なんて太さだ。太けりゃいいってもんじゃないぞ。こんなのタップに入らないよ。(その部分は普通サイズだっちゅうの)
さてここで我システムで電源ケーブルが交換可能な部分は、
@壁コンセントからタップまで
Aプリアンプ
BCDプレーヤー
CDAコンバーター
どこから試してみようかと考え、また浅はかな私はタップに使えば一石十鳥ぐらいじゃん。しめしめとまずは@で、いつも聴いている最新録音のJAZZ数枚とバロック数枚を試聴、
数曲を繰り返す。えっ!う〜ん あれ?……おい約40万円もするケーブルだぞ。ほれがんばれ!
やっぱりね、いくら数十万でも電源ケーブルじゃそう変わらないよ。今まで何本も電源ケーブルを買ったけどいつもそうだったじゃないか。(1本数万のもの)
せっかくだから一応他もやってみる?同じだろうけど。
それじゃ次はA、パレットは電源部が別筐体になっており、そこから本体までは2メートルぐらいの一見柔らかいACコロッサスのような専用ケーブルで繋げます。試してみたのはもちろんタップから電源部まで。今まではACコロッサスが刺さっていましたが、純正ケーブルより音が若干スッキリ整理されたかなという程度にしか感じませんでした。
さてさて「すぐまた差し替えることになるんだから」などとブツブツ言いながらリスニング定位置からリモコンのPLAYボタンを押す。無音状態からドラム一発「パ〜ン」
オッ!オ〜〜〜!!!何だ、何だ、何だこりゃ。いやいや落ち着け、落ち着け、耳の錯覚かもしれん。コーヒーを飲む手を休めてじっくり聴いてみる。いやいやじっくり聴かなくても変わったのは居眠りしていてもわかるぐらい。では、何がどう変わったのか。
@ 属に言うところの情報量がダントツに増えた。
今まで音と音の間に埋もれていた音が確かに聞こえる。
A ボリュームを上げてもうるさくない。ボリュームを下げても
音の陰影がはっきりしている。
B 音場に奥行きがより出た。
ソフトによっては楽器の位置関係が明確にわかる。
(極端に言ったら楽器と楽器の間が何メートル程離れて
いるか言い当てられる程)
まず、これくらいのことは容易に感じられるぐらい変わった。変わった……
この調子でBもCも試してみよう。たぶんすごいことになるぞ。
結果…情報量が多すぎる?のかかえって音に収拾がつかなくなってしまった。機器との相性もあるのかもしれない。
ではせっかく2本借してもらえたのだからプリとCD機器の間、両方同時に使ってみると、やはりダメ。たぶん私の耳が駄耳なのでしょう。生来の貧乏性なのでしょう。音場を埋め尽くした音、音、音に耳がついていけなくて落ち着いて聴いていられない。
と言うことでプリ、プリですよ。プリがもうこのケーブルを離したくないと言っているよう。(実は私が言っているだけですが)
これを期に、他の部分のケーブルの組み合わせを何通りか試してみました。そして、見つけました、私のそのうちこう聴きたいと思っていたとおりに鳴る、いや非常に近い鳴り方をする組み合わせ。
プリにはもちろんACドミナス、そしてこれも秘密兵器と言える最近の某ブランドのピンケーブルとデジタルケーブル(これもとりあえず借り物)をプリとコンバーター間とトランスポート、コンバーター間に使い、その他は今までのもの。(あえてその他の部分は今までのものでなくてはダメでした)
ではここで私がどういうふうに音楽を聴きたかったのかお話しましょう。(順不同)
・ 音にめりはりがある(陰影がある)
・ 低音が締まっている
・ 音場は縦横もある程度広く(広すぎない)、奥行きがたっぷりしている
・ 音像が浮かぶ
・ やさしい音はよりやさしく、鋭い音はより鋭く
・ ボリュームをある程度上げてもうるさく感じない
・ ボリュームをある程度絞っても上記のことが感じられる
こんなもんですが、こう出すのは皆さんもご存知のとおり至難の技でした。
そのほとんどがあっという間に実現したのです。ACドミナスのおかげです。
でも、悲しいことがあります。ACドミナス、高すぎてすぐには買えません。先ほど書いたもう一つの秘密兵器、某ブランドのケーブル、これも高い。(ちなみにあまり教えたくないけど少しだけ、某ブランドとは変な形のDAコンバーターを出したり、ばか高いフェーダーなんか出しているところです。)お金を貯めましょう。いずれ手にするでしょうが、少し不安です。一度はずしてしまったら同じものを使っても二度と同じ音は出ないのではないかと。(ありがちな話ですよね)
しょうがない、今週末にでも川又さんにお返ししよう。「川又さん、ちなみにこれいくらになりますか?」
と真剣に検討しようとしている自分がこわいです。
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