《HAL's Monitor Report》
No.0235 - 2005/1/12 千葉県市川市 T I 様より モニター製品:ESOTERIC 6N-DCP01/1.5 6N-DCP01を試聴してみようと思ったきっかけは、P-01&D-01の試聴会で起きたハプ ニングだった。試聴2日目となるこの日は、私を含めた約20名くらいの方がHALに集 まり、川又さんの解説を受けながら、P-01とD-01の実力を、P-0sやD-70と比較しな がら検証していた。 そもそも、私がこの試聴に参加した狙いは、P-01とP-0sの違いを発見すること。 P-0sVUK-P0から買い換える価値のある商品なのかを、自分の耳でジャッジしようと いう魂胆だったのだ。 試聴を進めていくにしたがって私が確認できたことは、P-01の重厚な音質だった。 「ズシリッ!」と来るバスドラムの音やベースなど、P-0sを初めて試聴したときは 「これ以上はない!」と断言したはずった重厚感が色あせてしまうのである。 またしても「イケナイものを聴いてしまったなぁ…」と 心の中では思っていたものだった。 だが、この時点でまるっきりP-01圧勝というジャッジは、私には生まれていなかっ た。個人的な感想になってしまうが、P-01よりもP-0sの方が、エコーの広がりは広 いように感じたのである。 ステレオアンプとモノアンプの違いと似ていたと言えばわかりやすいだろうか…。 質感はP-01の方がいい。ただ、ステージの広がりはP-0sの勝ちというのが私の素直 な感想。この時点ではどちらも捨てがたい魅力を持っている、と感じていたときに ハプニングが起きたのだ。 片一方のD-01の電源が入らない! 何度、電源ボタンを押しても、電源ケーブルを繋ぎ換えても復活しない。 川又さんも「困ったなぁ…」という表情で始まった代替え試聴が、 「P-01とP-0sのDCケーブルを換えてどのように音質が変わるのか?」 というものだったのだ。 結果から申し上げれば、P-0s+6N-DCP01を聴いた瞬間に、私の顔は間違いなくニヤ ケていただろう。 あのP-01の重厚感が、P-0sが持つステージの広さを損なわずにほぼ再現されていたの である。 「P-01の重厚感を引き出していたのはDCケーブルだったか…!」っと判った瞬間、 「次は自宅で確認してみないとナ」と心の中でつぶやいていた自分をよく覚えてい る。 「P-01とP-0sの違いを発見すること」を達成した瞬間に、新たな発見への旅が スタートしてしまったのだ。 そんなこんなで早めの順番で貸し出して頂いた6N-DCP01だったが、ちょうど貸出日 が仕事の忙しい時期と重なってしまい、自宅で試聴できた時間は1時間少々。 バタバタとした自宅試聴ではあったものの、 HALでは確認できなかった6N-DCP01の実力を確認するには十分な時間だった。 自宅で確認できたP-0s純正DCケーブルとの大きな違いは「ノイズが極端に少ない」 「低音に『!』が付く」「弦楽器のエッジが出る」の3つだろうか…。 どの性能を取ってみても、P-0s純正DCケーブルとは比較対象にならないくらい実力 の差が『音の純度』となって現れてしまう。 これほどまでに「買います!」と簡単に決めてしまいたくなるケーブルは希だろう。 なにせ、P-0s現役続投が出来る上、好みの方向に変わる度合いとコストの兼ね合い が、他のデバイスを変更するよりも格安なのだから…。 そんなワケで「買います!」という川又さんへのひと言でアッという間の自宅試聴 を締めくくったのだが、今の自宅のP-0sは快調そのものである。 ありきたりな表現になってしまうが、6N-DCP01によって今まで聴けなかった音が現 れてくるようになったのだ。 初めてHALでS800やNEOを聴いたときと同じような感覚だろうか…。 そのくらい「満足度の高い買い物だった」と今でも思えるケーブルである。 P-0sのDCケーブルによる音質変化を知らない方には、ぜひともお教えしたいデバイ スのひとつであると、断言できるだろう。 |