私を魅了する未体験の音 

Kiso Acoustic HB-1というスピーカーは、今では私のリファレンスとして他社の新製品を試聴する際に必需品となっています。 そして、こんなエピソードもありました。

「ちょっとしたエピソード・Kiso Acoustic HB-1フランスへ嫁ぐ!!」

上記ではKiso Acousticの現在の輸出先の各国が紹介されていますが、まだフランスでは販売されていません。
当然DEVIALETの皆さんも知るはずはない。
 2月24日、CALMEL氏とFUENTE氏が来訪した際に私が聴かせたのがHB-1でした。
D-Premierで鳴らしたKiso Acousticとは大変素晴らしい相性であり、また自分で作ったD-Premierでこんなに素晴らしい音楽が聴けたということで大感激!! 素晴らしい頭脳とセンスを持ったCALMEL氏ではありますが、オーディオ体験の歴史と奥の深さを知る人間としては、 こと、オーディオに関しては年齢通りの経験しかしていないということなのでしょう。
 二時間ほど試聴してすっかり興奮したCALMEL氏とFUENTE氏は何やら早口のフランス語で話を始め、それを聞いていたSegal氏は私にそっと日本語で…
「川又さん、どうやら彼らはどうしたらKiso Acousticをフランスに持って帰れるかを本気で相談しているようですよ…」と!! そして、ニコラ・サルコジ仏大統領夫人カーラ・ブルーニ・サルコジに対して数日後にレセプションがあり、D-Premierで鳴らすスピーカーとして、 ぜひKisoAcoustic HB-1を使いたいと言い出しました!!
 フランスで発行されたクレジットカードを渡されるまで、後はもうあまり時間を必要としなかったのです!!
幸いにもここには在庫があったので、私がセールスした31セット目のHB-1は何とハンドキャリーされてフランスに嫁いでいったのです!!

私も感動し、DEVIALETの皆さんを興奮させたシステム構成はこれでした。
◇ DEVIALET D-Premier & Kiso Acoustic HB-1-inspection system ◇
■Act.1 DIGITAL INPUT
ESOTERIC G-0Rb(税別\1,350,000.)
and
TRANSPARENT PLMM×2+PI8(税別\846,000.)
and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\560,000.)

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ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.)

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ESOTERIC P-01+VUK-P01(税別\2,500,000.)→88.2KHz-OUTPUT
and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\846,000.)
and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\560,000.)

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GOLDMUND LINEAL DI CABLER 1.5m (税別\95,000.)

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DEVIALET D-Premier(価格は下記にて発表)
and
TRANSPARENT PLMM+PIMM(税別\720,000.)

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KIMBER KABLE KS-3038 / 2.5m (税別\1,632,000.)

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Kiso Acoustic HB-1/Mahogany(税別\1,300,000.) ★Performance time about 4,000 hours and
Acoustic Revive製 RSS-504-58(税別\268,000.)
and
H.A.L.'s original“H-board” ×2 (税込み\136,000.) width MOSQUITO NEO (税別\4,800,000.)
and
H.A.L.'s original“B-board” ×2 (税込み\256,000.)

■Act.2 SACD-ANALOG INPUT
Technical Audio Devices TAD-D600(税別\2,500,000.) and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\846,000.)
and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\560,000.)

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JORMA DESIGN No.1 INTERCONNECT CABLE/RCA 1.0m (税別\380,000.)

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DEVIALET D-Premier(価格は下記にて発表)
and
TRANSPARENT PLMM+PIMM(税別\720,000.)

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KIMBER KABLE KS-3038 / 2.5m (税別\1,632,000.)

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Kiso Acoustic HB-1/Mahogany(税別\1,300,000.) ★Performance time about 4,000 hours
and
Acoustic Revive製 RSS-504-58(税別\268,000.)
and
H.A.L.'s original“H-board” ×2 (税込み\136,000.) with MOSQUITO NEO (税別\4,800,000.)
and
H.A.L.'s original“B-board” ×2 (税込み\256,000.)

私はどんなオーディオコンポーネントであっても真剣に対峙する。
これはある意味ではメーカーにとっては高いハードルになるかもしれないが、 ユーザーにとっては私が推薦する事での満足感と安心感を持って頂けるという意味もある。
 今回は、このように熱の入ったご紹介をするに当たっては、既に私の音質評価はゆるぎないものと皆様も察しておられることと思います。
一曲ごとの各論ではなく、数日間をかけての多数の試聴と入念な聴き込みによって、 今となってはDEVIALET D-PremierをH.A.L.のリファレンスとして採用することに何の迷いも疑いもないということを先ず最初に述べておきたいと思います。

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オーケストラも多数聴きましたが、特に印象に残った曲がありました。それは前述のようにDEVIALETの皆さんに私の選曲で試聴してもらった時のこと、 彼らに敬意を表する意味で地元のオーケストラであるパリ管弦楽団のCDを取り出し、 CALMEL氏にレーベルにプリントされた“ORCHESTRE DE PARIS”の文字をしっかりと見せてから、この曲をスタートさせました。
■セミヨン・ビシュコフ指揮/パリ管弦楽団 ビゼー「アルルの女」「カルメン」の両組曲から
1.前奏曲
8.ファランドール
前奏曲の冒頭の一音が発せられたときにCALMEL氏とFUENTE氏の目と耳は既に釘づけになっていることが、彼らの表情からはっきりと見受けられました。
私の課題曲として長年聴いてきた曲ですが、前奏曲の冒頭で弦楽器群の合奏が始まった時からパワー感に裏打ちされた解像度の素晴らしさが感じられます。

弦楽器の壮大とも言えるハーモニーは主題の旋律を幾重にも重なるレイヤーとして、スピーカーの周囲に別世界のようなステージ感を出現させる。 弦楽五部の各パートが微妙に異なる音階を正確な主題の進行に合わせて奏でるが、各々の演奏パートに微妙に異なる色彩感をD-Premierが提供するので、 折り重なっていくハーモニーの個々のパートがはっきりと認識できる。
それがスピーカーに対峙する私から見て、非常に大きなスケール感をもたらし、 ほとばしる余韻感が中空の隙間にすべて浸透していくことで響きの美しさというイメージが今まで以上に聴覚に魅惑的な刺激をさらりと注入してくるという 自然体の説得力がD-Premierにあることは間違いない。
違和感がないのだ!!
一流の料理を舌で味わうように、ひとつひとつの食材が口の中で混じり合いながらも個々の存在感を主張するように、 弦楽器の質感をこれほど魅力的に再現しながらも各パートの解像度をしっかりと維持しているという事。 そして、それがD-Premierという40センチ四方の小さなボディーが発する音楽だということに驚きを新たにしてしまった。
これは素晴らしい!!
同じ主題をファランドールでは管楽器や打楽器も含めて展開するが、しなやかに聴かせる弦楽器に同調するかのように管楽器の質感も響きに柔軟性を見せる。
これは決して曖昧な音像表現によって雰囲気を演出するという事ではなく、実に鮮明な音の発生点を音場感の中に定位させるということであり、 その定点から発した楽音が見事な余韻感を中空に作り出していくというプロセスを安心して見られるという充実感と言えるだろう。
妖艶でしなやかな質感に統一されたオーケストラの演奏は一種の潤いを聴き手に感じさせることだろう。 それは正にD-Premierのボディーに触れてみたときの感触に言い換えることが出来るかもしれない。 見事な鏡面仕上げは冷たいイメージに画面では見えるかもしれないが、実は触れた時のフィーリングは実にしっとりと指先に吸い付くような印象なのだ。

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団
聴きなれた課題曲を再び聴き始めると、更に実感が増してくる。 第二楽章の冒頭では弦楽器群のアルコによる合奏が私にとっての美意識の第一関門であり、 第一印象でありながら最終結論とも言える直感的試聴ポイントである。
確かに今までに聴いたアンプとは違う!!
コントラバスの重量感をえぐり出すように聴かせるアンプもあるが、D-Premierは低域の最深部を誇張するような事はせずに、 主旋律の楽器群とのバランス感覚を自然体で聴かせてくれる。これを調和というのだろうか?
分析的に聴く習性を持っている私が自然に演奏に引き込まれ、D-Premierを通じて演奏者との距離感を縮めていくという神秘的な体験を自覚する私がいた。
それはヴォーカルを聞き始めた時に、更に実感されることになった。
もちろん、ここでHB-1という存在を無視出来るはずもないが、人間の声によってつづられていく言葉の流れが…、 これが日本語であっても英語であっても、歌手の感性をD-Premierが代弁するようにしっとりと私の胸の奥底に浸透していくのが不思議だった!!
 D−Premierの音質的な魅力を文章で伝えたいという思いが強くなればなるほど、これまでのように楽音の一つずつを切り取り、 各論としての音質比較の比喩を並べていくことが今回はふさわしい手段とは思えなくなってしまったのです!!
 私の感性で音質的にわずかな疑問があればそこに安心感と満足感はないので、 チューニングによって変化を与え議論を深めていくという書き方になる場合が今までにもあったが、 D−Premierでは最初からプロフェッショナルを自認する私でさえ何の不満も起こってこないのだから不思議だ。
それだけいい!!
確かにD-Premierの音質に変化を与えるノウハウはある。 しかし、それは聴き手セットアップをして(電源ケーブルだけはこだわりましたが)聴き始めた事を後悔することは全くない。
 街中の食堂のテーブルには塩・醤油、ソースと客が好き勝手に味付けする調味料が置かれているのが普通だろう。 しかし、一流のレストランのテーブルには一切の調味料はない。
シェフの感性で調理した料理はそのままで味わうの例えと同じではないかとD−Premierを味わった私は素直に思えるのです。いかがでしょうか?

オーディオでは相当のグルメであると自称する私が保証できる音質。
私のプライドにかけて推奨できる品位と満足感。
そして、無料で試食できるのですから…!!
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