《ESOTERIC 論文コンクール応募作品 Vol.2》
No.0119 - 2002/1/17 埼玉県春日部市在住 S・A 様より 内容はタイトル通り、私自身がP-0sにたどり着くまでの長い長い道のりです。 しかも、「どうしてもコレを知っておいていただかないと、次の段階がなぜ そうなるのかが説明できない」という事項が多々ありますので、途中冗長な 部分はあるかと思いますがお付き合い願います。 また、この延べ17年にわたる長い道のりは、あるレコード及びCDとの闘い、 さらに近年の10年間はあるスピーカーとの闘いの歴史でもあります。 できるだけ関係無いエピソードは割愛しますけれども、どうしてもこの3つ のアイテムは物語に欠かせません。以上をお含み置きください。 第1章:あるレコードとの出会い 第2章:大いなる助走 第3章:格闘〜ESOTERICとの出会い〜 第4章:身辺状況の変化と失われた情熱 第5章:奇蹟のP-0s入手と情熱の復活 以上、5部構成でお送りします。 【第1章:あるレコードとの出会い】 それは、もうCDプレーヤー(SONY CDP-555ESD:定価89,800円)を持って いたから大学3年の秋口、私が21歳、1986年に遡る。 その日、大学生協主催の中古レコードフェアで餌箱を漁っていた私は、 3点ほど以前から欲しかったレア物を廉価で入手してご機嫌だった。 一通り、欲しい分野の箱(クラシック、映画サントラ、テクノポップ等) を覗いたが、まだ次の講義までは時間もあり、「その他、etc」と書かれ た餌箱を何の気無しに覗いた。 「ア、、、これは、、、。」そう、それこそがこの物語の前半の主役と なるLPレコードとの再会である。RVC-2222。レコード番号だけで判る人は まずいないであろう。しかし、「富田勲 バミューダ・トライアングル」 と言えば、HAL’s Circleのかなりの方はおわかりの筈だ。 私がそのレコードを聞いたのは更に遡ること6年前、高校1年の時に評論 家(故)長岡鉄男先生のお宅に雑誌取材の延長でお邪魔させていただいた 時のことになる。当時の先生のシステムで、マトリクススピーカーMX-1で この三次元音場を聴かせていただいた時の衝撃は、22年以上経つ現在と なっても耳から離れたことはない。 価格カードに書かれた注意書きを読む。 「定価2500円が800円?ナニ?『アンプやスピーカーの破損にご注意くだ さい』?そんなの解ってるよ。盤面は、、、キレイじゃないの。値段つ けた人、価値がわかってないなあ。」その日、5枚のレコードを計4千円 弱で入手した私はホクホク顔で下宿に帰った。 4畳半一間の昔ながらの「下宿」には、一応の装置は置いてあったが、 アナログプレーヤーは実家にしかなく、当時は土日は家にバイクで帰っ ていたので(実家と下宿、大学は道のりではそれぞれ60kmなのだが、 実家と最寄の駅、大学と最寄の駅がそれぞれ離れており、しかも私の 通っていた国立大学は3年でも4年でも月曜から土曜まで毎日朝8時半から 講義があるという状態だったので、日曜の晩に下宿に行き土曜の午後に 下宿から実家に帰るという状態)どうやって実家までバイクでレコード を持って帰ったかは今ではもう忘れたが、その週のうちに実家に持って 帰り、当時のシステムで鳴らしてみた。 「何だコリャ…。」当時使っていたプレーヤーTechnics SL-DL1(リニ アトラッキング)、プリメインTechnics SU-V10、スピーカーCORAL X-VII+Tweeter FOSTEX H-66(X-VIIのTweeterのボイスコイルが切れて しまったが、既にCORALはメーカーが無く補修部品が入手不可で、苦肉 の策)だと、空間は前後方向が後ろの壁から、手前は8畳の部屋のせい ぜい真ん中まで、左右は8畳の左右の壁から1mずつ内側、天井方向は不 思議と出て2m70cmの天井から30cm下くらいだったと思う。 とてもとても長岡先生宅で聴いたアノ音場空間には及ばない。 「せめてプレーヤーがなあ、、、。」そう、その少し前までKENWOOD KP-7070+Technics EPC-205CMK3を使用していたのだが、防振対策をやり すぎ、モーター制御基板を壊してしまったため、しょうがなく間に合わ せでSL-DL1(定価59,800円を型落ち26,800円で売っていたのを更に 23,000円に値切って入手)を使用していたのだ。 「ヨシ、次の目標はプレーヤーだ!」と決意するが、就職せずに 大学院に進んでしまった私が再びまともなアナログプレーヤーを入手 するのは、就職後、1990年の夏の話になる。 大学院修士課程をなんとか終了し、就職も実家の近くの工場事業所 が確定した私は実家に戻ることになる。その当時は、上記システムに プラスしてスピーカーは大学時代に作った長岡式DB-2をCORAL X-VII の上に重ね、並列で鳴らし、X-VIIだけでは成し得なかった音離れの 良さを手に入れていたが、まだプレーヤーがネックだった。 【第2章:大いなる助走】 ’90年に就職した私は、7月初め、5・6月の給料と6月終りに出た 雀の涙ほどのボーナスを懐に秋葉原を目指した。欲しいのは当然アナ ログプレーヤー。YAMAHA GT-2000LとAudio Technica AT-ML33(当時 はまだ/OCCではなかった)とシェルAT-LH18を計15万円ちょっとで入手。 早速実家に帰り、ラック最上段に置いてあったオープンデッキAKAI GX-635Dを落とし、入念にセッティングしてSU-V10に接続。もちろん かけるのはバミューダ・トライアングル。 「凄い々々!!」そう、アンプとSPがそのままでも奥行きはスピーカ ー後ろの壁を突き抜け、手前はリスナーの後頭部まで、天井は2m70cm の高さまでキッチリ出た。音も、超低音から超高音域まで、当時の自 分の耳では「まあプレーヤー以外はこのシステムだし、こんなもんじ ゃないの?」と納得。 まだ初年度で給料もそれほど出ず、しばらくはハードよりもCDと LPを買い漁る日々が続く。 次の転機、それは’91年3月。ある日、春日部の行き付けのレコード 屋に寄った私は隅の方にひっそりと置かれていたCDの一群に目が止まった。 「富田勲シンセサイザーシリーズ」。バミューダ・トライアングル (BVCC-2510)がある。もちろん買って帰った。それがドラマの幕開け とは知らずに、、、。その後、このレコード屋の富田勲は全て私が購入 してしまった。 早速、現用のCDプレーヤーSONY CDP-555ESDで掛ける。「LPであれ だけの音と奥行きが出たんだからCDなら当然、、、。」と期待した私 を襲ったものは「絶望」の2文字だった。「音場が出ない!なんだ、 このペラッペラの紙絵巻は!!低音も高音もない!!LPのほうがよほ どマシだぁ!!」 早速レコードで掛けなおす。「なんだ、ちゃんと音も音場も出るん じゃないの。」悩む。どう考えてもLPよりCDの音場が、音が悪い筈が 無い。「そうか、やはり安物のCDプレーヤーじゃダメなんだ!」 ’91年夏。ボーナスを握り締めた私はまた秋葉原へ。 SONY CDP-777ESAにするか、DENON DCD-3500RGにするかはそれまでに さんざん迷ったが、当時まだSONY党だった私はCDのオリジネーターで あるSONYを選択。ここでDENONを選んでいたら、その後の展開はかな り変わったと今でも思う。 帰って早速接続。もちろんバミューダである。ウンウン、奥行きも 低音も高音も解像度も555ESDに較べたら雲泥の差だ。しかし、LPと比 較して愕然。当時、十数枚の同一音源のLPとCDを持っていたが、全て LPのほうが音も良いし音場も広い。「20万円のCDプレーヤーを持って しても同じ価格のアナログにはかなわないのか…。」 さらに悩んだのが、クラシック大編成曲の音数。ベルリンフィルの フル編成の第1、第2ヴァイオリンって少なくとも20名ずつはいるんじ ゃなかったっけ?なんでCDだと10名くらいしか聴こえてこないんだろ う?それと、低弦楽器の音がこれはLPもCDも全然分解できないな。 やはりアンプとスピーカーのせいなんだろうか? オーディオ雑誌を読みふける日々が続く。この時点で、将来的には AVを考えていたのであまりおおげさなシステムにしたくはない。 かといって、オーディオ的にチャチなのもいやだ。アンプは20〜30万 円のプリメイン、スピーカーは1本20万円位ので、、、。 遡る事10年前、PIONEERのS-955IIIが憧れてたけど買えなかったなあ。 しかし、’91年当時の1本20万クラスは大不作。7〜10万円前後か、 30万円以上でないと気に入るのが無い。 しょうがない、ちょっと予算を上げても、、、と思ったところで Infinity Renaissance90が目に付いた。「ナニ?27Hz〜42KHz±3dB? 1本30万円?中高域はフィルム振動板?(中高域のハードドームはX-VII でかなり懲りていたので次は絶対に金属以外の振動板!と考えていた。 また、当時クォードのESL63やPIONEER、TechnicsのリボンTweeterも かなりはやっており、『中高域はフィルムがいいな』と考えていた。 これは今でも基本的な考え方は変わらず。)大きさは…背が高いけど、 これならX-VIIをどかした後にピッタリ置ける!評論記事も皆誉めてる! おお、長岡先生なんか『ユッタリ雄大で中高域は繊細、クラシックに はピッタリ』と誉めてるなあ。じゃあ予算OVERだけどコレ!」 「アンプは、、、Accuphaseもいいけど、やっぱ電源が強力でDiamond Drive回路のSANSUIだよな。」とAU-α907DR。 「こうなったら、ラックもMDF材のSONY SU-L80じゃなくってなんか いいの、、、TAOCが評判バツグンだな。」でSS-5に決め。 ’92年7月、やはりボーナスを握り締めて購入。スピーカーのせいで かなり予算OVERだったが、20万ほどローンを組む。 待つ事10日あまり、到着。友人に手伝わせ、旧システムを放りだし (これはいとこがほとんど引き取った)ラックを組み上げ、スピーカー をセッティングし、音出し。 アナログプレーヤー YAMAHA GT-2000L+AT ML33 CDプレーヤー SONY CDP-777ESA プリメイン SANSUI AU-α907DR スピーカー Infinity Renaissance90(脚元は純正のプラ製スパイク カバー使用) さあこれで少しはまともな音が、、、出ない!なんだこのキンキン カリカリ、ドンシャリもいいところの音は!奥行き?SU-V10+X-VII より無いじゃん!! とにかく、スピーカーのセッティングをなんとかしようと思い、 夏はインシュレーターをとっかえひっかえ。この時に、山本音響工芸 の木製スパイク(PB-12)が欲しくなり、それまで付き合っていたS無 線では扱いが無く、初めてDYNAさん(当時のサウンドパーク)を訪れる。 「え?その値段でホントにいいんですか?」という価格を提示いただき、 さらに送料も無料。 結局この木製スパイクセットも合わなかったのだが、、、。 その時に、今もお世話になっているDYNAのKさんのお言葉。 「ア〜ア、Renaissance買っちゃったんだァ!アレ、たまにスゴク魅力 的な音出すでしょ?でも、スッゴイ強力なアンプでないと普段は全然 鳴らないよ?ナニ使ってんの?907DR?ダメダメ、SANSUIのプリメイン なら最低でも111か、1111でないと。それか、セパレートで電流流せる やつ。何が良いって?そうだな、間違い無いのはマッキンか、レヴィ ンソンか、クレルあたりね。とにかく、瞬間的に数十アンペア流せる のでないとまともな低音出ないよ!ウチは、買ったあとにお金かかり すぎるからRenaissanceは扱うの止めちゃったよ!!」 そうですかぁ〜。でも、色々買ったばかりでお金無いですよ。 これからローン払っていくんだもん。それよりはまず奥行きの出ない CDプレーヤーが先だ〜!! 【第3章:格闘〜ESOTERICとの出会い〜】 そして、また音楽を聴きながらオーディオ雑誌を読みふける日々 が続く。スピーカーの脚元はとりあえずTAOCの鋳鉄製、TITE-46Rで スパイク受け。この時点ではまあまあの音だと思っていた。 低音もソコソコ出るようになったし。スピーカーケーブルは設置当 初からACROTEC 6N-S1040を80cmほどにしてBi-Wire。CDとアンプ間 の接続ケーブルはAudio Technica AT-6A56。 ’92年も12月のある日、発売されたばかりのStereo Sound誌を 読んでいたら15万〜70万円の一体型のCDプレーヤー特集があった。 その中の、「ESOTERIC X-1s」の記事に特に気を惹かれた。「この プレーヤーは音が『縦に切れこむ』。音場空間が圧倒的に広い。 VRDSメカの揺るぎ無い安定した音。」 ハテ『音が縦に切れこむ』とは何ぞや?と思っていたところに、 DYNA原宿店さんにそのX-1s店頭展示品が約3割引の35万円で置いて あると月刊STEREO誌にあるではないの。すぐに電話をして、取り置き をお願いし、確か翌日有休を貰って音を確かめに出かけた。 もちろんバミューダ・トライアングルのCDを持って。 オォ!『音が縦に切れこむ』とはこういうことか!! 今まで聞いていたのは何だったんだろう?バミューダ・トライアン グルは音が今までの数倍の広さを持ってグルグルまわる。天井が ちょっと低いかな?とは感じたが、前後左右は文句無し。手付け を払い、数日後の日曜に車で取りに行った。 CDP-777ESAとX-1sを上下に並べ、徹底比較。音場の前後左右の 広さ、音数の多さ、表現力はもうX-1sの圧勝。しかし、バミューダ ・トライアングルの天井方向は明らかにSONYの勝ち。POPSは、X-1s は重いが、CDP-777ESAは軽く艶やかに聞こえる。この2台平行態勢 は1年続いた。 明けて’93年夏。DYNAのKさんに言われた「Renaissanceは電流 食わせないと鳴らないよ」がどうしても頭から離れない。でも、 マッキン、レヴィンソン、クレルのセパレートはとてもじゃない けど買えない。 (当時は中古もかなりの値段で、マッキンのMC7270でようやく 定価の6割、50万程度) 悩んでいる時に、ふと月刊STEREO誌の試聴コーナーを見ていて 気がついた。「鳴りにくいっていうB&W MTX801S3をSANSUI B-2302Vで鳴らしているじゃん!」相場を調べたら、中古で35〜40万。 これならまあなんとかなる。考えているところに、次の号でまた月 刊STEREO誌にDYNAさん原宿店で38万円の中古の広告が。 連絡したら、それは売れてしまったけど同じ程度のモノが3〜4日で 入るという。次の日曜、買いに行く。本当はもっと高く売りたかった そうなんだけど、既にX-1sを買っているので同じ38万でいいや、と いう話に。 この時は907DRをプリ代わりに使うつもりでいたが、アラ?SU-V10 とか、ちょっと前のプリメインはプリ−メイン分離できた筈なのに、 最近のはVR付きメイン入力しかないのね〜。しょうがないので、フェ ーダーBOX…とも考えたが、LPは必須で聴きたいので当時「安い割に ソコソコ鳴る」と評判のONKYOの20万のプリをDYNA原宿店さんで購入。 (型番忘れました) イヤイヤ、やっぱり8オーム160W、25Kgのプリメインと8オーム300W (Renaissanceは4オームなので2302Vの出力は380W)40Kgのメインア ンプでは力強さが違います。しかし、どうも音場がチマッ。ダイナ ミックレンジがチマッ。LPにいたっては907DRのほうが音も音場も 良いでないの。 「こりゃ〜プリの能力だなぁ、やはりプリは大事なんだなあ」となり、 ’93年暮れにDYNAさん原宿店で「C-2302Vなんとかなりませんか?」 と相談。 中古は予約しても出るかどうかわからないけど、今なら秘密ルート でメーカーのデモ品を80万円で引っ張ってくれるという。(もう喋っ ても時効ですよね?) 80万!(そして、デモ品は音を作ってある可能性もある)悩んだが、 待っていても中古が出ないのではしょうがない。他メーカーの安いの とも考えたが、安いのはONKYOで懲りたので全然考えてない。結局デモ 品を貰うことに。半額は現金で払い、残金はローン組み。 コレは効いたァ!!広大な音場、ダイナミックレンジ、LPも実に 生き生きと鳴る。もうこの時点では文句無し! で、本格的プリの導入で置き場の無くなったCDP-777ESAは会社の 同好の士へ引き取られ、ONKYOのプリはC-2302Vの下取りに。 そして1年経過。アンプは良くなったが、今度は当初あれほど感激 していたX-1sも、なんとなく音場にスキマが見え隠れするようになっ ていた。音場の高さがSONYより低かったのも気になったままだし。 自分の耳がどんどん肥えてきてるんですね。’94年暮れ、秋葉原で ふと立ち寄った、当時のDYNAさんのマインドショップ(現中古セン ター内アクセサリーセンター)で、ESOTERICのP-2sとD-3がそれぞれ 台数限定で、組み合わせれば定価の2/3。欲しいなあ、でもまだプリ のローンがなあ、と思ってると「そんなトコでつっ立って見てないで、 中入りなよ。コーヒー位出すからさあ。」って、アレ?この人どっか で見た事が、、、。向こうも、「アレ?お宅初めてじゃないよね?」 二人ともコーヒーすすりながらしばらく悩み、ほぼ同時に私「もしか してサウンドパーク2階の!」Kさん「山本音響工芸のアシ買った!」 そうだ〜、Kさんだ〜!で、「何か悩んでるでしょ?」「実はかくかく しかじかで、、、。」「D-3、X-1sにつけてみたら?全く変っちゃうよ? D-3は1台余計にあるんだ。」「でもまだプリのローンが、、、。」 「1年払ったんでしょ?(ローン)組めるかどうか聞いてあげるよ。」 待つことしばし、「(クレジット会社は)全然OKだってさ、どうする? 年明けたらきっともう無いよ?」「じゃあお願いします!」「悩んで るんだったらさ〜、相談しちゃったほうがいいよぉ? コッチも無理なことは言わないし。」で、表示価格から更にお知り合 い特別価格にて、Wローンになりましたが、D-3入手。 デジタルケーブルはその時は買うのを忘れたので、あとでとりあえず SAEC DIG-6N 0.6mを購入。コレも最初は素晴らしかった!今までのCD の悩み、(当時は)全て解消。音数は増え、空間は圧倒的に広がり、余 韻はいつまでも残り、ともう感激の嵐。 ’95年は結婚などあり、実家から1kmほどのアパートにヨメさんと住 み始めたこともあり、オーディオ的には進展無し。LPやCDが少しずつ 増えた程度。しかし、’96年にまたもや転機が来ることになるとは…。 ’96年の6月。X-1s+D-3にそれまではあまり不満を覚えてなかったが、 ふと「P-2sの音ってどうなんだろう?」と思ってしまったのが運の尽き。 月刊STEREO誌を見ると、DYNAさんの秋葉原トレードセンターに「中古33 万8千円」とあるじゃありませんか。「おぉ、安い」と思って電話したら 「まだありますよ」とのこと。取り置きをお願いして、数日後の土曜に 行って見ると店員さんひたすらゴメンナサイ。「アレね〜、お宅さんと ほぼ同時に別のお客さんから電話があって、手違いで売っちゃったんで すよ〜」「だって俺のほうが先なんでしょ?」「ん〜、じゃあ、ソコの 43万8千円の開封新品を税込み40万にしますので何とか納得してもらえ ないでしょうか?あの値段で出した奴は結構キズとかあって、あの値段 しかつけられなかったんで、新品をこの値段なら絶対に損にはならない 話だと思うんですが…コレでダメと言われたら、何とか中古探しますけ ど、あの値段にはできないです〜。」 「いいよ、税込みで5万の差なら新品にするよ。」「アリガトウゴザ イマス〜!!」たまたま付いて来たヨメさんは目をパチクリ。「アンタ、 いつもあんなふうに豪快にモノ買ってるのか?」「イヤ、今回は特別。」 「本当か〜?」「イヤ、本当だって。」 「お詫びにタダで送りますよ」というのを、「すぐ聴きたいから」と 手で持って帰ろうとしたが、JR秋葉原駅までで挫折。秋葉原デパートで 1280円のカートを買って転がして帰る。送ってもらえば良かった。(^^;) この時も凄かった!!X-1sとP-2sは基本的に同じVRDSメカの筈なのに、 CDプレーヤーとして定価49万円とCDトランスポートで定価65万円は空間 から質感から全く違う! いやいや、これほど違うとは。 この時点でのラインアップ アナログプレーヤー YAMAHA GT-2000L+AT-ML33/OCC(DL-103C1)(205CMK4) CDトランスポートESOTERIC P-2s D/Aコンバーター ESOTERIC D-3 プリ SANSUI C-2302V パワー SANSUI B-2302V スピーカー Infinity Renaissance90 余った?X-1s、AU-α907DRは、スピーカーPIONEER S-TX55Twinを買い足し、 ヨメさんと住んでいた実家から1kmほどのアパートに持ちこみ。この後、 アパートでもCDが増え続ける事に。(余談だが、このシステムは現在も 前職場の組合事務所で毎日BGMを掛け続けている) そして、運命の‘96年7月。ラックやスピーカーの設置を手伝って くれた友人を呼び、買い溜めたDigital Cableをあーでもない、こーでも ないと選んでいたときに突然Renaissanceの右Tweeterが飛んだ! で、試聴会は残念ながら中止。 すぐ輸入元のDENON Laboに連絡を取り、修理に来ていただくことに。 故障の原因は、Tweeterのサーキットブレーカーが飛んだとのことで、 Renaissanceにはたまにあるとのことだったが、修理完了して「音を聴か せてください。」と。 「全然低音出てませんねー、これじゃあRenaissanceが可哀相です。 あと、高音も汚い。脚元、なんでTAOCなんですか?鉄の音はやはり鉄 の音、汚いよ。スピーカーケーブル、どこかお店の人に相談しましたか? もっと鳴らしてやってくださいよ。」と言って帰って行かれました。 私は、「良く鳴ってますねー」くらいのお褒めの言葉を期待してい たのでガーン。(0◇0;) くくくく、悔しいが全部当っている。気になっていたことを全部 指摘されてしまった。 とりあえず、夏は金がなかったのでハードの購入は見送り。 試聴会で友人と確認した手持ちのDigital Cableで納得行くものが なかったのでDYNA MIND SHOPのKさんに相談したところ、「じゃ、 コレなんてどう?」とMark Levinson MDC-1(XLR、0.5m)を渡される。 「店の試聴品で、音は保証できるよ。間違い無い。ただ、短くて誰も 買っていかないから1万5千円で売りたいところだけど税込み1万円で いいや。」って、後で本見たら定価4万2千円!知〜らないっと。 コレが大正解!!それ以来、つい先月まで5年半コレ1本でしたよ。 広大な音場、正確な音像、ピラミッド型の安定した音の出方、今度 こそ本当に申し分無し。 ‘96年の暮れ。夏にDENON Laboの方に言われた事と、以前Kさんに 言われていた「Renaissanceは電流食わせられるアンプじゃないとダメ だよ」がどうしても引っ掛かっており、Stereo Sound誌を見ていたと ころ、秋葉原でも中央通りではない反対側のJ店さんでMark Levinson のNo.332Lが49万8千円という破格の中古価格で出ているのを発見。 すぐ電話するが既に売れてしまったという。しかし、333L新品なら 88万円(当時定価135万円)であるとのこと。日曜に見に行く事を約束。 しかし、見に行った時には既に売約となってしまっていた。落胆。 1週間後。会社の同期から社内電子メールが入る。「お前、オーディ オやってたよな?高いアンプ売りたいって人がいるんだけど話してみる?」 と。連絡を入れる。なんと、そのJ店で333Lを買った次の週に3年のイギリ ス留学が決まってしまったという。「今買っても、帰ってくる頃には新 製品出てるでしょ?なら、誰か買ってくれないかなと思ったんだけど、 中々居なくてね。そしたら、知り合いになんか買ってくれそうな友達が いるっていうからさ。」で、交渉の結果、消費税分値引きの88万円丁度 で良い事に。川崎まで貰い受けに行ったら、荷造り真っ最中で333Lは封 も開けてない状態。結局、私がFirst Ownerになりました。 333Lが手に入っちゃったら、プリはどうしよう?C-2302Vのアナログ 部は捨て難いものがあるけど、333Lは平衡で駆動したいし、C-2302Vの 平衡出力はそれほどクォリティ高くないとの評判だし。しょうがない、 金はないが、1ヶ月後には円安で値上げが決まっちゃったMLのNo.380SL 行っちゃえ! DYNA原宿店にて相談。問題は380SLだとレコードが聞けなくなること だったのだが、とりあえずで安価な割に評判の良いSHELTER MODEL216 をつなぐことで乗り切ることに。C-2302VとB-2302Vの下取りが合わせて 50万、D-3出力が3番HOTに対しMLは2番HOTなので、平衡ケーブルの音が 良くて安価で小回りの効く所、でAudio Quest Diamond3を、D-3と380SL 間は3番HOT→2番HOTに変換特注、380SL→333Lは2番→2番HOT指定でやっ てもらうことに。 差額が52万、久しぶりにローン組み。ただし、値上げ前の駆け込み 受注で380SLの現品が無く、また特注ケーブルも次の便にギリギリ間に 合うか?で結局2302Vコンビを持って行って、380SLとDiamond3の現品 を受け取りに行ったのは1月下旬。ケーブルは数分差の駆け込みで発注 が間に合ったとのこと。 早速つないで音出し。 もう「スゴイ」も見飽きたと思うので控えるが、音の密度が全然違う。 2302Vコンビは音像と音像の間がスカスカと空いていたけど、380SLと 333Lはミッチリ詰まっている。あと、バミューダ・トライアングルで いままでは斜めに音が走ると思っていたところが、実はリスナーの目 の前を平行に走るとか、最後のロボットの足音が消えていく「カシャ コーン…」が、2302はやはり部屋の隅に消えていくのが380SL+333Lは 真横に消えていく。知らなかった。 TMNや、YMOがスピーカーとリスナーの間に音像が林立し、踊り跳ね ている。こんな真面目な録音だったのか。今までいったい何を聞いて いたんだろう。 残る問題は、スピーカーの高域の汚さと、どうしても出ない低音の 質感に絞られて来た。 ‘97年初夏。雑誌の記事を元に考え抜いた末、Harmonixに狙いを つける。どれにするかは悩んだが、高さがそこそこで円形で響きの 良さそうなTU-202ZX。また、その頃から「電線病」にかかり、CDの 音場を拡大し、汚い音を追放したい一心でAudio Accessory誌の電源 ケーブル試聴記で「三次元音場が広大」と書かれていた、AC DESIGN WTC-0をDYNAのKさんに相談し、「ま、ココまで来たんだったら仕上げ にやってみる価値はあるんじゃないの?」とのことで発注。 大〜アタ〜リ〜!! イヤイヤ、またまた今までに聴いた事が無い三次元空間とミッチリ 詰まった質感が聴けた。 高域の汚さは9割方払拭された。 D-3にWTC-0を挿したので、P-2sの細い純正電源コードが気になりD-3の 太いコードに交換。これも当り。 しかし、まだどうしても音が細く聞こえる。雑誌の記事では、どうも 380SLの電源ケーブルに問題がありそうだ。かと言って、380SLの電源ケ ーブルは機械底面から出ているので通常の電源ケーブルは使えない。 ヨシ、ここはやはりスピーカーの脚に敷いて絶大なる効果のあった Harmonix X-DC20M(レヴィンソン用L型プラグ付き)かな。 これも成功。細身で繊細だった380SLから解像度はそのままにドッシ リした低音、キツくなく鮮明な中高域が出た! ここまでやってきて、とうとう違和感が残るのはスピーカーケーブル になった。6N-S1040は5年間に3回剥き直し、今では全長70cm弱になって いるが、中高域の「のっぺり」感と、どうしても低音域の解像度、「ド ズッ」という衝撃音に不満を覚える。 考える。 まだ考える。 自分の要求を全て満たすのは…どう考えてもP.A.D.しかなさそうだ… しかし、元値が天文学的金額…某社の広告の中古平行輸入品は日本の 定価の1/3だな…ココにするか…。 と悶々としていたある日、会社の社内電子メールに海外出張で米国 に行っていた同期の友人からメールが来た。「仕事の都合で3週間ほど コッチ(米国)で待機状態になるんだけど、あちこち遊びに行くから、 何かこの際欲しい物は無いか?金くれれば買って送るぞ。」それこそ 渡りに船、「そっちになあ、オーディオマニアいるか?いたら、P.A.D. のスピーカーケーブルの中古、いくらで売ってるものか聞いてくれよ」 「OK、丁度お前みたいなのが居るよ。聞いてみるから細かい仕様教え ろよ。」「P.A.D.のスピーカー用PROTEUS Bi-Wire 1m又は1.5mの中古、 手に入るか?」待つ事3日、返事が来た。「1.5mが見つかったぞ。消費 税と手数料と、日本への送料込みで$2600だっていうんだけどどうする?」 ちなみに1$=当時80円ちょっと位。「買った!ヨロシク!!」すぐ送金。 船便かと思ったらDHLで送ってよこした。送金から通関含めて1週間。 現品は…ナンダこの太さと重さは!何で4本も…?あ、プラスとマイ ナス独立なのね。ありゃしまった、Yラグの径に大小あるなんて知らな かったから、指定しなかったら1/4インチ(6.35mm)が来ちゃったよ。 5/16インチ(8mm)でないと333LにもRennaissanceにも入らないんだな。 ええい、どうせもう個人輸入のケーブルだ、次は下取りにも出せない だろうし径広げちゃおう。油目のヤスリでシコシコ。 う、今度は333Lの端子に入れると放熱器が邪魔でケーブル同士が 干渉して曲がらん!!!これはYラグの径を広げたどころじゃ済まな いぞ…そうだ!380SLの出力を左右入れ替えて、333Lのスピーカー出力 を左右入れ換えればスピーカーケーブルが素直に左右に出る! 格闘8時間、ようやく音出し。中古とは言え「コレ何時間使ったんだ?」 というような新品に近いケーブルだったので、最初は「これが20万円OVE Rの超高級ケーブルの音か?」となったが、友人に正規輸入品の説明書を 見せてもらうと「バーンイン150時間以上」とある。音楽150時間以上かけ ろって?しょうがないな、コレが一流ってやつか…。 そして2ヶ月後、そこには申し分無い音の世界が広がっていた。 「バミューダ・トライアングル」はLPもCDもほぼ同じ音場空間、似通った 音色で発現し、「ツァラトゥストラかく語りき」や「惑星」は壮大なスケ ールで鳴り響く。 「ついにここまで来た…。」この時のシステムは以下の通り。 また、この夏にはAIWAの高級オーディオ機器撤退に伴い、カセットデッキ XK-009新品在庫処分を定価の45%で入手。 アナログプレーヤー GT-2000L+DL-103C1(ML33/OCC)(205C MK4) CDトランスポート P-2s D/Aコンバーター D-3 カセットデッキ XK-009 イコライザー SHELTER MODEL 216 プリ 380SL パワー 333L スピーカー Renaissance90 【第4章:身辺状況の変化と失われた情熱】 長い長い前振りで申し訳なかったが、ここからようやくP-0との 関りが始まる。しかし、この章では、まだP-0及びP-0s、及び川又店長 と邂逅するのみで、P-0の入手はしていない。 なぜならば、P-0が発表された‘97年秋から、私は人生の転機の連続 となり、一時的にオーディオから離れざるを得ない運命に巻きこまれて しまうのだ。 ‘97年は上記のようにオーディオ的には満足した状態で過ぎ、‘98年 の春に子どもが生まれ、秋からは、入社以来の工場の生産準備一連の仕 事から組合専従となり、慣れない仕事に悪戦苦闘することとなった。 また、懸案だった実家の旧い方の母屋を建て替え、二世帯住宅とし、 両親と同居することとなる。 その‘97年のオーディオフェアで発表され、度肝を抜かれたのがP-0 である。暮れにはH.A.L-Iの川又店長のところに第1号機が設置された。 ここらへんは川又店長の随筆第44話に詳しいので、私の文章からは割愛 させていただく。 …とにかく、当時の私はP-0がとてつもなく欲しかったのである。 しかし、子どもが生まれることが分っており、かつ実家の建て直しで資 金繰りをどうしようかと毎週のように両親と相談していて、なおかつ定 価65万円のトランスポートも所有している身で、どうして「120万円のCD トランスポートが欲しいんだけど」と言い出せようか。 ‘98年はハード的には進展無し。3月に無事子どもも生まれ、たまに 実家に帰っては数時間だけ音楽を聴き、ようやくアンプが暖まる頃には アパートに帰るという状況。かつ、秋までに新母屋を建てるということ で、土日無しの突貫工事が行なわれており、実家に居ても落ちついて音 楽なぞ聴いている状況ではない。 しかも、10月からは組合専従になるので仕事上の身辺整理も忙しく、 着任準備にも追われ、オーディオどころではなかった。 そんな中で、どうしてもP-0を見たくて当時サウンドパーク7FのH.A.L -1を訪れたことがある。川又店長は一所懸命高級ケーブルの展示のレイ アウト変更にいそしんでおり、こちらも並んでいる機器類のプライスタ グを見て血の気が引いてしまい、目的を持って何か買いに来たワケでも なく、初の邂逅は「あ、これがP-0か、やはり良い音だな〜」とその存在 感を確かめただけで終ってしまった。 ‘98年10月、組合専従になり、11月に新築なった実家へ引越し。 しかし、かえってオーディオルームにはこもれなくなる。(こもってい ると後でヨメさんがうるさい) 組合専従になって良かった事はあまりなかったが、インターネットは 「業務に差し支えない範囲で自由に見てよろしい」とのことで、この辺 りからDYNAさんのWebを頻繁に覗きにいくようになる。 当時、スピーカーをRenaissanceからIRS-SIGMAに交換したかった私は、 H.A.Lの在宅中古を見て思い切って川又店長に電話したが、「将来のこと を考えると、今SIGMAをクレジット組んでまで買うのは得策じゃありませ んよ。もっと考えて!」と軽くいなされてしまった。これが川又店長と の2回目の接近?遭遇。 明けて‘99年2月。組合の会議が夕刻までかかる予定が、急遽会社の 都合で午前中が10時半で打ち切りとなり、午後が全部ポシャッたために いきなりではあるが、川又店長に連絡を取り、ここで初めてゆっくりと P-0とオリジナルノーチラスの音を聴く事ができた。(川又店長、その 節は昼食を邪魔して申し訳ありませんでした。) この時気になったのはやはり演奏途中のスレッド送りのキュルキュル 音である。(この件に関してはDYNAさんのWebのH.A.L-I中、HAL’s Hearing ReportのNo.113の私の拙い文の最後にある川又店長のコメント を参照頂きたい。又は-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0450-に先に 同じ私の文が掲載されており、やはり川又店長から同じコメントが寄せ られている。ちなみに、このキュルキュル音はP-0sではほぼ解消されて おり、私の所有するP-0s With In VUK-P0ではもっと小さくなっており、 よほどの弱音時とやたら偏芯のひどいCD以外は問題とはならない。) 初めてきちんと挨拶を交わさせていただいた川又店長は、最初にその お姿を拝見した時、さらに以前の電話の時のコメントや、その強面の お顔とは全然違い、「紳士」であった。若輩者の、冷やかしに来ただけ のような将来的に客になるかどうかわからないような人間に対して、礼 を尽くして迎えてくれたことは忘れ得ない。 その後、川又店長からは折に触れ、「オリジナルノーチラスの特別品 出ましたよ!」「P-0の新品同様のお買い得品でましたよ!」とメールを いただくが、家を建て、ローンを支払い、組合専従となり残業代が出な くなり、毎月の実質の手取りが10万近く減った人間には、とても手が出 るものでは無くなっていた。 1999年10月、健康上の理由により専従は2年で退任、在野に戻る。 しかし、健康面から医者による強制的な残業規制がかかっており、手取 り自体は組合時代とたいして変らず。 ホゾを噛みながら見送っていたある日、2000年4月、川又店長から 「H.A.L.'s Circle 発足のお知らせをいただく。「いつ川又店長の『客』 になれるか見当つきませんよ?」との注釈付きで入会させていただく。 この文を書くに当り、当時の入会申込書を読み直したがまあ生意気の書 いてある事!(でもそこに書いてあることはニュアンスこそ変ってきて いるが3年近く経つ現在でも未だに同じことを考えているのが妙におか しい) 2000年6月、P-0はP-0sに進化。120万円が160万円に。川又店長から は、-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-でのお知らせと共に、個別メール もいただく。「限定発売です。あと百数十台分しか部品がありません。 部品が無くなった時点でSOLD OUTになります。」 しかし、無い袖は振れない。しかも、2000年10月には転勤が決まって おり、今後のことを考えると、手が出せない。 2000年秋、P-0s生産終了。この時は本気で泣いた。一時期はP-0も P-0sも中古市場ではプレミア価格で取引きされていたと思う。 (今でもプレミアこそつかないものの超高値安定である) 2001年初夏。転勤自体は会社の都合で7ヶ月という短期に終り、 古巣に戻る事になり、実家に帰る。P-0s限定再生産の情報が入るが、 短期間での二度の転勤は物入りが多く、結局手は出せず終い。アッと いう間もなく予約完売。この時も泣いた。 転勤中に、オーディオの置いてある旧母屋の配電を、電気工事屋 と親父が共謀して新母屋の外壁防水コンセント(15Aブレーカー、 配線こそVVFΦ2.0だが途中は配電盤から3回以上圧着されている) から給電するというムチャクチャな状態にされてしまい、まともな 音が出なくなる。怒った私は電気屋に何度も電話を入れ、「直せ!」 と要求するが、「今度行きます」「今忙しいので来週行きます」と 逃げ回り、全く直しに来ない。この後1年半、ハードの進展無し、 まともな音が出ないメインシステムにはほとんど手も触れず。 電気屋はとうとう姿を見せず。 【第5章:奇蹟のP-0s入手と情熱の復活】 そんな状態で、-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-も貰っては読むだ け、という怠惰な日々を過ごしていた私にBIG NEWSが訪れる。 言うまでも無く、-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0400-にある 「P-0s DYNA 特別限定復刻版 しかもVUK-P0最初から内蔵Version」で ある。 このメルマガを読んだ次の瞬間、私は川又店長に「買います! 金はありませんが!!」とメールを出していた。一瞬の躊躇も無かった と思う。これほど後先考えずに衝動買いしたのは、今も現役で動いてい るオートバイ、HONDA GL700中古の購入以来、12年振りのことだ。 もちろん、金なんか無い。諸々の理由で、家のローン以外の借金 を何とか全部返し終えたところである。(上記GL700も含めた車検付 きバイク3台が常時稼動状態、他に車1台の維持が一番の理由だが) しかし、これがどれほど嬉しかったことか。そのときのメール文の 一部は-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0402-に「川又様、幽霊 会員の****です。万が一の再発売の可能性にかけて、待っていた甲斐 がありました! 金は全然ありませんが(^^;) P-0s with VUK-P0 申し込みさせていただきます!!」という形で紹介されてしまった。(^^;) 川又店長との数度のメールのやりとりの結果、無事クレジットも通り、 あとは11月末の納品を待つだけに。 しかし、それだけでは済まない。ここでまたまた川又店長からタイム リーなメルマガが。-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0411-において、 P.A.D.のコンセントCRYO-L2の特別価格販売。更に、東京近郊の希望者に は「優秀な電気工事業者」様の紹介もしていただけるという。 CRYO-L2申し込みと同時に、H.A.L’s Circle会員でもあるE.K様を 紹介いただく。 9月15日に下見に来ていただき、何回かの打ち合わせメールをやりと りした後、10月12日にほとんど私のわがままな希望通りの電源工事を やっていただく。新母屋には200V15KVA契約の電力が我家専用柱上トラ ンスから入っており、メインブレーカーは100V各相75Aである。 ここから30A×2回線、同相で取り出していただいた。配線は8スケアの CV-S線、30AブレーカーはスーパーCRYO処理である。 なお、この後E.K様とは歳の差を越えて電源や電線を通じてオーディ オ談義が出来る仲となった。川又店長にはおおいに感謝している。 [それまで死んでいた音がよみがえった!!!!しかも以前の何倍も の威力を伴って!!] この嬉しさ、素晴らしさは経験した者で無いときっと文章ではわか らないだろう。どれくらい嬉しかったかは次以降の文章から読みとって いただきたい! このE..K様にやっていただいた電源工事で、今まで死んでいたオー ディオへの情熱が、今まで以上に貪欲に復活!! 2週間、精力的に音を聴き、今まで「いかにしてこの電流食らいの悪魔 を鳴らすか」に10年の心血を注ぎ込んだRenaissance90が、もう飽和し ていることを確信。(380SLのVR表示で60dB以上は音量が上がらない) そこに、たまたまRenaissanceを欲しいという友人の友人が現われ、 隣の隣の市だが今まで存在は知っていても付き合いのなかったSHOPに てIRS-SIGMAの中古極上格安品を発見!トコロテン式にRenaissanceは IRS-SIGMAに。 さあ、これでP-0s With In VUK-P0を迎え入れる準備が整った…と 思ったところに、川又店長がまたまたまたタイムリーな企画を!! -☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0483-におけるArrange Order Programの実施である。 どうする?スピーカーの分は借金なのでできれば冬のボーナスで チャラにしておきたいのだが…。いいや、この際だ、行っちゃえ!! 以下、Orderしたもの。 1) 電源ケーブル AC DESIGN 「ZERO 1.4」1.5m ×2本 2) DIGITALケーブル AC DESIGN 「コンクルージョン 1.4D」 XLR 0.75m ×1本 3) P-0s DCケーブル ACOUSTIC REVIVE ×1Pair 4) P-0s スパイク受け ACOUSTIC REVIVE ×8ヶ 5) DIGITALケーブル P.A.D. DIGITAL DOMINUS XLR 1m ×1本 まあ、最後のDIGITAL DOMINUSはかなりな負担になるので、躊躇は したのだが。P-0sが来るまで、価格から言えばTANTUSが精一杯と考え ていたが、P-0sの音を聴いた瞬間に意志はDOMINUSに固まった。 そして、11月29日。川又店長から「明後日12月1日にTEACからP-0s が直送されますよ」とメールが。 本当は所用でチョコチョコ出かけなければならなかったを、土曜 30日に全て終らせ、1日は親父の送迎だけに。 当日の様子は、-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0498-になん と本文無修正で掲載いただいた。 <<一旦公的に掲載された文章を例えその筆者とは言え、全文引用 する事は著作権上も道義的にも許されることではないと思いますが、 この興奮はありのままに伝えたいので、再度引用させていただきた いです。>> ------------------------ここから------------------------ 埼玉県春日部市在住のS.Aです。 現有機器です。 CDトランスポート ESOTERIC P-2s (電源ケーブル ACデザイン WTC-0) D/Aコンバーター ESOTERIC D-3 (電源ケーブル ACデザイン WTC-0) プリアンプ Mark Levinson Mo.380SL(電源ケーブル Harmonix X-DC20M) パワーアンプ Mark Levinson No.333L(電源ケーブルは製品直出し) スピーカー Infinity IRS-SIGMA 接続ケーブルなど ・デジタルケーブル Mark Levinson MDC-1(平衡、0.5m) ・DAC-プリ接続ケーブル Audio Quest Diamond3(平衡、#3HOT→#2HOT変換 0.5m) ・プリ-パワー接続ケーブル Audio Quest Diamond3(平衡、#2HOT→#2HOT0.5m) ・スピーカーケーブル P.A.D. PROTEUS Bi-Wire 1.5m 他 SP脚のスパイク受けはHarmonix TU-202ZX ラック TAOC SS-5(棚板スパイク受け、5段構成) 各機器の脚元はJ-1 Project 5519Sqを挿入 他の電源系関連など ・CD系:自作タップ CRYO処理の明工社製プラグ+CRYO処理 CV-S 5.5スケア×3芯 電源ケーブル+CRYO-L2コンセント(外側ケースはオヤイデ電気製 2mm厚真鍮box MT-UB 内部は自分でブチルゴム2重貼り改造) →P.A.D.CRYO-L2壁コンセント接続 ・プリアンプ系:CSE H-66CL 電源BOX+Camelot Technology PM-600 2.5m→CRYO-L2壁コンセント接続 ・パワーアンプ系:製品直出しケーブルをCRYO-L2壁コンセントに 直接接続 電源は、配電盤が200V単相15KVA契約、メインブレーカーは100V75A 各相で、そこからオーディオ専用に30A×2回線、CRYO処理30Aブレー カーとCV-S 8スケアケーブルで取り出しています。 (壁コンセントはCV-S 8スケア線を直接CRYO-L2につないでいます) ※このCRYO-L2購入は-☆-H.A.L.'s Circle Review-☆-No.0411-にて お世話になりましたもので、また電源工事は川又店長が同号で紹介 されております、「優秀な電源工事業者」様に、川又店長に紹介を お願いしましてやっていただいたものです。(H.A.L.'s Circle会員 様でもあります) 実に見事な腕前と見識をお持ちの方ですよ! ○Introduction 「ウワー、何だコレは!」思わず大声が出てしまいました。 P-0s With In VUK-P0を聴いての第一声です。 ○到着 12月1日、午後3時半にソレはこのように我家にやって来ました。 運送屋さんが「デカイ箱2つ、S.A様宛なんですけど?」 「ハイハイ、私です。待ってたんですよ〜!」 「何か、『コレ降ろすまでは絶対揺らすなよ!飛ばすなよ!』って言われ て来たんですけど、それでコレ2つとも無茶苦茶重いんですけど、中身聞 いていいですか?」 「ア、これ200万円の『CDプレーヤー』だから。こっちの家にお願い。」 「200…」(絶句) 「運ぶの手伝いますよ」 「クルマ、買えますねぇ〜(笑)スゲェ〜。」 ○箱開け さて、何とか部屋に運び込んだものの、実質二畳しかワークスペースの ない部屋の中でこのバカでかい箱2つをどうしろと?(^^;) 電源BOXの方は、D-3やP-2sで見慣れた箱の大きさだから良いとしても、 本体側はMark Levinson No.333Lの箱とほぼ同じ大きさですぞ。 ま、電源BOXから取り出し。「早く々々」とあせる心を押さえ、ビニル 袋やエアパッキンを丁寧に取り外し。スパイク受けも丁寧に梱包されて おります。 おぉ、これがDCケーブルですか。で、電源BOX本体、と。 次に本体側箱開け。外側の輸送用無印箱、中が二重の専用箱。 やはりはやる心を押さえつつ、梱包テープをカッターで丁寧に切り、なる べく丁寧に梱包を剥いでいきます。 気分はもう「良いではないか良いではないか」とバカ殿状態。 (会員の皆様、下品ですみません)m(_ _)m 本体をようやく取り出し、床に置きました。付属品も梱包材は全て取り 箱の中へ。本体の箱を本棚の上に乗せようとしたら…アララ、3cm足りま せんね。しょうがない、部屋の隅の空箱群を入れ替え、本体梱包箱は部屋 の隅に、電源BOX箱は本棚の上に。 ここまでで小一時間です。 現在、H.A.L.で色々な機器のモニターをやっている会員の皆さんも、開梱 と梱包はやはり苦労されているんでしょうねぇ。 ○設置と接続 元々、ラックの中に入れるつもりだったのですが、下取りに出す予定の P-2sは川又店長の恩情で「しばらく聞き比べてくださいよ」とまだラック の中にあります。 しばらく考え、(とは言ってても気分は早く聴きたい!)元々アナログ プレーヤーを降ろして手持ちのTAOC オーディオボード CS-50Dの上に置く つもりでしたが、急遽P-0sをボード上に置く事に。 これはそのうちにきちんと入れ替えるつもりです。 電源BOXは、スパイクのままとりあえず床の絨毯の上に置いてDCケーブ ルを接続。(スパイク受けはとりあえず無し) 電源ケーブルは、付属品もそこそこ良さげなのが付いてきましたが、 手持ちのHarmonix X-DC15 Studio Masterをつなぎ、プリの電源ケーブル の挿してあるCSE H-66CL電源BOXに接続。 「電源UNITと本体のアースはお手持ちのビニール線でつないで下さい」 …適当なのがないな。あ、以前SPに使っていた6N-S1040が丁度良い長さで 両端剥いた状態ですね。じゃ、コレで。 P-0s本体のスパイク受けは3個はキッチリはまるんだけど、どうしても 1箇所カタカタと浮きます。私の持っているCS-50Dって、結構平面度は良 かった筈なんですけど? アッ、ようやくキッチリはまりました。これで 10分位かかってますね。 さて、デジタルケーブルは現在A.O.P.で川又店長に依頼中だから、付 属品で我慢して…。 アレ?無いの? 慌ててまだバインドしてないマニュアルを引っ張り出し、確認。 「アレ〜〜〜〜デジタルケーブル付いて来ないんだ〜〜〜〜?^^;」 どうする?今更ラックの中に入れますか?大工事になりますな。 手持ちの安物デジタルケーブルは…なんでみんな50cmなんだよぉ〜! メジャーで計ると、1mじゃ足りないけど1.5mあれば楽勝の様子。 次の瞬間、車のキーを引っ掴んだ私は家族に「春日部の街中に行って くるから〜!」 P-0sにエンハンサーを入れ、とりあえずかけておき、夕闇迫る雨の街 を裏道を駆使し、空いている時とさほど変らぬ時間で自宅から3kmほど の中心街へ。(道のりは5kmほど走りました) 春日部のLaoxさんにはAudio TechnicaとMonster Cableさんのさほど 高価ではないデジタルケーブルが置いてあった筈。 …って、なんでみんな光ケーブルばっかりなんだよぉ〜。(泣) (P-0s With In VUK-P0には光端子はSTもTOSも無いんです!) ようやく、Audio Technica製AT6D45/1.3m(RCA同軸定価4,100円)を 見付け、購入。 またまた渋滞交差点を動物的勘で避け、往復10Km35分の小さな旅終了。 車を庭に入れるのもそこそこに、Technica製デジタルケーブルをD-3 とP-0sに接続。D-3の入力切り換えを探り…。RCA端子、3番見〜っけ! P-0s側は…とりあえず、RCA固定出力(44.1KHz)に。 ハイ、エンハンサーの「ザー、ポコポコ」音を無事確認。 ○試聴 そんなことやってますから、腰を落ち着けられたのがようやく5時半。 記念すべき1曲目は…そんなのかまってられません、手近なのを手に取 りハイ音出し〜! (この時点ではまだリモコンに電池も入ってないです^^;) 「R.シュトラウス ツァラトゥストラかく語りき」 LONDON POCL-1709 ショルティ指揮ベルリンフィル オーディオファイルにはお馴染みの曲ですね。冒頭のパイプオルガン の「ゴォ〜」と一緒に低弦群がザカザカザカと一所懸命BOWINGをやって ます。 この瞬間です!冒頭に書いた 【】「ウワー、何だコレは!」思わず大声が出てしまいました。【】 というのは。 オケの階段が見える!楽器の配置が見える!! 弦楽器が誰が何をやっているのかが見える! ラッパがこれから吠えるのに向かって構えて息を吸うのがわかる! チューバが、コントラバスが、「ズーッ」と音を出している! 「プァーッ・パァーッ・パーーーッ」とトランペットの主題が始まり、 全合奏「ズァザーンンッ」 ティンパニが「とんとんトントントンドンドコンドゴン」と音圧を伴っ て迫ってくる! 次の瞬間、私を襲ったものは…今までと同じVR位置から、今までに経験 のない音圧と全楽器の圧倒的な分解力とハーモニー!! 「総毛立つ」しばらくオーディオでは感じなかったことでした。 冒頭1分強、そのまま弦楽器の弱奏になるまで固まってしまいました。 その弱奏になっても、休む弦と弾き続ける弦がいることがわかります。 それだけの解像力を有していながら、あくまでハーモニーとしてまとま っているんです! ここでCDを換えます。 これも特に意図したものではなく、手近にあったもの。 「ホルスト 惑星」 LONDON POCG-9313 レヴァイン指揮シカゴ響(ARTON盤) 普通なら冒頭の1曲目、「火星」からでしょうが、全強奏は既に体験 したため、5曲目の「土星」から聴きます。 感想は「ツァラトゥストラ」と同じ。これが今まで何年も聴き馴染ん できたCDの音でしょうか? 低弦の解像力、パイプオルガンは深く沈み、ホールエコーの高さが 8畳の部屋の天井が無くなり(この部屋は天井は高く、2m70cmあります) スピーカーの向こうに、オケの階段が広がります。 土星、天王星、海王星と聴き、このCDを現用のP-2sに掛け換えまし た。D-3の入力を4番、XLRに切り換えます。 ウン、今まで聴き馴染んだ音です。 弦は解像度良く、ホールエコーは出て、全強奏でもうるさくならずに 解像度が保たれ、その割にハーモニーが保たれ…。 って、ハテ私はナンのことを言っているのでしょう? P-0s With In VUK-P0を聴いた後では、「ナンダ?このボヤけた合奏 は?ヴェール被っているなあ」という感じです。 10年前、SONY CDP-777ESAで「どうもオケの音数が少ない、奥行き と高さが出ない」とESOTERIC X-1sを購入し、「おお、これが高級機 の音か」→「どうもまだ空間が狭いなあ」とD-3を導入、そしてX-1s とP-2sは基本的には同じターンテーブルメカを使っているけれども 「その表現力にはやはり違いがある」、とのことでP-2sを導入し… と進化を遂げてきた私のSystemです。その度に、やはり鳥肌が立つ ような思いを味わってきた筈です。 それが、入念なセッティングを施したP-2sを「ポンと置いただけ」 のP-0s With In VUK-P0に換えた途端、「ここまで違いがあるのか!」 となるとは想像もしませんでした。 しかもデジタルケーブルなんか売値3,000円のですよ! (Audio Technicaさんには失礼な言い方になってしまいますけども) 足元にソコソコの評判のボードを置いてその上にポンと乗せただけで 電源ユニットなんか絨毯直置きで何の対策もしてないんですよ! 定価60万円 VS 195万円(正規品P-0s+With In VUK-P0の合計)…。 約3倍? それだけの、いや、それ以上の差があります! 200万円が「安い!」と言うと、まず9割方「その金銭感覚は何だ?」 となるでしょうが、税込み192万円でこの音ならこれは安い! P-2sも普通に聴いていれば「凄い」トランスポートです。 じゃあ、P-0sって何なんでしょう?ピッタリ来る形容詞が見つかり ません。とりあえず「次元や概念を超えた音」とでもしておきまし ょうか。 この「惑星」はP-0sとP-2sで様々に対比させてみました。 …もうP-2sには戻れませんね。これで、本来私が考えていたセッティ ングにして、A.O.P.でお願いしているケーブル類が来たらどうなっち ゃうんでしょうか。 さらに、P-0sの出力を44.1KHz固定RCAと44.1KHz/88.2KHz可変RCA 出力で切り換えてみました。 結果は、「固定」の方が若干奥行きや天井は浅く低くなりますが 腰の入ったドッシリした音、「可変」の方は奥行きや天井が広がり 爽やかな感じになりますが、立ち上がり感は速いですけど全体にア ッサリして、D/AコンバーターがD-3の場合は44.1KHz固定出力の方が 好ましい感じがします。 これもセッティングが変ったらどうなるかは解りません。 ついでに、D-3は今のところ48KHzまでしか受信できませんが、 「もしかしたら拾えるかも?そしたらラッキー!?」というノリで 可変出力を88.2KHzにしてみましたが……さすがにコレはオーバー スペックで、残念ながらつながりませんでした。あぁ、ホントに 残念です。 Esotericさん、是非D-3にもVersion UPをお願いします〜! 今日はここまでで時間切れになってしまいました。さて、明日か ら聴きまくりますよ〜!! ----------------引用ここまで------------------ サワリの部分だけを友人に送ったら、翌2日の晩になんと友人 からSAEC EFF-2000 1.2mが届いた! 「P-0sにそんなのつないだら失礼だろが。(長さが)届けばとり あえずコレ使っとけ。今週末襲いに行くから、その時に『まだ良い のが来ない』じゃ俺が嫌だ。まあお前さんの言う『端整な音』だけ ど、テクニカの安いのよりはマシだろ。とっておいて良かった。」 ですと。いや〜、持つべきものは友人です! そして、3日目、12月3日にはスゴイ事が。これはその時川又店長 に興奮のあまり送らせていただいたメール文の抜粋。 「また、本日も仕事をそこそこに切り上げ、20時丁度から 23時頃まで3時間ほど聴かせていただきましたが、今日はスゴイ ことが起きました。 その時聴いていたのはY.M.Oの「SEALD」(Y.M.Oベスト盤ですね) ALFA RECORDS 50XA-221/2 (現在は廃盤)と、あまり格調は高くな いものでしたが、22時15分、聴き始めて2時間15分経ったところで、 オーディオの置いてある8畳の部屋の壁と床が突然「消失しました」! オーディオ関係の本を読みながら、『ながら聴き』をしていたの ですけれどもあまりのことに読んでいた本を取り落とし、腕時計を 確認してしまいました! 今までもP-2s+D-3で「壁の消失」は何度となく経験しておりま すが、今日のは別次元でした。それも、P-2s+D-3は聴いているう ちにどんどん音場が拡大し、楽器や声の鳴り方が充実してきて、 「さあ来るぞ来るぞ」「来た〜!」という感じで壁が消えるのです が、P-0s With In VUK-P0は、スピーカーからリスナー側には設置 最初から部屋の壁の外側、50cm位までの音場が形成され、スピーカ ーの奥には3mほど広がっていましたので、「さすが凄い」と思って いたのですけど、今日はイキナリ「フゥわッ」、という感じで鳴り 方が突然変り、「空間に放り出された」感覚になってしまいました ので、『ながら聞き』で油断していたこともあり、本当にびっくり した次第です。 P-2s+D-3の場合は、自分はあくまで床の上に居り、ちゃんと椅 子に腰掛けている状態が感じられますが、P-0s With In VUK-P0+ D-3は床すら消えてしまい、確かなのは椅子の感覚だけです。 今日のは「怖い」という感じにすら受け取れましたね。 この3日間、P-0s With In VUK-P0は毎日進化しつづけております。 明日はどんな風に鳴ってくれるか、本当に楽しみです。」 そして、Digital DOMINUSが到着。 更に、もっと鳴らしたいという欲求からP-0s本体の脚元は、 Acoustic Reviveさんのオーディオボード RTP-64に変更。 コンセントBOXはそれまでのCSE H-66CLからアコリバさんのRTP-6N に変更。これは全域で音の抜け、鮮度、質感UP。 年末に、同じくアコリバさんのスパイク受け到着。敷いた時に 一時的に低音が少なくなったが、20日経過した現在では低音は元通 り、オリジナルの鋳鉄のスパイク受けに較べて解像度高いまま、一 時期減った低音が戻り、高域は解像度高いまま溶け合うような感じ になり、女性VOCALは艶やかに、となかなかの状態になっている。 1月12日、4年間慣れ親しんだ380SL+P-0s電源供給用のCamelot Technology PM-600 2.5m を、遊休品の様々な電源ケーブルを下取り に出して、RTP-6Nの質感にあわせてMIT Z-CORD AC1 2m に変更。 70時間経過時点で、既に前後左右の音場感、全域での音の鮮度、 抜け、全てPM-600を上回った。完全なバーンインはP.A.D.を上回る 300〜400時間かかるとのことで本当にちゃんとした音が出るのは 2月以降か。 1月15日にはArrange Order Programでお願いした、やはりアコ リバさんのP-0用DCケーブル P-0 DCが届くとの事。これも変化が 今から楽しみ。 参考までに、現在の機器構成を。 CDトランスポート ESOTERIC P-0s With In VUK-P0 (電源ケーブル AC DESIGN ZERO 1.4) D/Aコンバーター ESOTERIC D-3 (電源ケーブル AC DESIGN ZERO 1.4) アナログプレーヤー YAMAHA GT-2000L (電源ケーブルは製品直出し) 主に使用するカートリッジ DENON DL-103C1 イコライザー SHELTER Model 216 (電源ケーブル Camelot Technology PM-600) カセットデッキ AIWA XK-009 (電源ケーブルは製品直出し) プリアンプ Mark Levinson No.380SL (電源ケーブル Harmonix X-DC20M) パワーアンプ Mark Levinson No.333L (電源ケーブルは製品直出し) スピーカー Infinity IRS-SIGMA 接続ケーブルなど ・デジタルケーブル P.A.D. DIGITAL DOMINUS XLR 1m & SAEC EFF-2000 RCA同軸1.2m ・DAC-プリ接続ケーブル Audio Quest Diamond3 (平衡、#3HOT→#2HOT変換0.5m) 380SLの1番入力端子に接続 ・イコライザー-プリ接続ケーブル Wire World Eclips 0.5m (RCA0.5m) 380SLの3 番入力端子にLEVEL合わせを施して接続 ・カセット-プリ接続ケーブル(in/out) SAEC SL-1903 (RCA0.7m) 380SLの4番入力端子に接続/TAPE OUT 1番端子に接続 ・プリ-パワー接続ケーブル Audio Quest Diamond3 (平衡、#2HOT→#2HOT0.5m) ・スピーカーケーブル P.A.D. PROTEUS Bi-Wire 1.5m 他 SP脚のスパイク受けはHarmonix TU-202ZX ラック TAOC SS-5(棚板スパイク受け、5段構成) P-0s/電源UNIT、333Lを除く各機器の脚元はJ-1 Project 5519Sqを挿入 他の電源系関連など ・D/Aコンバーター系:自作タップ CRYO処理の明工社製プラグ+CRYO処理 CV-S 5.5スケア×3芯 電源ケーブル+CRYO-L2コンセント(外側ケースはオヤイデ 電気製 2mm厚真鍮box MT-UB 内部は自分でブチルゴム2重 貼り改造)→P.A.D.CRYO-L2壁コンセント接続 ・プリアンプ系:ACOUSTIC REVIVE RTP-6N 電源BOX+MIT Z-CORD AC1 2m →CRYO-L2壁コンセント接続 (P-0sの電源ケーブルは現在こちらのタップに接続) ・パワーアンプ系:製品直出しケーブルをCRYO-L2壁コンセントに 直接接続 機器配置 YAMAHA GT-2000L+DL-103C1 --------------- AIWA XK-009 --------------- D-3 --------------- No.380SL/Shelter 216(Eq) --------------- No.333L (Power) --------------- P-0s本体 P-0s電源UNIT/TAP ▽ ▽ --------- ---------------- (ボードRST-64) (ボードCS-50D) センターラックで、左右にSP IRS-SIGMAですね。 とにかく、P-0s With In VUK-P0を発注し、手元に来たことが これほどまでにまたオーディオに対する情熱を復活させてくれる とは、9月に注文した時点では思いもよりませんでした。 仕事も、今は結構忙しいのですが驚異的なスピード(周囲談^^) で1日分を上げて、サッサと家に帰り、毎日オーディオルーム (とは名ばかりの8畳間ですが)にこもって、ヨメさんの顔も見ず にあーでもない、こーでもないとセッティングをいじりまわして おります。 TEAC=ESOTERICの開発陣様、また川又店長の「P-0s復刻希望」に 応えてくださった営業を始めとする皆様、P-0sの開発および復刻 ありがとうございました! おかげ様で、ややダメ人間になりかけていた男がここに一人 復活しましたことを報告しまして、この長い駄文を締めくくらせて いただきたいと思います。 なお、P-0sは12月1日の到着以来、毎日毎日新しい表情を見せ つづけてくれております。明日はどんな面を見せてくれるのか? 毎日が楽しみです。 それでは、本当に本当にありがとうございました! |