《HAL's Hearing Report》
No.0138 - 2003/5/13 神奈川県川崎市在住 M・Y 様より 川又店長 様 昨日は突然の訪問失礼しました。川崎のM,Yです。 AvantgardeのDUOの音を聴きたくて、元オーディオ好きの先輩を連れて・・・ いやぁ予想以上の音にびっくりしましたよ。 元々我々2人は、共にJBLのスピーカーをこねくり回し、あーだこーだ20年以上 付き合って来ましたが、私はご存知の通りB&Wに乗り換え、先輩はというと オーディオを廃業!?してしまいました。 しかし気に成るのか、時折やってきては「なんか変わった?」なんて聴きに 来ていましたが。 今回H.A.L.'s Circle ReviewNo,635を読んだ私は、最近何となく物足りなく 思っていたN801の音の直進性(やっぱりホーンへの名残惜しみか!?)に「もし かしたら・・・」という思いで、その先輩を誘い5555に突如伺った訳です。 前置きはその辺にして・・・・モニターレポートします。 最初川又ルームに入ったときは先のお客様がS805+ChordでJAZZが心地よく 鳴っておりしばらく聴き惚れていましたが、ハイパワーオーディオ派の私た ちは「上品過ぎる」と結論を出し、はやる気持ちを抑えきれず、DUOのユニ ークながら思ったよりコンパクトなフォルムをなめるように見入っていました。 「う〜んむかしどっかのショップで同じようなホーンシステムを見たことが ある」と先輩は語っていましたが、それは「パッと見」での印象であり、よく みていくと、造りや剛性感は次元が違うと云うことでした。 何よりそのユニットの配置やSWの組合せが独創的であり、音質の繋がりに 多少の不安を感じました。 早く聴きたいよ〜と思っていた所、先のお客様が殺気を感じたのか、「どうも ありがとうございました」と急速に試聴が完了した様でした。(ゴメンナサイ) 終わると同時に、部屋にいらっしゃった若いお兄さん(あの方が上遠野さんかな?) に早速「これ、音出して」とお願いし、手馴れた手つきで「まずはこれからお聴 き下さい」とクラッシック(曲名は残念ながら不明)をかけて下さいました。 音量はことさら上品だったので、さして感動に値するには及びませんでしたが、 ホールトーンの再現性は「只者じゃない」と感じ取れました。 さて5分もすると店長がやってきて「○○さんどれかけますか?」と聞かれた ので「レビューでのテストディスクがいい」と答えたら 「では山下達郎のMISTY MAUVEから聴いて下さい」といいながら素早くP0sに ディスクをセットし、プリのボリュームを約9時位合わせ(あれこんなもんで いいの?と瞬時に思いましたが)いよいよイントロの音が飛び出しました。 そう「飛び出す」という表現がこれほどジャストなものは無いと感じました。 まず店長のレビューにもある通り、あんな小さな箱に入ったSWから出るとは 思えない重心の低い低音とキレの良さ。昔、BOSEのチューブ型SWの低音を聴 いた時のショックを思い浮かべたが、次元が違う。 我がルームのN801の低音もかなりのものだと思っているが、それと互角か、 もしかしたら・・・・という予感。 そして曲は進行する。 山達得意のバックコーラスが鮮やかに奥行きを伴って出てきた。 この時、既に感じたのはメガホン臭が全く無いのである。 しかし音の直進性はホーンの力を感じざるおえないものであり、「ロス」が 皆無といったらオーバーだが、密度が半端でなく詰まっていて「飛び出して 来る」そしてボーカルが・・・・ かってJBL使いの私たちは、即座に「いいとこ取りした音だよこりゃ〜」と 異口同音の感想を持った。声の浸透性が凄いのである。オーディオ的快感も もちろんだが、すごく自然なのである。 これだけ密度が高い音だと、もっと耳が痛いはずなのに・・・そう冒頭でも 云ったが、ボリュームは約9時位である。 この感度は何者だ! 私のプリでこの音圧を稼ぐには12時を少し回したたあたりで無いと出ない! 話が安定しなくて読みにくいと思いますが、感じたままに伝えるインスタント レポートなんでどうぞご勘弁下さい。 店長が「104db/Wあります」と云われたとき(そうですよね?)一瞬耳を疑った が、まさに基本能力の成せる技なんだと改めてその偉大さ、大切さを思い起こ した。「飛び出す音」の根拠がここにもあったのかと感じ取っているうちに 山達は終わった。 曲の途中のブレイクも店長の表現が適切であったことも付け加えておきます。 さて次はここHALでもこのDUOで鳴らしたことが無いというドラムスを主に フューチャーしたディスク(すみませんテイクファイブが入っていたdmpのや つです)興奮しているせいかディスクの内容は一切チェックしていませんでした。 冒頭から始まるエキサイティングなドラムソロ。 まさに等身大のそれはレコーディングスタジオに立ち会っている様である。 低く切れのあるバスドラをベースに、タムタムの口径が目に見えるような ピッチで明確に再現し、フロアータム(バスタム)の胴の質感、そしてスネアー のスカッとした抜けとダイレクト感はホーンでなきゃ出ないような気持ち良さ。 私は個人的にドラムを趣味としているのでこれはリアルに感じたままである。 スネアのスナッピーがスチールかガッドかの違い、フープの材質、ヘッドの 違いまでを克明に表現している。 シンバルやハイハットのメーカーの違いはもちろん、その厚み大きさ、ステ ィックの材質、チップの形状もまた然りである。 これには正直参りました。 しかもプリのボリュームはほぼ変わっていないのが「悔しい」←自分のセット と比較してで〜す。 ボリューム感と耳あたりの良さがどんな音量域でもバランス(安定)している。 しかもまだ「調整中」の次元であるという事実。 恐るべしAvantgarde! ただ誉めっぱなしというのもなんなんで、意地の悪い私はほんの少し弱点を 発見したこともレポートします。 ですがそれは、それなりの条件がないと再現されない特殊なものですので ご安心を。 その後聴かせて頂いた数枚のディスクでも基本的な印象は変わらず。 クラッシックは最初に聴いた1枚だけでしたが広大な音場再現性は今でも忘れ られないものに成りました。 さて先輩はどうしたものか?といいますと、どうやら「復活」しそうです。 その前にオーディオ専用の家を造るそうです(笑) どうやら原因はHAL(川又ルーム)のパッションですね。 『結論』 豊かな音場再現性と高次元の直進性を同居させたホーンファンとダイレク トラジエターファン両者をとり込む懐の深さ、ジャンルは基本的に問わず、 もはやホーンだなんだ云々という議論は消滅しそうな可能性を持った大物。 駄文レポートご精読ありがとうございました。 |