36th マラソン試聴会“with Sound”Hearing Report


No.0638 - 2012/11/3

今回も多数の、そして全国各地からのご来場ありがとうございました。
http://www.dynamicaudio.jp/marathon/36/

皆様のご感想をお待ちしておりますのでよろしくお願い致します。

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Vol.1「目が覚めるように音楽が鮮烈に変わっていきブラボーでした!!」

東京都世田谷区 S 様より 

前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0548.html

S様は下記の訪問記でもご紹介しています
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_visi0011.html
 
印象に残る過去のレポートをご紹介致します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0571.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0443.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0412.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0394.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0362.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0374.html
 
川又さま
 
今年もマラソン試聴会をありがとうございました。
いつもにも増して、私には興味深く、楽しい試聴会でした。

比較試聴に力点を置くなら、今回の二人でプレゼンをする方式は、大変有効
だなと思いました。

ただ、日曜の後半2コマしか行くことができず、土曜のメニューにも惹かれる
ものがあったので心残りでした。

今回の企画は、価格やマテリアルなど、いくつかの共通点をもった製品二組
(主にスピーカー)を、二人のプレゼンターが一組ずつ受け持ち、その個性、
特徴を生かして鳴らすというものでした。

もちろん、プレゼンターが一人でもできることですが、機材が変われば別の
人の感性、意図、好みで鳴らすところに、思わぬ対比が表れてくるというか、
違いが強調されるという趣があったと思います。

まずは川又さんと島さんのコーナー。
TIDAL CONTRIVAとAVALON COMPASUでは、芳醇・グラマラスなTIDALと緻密・
清楚なAVALONの違いがよくわかりました。

私はこのところ出不精で、川又ルームにもお邪魔できていませんので、
TIDALはこの日が初めて。AVALONのスピーカーを聴くのも7、8年ぶりくらい
だったでしょうが、

AVALONは以前に感じた印象の通りでした。
数年たっても、自分の印象が変わっていないことも確認できてうれしかったです。

KTEMAとAMATIは、AMATIがトラブルでクリップしてボリュームが上げられず、
十分な比較にはなりませんでした。AMATIにも島さんにも気の毒なことでした。

メモをとらなかったので、記憶だけですが、KTEMAで川又さんがジャズをかけ
たのにはちょっとびっくり。これが大いにいけるんですね。KTEMAの奥深さを知りました。
 
次が最後の川又さんと東さんのコーナーでした。

ここでは相手プレゼンターの受け持つスピーカーとの比較というよりは、
ひとりのプレゼンターが受け持つ2機種のスピーカーの味わいを知る、
という性格が強かったですね。
 
川又さんのACCORDOは今年も快演でしたね。昨年、同じ会場で初めてACCORDOを
聴き、びっくりした記憶があります。あの小ささで、小気味よく、雰囲気も
よく音楽を提示してくれます。

東さんのMAGICOは10年ほど前でしょうか、日本に初めてMAGICOが紹介されたとき、
ミニというブックシェルフにしては大きいものに惹かれたことがあります。

その後の大型は聴いたこともなく、あれ以来でした。
今回のQ3はベリリウムのツイッターにアルミ合金のエンクロージャーと、
ハイテクスピーカーのようですが、東さんもおっしゃっていたように、
柔らかい響きも感じられました。ただ、おとなしめの音量だったこともあり、
このスピーカーの本性までは分かりませんでした。

これも東さんの担当ですが、AVALON TIMEはさすがでした。
前のコーナーで島さんがプレゼンしたCOMPASはエージングがまだまだと
おっしゃっていましたが、それもあってか、COMPASと比べるとTIMEは音の
バランス、練れ具合がすばらしかった。

東さんはボーカルを主体に聴かせてくださったので、それ以外の音楽も
聴きたかったなあと思いました。

川又さんのAIDAはもう別格ですね。すばらしい。その一言です。

カラヤン・ベルリンフィルの第九のリハーサルからSACD、ガラスCDと、目が
覚めるように音楽が鮮烈に変わっていき、ブラボーでした。
最終日なので仕方がないのですが、第九は最後まで聴きたかった。

毎年のことですが、川又さんのしゃべりと選曲には頭が下がります。
私たちが興味を持つようにポイントをわきまえ、その通りに鳴らしていく。
まさにプロフェッショナルの内容で、川又さんのプレゼンは毎回勉強になります。

今回の企画、プレゼンターがバトンタッチを繰り返しながら、2種のスピーカーを
交互に鳴らしていくことはプログラムに書かれた各パートの「聴きどころ
解説」が、その真意を完璧に表現していました。

そして、各パートの欄外にもその意図は明確に表れていると思っています。
つまり、「川又vs島」「川又vs東」ではなく、「川又with島」であり、
「川又with東」であるということです。

対抗ではなく、機材の特徴を知り尽くしたプロが、それぞれの美点を引き出して
提示してくれるということでしょう。
それが交互に提示されるので、比較しやすくなるということですね。
 
交互なので、毎年のように川又さんの専用時間をたっぷり楽しむというわけに
はいきませんでしたが、お店でもなかなかできない比較試聴がかなえられた
ことで、大会場ではありましたが、私の記憶に残る音たちになることでしょう。
 
楽しさはもうひとつあって、川又さんのボリュームコントロールが絶妙でした。
ちょっと大きいなと思うと、川又さんがフロアに降りてきて確認し、
ボリュームを少しだけ下げることが何度かありました。
その逆も同じようにありました。

そのボリューム感覚が、私の感覚と一致していました。
川又ルームに通ううちに、自然と川又さんの影響を受けていたのでしょう。
 
それにしても、みなさん10Mのクロックを使っておられたのには、やはり…
…とがっくりしました。あの音を聴いてしまうと、使いますよねえ。

こればかりは世代の進化という感じがします。
発信源であるルビジウムは同じなのですから、せめて10Mを2〜3系統取り
出せるバージョンアップというか改変が実現できないですかねえ。
でないと、貴重な資源がもったいないと思うのですが。

愚痴まで書いてしまいました。
久しぶりに楽しく、エネルギーをもらえたイベントでした。
ありがとうございました。
 
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川又より
 
S様ありがとうございました。今回の企画意図を的確にご理解頂きまして
重ねてお礼申し上げます。毎年、私は最後の一曲をどうしようかと大変悩む
のですが、今回は下記のブリーフニュースで紹介しているディスクからの選曲でした。

「話題の20万円もするガラスCDをハイエンドオーディオからの視点で分析!!」
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/561.html

上記ブリーフニュースで紹介しているユニバーサルクラシックのサイトは既に
リンク切れになっているので、EXTREME HARD GLASS CDによるカラヤンとベル
リン・フィルハーモニー管弦楽団によるベートーベン第九のディスクに関しては
下記のリンクをご紹介させて頂きます。
http://www.geocities.jp/concolor1957/Karajan2008HardGlassCD.html
これが本文中の≪便宜上“HGCD”と表記≫です。

同様にSACDフォーマットによる1962年録音のもの≪便宜上“SACD62”と表記≫
と表記しているディスクもユニバーサルクラシックのサイトにはないので
探してみると↓こんなサイトが見つかりました。
http://www.sa-cd.net/showtitle/1329

この6枚セットのうちの一枚にリハーサルのドキュメンタリーが収録されています。
そのディスクの3トラック目に第四楽章の冒頭部分からのリハーサルがあり、
これを最初に聴いて頂きました。

次に、このリハーサルから生まれた“SACD62”の第四楽章を、そして最後に
EXTREME HARD GLASS CDによる第四楽章をファイナルとして演奏したものです。

使用システムは下記のPart.3のものでスピーカーはSonusfaber Aidaと、他の
コンポーネントはsoulution、ケーブルはZenSati Seraphimでした。
http://www.dynamicaudio.jp/marathon/36/2012.10.28.pdf

私の試聴会では演奏した音楽に感動したら生演奏のようにお客様から拍手を
頂けるという展開を心がけているのですが、この最後の一曲が終わってから…
ご来場の皆様から盛大な拍手が湧き起りました!!

ありがたい事です、そして素晴らしい事です。オーディオシステムの演奏に
対して生演奏と同じように聴衆からの拍手を頂けるなんて!!
こんなオーディオイベントは他にありますか…!?

ご来場頂いた皆様からのご感想をお寄せ頂ければ大変嬉しく思います。
どうぞよろしくお願い致します。<m(__)m>そして、ありがとうございました。


HAL's Hearing Report