《HAL's Hearing Report》
No.0180 - 2004/10/31 東京都世田谷区 K S 様より マラソン試聴会、お疲れ様でした。 ふだん、聴かせていただく一方で申し訳ないので感想を書かせていただきます。 土曜の午後3時前から6時半ごろまでのわずかな時間でしたが、参加させてい ただきました。あのときの地震がこのように被害が甚大なものとは考えもしな いで音に聴き入っていました。 今年は参加できたのが時間的にわずかだったのですが、各器機の鳴り方をHALと は違う環境でも確認でき、確信できたことが大きな収穫でした。 NE0を使ってP-01(CD)とX-01(SACD)の違いは、どちらがSACDか 自信をもって分かりました。 それはX-01が発売された当時、HALで聴かせていただいた印象(音がややとがって いる。だからP0sから乗り換えないという感想)がまず記憶にあり、先日のHAL でのP-01、D-01試聴会で受けた印象(すごい実力。とても気持ちよく音を分解し てくれるし、鮮度のいい、しかも練れた音楽として聴かせてくれる。これはほし いと思った)を重ね合わせると、自分の中ではすんなりと答が出ました。 マラソン試聴会では、CDの音かSACDの音かというよりも、P-01・D-01の音か、 X-01の音かという判断で聴いていたと思います。もちろんP-01とCDの組み合わせ の方が好ましかったのです。 願うべくもないのですが、時間があれば真打ちとして、同じディスクでP-01とSACD の組み合わせも聴かせていただきたかったですね。 NEOはこれまでにもずいぶん聴かせていただいていますが、広い会場でも印象は そのままでした。仰角を付けたときの変化には少し驚きましたが、緩むところな く音の輪郭を描き出し、色づけがなく、しかも音楽としての密度を保ったまま (ここが並のSPではないと思っています)聴かせてくれるというところでしょうか。 一曲しか披露されなかったストラディバリウスも、ああやはりそうなんだ、と納得 でした。これまでHALで一度しか聴いたことがありませんが、その印象は「この色気 は何だ」というものでした。 分解とかスピードとか、そういうものを超えて音楽が訴えかけてくる、とでもいい ましょうか、音楽に熱を感じます。 それもそのまま、あの広い会場で現れていました。NEOとストラディバリウスに対し ては、NEOストラディバリウスというSPがあったら、どろぼうをしてでも買うのに、 といういいとこ取りの虫のいい空想を描いていて、SPのおもしろさ、難しさの象徴 例と思っています。 アヴァロン・ダイアモンドは、あの会場で鳴らすにはやはりスケールが小さくまと まるようです。健闘しているなあと思ったのが、島さんのシステム7でした。この SPでクラシックを聴いたことはほとんどなかったのですが、オケが結構いけた。 弦の高域のきつさが、P-01・D-01を使って、GOsを通すとどうなるのかなと、ふと おもいました。それにしても、これだけの準備は大変でしたでしょう。 これも、それにしてもですが、川又さんのトークはうまい。 あれはハンディをつけないと不公平ですよ。 かゆいところ、かゆいところに言葉が先回りしてくる。 つい、つり込まれる。 そして、これも、それにしてもですが、P-01・D-01はいい。 ついでに書かせてもらいますと、初めてP-01・D-01を聴く前は、DACがモノラルと いうこともあって、この差が大きいはずだと思っていました。 P0sをトランスポートにDACをD-70からD-01に代えたときは確かに変化はあったの ですが、トランスポートもP-01に代えたときはあんぐりでした。 ある指揮者が、「私たちはオーケストラの音をいかによくブレンドさせようかと 気を遣っているのに、オーディオマニアの方たちは分解、分解という。これ何な んでしょう」といった趣旨の発言をしているのをどこかで読んだ記憶があります。 P-01・D-01の組み合わせで表現される楽曲は、ブレンドされているというか、 音楽のバランスを保ったまま、分解ができているとでもいいましょうか。 これはコンサート会場の一番前の席とも違いますし、オケの中に入って聴いて いるのともたぶん違う。 これこそマクロとミクロの両方を兼ね備えた楽曲を眼前に広げてくれる、オーデ ィオでしか味わえない美術だと思っています。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 川又より K S 様本当にありがとうございました。お褒めの言葉も頂戴し恐縮です。(^^ゞ 私は1961年に録音されたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮:ヘルベルト ・フォン・カラヤン 録音:1961年/4.Presto-Rehearsalをかけましたが、その ディスクのライナーノーツに大変よいコメントがありました。 カラヤンが若い指揮者にこう言うのです。 「指揮のしかたを君に教えることはできない。しかし、リハーサルのしかたを 教えることはできる。それは本番で極力指揮をしなくてもいいようなリハー サルのしかたである」と…。 これを読んで、そして皆様のご感想を拝見して私も当社の若い営業マンに こう言いたくなりました。 「販売のしかたを君に教えることはできない。しかし、セールスのためのリハー サルのしかた(店頭で実演する音質の良し悪し)を教えることはできる。それは 商談の本番で極力言葉による説明(売り込みのトーク)をしなくてもいいような リハーサルのしかたである」と…。 そうです。もしかすると、私は当社の中でもっとも商品説明の時間と言葉数が 少ない営業マンかもしれないのです。なぜかと言えば、ここにある商品たちが 自分たちでお客様を説得しているからです。私は、ちよっぴりそれに手を貸し ているだけなのです。「聴けば解る!!」これが最も大切なことなのです。 オーディオ経験ゼロ、電気的・技術的知識ゼロ、でも音楽は大好き!! このような皆様のために専門店があるのです。さあ、どうぞダイナミック オーディオ各店の担当者のキャラクターを思い出して頂き、これからも皆様の お好みの担当者とめぐり合って頂ければと願っております。もちろん、ここに もその一人がいることをお忘れなく〜(笑) & (^^ゞ |