《HAL's Monitor Report》
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No.0015 - 2000/08/13
川崎市在住 会社員(40歳)Briareos 様 モニター対象製品 BOW Technology ZZ-One
僕は基本的に小さくて高性能なものが好きだ。好きだと言うよりは、無性に惹かれ
てしまうという方が正しいかもしれない。 さてさて、前置きはこのくらいにして、本題に入ろう。 初めに断っておかなければならないのは、僕はオーディオ歴は25年と長いけれど も、本当の意味でオーディオの奥深さがわかってきたのはつい最近、正確には、今の システムに買い換えたとき(去年の12月〜今年の1月)であるという点である。今 にして思えば、それまでの24年間は、いったい何を聴いていたのだろうと情けなく なってしまう。1枚のCDの中にこんなに情報が入っているとは思いもしなかった。も ちろん、今使用しているシステムは、決してハイエンドではないし、きっとハイエン ドのシステムだったらもっと凄いのだろうなぁと思うけれども、それでも、ちょっと したカルチャーショックだったのである。その意味では、僕は未だにオーディオの初 心者のような気がするし、実際、比較しなければ音の違いがわからないと言うレベル だから、やっぱり初心者なんだと思う。それに、残念ながら、音を語るための言葉の 持ち合わせも少ない。だから、オーディオ雑誌の視聴レポートのようには書けない し、もしかすると試聴評価自体も的はずれかもしれない。そんな不安はあるけれども、自 分なりの視点で、ZZ-Oneの視聴レポートを書いてみたいと思う。 まず最初に、今のシステムについてふれておこう。
プリメインアンプ :Luxman L507-s II
CDP :Teac VRDS-25x(トランスポート部のみ)
DAC :Alchemist TS-D1(Turtle)
SP :SonusFaber ElectaAmator II
デジタルケーブル :WireWorld SilverStarlight II
インターコネクトRCA :WireWorld Eclips II
SPケーブル :MIT T2s Biwire
CDP-ACケーブル :WireWorld Electra Reference Power
アンプACケーブル :Harmonix X-DC10
その他 :千曲 CPS-22MKII-CL, P.A.D. CRYO-L2
:Acoustic Reviveスーパーアースリンク 等
「小さくて高性能で美しいモノが好き」と言っている割にはアンプもCDPも大きい
じゃないか、という声が聞こえてきそうだけど、全くその通りで、今の機種に決して
満足しているわけではない。これらはCPを考慮したつなぎの機種だと思っている
(欲しいと思った機種は高すぎて手が出なかった...)。でも、音の傾向とかは比
較的気に入っている。この音で、シャシーがもっと小さければもっと満足度は高いん
だけどね。 3週間の試聴期間の間に聴いたディスクは約20枚くらい。その中から、ZZ-Oneの 特徴が印象的に現れていると感じたディスクを中心に触れてみたい。 ・ Keith Jarrett Trio / Standards Live (ECM)
このディスクはScott LaFaro を擁したBill
Evansトリオの4枚のRiverside版と並んで、僕が最も好きなJAZZのアルバムであると
同時に、オーディオの深みにはまるきっかけともなったアルバム。KiethのピアノとJack
DeJohnetteのドラムスのシンバルの音の余韻が、細かい粒子となって空間に漂って、
すごく独特な、クールな臨場感を醸し出しているんだけれど、そのクールさと対照的
に、徐々に熱くなっていく3人のプレイがとても印象的なアルバムだ。 ・ 寺神戸亮 / J.S.バッハ : 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
ある意味でZZ-Oneに最も期待していたのが、弦の音色だ。果たしてどんな音を聴か
せてくれるのか。このアルバムは最近買ったものだけど、とてもお気に入りの1枚で
ある。1曲目のソナタ第1番ト短調を通して聴く。 ・ Yo-Yo Ma / Haydon & Boccherini : Cello Concertos トラック7〜9のBoccheriniのチェロ協奏曲変ロ長調。実はこの曲に限ったことで はなくて、オーケストレーション全般に感じたことなのだが、音(楽器)の前後のレ イヤーが507s2よりも明確に聞き分けられる。左右方向の音のセパレーションは同じ くらい。もう一つ感じたのは、一番低い部分の低音がしっかりとしているというか、 締まっていること。ZZ-Oneと比べると507s2の低音はヴワッとしたふくらんだ音のよ うに聞こえてしまう。 結論。
ZZ-Oneの実力恐るべし。音に関しては明らかに507s2よりもアマトール王女にふさ
わしいと言えよう。デザインも素晴らしい。当然これは買いだろうと思った。3週間
の試聴期間の2週間までは、何とかお金を作って買うつもりでいた。でも最後の1週
間で、気が変わった。最終的に今回は見送ることにした。
以上、多分に冗長な文章となってしまいましたが、ZZ-Oneの試聴レポートでした。
ここまでおつき合いいただいた方、どうもありがとうございます。 |