《HAL's Hearing Report》


No.0030 - 2001/10/02

神奈川県相模原市 K・K 様より


今年の「インターナショナルオーディオショー」は例年になく収穫の多かった 様な気がする。
会社を休んで初日の朝から出向いた甲斐があったというもの。

「JBL Project K2 S9800」「B&W Signature800」そして「LINN KOMRI」や 「KRELL LAT-1」などなど話題の品々の実物をとっくり拝見(一応鳴って はいたけど…)、こりゃ仮に購入できるほど財力があったとしても部屋に は入らないと妙に納得。ため息が出るような素敵なアンプ達ともご対面。 そして我が家のブレーカーが耐えられないこともしっかり確認。

でも私の身の丈にあった?新製品を目の当たりにするという嬉しい発見 も数々。「ESOTERIC P70s」や「JBL S143」等々。
ちょっと気になる品々、でもプロトで鳴ってない…残念。

冬のボーナス全部使えば何とか買える…かな?
この季節の東京国際フォーラムはまさに伏魔殿、小悪魔の誘惑には弱い私。

興奮冷めやらぬままH.A.L.にお邪魔する。
浮ついた会場の感覚で少々神経過敏になっていた私は落ち着いたH.A.Lの 雰囲気と音にとたんに癒された。安らぐ…音と戯れる者のまさにオアシス。 H.A.L-2の東さんが「ショーの帰りですか?」と明るく声をかけてくださる。 「上行きました?珍しいお客さんが来ていますよ…」と。

そしてH.A.L…そこには英国の某T社ともう一社の(体格のよい)社長さんが 川又店長のスーパーセッティングノーチラスとご対面の最中でした。
最初はちょっぴり恐縮しながら後の席で、お客さんが帰られた後は(留守番 のお兄さんに快諾いただいて)小一時間聴かせていただいたスーパーノーチ ラスはそれはそれは爽やかでとろけるようなサウンドでありました。

なんて気持ちのよい音なのでしょう?
聴き慣れたはずのディスクから知らない音、初めて出会う音象がどうして こんなに沢山飛び出すのでしょう?…同じ曲なのにHALの音がマスターテー プなら我が家の音はまるでFMエアチェックしたカセットテープ並み…。
でも打ちひしがれるどころか身の程知らずにも「いつかこんな音を自分の 家で出したい」なんて思ってしまうところがオーディオファンの業の深い ところか。

我に返って装置類の吟味を始める。
さてさて、今のDACはどれかな?と裏側をのぞいて唖然。
分かっていてもドミナスの群れにはいつも度肝を抜かれてしまう小心者の私。
つい「全部でいくら?」と暗算を始めてしまう小市民の悲しさよ。
あぁ憧れのドミナス。いつかはドミナス…

帰り際にショーケースの中で見つけた”SHEER”これが噂の「銀河系エンハ ンサー」ドミナス効果の強者なのか? でも思っていたより瓶がちっちゃい なぁ〜。

謳い文句がなにやら「うさんくささ」を漂わせているモノの、川又店長が あそこまで書かれていたし、システムエンハンサーやT.I.P.、ウォーター ジャケットなどPAD社の製品にはいつもかならずよい方に期待(想像)を 裏切られてきた経験からすると試さない手は無いではないか…とばかりに 買い求めたのでありました。しっかりコントンワイパーもセットで。


さていよいよ本題、その効果のほどは…

まずは川又店長お奨めで(ミーハーな私)最近愛聴盤に加わった大貫妙子 「ATTRACTION」とRUSSELL WATSON「the voice」から試してみる。

第一声は「ありゃぁ〜こりゃ一体なんなんだ!」。

何が凄いって、その密度感だろうか?
スーっと透明感がアップし、音場がふわっと拡大するのに音象はシャープ、 潤いたっぷりにギュッと固まり感のあるボーカルに楽器達。
をぉ!これがいわゆるドミナス効果なのか?凄い!凄すぎる。

これまでレ○カなどディスククリーナーを試したとはあるがこんが激変は 経験したことがない。やっぱりPAD製品はただ者ではない。
まず騙されて決して損はしない。

CDを入れ替える際にふと気が付いた…CDって信号面よりレーベル面の 方が汚れているかも?
試しにレーベル面もクリーニングしてみる。みるみるディスクは裏も表も ピカピカになった。

そして再生…またまたビックリ。
音離れが更にアップ。密度間はそのままに音場がさらに左右に広がる。 近すぎた背面の壁からSPを引き離したような効果だ。

そしてまたディスクを交換するときに閃いた。この際端面も綺麗にして みよう…。
私だけではないだろうが、ディスクは上から親指と人差し指でスピンドル用 のセンターの穴と端とをつまんで持つ。つまり一番汚れているのは端面かも 知れない。そう言えば端面をコーティングしたり斜めカットするアクセサリ もあったことだし…

効果は絶大だった。もはや驚きはなく、ただただ畏敬の念に打たれるのみ。 端面までピカピカになったディスクはドーンと音場の奥行きが広がるのだ。 3次元に広がった音場に密度間たっぷりの音象がポンと浮かぶ、理由はよく 分からないがこの変化はハッキリ分かる。
まさにケーブルや装置をアップグレードしたかのような効果と言っても言い 過ぎではない。

SHEER恐るべし…それなりに長いオーディオ歴の中でも最も価値のある3,800円で あったことは間違い無いだろう。

私は更にクリーニングするアイテムを探した。
もっと、もっと、もっと…。
ポリカーボネートのディスクが綺麗になるのなら、光学系に効果があるなら…
私はメガネを拭いてみた。
コットンワイパーは柔らかく糸くずも残らない優れモノだった。
そしてピカピカなメガネを通して見る愛機はちょっとだけハイエンドになった ように輝いて見えた。


HAL's Hearing Report