No.0585 2014年8月11日
 新着投稿⇒H.A.L.'s Monitor Report-E.M.G-boardの威力を確認!! 

東京都港区 H.K 様より

Vol.8「E.M.G-boardは低域の透明度、タイトさを向上させ、G3の低域を改善する効果がある!!」

■2014年7月30日

川又さん、低域編です。200Hz以下の表現力の向上!!

今夜は低域の表現力の向上を確認したいと思い、音源を用意した。(*= ハイリゾ)

Bob James & Earl Klugh, One On Oneから Kari (*) Katie Melua, Ketevanより、
Sailing Ships from Heaven The Thierry Lang trio, Private Gardenより 
A Star to my father Earth Wind and Fire, Fantasy - Perfect Bestより
Fantasy Miles Davis, Live Around the WorldよりTime after time

フランス国立リヨン管弦楽団、レナードストラッキン指揮、ベルリオーズ幻想交響曲 (*)
シカゴ交響楽団、ショルティー指揮、ストラビンスキー、春の祭典などである。

低域を議論するには、先ず私のシステムに関して書いておく必要がある。
この試聴では、Akurate DS/1のデジタル出力を、アキュフェーズDG-58にデジタル入力、
そのデジタル出力を、Devialet 800に入力し、VIVID AUDIO GIYA G3へとつなげる。

Devialetは、G3にSAM(Speaker Adaptive Matching)対応となったので、SAMを使っている。
同時に、DevialetのSuboutからB&W DB-1 subwooferに接続している。

DB-1は、28Hz -24dB/Octというハイカットの設定である。
この設定で、DG-58で、FLAT補正をしてある。

その結果、測定上は、聴取位置で10Hzから20kHzまで、ほぼフラットな特性を実現している。
更に、オプションで、60Hz以下を+3dBと少し持ち上げた設定も用意してある。

DG-48は、どうしても音に変化が生じて、なまった感じになって結局使わなかったが、
DG-58は、これらの問題がほぼ完全に解決し、常用できるレベルになった。

まずGIYA G3の低域の特徴だが、非常に解像度も量感もあるが、ドライブする
アンプによっては、少し膨らみがちになるときがある。

当初、D-Primerを1台でドライブしたが、この場合、かなり柔らかめの低域となる。
これは非常に気持ちよいが、やはり、少し膨らむときがあり、これが気になる。

しかし、これは、Dual Mono化で解決が可能。早速 Dual mono化した!!

さらに800と進化することでさらに低域の解像度が向上し、最近のSAM対応で
劇的な変化を経験することになる。

SAMを適用したあとのG3の音は、本当に凄いと思う。
低域の質がさらに向上したが、同時に、全体域の質的な向上が劇的であり、
音の粒立ちと、空間への広がりが見事である。

ところが、今回のボードで聴くと、更にタイトで、インパルス感のある低音が
G3から出せることが分かった!!

もっとも、DB-1も併用しているので、20hz以下の最低音域ではDB-1の能力もある。
しかし、基本的な低域の解像度、音感などは、G3の能力による。この部分で、
E.M.G-boardによる改善は大きい。

Bob James & Earl Klughでは、リズム感のあるドラムなどが入ってくるが、
これが甘くなることが多い。

色々追い込んで、かなりしっかりした音の出方になっていたが、E.M.G-board
の使用で、更にかちっとした方向へと追い込むことが出来た。

この部分は、やわらかい方向だと、低域が団子になって何がなんだかわから
なくなるので、徹底的に固くタイトな方向で問題はない。

ドラムも、少し前に出てくる感じがする。
ただ、このあたりは録音を考えるとマルチマイクなはずなので、どのくらいの
位置にくるのかは、正解は無いだろう。

しかし、これは、音の芯の部分が見えてきたことによるのではないかと思い始めた。
この段階で、アースを外すと、ドラムの音の輪郭が少しぼやける。

逆に、Thierry Lang trioは、低域は、柔らかい。これが、タイトになるかと
いうと、これは柔らかいままであるが、中に少し芯があるような音である。

この表現は、微妙で伝わりにくい。ぼやけない、柔らかさということ。
ボードなしでも問題は無いが、そこに、しっかりしたものが加わって、
柔らかい音に、芯または床の固さが出る感じである。

この表現は難しい。しかし、はっきりしているのは、全体では、空間の透明度
が増して、各々の音の粒だちがより明確になる感じである。
これは昨日ご報告させて頂いたた部分である。

同様なことは、Earth, Wind & FireのFantasyでもいえる。
ここでは、ドラムに支えられたハーモニーが極めて安定して音のピラミッドを
作っている。定位感の向上も寄与して、かなりボリュームが上がる。

しかし、うるさくない。低域も混濁しない!!

ヘー!! G3でも、こんな低音出せるんだ!これはいけるな。という感じである。
G3の低域の唯一の弱点は、ガツ!というインパルス的な低音にある。
このE.M.G-boardで、かなり行けることが分かったのは収穫である。

Miles DavisのTime after timeでは、そのスケール感が一つのポイントだと感じている。
これは、去年の東京インターナショナルオーディオショーで、Ocean Wayで聴いた
アナログでの音が未だに記憶にある。Ocean wayなので非常にスケール感がある。

このE.M.G-boardのしっかりした定位と低域の解像度の向上で、このスケール感が
増大した気がする。

これは、ボリュームを上げても音の輪郭が維持され、低域の混濁が無いことに
よるかもしれない。

これはライブ録音なのだが、今回初めて、ステージ上での音の展開がおぼろげ
ながら浮かび上がり始めた気がする。

とはいってもマルチマイクなので、位相などは整合性が無いだろうが、単に
音がどちらから出ているということを超えて、響きの構造(?)が見えてくる
気がする。これは、まだ追い込んでみないとしっかりしたことは言えない。

ボーカル物では、Katie MeluaのKetavanの2曲目のSailing ships from heavenがよい。
この曲は、30Hz以下の低域がしっかり入っていることを確認してある。

しかし、これがボワっとなると耳につく。これに関してはE.M.G-board導入以前
から問題はなかったが、E.M.G-boardによる低域の表現力の向上が感じされる。

ここで、低域で、ドン、ドンとリズムが刻まれ、その最初の「ドン」と次の
「ドン」の二つの打点で少し位置がずれることが分かる。

E.M.G-boardでは、それが、位置関係がはっきりしているが、E.M.G-boardを
外すと、位置が違うのは分かるが、二つの打点の距離感が、曖昧になる。
ここでも定位感の安定性がものを言って、しっかりした音のピラミッドが感じられる!!

幻想交響曲と春祭は、低域の定位感とホールでの音の響きを聴いている。
これも安定度がまして、より音の広がりかたが見えてくる感じがする。

クラッシックに関しては、サントリーホールでの低域の響きをリファレンスに聴いている。
もちろん音源の収録ホールが、違えばこれは変わってくるが、オーケストラで、
ホールでの音の特徴を頭に入れておくのは重要だと思っている。

私は、都内で行きやすいホールとして、サントリーホール、オーチャード
ホール、オペラシティーホールをリファレンスとしているが、低域に関しては、
オーチャードホールは、低域が出ないホールである。

サントリーホールは、低域の広がりが美しい。
このような響きが再生できるかがポイント。
低域の豊富さでは、オペラシティーがよい。

海外のホールは、もちろん一通り行ったのだが、オーディオ機器のリファレンス
としては、常に記憶をフレッシュにしておく必要があるので、使いにくい。

今回は、幻想交響曲の低域部分で、どのように広がりが変わるかがポイントとした。
結果は、その広がり方の明確さがはっきりと増したというものである。

もちろん音源はサントリーホールでの収録ではないので、その分は、修正して
聴く必要があるが。。。

もちろん、違うオケだが、サントリーホールで、幻想交響曲を何回も聴いている。
ここで、低域の空気感と音が拡散していく感じが欲しい。

E.M.G-boardの使用で、この部分がより透明度が出てきている感じだ。
しかし、これは言葉で伝わる自信が無い。。。

傾向は、Jazzやボーカル系と同じで、音の芯が見えてきて、よりはっきりした
感じになり、そのことにより透明度が出るという方向である。

だたし、サントリーホールとリファレンスにするなら、この部分ではDB-1は必須である。
この透明感、拡散する感じは、どうも極めて低い周波数がポイントらしい。

逆に、オーチャード・ホールの音をリファレンスなら、DB-1は必要ない。
あそこは、そもそも低い方が出ない。

結論として、E.M.G-boardは低域の透明度、タイトさを向上させ、G3の低域の
質を改善させる効果があると思われる。

ただ、既にかなりの水準まで追い込んであるので、現状に不満があった分けは無い。
むしろ、ここまで行けるのか、もっと先が開けたという感じである。
まだまだ行けそうなのである!!

逆に、より大きな問題を抱えていた場合、E.M.G-boardで解決というより、
その問題自体を解決しないと、このboardで見えてくる世界が分からない危険
はあるように感じた。あ。。。4時だ。。。今日はここまで。。。寝ます。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

川又より

H.K 様ありがとうございました。深夜というか早朝まで試聴して頂きまして、
そこまで情熱的に取り組んで頂きました事に本当に感謝しております。

私はE.M.G-boardをオリジナル商品として販売するに当たり、その基本性能と
音質的な素性の確認を行い、これだったら間違いのない説得力のあるものと
いうことを納得した上で発表しました。

それが皆様のシステムにおいてE.M.G-boardは新たな課題と検討項目を突き付けられ、
皆様の懐で鍛えられているのだなと〜という実感を持つようになりました。

私がここで行った検証と実験項目よりも実に多彩なシステム構成と試聴環境で
E.M.G-boardが更に磨かれ成長していくようで大変嬉しく思います。

どうぞこれからも皆様のお部屋とシステムでビシビシとE.M.G-boardを鍛えて
頂ければと願っているものです。本当にありがとうございました。

そして、皆様からの更なるE.M.G-board指導方法のご感想をお待ちしております。



担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
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