《HAL's Hearing Report》
No.0011 - 2000/10/16
横浜市 H・F 様より HAL's FANの皆様へ 私は
CDプレーヤー :デンオンDCD-S1 プリアンプ :アキュフェーズC290V パワーアンプ :マッキントシュMC500 スピーカ :エグルストンワークス ANDRA といったところでクラシックを聞いております。 他のコンポーネントとは異色のスピーカーはSTEREO SOUND誌1996夏号の朝沼予史宏氏 のレビュー記事の影響 なのです。この記事に興味を持ち、その後1年、秋葉原のどこのSHOPにもないANDRA もとめて川又さんのところへ たどり着いたのでした。 当時川又さんのところでは、随筆第35話にも載っていますが、ANDRAはKRELL FPB600と組み合わされていました。 そこで、私の持っていったマイスキー&アルゲリッチのJ.S.BACH チェロソナタ第3 番を聞いたのですが 出だしのマイスキーのチェロが出るや否や、私の背中に”ゾゾッー”と寒気が走るく らい、リアルで熱気ある マイスキーがそこにいるような感動をおぼえたのを記憶しています。 その後3年、ANDRAやプリアンプのローンも終わり、そろそろ次の1手として、また またSTEREO SOUND誌の 2000秋号 CD/DAC特集に影響されてCDプレーヤーを替えることを思い立ちました。
川又さんにメールで相談したところトランスポートはP0-sがおすすめとのこと。
うーん、あれって高っいしねー、DACもあるし...と最初は思ったものの、だんだん心
が傾倒していきます。
川又さんの部屋に入ると、ちょうどHAL's Circle Reviewでも配信されていたKRELL
LAT-1がどーんと
セッティングしてありノーチラスは完全に真横を向いていました。
第1楽章の最初の小節をオーケストラが奏でると、おおおっー、とうなるほどの迫力
と解像度。 ここまでは、トランスポートにP0-s、DAC&プリアンプはKRELL KPS25sc(3百数十万 はするCDプレーヤーと プリアンプが一体になったやつ)で聞いていたのですが、つぎに、川又さんの提案 で、KRELL KPS25scのDAC、 プリアンプ部はそのままで、トランスポート部とP0-sとのトランスポート聞き比べを 行いました。
CDはお得意のヨーヨー・マのシンプリーバロックの1曲目、J.S.BACHのカンタータか
らです。 前奏がおわってヨーヨー・マのバロック・チェロがでてきます。 さっきのブラームスとくらべ音色がウォーム(まぁ、BACHのカンタータですから)、 小編成のバロックオーケストラ ですし解像度も特に不満もなく、なごみます。 つぎに、トランスポート部のみP0-sにかえて、同じ曲。 ヨーヨ・マがでてくるまでもなく、前奏から解像度がぜんぜんちがいます。 ヨーヨー・マのチェロはといえば、やや枯れた音色のうーんこれがバロックチェロか という、きりりと引き締まった 音像が中央にしっかり浮かび、このリアルさに3年ぶりに背中に”ゾゾッー”と寒気 をおぼえました。 これはいったい何が起きてるんだろう?これが率直な感想です。 「不思議ですねー」と言うと、川又さんに「常識です」と言われました。 その後、何曲か別の曲を聞かせてもらいましたが、トランスポートの比較で言えば P0-sの高解像度、大きなダイナミック レンジ、広い音場、引き締まった音像と言うことに変わりがありませんでした。 その日は1時間ほど川又さんのところにおじゃまをして帰宅をしたのですが、うちに 帰って早速、件のサイトウキネン オーケストラのブラームス4番をかけてみました。 第1楽章の最初の小節をオーケストラが奏でると、なんじゃこれは?というほどの解 像度とダイナミックレンジのなさ。 昨日までは、まぁ不満はあるけどそこそこ気に入っていたので、これには愕然として しまいます。
普通AUDIO SHOPで自分のシステムの値段の2、3倍はすると言うコンポーネントを聞
かせてもらって、帰ってから自分の
システムを聞いてみると「うちのもそんなにわるくないなー」と思うことがほとんど
です。 しかし、一晩寝て少し耳が復旧したところで、小編成のバッハやモーツアルト バイ オリンソナタ、はたまた綾戸智絵など 聞いてみると、ひと安心、全然だいじょうぶ。もともと、こんな狭い部屋でブラーム スなど十分には再生できないと自分を 納得させながら、調子に乗ってヨーヨー・マのシンプリーバロックを早速買い求め聞 いてみたところ、またまた愕然で、 これ以上は言いたくありません。
う〜む...これは先が長そうです。 |