《HAL's Hearing Report》


No.0166 - 2004/7/21

福島県郡山市 S S 様より


「カルチャーショックともいえるものでした!! いいですね〜NEO!! 」

川又様

郡山市のSです。
先日(7/16)は大変お世話になりました。
開店と同時に押しかけ、かつ2時間以上も試聴させていただき、大変
ありがとうございました。


H.A.Lにおじゃまするのは何年か前、隣の旧フロアの時に2度ほど(1度は
川又さんがいらっしゃらない時)ありましたが、今回のように長時間試聴
させていただくのは初めてでした。

今回はアバンギャルド・トリオと、モスキート・ネオを試聴させていただき、
大変感動いたしました。

ノーチラスを聞いた時には、すばらしい音、音楽ではありましたが、
「こうゆう音の世界もあるのだな」というのが正直なところでしたが、今回
ネオでの演奏を聴き、私のオーディオ人生(ちょっと大げさですが・・)に
おける価値観を覆す、いわばカルチャーショックともいえるものでした。

話しが若干横道にそれますが、私のオーディオにおけるカルチャーショック
ともいえる経験は今回を含めると2度あります。

今から20数年前、当時出始めていたCD(主にフュージョン系)をJBLの
4312で聞き始めたのが私のオーディオの出発点で、そらから10数年後に
転勤で出会った先輩のシステムを聞いた時が、最初のカルチャーショックとも
いえる出来事でした。

それは古いJBLのユニット(15インチのウーハー2発+375+075)
で組んだホーンシステムで、50〜60年代のジャズをアナログレコードで
聞かせてもらった時でした。

目の前で展開するトランペットやサックスの演奏はまさにライブそのものを
思わせ、体をゾクゾクさせるものでした。

これはそれまで、初級者向けのオーディオ雑誌等で自分に刷り込まれた、
S/Nとかダイナミックレンジ等でのCDの優秀性(?)や古い機器より新
しい機器といった考え方を覆す、私のオーディオにおけるカルチャーショッ
クともいえるものでしたし、またそれ以来、アコースティックなジャズの虜
となるとともに、「スピーカーはコンプレッションドライバーとホーンを持
ったでっかいスピーカーに限る」と考えるようになり、その後およそ10年
間にわたり私のオーディオの価値観となってきました。

結果として現在、JBLの今となっては古いホーンユニットを持つ大型(と
いえる)フロアスピーカーを使っています。

このような環境と、かつ長年オーディオで音楽を聴くことを自分の人生の大
きな楽しみとしてきていながら、いまだに聞き分ける耳やオーディの使いこ
なしに関して初・中級の域を出ない私ではありますが、今回ここで聞かされ
た音は、ウーハーは15インチでもなく、ましてや大型のホーンスピーカー
でもない、こんな小さな体(小型スピーカーじゃないのにこんな言い方すみ
ません・・)で、こんな凄い音が、凄い音楽が聞けるのかと、正直おどろい
た次第です。


話しを戻しますが、今回は「アバンギャルド・トリオと、モスキート・ネオ、
ソナスファベ−ル・ストラディバリオマージュの中で試聴可能なもの」とお
願いして上記2機種を試聴させていただきましたが、一番聞きたかったのは
アバンギャルド・トリオでその次がネオでした。

最初にアバンギャルド・トリオを聞かせていただきましたが、店に到着して
直ぐで若干緊張していたこともあり、持参した4枚のCD(オリヴァーネル
ソンのブルースの真実、ジョニーグリフィンのザ・ケリー・ダンサーズ、
キースジャレットのアット・ザ・ブルーノート、川井郁子のヴァイオリン・
ミューズ)の中の1枚目、2枚目から主にホーンの音を聞いた2曲程度は、
こんなものかなという感触でしたが、3曲目のピアノトリオあたりから、
こちらの気持ちも落ち着いてきたせいか、「お〜、やっぱりいいな」と、
最近音も聞かずに憧れのスピーカーとなっていたスピーカーからでる音が
音楽が耳に心に響いてきました。

こうなると「あれとあれも聞いてみたい」と聞きたいCDが次々と頭をよぎ
り、出張荷物を減らすためにCDを減らしてもってきたことが恨めしく思われ
たものです。

そうこうしているところに川又さんがいらっしゃって「きりのいいところで、
ネオに切り替えましょうか」と、今度はネオを聞かせていただきました。

まず、川又さんから「クラシックはお聞きになりますか」、「はい、ちょっ
ぴり聞きます」、「まずはこれを聞いてみてください」と、まずフル編成の
オーケストラの演奏を聞かせていただきました。

演奏が始まったとたん、正直、驚き!ました。

目の前にあるスピーカーのコンパクトかつある意味無機質な表情にも見える
楚々としたたたずまいとは別世界のステージが目の前にくりひろげられます。

次にかけていただいたドラムとベースのデュオの演奏(ザ・ダイアローグ)
は、まさに凄まじい演奏でした。

次に「この音はJBLでは絶対出せない音ですよね」という前置きと共にか
けていただいたピアノソロの演奏は、これもまさに生のピアノの響きそのも
のとも思えるものでした。

アバンギャルド・トリオの音もすばらしいもので、その音は自分のシステム
とは数段のレベル格差、格の違いがあるものではありましたが、ある意味そ
れは予想していた音の延長線上にあるものでした。

ネオはこのアバンギャルド・トリオもかすんでしまうような音の世界でした。

音の勢い、厚さ、切れ、響き、余韻、どれもすばらしく、「求めるものがす
べてそこにある、足りないものは何もない」といった印象です。(ないもの
をあえて挙げるとすると、その容姿を含めた、色気のようなもの?)


この日、私のオーディオの新たな目標というか、まずは憧れとして認識する
存在として「ネオ」が出現した訳ですが、ネオのみでこのような音が出現す
る訳ではなく、川又ルームにある選りすぐられた機器による一つのシステム
として、このような音、演奏が存在するものと思います。

いっぺんにこのようなシステムを導入できる訳もなく、これをどのように叶
えるのか・・・。川又さんのコメントは「まずはネオを導入することですね」。

あわせて購入にあたってのハルズサークルの特典も教えていただいたのです
が・・・。

ああ400万円・・・、ああ住宅ローン、子供の教育費・・・

川又さんのお話しによると、もう既に数セットを販売されているとのこと。

いまだシーアやCD等の小物しか注文したことのない私にとって、このよう
なシステムを川又さんにこの場で発注できる人をうややましく思いながら
H.A.Lを後にしたところです。(帰り道の秋葉原駅前でちょうど売っていた
宝くじを思わず買ってしまいましたが・・・)

冗長な文章となってしまって申し訳ありませんでしたが、取りあえず今回の
試聴のお礼がてら、印象を述べさせていただきました。お世話になり、大変
ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。


HAL's Hearing Report