H.A.L.'s Hearing Report- Enrico Onofri Live in Japan!!
No.0612 - 2011/8/11 Vol.5「この大胆な発想こそはオノフリさんの研究成果でしょう!!」 ■私が昨年大変注目し感動したEnrico Onofriの思い出はこちらから!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/757.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/759.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/760.html そして、Enrico Onofriが演奏し指揮しているライブアルバム『愛をこめて』が 7月27日に発売されました。詳細は下記をご覧下さい。 http://homepage3.nifty.com/enricoonofri/ ←ぜひご覧下さい。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/839.html ←データはこちら http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/835.html ←試聴にも使用 10名様に出来たてホカホカのCDに愛を込めてプレゼントさせて頂きました!! このCDは最近ではH.A.L.のリファレンス・ディスクとして毎日演奏しています。 私が太鼓判を押すオーディオシステムのチェックにふさわしい演奏と録音です。 当選者より早速のご感想を頂きましたのでご紹介致します!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Vol.5「この大胆な発想こそはオノフリさんの研究成果でしょう!!」 京都府宇治市 T H 様より 前回の投稿をご紹介させて頂きます。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0505.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0535.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0504.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0436.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0427.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0405.html ご夫妻の写真付きレポートでした。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0298.html そして、Cardas Myrtlewood Blockでも投稿を頂いておりました。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0380.html 先日は素晴らしいCDを有難うございました。 もっと早く感想をお送りするつもりでしたが、仕事の都合でなかなか書けず 今日になりました。申し訳ありませんでした。 古楽の演奏を真正面から聴くのは、私にとっては今回が初めてでした。 古楽には「音がきつい」とか、「情感がない」とか、「理屈っぽい」とか、 …とにかく先入観がありすぎました。 しかし、今回、店長がオノフリさんのことを大きく紹介されたことで、 ひょっとすると私のこの先入観は間違っているかもと思い始めました。 そこで実際に是非聞いてみたいと思い応募した次第です。 CDを聴いた結果、僕の古楽へのイメージは吹っ飛びました。 演奏の熱さに圧倒されるばかりでした。 凄い!!その一言です!! 少し、長文になりますが、以下、感想を書かせて下さい。 実は、感想こそ書かなかったものの、このCDは仕事から帰った後、毎日、 自分の部屋で延々と聴いていました。 すると、聴くたびに印象が次々と変わって、飽きるということがありませんでした。 むしろ、「やみつき」でした。 初めは、「軽快で明るく、親しみやすい演奏だな」という印象でした。 実際、疲れて帰ってきてほっこりとしながら聴いていると、大変心地よく、 随分癒されるものがありました。 しかも、毎日、その日その日のいろんな気分や思いを、この演奏はその時々に 応じて受け止めてくれました。 つまり、毎日聴いていても常に新鮮だったのです。 こういう人間的な力のある演奏というのは、なかなか稀です。 その力はどこからくるのか? いろいろ考えてみましたが、結局、オノフリさんの楽曲分析だろうと思いました。 彼は、最初は大変な技巧派に私には見えましたが、おそらく本当は楽曲に 人間的なものを徹底的に追究する人なのだと今は思います。 オノフリさんは徹底的な楽曲分析の上で、作曲者のこめた人間的な情感を極めて 深く抉り出し、彼の持つ比類ない技術でそれを明瞭に表現しようとしたのでしょう。 このCDの演奏は、古楽器独特の太陽のように明るいトーンにつつまれて大変 親しみやすいですが、その向こうにはオノフリさんがスコアから読み取った 深い人間的な寂しさや苦悩の情感を深くもっているように感じました。 具体的にみる前に、もう一つ特徴的なことは録音です。 古楽器による演奏表現は、きわめてデリケートな部分の積み重ねが大切に感じました。 たとえば、弓が弦に当たる瞬間のアタックの音。 リュートやチェンバロの弦を弾く音。 それぞれのわずかなニュアンスがそれ自体表現上の大事な要素になっているようです。 録音では、それらわずかな音の要素をキャッチできなければ、貧弱な再生音と なり、本来の演奏意図を再現できないということです。 このCDは、そうした音はもちろん、ホールの空気感、客席の一瞬の反応、 演奏者の息遣い、そして演奏者の気配を実に音楽的に録音できています。 その結果、オノフリさんの表現しようとしたバロックの世界が、このCDの 中で、現代の我々にとっても極めてリアルで具体的な情感をもって再構築され たのだと思いました。 非常に心地の良い音楽の世界です!! 全部の曲についてコメントすると大変なので2つに絞ります。 このCDではヴィヴァルディとモーツァルトが大変印象的でした。 ヴィヴァルディでは、オノフリさんの研究の成果が実に人間的に主張されています。 『四季』の"冬"を何と、第一楽章をカットし、その代わりに歌劇『ファルナー チェ』の アリア「すべての血管が凍えるような血が」を持ってきたのです。 この大胆な発想こそはオノフリさんの研究成果でしょう!! アリアは、森麻季さんです。 悲しくさびしく、苦悩に満ちたこのアリアを、深く沈潜した内省的な歌声で、 しかし、まろやかで聴き手をつつみ込むような歌声でホールを満たしていきます。 素晴らしいアリアでした!! そして素晴らしい伴奏でした!! 『四季』は第二楽章へと進みます。 弦楽器の伴奏に乗って、あの有名なテーマが、悲しみをたたえた切ない ヴァイオリンの音色で始まります。 オノフリさんは、ぞくっとするような音色でたっぷりと歌い切ります。 素晴らしい歌いっぷりです。 第三楽章は見事なアンサンブルです。 優しさと激しさが交互に押し寄せます。 そこには、とろけるような優しさがあるかと思えば、爆発するような激情があり、 この厳しいまでの感情の対比を見事に表現し劇的に終わります。 ヴィヴァルディは我々とともに生きているのではと思うほど、リアルな音楽と して響いてきました。 アリアを担当した森麻季さんはこの後、ヘンデルも歌いますが、そこでは人間 の救われない不安や恐怖をいう苦悩をさらに超えて希望へと進んでいこうと する明るく心地よい歌声をホールに響かせてくれます。 どちらも見事な歌唱で、それぞれの深い思いが心にしっかりと伝わる素晴らしい歌唱でした。 ヴィヴァルディについては、もう一曲、『シンフォニア』が演奏されました。 ここでは、第二楽章が大変印象的です。 アンダンテですが、こころから癒される楽章です。 しかし、同時に、単調になりやすく難しい楽章です。 しかし、オノフリさんは、楽曲分析が優れているのでしょうね、実にフレーズ の扱いが見事で、歌わせ方がハッキリとして、情感の表現が実に上手なのです。 第三楽章は魅力的なアンサンブルです。 生命力にあふれ、一瞬一瞬の音や余韻に人間的な意味を感じ取ることが出来ま す。 オノフリさんが全身全霊で演奏に打ち込んでいる姿が目に浮かんできます。 こちらまで熱くなります。 モーツァルトの『アイネ・クライネ・〜』、これは圧巻です!! 第一楽章ではあの有名なメロディ。 切れ味が鋭い! しかし、優しさにあふれています。 躍動感が素晴らしく、押し寄せては引いていく波のようなフレーズが、 まったく一糸乱れぬアンサンブルで一瞬と言えども音楽のゆるみがありません。 ある種、スポーツ的な快感すら感じるくらい、きびきびと音楽をすすめていきます。 しかし、情感は深いのです。 一瞬の余韻の中にオノフリさんが見たモーツアルトの寂しさを感じさせるのです。 第二楽章は、絶品です!! バイオリンのアンサンブルが限りなく美しい演奏を聴かせてくれます。 音色は温かくやさしく、最高に心地よいホールトーンを聴かせてくれます。 しかし、ここでもオノフリさんの独壇場なんでしょうね、リズムがヴィヴィッドなんです。 悲しげでありながら、あくまでも明るさを表に出してくれる。 オノフリさんの描くモーツァルトの核心なんでしょうね。 第三楽章は、オノフリさんがヴァイオリンを弾きながらダンスをしているの ではないかと思うほど、とろけるようなチャーミングさです。 そして、フィナーレ、第四楽章。 余韻を随所に残しながら、生き生きと躍動感にあふれた演奏で締めくくります。 素晴らしい! 最後に、アンコールのパッヘルベルの『カノン』です。 今まで、普通に聴いていたこの曲ですが、このCDで聴いて全くびっくりしました。 オノフリさんは、この曲に、この日のコンサートに託した気持ちのすべてを 込めたのでしょうね。 感動しました!! あまりの感動に思わず涙ぐみそうになりました。 悲しみ、苦しみを突き抜けた明るさや躍動感が、そこにはあるように感じました。 オノフリさんは、この曲を、私たちへのエールとして送ってくれたように思いました。 音楽に対する真摯さ、厳しさ、そしてその向こうにある温かさと優しさ、 それがオノフリさんが表現しようとする音楽なのだとこのCDを聴きながら 思いました。 そして、その表現の意志はオノフリさんにあっては、非常に熱く、表現の形式 は明快です。そして、演奏の底には、非常に生き生きとした生命力にあふれた ビート感があって、これが聴いている私にはワクワクする原動力になっています。 このCDはどなたかも書いておられたように、とってもかわいいジャケットに なっています。びっくりです。 思わず大切にしたくなります。このCDはもう私の愛聴盤です!! 今まで古楽は全くの素人でしたが、このCDのおかげで全く認識が変わりました。 オノフリさんが聴かせてくれる古楽というのは本当に素晴らしいですね。 出会えてよかったです!! 川又店長には本当にありがとうございました。 古楽との出会いができてとても喜んでいます。 ではこれからもよろしくお願いします。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より T H 様 情熱的なご感想ありがとうございました。そして、私も感動しました!! そこまで音楽に深く接して頂き感動して頂いたということで、本企画にて 当選されましたことが幸運であったと私も思いました。 ライブ演奏でのアレンジまで解説して頂き私も大変勉強になりました。私は T H 様のようなお得意様に恵まれて大変ありがたいものだと感謝しています。 これからも末長くお付き合い頂けますようお願い申し上げます。 残念ながら当選されなかった皆様は下記の担当者へご注文を頂ければと思います。 ★お持ち帰りも可能です。商品のお取り置きやお問い合わせはこちら。 サウンドパーク・ダイナ担当:矢部(木曜定休)までよろしくお願い致します。 [E-mail]info_spd@dynamicaudio.co.jp TEL:03-3255-2151 FAX:03-3255-2159 |