《HAL's Monitor Report・PLASMA-DOMINUS特別編》
No.0173 - 2003/4/7 埼玉県上尾市在住 T・T 様より モニター製品 PAD TANTUSバランスケーブル 現在使用しているシステム エソテリック P-0s+VUK-P0 ↓PAD デジタルプロテウス+コロッサスBNC エソテリック D-70 ↓PAD TANTUSバランス(モニター) ラックスマン C-10 ↓PAD TANTUSバランス(モニター) ラックスマン M-7×2台(バイアンプで使用) ↓A社 6Nケーブル B&W MATRIX801シリーズ3 PADをモニターしようと決めた理由。 今年2月の初旬に残り少なくなったP-0sに焦りを感じ、清水の舞台から 飛び降りるつもりでP-0sとD/Aとして同じエソテリックのD-70を購入した。 その性能をフルに使用すべくP-0sより176.4kHzのアッパーコンバートさ れたデジタル信号をD-70で受け、同時にWORD SYNCを接続した。 P-0s購入時にP-0sとD-70の間のデジタルケーブルは川又さんよりPADを 勧められた。私は「あの高いケーブル、PAD!?」と内心思ったが「いいも のを使わないと「な〜んだP-0sってたいした事ないじゃない」と思ってし まう」と川又さんがおっしゃり、ちょうど旧製品のプロテウスシリーズ が特別価格という事で、デジタルプロテウス×2本とWORD SYNCのBNC接続 でデジタル同軸ケーブル(コロッサス)の計3本を同時購入した。 P-0s+D-70導入当初は驚きの連続でCDを聞く度に新しい発見がありました (今でも続いています)。そしてエージングが進むにつれ音場というも のが我が家でも立体的に展開してきた。 だがH.A.L.Iと比較するのはおこがましいが、今一つ何かが足りない。 ハルズサークルの皆様のレポートにあるような、部屋の壁が無くなる感覚、 はたまた床が無くなり音に包まれる感覚とは何かが違う気がする。 そうして一ヵ月たったある日川又さんに相談して「よし!決めた。一度 インターコネクトをPADに統一してみよう」と思い立ち、PAD TANTUSの モニターに応募した次第である。 もう一つの理由は「PADのケーブルはコンポの一部として末永くお付き 合いができそうだ」と思ったからである。川又さんの「音の細道」第47話 でも明らかなようにアフターケアは十分であり安心して使用できる。 ケーブルを取替えひっかえして音色の違いを楽しむのもいいが、長い目で 見ればそのための出費はバカにならずPADケーブルは一生ものであり、そこ に強力なサポートの安心が加わればなおさらである。 目覚めの悪いPAD:TANTUS まずケーブルを交換してバーニン前の音を聴く。曲は何とはなしに選ん だ諏訪内晶子「メロディ」。「う〜ん。音色に今ひとつ艶がないなぁ」と はっきり言って今まで使用していたA社と大きな変化は感じられなかった。 そこで6時間システムエンハンサーをかける。が、あまり変わりがない。 強いていえば床が振動するのが分かるほど低音が出てきた事くらいか。 翌日、所用で川又さんのH.A.L.Iに赴く。開口一番川又さんが「TANTUS のバーニンは時間がかかります。ここ(H.A.L.I)では24時間エンハン サーをまわして(日中は常時CDを演奏して)、4日目に音がガラリと変 わりました」。 川又さんに気勢をそがれ「H.A.L.Iでの4日間は一般家庭では1ヶ月に 相当するのではないか?」と思いながらしばらく様子を見る事にする。 よく見ると説明書には150時間のバーニンが必要と明記されている。 それではと日中でもメインアンプのアッテネーターを絞りPADのシステム エンハンサーのピコピコ音を最小限に抑え24時間体制でバーニンをする。 TANTUSの本領とは 説明書の150時間のバーニンを過ぎた頃、期待を込めて再びシステムの 音を出してみる。まず、ノイズフロアーが低くなった事に気がつく。 いつも点けている空気清浄機の「チー」という高音が気になる。 音楽を聴く時には止めなければならない。初期C-10特有の残留ノイズ音 (「サー」という音)が気になる。 ケーブルを替えただけで水を打ったように静かになった事にまず驚く。 今までいかにアバウトに聴いていたか苦笑いする。そして今までより 音量が大きくなりプリのボリュームを2目盛ほど絞った。 このようにCDをかけて一曲聴き終わるまでに色々と調整する。 捲土重来で諏訪内晶子の「メロディ」を再び聴いてみる。 響き・余韻が豊かになった。ストラリバリウスの音色に酔う。 次に女性ボーカルでは水越恵子「In My Life」より表題曲を聴く。 声の鷹揚、ちょっとしたニュアンスが聴き取れ、顔の表情まで分かる ような感じがする。今までベタとしていた音場に陰影が加わり立体感 がよりでてきた。 今までスピーカーの後方に展開していたステージがより一歩近づいて、 音が私を包み込むようである。 狭い住宅事情のため空間の制約よりH.A.L.Iのような音場の展開と まではいかないが、現状では満足のいくレベルである。 まだまだケーブルのエージングが進むにつれ新しい発見があるように 思います。「システムに何の味付けもしないがコンポーネントの実力 をスポイルせずありのままに伝える」というのがPADのケーブルを使用 した感想です。 まずは優秀なケーブルを固定してからコンポの素性が分かるという事 に気づかされました。 最後に迅速な対応をしていただいたシーエスフィールドの今井社長及び ダイナミックオーディオの川又店長に感謝を申し上げます。 |