2020年9月2日 No.0721 新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-ESOTERIC Grandioso C1X |
Vol.1「圧巻なのはほとばしる鮮烈な音と圧倒的な情報量!」 埼玉県上尾市 T T 様より H.A.L.'s One point impression!! - ESOTERIC Grandioso C1X https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/1612.html 最新の投稿をご紹介します。 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_hear0720.html 音質の判断基準がここまで引き上げられたのか!というH.A.L.の近況報告! https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_hear0718.html 「HIRO Acoustic MODEL-C8CSを聴かずして低音を語るなかれ!!」 https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/fan/hf_hear0715.html Vol.3「たった一言! 戦意喪失!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0700.html 前回までの投稿をご紹介します。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0695.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0625.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0617.html 下記は「こんな小さな柱(失礼!)が一個一万以上するのかよ!!」の続編です!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0616.html この訪問記ではお世話になりました。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0029.html 2017年6月6日 No.0668 前回の投稿 ⇒H.A.L.'s Hearing Report-Sonusfaber/Homage Tradition http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0668.html No.0607 2016年10月22日 H.A.L.'s Monitor Report-E.M.G-board+ RELAXA 530の威力を確認!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0607.html H.A.L.'s Monitor Report-E.M.G-boardの威力を確認!! Vol.14「バズーカ砲的破壊力で一気に音質向上を達成するオーディオボードである!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0591.html 「新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report-HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improved!!」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0662.html 実に歴史がありますね〜。ありがとうございました。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0571.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0650.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0646.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0645.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0644.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0560.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0619.html -*-*-*-*-*-*-*-*-*- H.A.L.Iで印象に残るプリアンプと言えばJeff Rowland Coherence(1995)、 Mark Levinson No.32L(1999)、Connoisseur 3.0(1999)、Jeff Rowland Criterion(2009)、 国産でMarantz SC-7S1(2002)贅沢にも左チャンネル・右チャンネル一台ずつ使用し 同じくMarantz MA-9S1x4台を従えての完全左右セパレーション再生。 LUXMANではC-1000f(2008)。そして近年ではGrandioso C1である。 それぞれ素晴らしく、どれが歴代1位かは言えないが、その時々の最先端技術で 作られたプリアンプは、やはり時代の最先端の音を出していた。 もうだいぶ前のステレオサウンド誌である執筆者が「もし家が火事になったら、 私はプリアンプを抱えて避難する」と書いてあった。 プリアンプは自分のステレオシステムの中核をなす物で、何時でもプリアンプさえ あれば自分の音を再構築できるからだと言う。 プリアンプと言えば私が初めて川又さんから買ったのが、マークレヴィンソンの 中古のMark Levinson No.26Lであった。 当時、私はサンスイのフラッグシップ プリメインアンプ AU-α907Limited(1994)を パワーアンプ代わりに使い、ボリューム部分は固定抵抗を使ったMarantz SL-1を使用し VICTOR SX-900 spiritを鳴らしていた。 だがどうしても何か物足りなさを感じ初めてプリアンプを導入したのである。 プリアンプは別名コントロールアンプとも言うだけあって、某氏の言葉を借りれば 「念力を込めてボリュームをぐいっと回す」と音に躍動感が出る。 「もっといい音、ほとばしれ!」とばかりに某ショップでMark Levinson No.380SLと LUXMAN C-10を1時間聴き比べ思い悩んだ挙げ句にLUXMAN C-10を導入し、今も鎮座している。 色々プリアンプを聴いてきたが、LUXMAN C-10を替えればパワーアンプのLUXMAN B-10も 替えねばならず、今は食指の動くものが無い。 あの時もしMark Levinson No.380SLを選んでいたら今頃は随分違った音になっていただろう。 生前、長岡鉄男氏の方舟にお伺いした時に「どうしてLUXMAN C-10を使わないのか?」と 聞いた事がある。 当時方舟では無造作にハイエンドからローエンドまでコンポが横倒しに何十台も転がっていた。 氏いわく「メーカーが新作を持って来るのだけど、使って下さいとそのまま置いていくんだよ」 国産メーカーは新製品が出る度に、方舟詣(もうで)をしてコンポを置いていく。 私は目ざとくLUXMAN C-10が棚に横倒しになっているのを見つけ、使わないのは もったいないと先の質問をしたのである。 すると氏は「うちのスピーカーで鳴らそうとすると、つないだだけでうるさいんだよ」との答え。 当時のメインスピーカーはネッシー。 スピーカー能率は99dB/Wと100に近い。LUXMAN C-10特有の残留ノイズでネッシーが 盛大に鳴り、音楽鑑賞どころでないと容易に想像できる。 今では80dB/W台のよく言う能率の低いスピーカーが多い。 強力なパワーアンプの制動力で抑え込みながら鳴らす。 残留ノイズという致命的な弱点であるが、低能率スピーカーとテクニックで少し 目をつぶれば、独特の粘り腰で価格の半分を占めるという固定抵抗をハンダ付けした 前代未聞の巨大アッテネーターを搭載したLUXMAN C-10は個性的な音を奏で始める。 LUXMAN C-10Uになり残留ノイズは少なくなったが、牙を抜かれた狼のような音に なってしまった。(LUXMAN C-10Uユーザーすまぬ) このようにプリアンプ一つでユーザーごとにこれだけのエピソードが出るのである。 たかがプリアンプとは思わないが、されどプリアンプなのである。 そこで本題Grandioso C1X。 試聴予定を早めて、試聴できるという朝一番にH.A.L.Iで試聴する。 メルマガであるようにまずGrandioso C1のXLR(電圧伝送)を聴き、Grandioso C1Xの XLR(電圧伝送)、次にES-Link Analogに切り替えて試聴。 最初、電流伝送方式「ES-Link Analog」と聞いた時、過去にもクレルの 「CAST(Current Audio Signal Transmission)」があったのを思い出した。 「ハイ出し/ロー受け(出力インピーダンスを高くして、受け側の機器の入力 インピーダンスを低くする)」により、ケーブルのインピーダンスの増減に左右 されにくい伝送方法であった。 また同じ長さ、同じキャパシタンスのケーブルならば、CAST方式にすると伝送レートが 5倍ほど向上するという。(ステレオサウンド 131号より) 難しい理論は省くが、接続ケーブルに左右されにくく、高域が伸びてワイドレンジで ハイスピードな信号伝送が可能になるという、いい事ずくめのCASTはクレルの特許であり、 一般には広まらなかった。今から21年前の話しである。 まず持参したDISCでGrandioso C1の音を聴く。長年聴いてきた音。 ただ新品おろしたてのため少し音が硬いか。 次にGrandioso C1X XLR(電圧伝送)で聴く。もうここで情報量が違う。 情報量がどれだけ減衰しているか推し量るには余韻成分。 明らかにGrandioso C1よりGrandioso C1Xの方が多い。 音像もよりクッキリして余韻の滞空時間も長い。 ここで驚くのはまだ早い。最終形のES-Link Analogが控えていた。 このES-Link Analogにすると個々の楽器にもスポットライトがあてられたかのように、 音が明瞭な方向に行く、Grandioso C1Xは二段ロケットの進化なのだ。 改めて8/17配信のH.A.L.'s Circle Review No.4467を読み返すと川又さんが おっしゃっている事に納得がいく。 ボクシングに例えるとGrandioso C1XのXLR(電圧伝送)のフックをボディにくらい、 ES-Link Analogでアッパーカットをくらった感じである。 もうGrandioso C1XでXLR(電圧伝送)とES-Link Analogで比較試聴しようとは思わない。 断然ES-Link Analogの方がいい音だし、聴いていて色々新しい発見がある。 試聴時間が限られているので、これからはES-Link Analog固定で試聴する。 聴くごとに持参したDISCの新しい発見がある。 ここでGrandioso C1Xはポンっと置かれている状態であることを確認。 H.A.L.'s E.S.Insulatorで武装したらまだ伸びしろがあるという事である。 辛島美登里のセルフカバー&カバーアルバム「Cashmere(カシミア)」 伴奏は楽曲に合わせギター・ピアノ・チェロのみというシンプルな構成。 伸びやかな高音域が持ち味の彼女だが、ボーカルが生きる構成なので、 歌声のエコー成分の消え具合で情報量が如何にスピーカーまで伝わっているか判断できる。 まず彼女の代表曲である「サイレント・イヴ」。ストリングスを入れて壮大な 世界観のシングル盤も好きだが、ボーカルが際立つこのアコースティック盤では より歌詞の世界に浸れる。 このアルバムでは「いかに静寂を感じ取れるか」。 言葉にすると難しいが、Grandioso C1Xのノイズフロアの低さを感じ取れるアルバムである。 光と影。 ポンと無音状態からボーカルがパッと出た時の瞬発力、音の立ち上がる応答時間が圧倒的に短い。 ブライアン・アダムズの名盤「レックレス」から「Summer of‘69」 「Grandioso C1と何かが違う・・・何だろう?何だろう?」と思っていたが、 「Grandioso C1Xはギターサウンドが最高に楽しめるプリアンプである」と一人合点した。 Grandioso C1Xは楽器の全てにスポットライトをあてている。 特にギターの音色は勿論の事、指使いのテクニックまで感じ取れる。 これが確認に変わったのはエリック・クラプトンの「tears in heaven」を聴いてから。 ギターの音が楽しめる、これ大事。 「ギタリストでもないのに何が分かる」と思われるかもしれないが、シロウトが 聴いても上手い下手くらいは分かる。 Grandioso C1Xは特段注目して聴かなくても、テクニック表現まで容易にリスナーに提供する。 FLIM & THE BB'sのアルバム「TRICYCLE」から一曲目「TRICYCLE」。 はっきり言ってこの一曲目を聴くためだけに購入したアルバム。 TRICYCLE=3輪車。 アルバムジャケット通りの曲だがあなどってはいけない。 知らない人が冒頭のピアノに合わせてボリュームを上げていると突然の大音量の 重低音がウーハーから飛び出す。 Grandioso C1でもその低音の再現性に驚愕するが、Grandioso C1X ES-Link Analogでは より低い音程にエネルギーが集まり放出される。 それを再現するHIRO Acousticも凄い。 「えっ?まだこんなに重低音が入っていたの?」と思うほど、聴いたこともない音が再現された。 有里知花の「hana」より「the end of the world」。 これもずいぶん低く重い低音が入っているが、H.A.L.IのHybrid-ANKH導入で低音の解像度が 上がり、彫りがより深く「そうきますか?」と思うくらい輪郭が浮かびあがるとともに 余韻感がたっぷり=情報量たっぷり。 もちろん中高音域の余韻感も増し増しであるがGrandioso CX1は低音の解像度と 余韻感に耳がいってしまう。 水越恵子の「In My Life」から「You are my life」 私と同じ世代の人はTBS「8時の空」で歌のお兄さん田中星児とギターを抱えて 歌っていた歌のお姉さんと言えばピンとくるであろう。 当時小学生だった私は二人の「いってらっしゃい」を聞いてから登校していた。 https://ja.wikipedia.org/wiki/8%E6%99%82%E3%81%AE%E7%A9%BA 私の女性ボーカル好きはこの時から始まったかもしれない。 機会が無くて一度だけライブに行った事がある。 特別なコーナーではオーディエンスから全てのアルバムから一曲選んだものを歌うというもの。 そのために全ての楽曲をまとめた分厚い楽譜を用意し数曲披露した。 サービス精神旺盛なのである。そこで「You are my life」 感情表現がストレートに伝わってくる。 ちょっとしたニュアンスであるが、グッとくるものがある。 これも情報量を余さず伝えた事の結果であろう。 残念ながら言葉にするのが難しい。私には文才は無いのである。 いくら筆舌をつくしても文面からは音は出てこない。 是非ご自分の耳で違いをH.A.L.Iで体験して頂きたい。感動は後からついてきます。 鬼束ちひろのベストアルバムから「流星群」「月光」などを聴く。 もう「これくらい」と予想できているので驚かないが、一音一音綺麗である。 彼女の初期作品に欠かせないピアノの音が見事。 前回のH.A.L.IのHybrid-ANKH導入のリポート時では「すくっと立った」と表現したが、 まだまだ甘かった。 ずいぶん前になるが月刊誌「stereo」の特集で森本レオを試聴室に招きスピーカー だと思うが比較試聴をしていた中に、「このアルバムは喉の奥が見えるような レコーディングなんです」という言葉があったが、肉声に近いという意味の褒め言葉であろう。 まだこんなに彼女が有名になる前にファースト武道館のライブをアリーナ席で聴いたが (まだ無名に近かったのでアリーナ席が簡単にとれた)、その歌声と激しく体を動かし ながら歌う姿に圧倒された。 以来、仮想的に頭の中では武道館での姿と試聴の曲の再現性を再構築しながら聴いている。 すると武道館での感動が再び蘇るのである。もうスピーカーは存在しない。 中空に鬼束ちひろが浮かび上がる。 もう俗な言い方になるが、「Grandioso C1X サイコーですよ」。 現時点では不満な点は一つとて無いです。 H.A.L.Iの試聴環境もサイコーなのでいくらボリュームを上げてもうるささは無い。 先日のテレビ朝日の「ポツンと一軒家」で過去回での放送とその後を放送していたが、 山奥の一軒家で数年かけて真空管アンプを自作してオーディオを楽しんでおられる 御仁も言っていたが、オーディオ的に悪い音はボリュームを上げるとうるさく聴こえる。 しかしながらいい音だといくらボリュームをあげてもうるさくは無い。 最後にH.A.L.Iに置かれている「Image(SACD)」を聴く。どこのショップにも 試聴用に置かれているDISCであるが、この「Image」を聴く事で耳がリセットされる。 様々な楽器が収録され、ボーカルも入っている。改めて良くできたアルバムだと思う。 オーディオショップには色々な人が訪れるが、「Image」1枚あればその人の好みに 近いジャンルが入っていて、他に膨大なアルバムを抱える必要はない。 Grandioso C1とGrandioso C1Xの外見の違いはノブの仕上げだけ(裏のES-Link Analogに関するシルク印刷は違う) しかし、中身は完全に別物と言っていい。 前にも書いたかもしれないが、エソテリックの場合は回路を開発し、それらの 新しいものを積み上げた先に音があったというメーカーだと個人的に思っている。 Grandioso C1Xを手にされた方は、そのほとばしる鮮烈な音と圧倒的な情報量で、 もう一度所有のCDを聴き直す事でしょう。 今までのプリアンプでは大した印象も残さず、パッとしなかったCDが、Grandioso C1Xで 聴くと名盤と見直すCDが出てくるかもしれません。 この次はGrandioso Xシリーズのパワーアンプである。 エソテリックの独自開発のES-Link Analogで統一されたGrandiosoを今から心待ちにしている。 一方的に存じ上げているが「このGrandioso C1Xを超えるプリアンプを開発するのは 容易ではないですよ。加藤さん(開発担当)」と老婆心ながら思ってしまう。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より T T 様ありがとうございました。毎回じっくりと試聴して頂いていますが、 そのうちにメーカー各社から「あのT T 様にどう評価されるか心配」という 声が聞こえてきそうな気がしますが(笑)これからもよろしくお願い致します。 また、Grandioso C1XによるES-Link Analogが最高との評価はその通りだと思います。 しかし、通常の電圧伝送の音質に関しても前作とはかなり進歩しており、他社の パワーアンプの組み合わせでも相当な支配力を発揮すると確信しております。 これからも海外製も含めて色々なパワーアンプとの共演が想定されますが、 日本が誇るコントロールアンプということで文字通りパワーアンプも支配下に おけるものと期待して頂ければと思います。引き続きよろしくお願い致します。 |
担当:川又利明 |
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