2024年12月2日 No.0738 新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-H.A.L.'s Listening Session |
■H.A.L.'s Listening Session Vol.2 - marantz 10Series https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1783.html マラソン試聴会2024予告!第一弾・オーディオ界のBMWとは! https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1774.html ★HIRO Acousticを背景にmarantz 10Seriesセッティング完了! https://www.dynamicaudio.jp/s/20241117180524.jpg 上記新企画にご参加頂いた皆様にお礼申し上げます。早速のご感想に感謝です! 今回お楽しみ頂いたのは下記のシステム構成による演奏でした。さて、ご感想は!? H.A.L.'s Sound Recipe / marantz 10Series-inspection system https://www.dynamicaudio.jp/s/20241118165155.pdf -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Vol.2「驚くべきは音像の定位感と輪郭感!」 川崎市 S.S 様より ダイナミックオーディオ5555 川又様 おはようございます。 昨日試聴会でお世話になりました川崎市S.Sです。 早速ですが、昨日の試聴会の感想、というか、日記(レポート?)をお送りさせて頂きます。 昨日は、貴店に伺う前に別店での試聴会にも参加していましたので、その両方の ことを記した日記です。 貴店の部分だけに編集しようかとも思ったのですが、ちょっと長文で編集が面倒な 感じなので、そのままとさせて頂きます。ご了承下さい。 ちょっと長文ですが、よろしくお願いします。 11/23/24(土)晴れ 今朝は3時起き。 昼は横浜黄金町の天丼豊野丼。 今日はテレ東のタクうまの取材ロケをしていて、インテビューを受けてしまった。 果たして放送されるか。 今日の天丼の海鮮ネタはイカと鰺。 野菜は、南瓜、椎茸、ブロッコリ、タマネギ、ナス、蓮根、人参、生姜、大葉。 1800円也。今日も激美味だった。 帰りに、試聴予約をお願いしたAVACで、マランツSACD10を聴かせて頂いた。 スピーカーは、802D4。 アンプはマランツのモデル10で単体使い。 今回の試聴の目的はSACDプレーヤー、マランツのSACD10。 自分の現在メインの使用機種TAD-D600が故障してかつ修理不能という状況となり、 その買い換えのため。 これまで、アキュフェーズDP-700、マランツSA-7S1、TAD-D600を使用してきたが、 D600の音調、音像、音場そして解像度いずれもがとても好きで、この雰囲気を まとっている、SA-7S1をD600の代替機として使用している。 今回のSACD10もSA-7S1の音調、音像、音場、そして解像度の表現の進化・深化系の 機種であることを期待している。 TAD-D700は、当然買い換えのターゲットではあるが、価格が今すぐに購入するには高すぎる。 年金生活の低収入の身には今は手が出ない。 なので、最終的にはD700(あるいはその先のD800?)に行きたいので、それまでの「繋ぎ」 としての機種探しである。ターゲット価格は200万円程度まで。 検討候補は、アキュフェーズのDP-700系、エソテリックのK1,01系、TADの1000系など。 この中にマランツが登場してきた。 これまで自分が自宅や各所での試聴機会で聴いてきた印象では、アキュフェーズは 解像度は高いが音調的に薄味。エソテリックはちょっと強調感が高い。 TADの1000系は解像度的にやはり弟分。 そんな感じだったので、マランツは真打ち登場かと一番期待をしている。 しかし、一ヶ月程前にダイナ4階の試聴会で聴かせて頂いた印象は、「音像の 解像度感が丸く、焦点感が甘い」だった。 その時のスピーカーは801D4で、試聴位置は最前列の真ん中。 なので、試聴条件としては悪くは無かったと思う。 これがマランツSACD10の実力なのだろうか、それとも、スピーカーの セッティング(内振り角度)の関係によるものなのだろうかと、疑問を持ってしまった。 SACD10自体の能力・性能の問題だとすれば、このモデルは候補から落選させる しかないのであるが、本当にそうなのか。 それを確かめたかったのが試聴の目的であった。 先ずは、AVACでの試聴会。 機種はブラックモデル。 見た感じとしては、やはりシルバーが良いなあというのが見た目での第一印象。 音の前に、動作感、リモコンの機能を詳細に確認。 トレイのオープン、クローズ動作はとても静かで文句なし。 自分の現在使用中のマランツSA-7S1はトレイの動作音がガーガーうるさいのである。 この点は多いに不満な点であるが、ここはSACD10は全く問題無し。 しかし、リモコンにオープン、クロ−ズボタンがなく、本体でしか操作できない。 自分としては、この使い勝手は結構なマイナスポイントかな。 次はいよいよ音の確認。 試聴ソフトは持ち込ませて頂いた手持ちのCDから。 解像度の確認は「鳥の楽園セイシェル」で。 波が寄せて砕けて出る音、波の水しぶきが漂う音、鳥のさえずりの音。 いずれもD600で聴けていた解像度に全く引けをとらないレベルにあることを確認出来た。 音像感は、Tom Petty で。 Tom のボーカルがピンポインで定位し、更に眼前に迫る感じもしっかりと再現されて、 これも文句なし。 音場感は、マイスターレーベルのリーコーダーの小編成もので。 リコーダーとチェンバロの位置関係もしっかりと表現されこれも問題無し。 あとは音調。 これは大好きなロックアルバム、Blasters、Fabulous Tunderbirds、E.I.E.I.O の3種で、ロック再生の要である音の厚みがしっかりと再現され、オーディオ的な 優良録音ではないソースも楽しく、気持ち良く再生され、これも問題なし。 最後に、SACD盤の Billy Joel でSACD層とCD層の違いを確認。 これはちょっと困った。 先ず操作面。 SACD層とCD層の切り替えボタンがリモコンにも本体にも無く、説明書を見ないと 操作方法が分らない。 説明書を見ながらやっても、よく分らない、 店員さんと一緒にあれやこれやと試して5分、10分が経過。 ようやく切り替えが出来た、 これは操作面としては全くの不合格。実用性が大問題である。肝心な音、SACD層の 音と、CD層の音の違いについては、今まで抱いた印象と大きく変わった。 SACD層の再生時の方がはっきりくっきりと再生されたのである。 悪く言えば、CD層の音が霞が掛かったかのように聞こえてしまった。 マランツSACD10は、操作系にいくつか注文したいことはあるが、機種自体の性能・ 能力には全く問題ないことが分った。 買い換えの第一候補であることは間違いなさそうである。 と思いながら試聴を終えてお店から退店しようと、ふとお店に陳列されている 機器を見たら、ラックスマンのSACDプレーヤー、10Xが目に付いた。 ラックスマンのトレイのオープン・クローズ動作が独特で好きなので、 そこを改めて拝見させて頂いた。やはり格好良い。見惚れてしまった。 「せっかくなので、これも聴いて下さい」と店員さんからお言葉があり、 予定外ではあったが一曲だけ試聴させて頂けた。 なるほど、ラックスマンに抱いていた印象通り、すこしゆるめの音像表現で、 やはりクラシック音楽向きだなと思った。 次は秋葉原に移動して、ダイナミックオーディオ7階のハイエンドフロアでの試聴会。 少人数での試聴会であるが、センター試聴席を順番に交替で持ち込みCDを 聴かせて頂けるということで楽しみにしていた。 フロアに入店して「予約をしています」と告げると、「Sさんですね」と川又さん から言われて驚いた。初めての訪問なのになぜ名前を当てられたのか不思議だった。 椅子をスピーカーのセンターに配置させていた。 マランツはシルバーモデルだった。見た目はやはりこちらの方が好みだと思った。 素直に格好良い。 スピーカーはB&Wの801D4で、プリメインはマランツモデル10の2台使いで。 試聴は、川又さんから定番課題曲のハープとチェロの合奏曲でスタート。 ハープの美しい発音が奏でられ、チェロの太い擦音が音場を支配する。 なるほど、ハイエンドの優良録音ものであることを納得させる音であった。 ハープとチェロが混濁せずにそれぞれの存在感を味わえた。 しかし、何となく不満点があった。それはチェロの音像。 元々チェロの音像感に定位感が出るのかどうか分らないが、定位感が欲しいと 思ったのである。 聞こえてくるチェロの音像がとても大きく定位感が感じられないのである。 そこが音的に気になってしまった。 ここで、川又さんから面白い趣向を提示された。 演奏中、マランツ10の特徴とも言えるランプが全部消されていたのであるが、 これを点灯させた状態で音の質感を聴き分けてみましょうということだった。 そこで次はランプを点灯させての演奏。 自分に分るのかな、と思いながら聴いたが、やはり分らなかった。 そしたら再度、ランプを消灯させた状態で演奏を聴かせてくれた。 そしたら、何と、気のせいか、先ほどの点灯させた状態から少し音の雰囲気が 変わったように感じたのである。 何となくではあるが、ハープの音もチェロの音もスッキリ感、光度感が上がった。 何となくではあるが、点灯時に漂っていたもや感を消しゴムでごしごしと消し取って しまったようなスッキリ感が出たように感じたのである。 なるほど、こういうこともあるのかと感心した。 でも、正直、自分としてはランプを点灯させておきたいと思った。格好良いのである。 他、シンセドラムの曲など数曲を聴かせて頂き、塊感のある低音も十分に発揮出来る プレーヤーであることを納得した後に自分が持ち込んだCDから2曲を聴かせて頂いた。 ここでちょっと驚きなことが。 自分の持ち込みCDをセットするため、トレイをオープンしようとしたら、ボタンを 押す前にトレイが開いたのである。 エッと思って川又さんに尋ねたらリモコンでオープンしたとのこと。 AVACでリモコンにはトレイの開閉ボタンが無いことを確認していたので不思議だった。 そしたら、川又さんがマランツの営業さんに意見をしていて、今回のリモコンは 別品とのことだった。 マランツの営業さんにはリモコンの改善機能として、ストップボタンの二度押しで トレイの開閉が出来るように意見中とのこと。これは是実現を期待したい。 さて、私が持ち込んだCDは2曲ともロックで、オーディオ的にはとても優良録音とは 言えないものであるけど、自分が所有しているCD約4万枚のほとんどは、海外の インディーズレーベルのギター・ロックなので、これらが好きな感じで聴けるのが 良いと思い、今回のようなオーディオの試聴会でもキチンと聴きたいと思って持参した。 音調的には問題なく聴けた。 とてもハイエンド感のあるフレッシュでいながら音にしっかりと厚みのある音が楽しめ、 オーディオ的な優良録音盤でなくとも、ちゃんと楽しめて安心した。 しかし、音像は正直いまいちだった。 どうもビシっと感が薄い。 これはCDが悪いのか、スピーカーのセッティングのせいなのか、ちょっともやもや感が残ってしまった。 最後に、川又さんから、男性ボーカルものをプレゼント。 歌い上げるスタイルの男性ボーカルで、こういう曲もありだなあと思った。 自分はロック以外に、スペイン語圏のラテン歌謡も大好きなので、こういう歌い上げる スタイルのボーカル物も大好物。なので、このプレゼントも嬉しかった。 ここで、私の試聴時間は終了。 もう一名の方の試聴時間となった。 私の試聴位置は後方で。 ここで、ちょっと又新たな発見が。 もう一人の方用の試聴曲は映画のサントラでミッション・イン・ポッシブルとゴジラ。 どちらもオーケストラによる大編成曲だったので、今日の試聴会では新鮮。 そして、試聴位置が後方になったことで、音の見え方が変わった。 先ほどの前方位置では、音を全身で浴びるような感じで聴いていたのが、後方席では 音全体を俯瞰するような浴びるというよりは見晴らす感じで聞こえたのである。 スピーカーの内振りの感じから音像は眼前よりもさらに前方で交点を結ぶ感じだった。 なるほど、こういう聴き方も有りだなと思った。 そういえば、オリジナル・ノーチラススピーカーはこういう前方交点の、深い内振りの セッティングが推奨だったような気がする。 一通り試聴会参加者の持ち込みCDを聴かせて頂いて、スピーカーをチェンジ。 何と、ヒロ・アコースティックである。 これは正直、今回の試聴会で、もしかしたら聴けるかも、と期待していたスピーカー。 ダイナミックオーディオのマラソン試聴会でしか聴いたことのないもので、川又さんが 試聴室の中でリファレンスにしているという、弩弓のスピーカーという認識。 これで是非聴いてみたいと思っていた。 先ずは、もう一方の参加者の持ち込みCDの演奏。 私は今度はサイド位置で聴かせて頂いたが、そこで聴いた印象は、とても 「麗しい音」というものだった。 「これは試聴位置がセンターから外れたからか?」と考え、センター後方位置に 回り込んで聴いてみた。 でも、「麗しい」という印象は変わらない。 次に私がセンター位置に移動させて頂いて聴かせて頂いた。 先ほどの801D4で聴いた、川又さんの課題曲から。 やはり私の印象は変わらず、音が「麗しい」のである。 これは例えるなら、801D4の音は「我こそは王なるぞ」という感じで力強く辺りを 蹴散らす感じで出てくる音。 一方、ヒロ・アコースティックは「わらわは女王なるぞ」という感じでオーラで 周りを跪かせるような、麗しく気品を漂わせる音なのである。 なるほど、違うものだなあと心底感心した。 そして特筆すべきは定位感である。 801D4で感じたチェロの定位の曖昧さが解消されているのである。 「これは気のせいか?」とも思ったが、CDを自分の持ち込みCDに変えさせて もらって聴いてみて確信に変わった。 一曲目に聴かせて頂いたロカビリー、ロックンロールの曲がちょっと上品に、 麗しく聞こえたのである。 しかし驚くべきは音像の定位感と輪郭感。 強調感がないのに、ビシっとした存在感、実在感を出しているのである。 これは801D4では聴けなかった感触。 2曲目のでビートリッシュな曲ではこの麗し感は実にマッチ。 更に音像の見え方も素晴らしい。 この音像の見え方、定位感は、ヒロ・アコースティックだからこそ成せる技なのか、 それとも、マランツSACD10の能力自体が引き出されているのに過ぎないのか、川又さんに尋ねてみた。 答えは、マランツSACD10の能力のなせる技ということだった。 「なるほど、SACD10の能力は十分なものなのであるなあ」と改めて納得・安心を得ることが出来た。 今回の試聴会で、ヒロ・アコースティックの音をしっかりと聴くことが出来て本当に良かった。 正直、B&Wのスピーカーは801に限らず、802も805も各所で聴く機会があり、 悪くはないがどこか違和感を感じていたことを今回の試聴会でも、ヒロ・アコー スティックを聴くことで確信に変わった。 B&Wは、YGアコースティックやMAGICOなどでも感じていた、「ザ・ハイエンド」感が 強く出過ぎていることに何となく不自然さを感じていたのである。 この不自然さを感じさせないスピーカーはTAD-CR1TXだった。 今回、ヒロ・アコースティックの音を聴いて真っ先に思ったのは、このTAD-CR1TXを 聴いた時の記憶に近い感触だった。 改めて、「自分にとっての「終のスピーカー」はCR1TXだなあ」と思ってしまった。 AVACもダイナミックオーディオもとても有意義な試聴会であった。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より S.S 様ありがとうございました。当フロアーへは初めてお越し頂いたという事で したが少しでもお楽しみ頂けましたら何よりでございました。 趣味の世界ですからユーザーお一人ずつが出している音質は十人十色というもので、 同時に皆様の感性も千差万別という事で頂きましたご感想を拝読して私も勉強になりました。 私のスタンスとしては、ここで実体験したものを私の耳と感性で評価して皆様に 推薦しているというシンプルなものであり、それ故に当フロアーで再生する音質に 関してはクレージーなこだわりを持ってチューニングしているものです。 しかし、そのような取り組みをしている私ですが、短時間での試聴で全てを皆様に お伝えすることの限界も同時に感じているものであり、製品の吟味に関しては じっくりと時間をかけて選択して頂ければと思っています。 S.S 様の目指す方向性に関して、ささやかですが参考になれたのであれば嬉しく思います。 これからも何卒よろしくお願い致します。ありがとうございました。 |
担当:川又利明 |
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