2018年2月9日 No.0684
 新着投稿⇒H.A.L.'s Hearing Report - HIRO Acoustic Laboratory MODEL-C4CS

Vol.5「HIRO Acoustic MODEL-C4CSって究極の江戸前鮨じゃない!!」

■HIRO Acoustic Laboratory MODEL-C4CSの展示期間は2月14日まで!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1455.html

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東京都杉並区 M M 様より

前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0613.html

下記に素晴らしいオーディオルームの画像あり。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0658.html

ご愛用のスピーカーがきれいに写っている画像はこちらです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20140603-mmsama.01.jpg

以前の投稿をご紹介します。歴史がありますね〜ありがとうございました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0671.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0667.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0607.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0603.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0586.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0583.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0542.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0528.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0521.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0514.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0477.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0458.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0432.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0425.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0311.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0295.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0286.html

川又 様

先日はHIRO Acoustic MODEL-C4CSを試聴させて頂き、ありがとうございました。
何か感想をお送りせねばと思っていたのですが、あまりに「特徴のない」音で、
あれこれと分析的にお伝えしたい事がないのです。困りました(笑)。

とはいえ…

まずは楽器の特性による表現力の違いを理解すべく、ピアノ、バイオリン、
トランペット、女性ボーカルと聴いてみました。

ピアノを聴いて思ったのは…

「そうそう、目の前でプロにピアノを弾いてもらったら、こんな感じ」

これまでH.A.L.1の音が進化する度に聴かせて頂き、その度に、一段とリアルに
なったと思ってきましたが、これは数段進化しました!!

つい先日までH.A.L.1で聴いていた音が「歪んでいたんだ」と思えてしまうほどなのです。

ウーファーが増えただけなのに、高音域まで音質が変化しています。倍音成分の
バランスがより実際に近付き、かつノイズ成分が一段と減少しているのでしょう。

楽器をやった経験のない方には恐らく分からないだろうと思いますが、ちょっとした
タッチの不揃いもあからさまに聴こえてきます。

まさに目の前で弾いているようなのです!!

バイオリンを聴いて思ったのは、「へえ、実はこんな音色だったのか」でした。

他の会員の皆さまがどう感じていらっしゃるか分かりませんが、私はバイオリンの
音色が、再生装置の違いによって最も大きく影響を受けて変化すると思っています。

同じ奏者の同じ演奏(もちろん同じCD)なのに再生装置を変えると、「楽器変えたの?」
と言いたくなるくらい音色が変化するのです。

なので、いつも聴いているCDを掛けて「この奏者は本当はこんな音を鳴らしているんだ」
と楽しませて頂きました。

特にヒラリー・ハーンのようにトッププロの中でも飛び抜けて音程の良い奏者は、
「これまで聴いてた音は何なのか」と思うほど深い響きがします。

繰り返しますが、ウーファーが増えたといっても、変化するのは低音だけではないのです。
バイオリンの音域も音色が劇的に変わります。

あと、どうでも良いこととしては、バイオリンで16分音符などの早いパッセージを、
スラーではなく弓のアップダウンを細かく繰り返しながら弾く時に、弓を反転させた
タイミングで(つまり音と同じ数だけ)コンコンコンコンと音がします。

これは楽器のすぐそばでは聞こえるのですが(奏者は当然聞こえる)、遠くに響く
音ではないのでリサイタルでは観客には聞こえないのです。

これが今回は自分がバイオリンを弾いている時のようにガンガン聞こえてきました。
そういったところも、とってもリアルだったのです。

で、ピアノやバイオリンに比べると、ボーカルやトランペットは変化の幅は小さかったです。
倍音の含み具合などがより単純なのだろうかと思った次第です。

そしてオーケストラを聴いてみると予想通りでした。
音像や音の立ち上がりがよりシャープなるのは当たり前、(他のスピーカーと比べた)
音色の変化が全音域にわたって楽しめます。

その変化の大きさは、弦>>木管>金管>打楽器といった具合です。

マーラーの巨人やストラビンスキーの春の祭典といった試聴時の定番に加えて、
私は1枚のCDを聴くのを楽しみにしていました。

伝説の名演として知られるチェリビダッケのリスボン・ライブ(ブルックナー交響曲第八番)です。
音質はそれなりではあるものの海賊盤なので試聴には用いてこなかったのですが、
MODEL-C4CSで是非聴いてみたかったのです。

チェリビダッケはカラヤンと同時代の指揮者ですが正規録音が少ないことで知られています。

「曲の正しいテンポは作曲家の指示ではなくて、演奏している瞬間のホール内の
  響きによって決まる、つまりホールが変わればテンポも変わるべきものだ」

という彼の考えが示す通り、その場の響きが正確に再現できないレコードなんて
無意味だとの理屈で積極的に録音を残さなかったのです。

ですから、余分な音を出さず正確に再現できるMODEL-C4CSでこの名演を聴いて、
チェリビダッケの真髄に触れてみたいと思ったのです。

結果は専門的になるので細々と書きませんが想像以上でした!!

フレーズの区切りと残響の生かし方などMODEL-C4CSでなければ理解出来ないものでした。

価格も凄いので現実的な目標にはなり得ませんが、可能なタイミングがあれば
また是非H.A.L.1にMODEL-C4CSを置いてください。

我が家のオーディオとの差異を時々でも確認に行ければ嬉しいです。

もう一つ、考えていた事を思い出しました。
私の大好きな料理人に四谷すし匠の中澤圭二さんがいます。

商業主義を嫌い、ミシュランへの掲載も拒否する心意気もさることながら、
酢締めや塩締めをはじめとする江戸前鮨の技法を掘り起こし、追求・発展させ
続ける志の高さと技術の高さに心酔しています。

先日、その中澤さんと彼の弟子の店で並んで鮨を食べた時に語ってくれた話が、
HIRO Acoustic MODEL-C4CSを聴いていたら蘇ってきたのです。

「M Mさんね、江戸前鮨って酢や塩や昆布で締めたり、ズケにしたり炙ったり、
  薬味を乗っけたり、魚に色んな味を足してるように思うでしょ?

  でもね、これって全部引き算なんですよ。色んな仕事をすることで余計な味を
  一つ一つ取り除いていって、最後に、魚の持っている本当の美味しさだけが
  残るように試行錯誤してるんですよ。」

ということは、HIRO Acoustic MODEL-C4CSって究極の江戸前鮨じゃない!
って思ったのでした。

何の販促にもならない事を長々と書いてすみません。
御礼までに、率直な感想をお送り致しました。
引き続きよろしくお願い致します。

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M M 様ありがとうございました。「何の販促にもならない事…」などとはとんでもないです!!
私は皆様から頂戴する感想文を、即! 販売促進に利用するなどということは考えていません。

それは、「HIRO Acoustic MODEL-C4CSって究極の江戸前鮨じゃない!」という
M M 様の言い得て貴重な喩えに共通するものかと私は考えています。

最初の「あまりに特徴のない音」という一言から始まって、最後に見事な一言で
締めくくって頂き本当にありがとうございました。

雑誌を見れば評論家の様々な文章にて新製品のイメージが読者に形作られていく
のでしょうが、そのような美辞麗句をもって製品の本質的な音をユーザーにイメージ
させていくという流れに真っ向から対立するこだわりがHIRO Acousticの本分であり、
設計者 廣中さんの次の一言に凝縮されているからです。

2017年12月12日 HIRO Acoustic Laboratory 代表 廣中義樹 氏
「1台も売れなくてもよい」という覚悟
http://www.hiro-ac.jp/introduction.html

そして、ハイファイ・スピーカーの分野で、究極の江戸前鮨のごとく様々な要因で
発生する“歪”を削ぎ落とし引き算していった設計方針がMODEL-C4CSを生み出したのです!!

HIRO Acoustic Laboratory MODEL-C4CSの予価が決定しました!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1451.html

私は上記の記事でバージョンアップの価格をことさら大きく取り上げたつもりなのですが、
本当の一生ものという作品には賞味期限はないのです!!

シングルウーファー仕様MODEL-CCSから初めて五年後にダブルウーファー仕様の
MODEL-CCCSにアップグレードしていく。同様にMODEL-CCCSから七年かけて4ウーファー
つまりMODEL-C4CSに成長させる。そんな発展性が重要だと考えています。

そして、廣中さんは今後も研究開発を続け、有効な新技術が開発されたならオーナーの
皆様にバージョンアップを約束するとも断言しています。

最後に私が言いたいのは、廣中さんは最初からセット価格4,496万円などと言う
とんでもない価格のスピーカーを作ろうとしたものではありません。

それは初期のMODEL-CCSの時代に設計した3ウエイの各々のコンポーネントがいかに
完成度が高かったのか。MODEL-CCX Improvedにて妥協なく設計したクロスオーバー
ネットワークの完成度がいかに高かったのかという証明となっていることです!!

つまり、今までの開発で作り出した各コンポーネント単体が素晴らしい完成度であり、
それらを集積することで過去の開発努力が認められ開花したということと私は理解しています。

ですから、私は胸を張ってMODEL-C4CSを自分の職歴にて過去最高音質と公言しました!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1449.html

私は以前からMODEL-CCCSが登場した時にMODEL-CCSを引き合いに出したり、前作を
踏み台にして新製品の良さを述べたりすることはありませんでした。

なので、今回もMODEL-CCCSを比較対象としてMODEL-C4CSを語ろうとしはしていません。
そのようなことをすれば、過去に私が発言した前作での評価を踏みにじることに
なるからです。

これを逆に考えれば、どうぞMODEL-CCSからスタートして下さい! という絶対的な
自信として皆様に推薦できるということなのです!!

四年前に述べた「音楽を裸にするスピーカー登場!!その名はHIRO Acoustic」と
いう表現は今でも、そして今後も不滅のキーワードであると断言致します!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1160.html

■序章 「HIRO Acoustic奇跡への胎動」と書きましたが、その本編として第一章を
 どのように書くのか、私は慎重に考えていますし書かないかもしれません。
 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1449.html

それは、過去に私も…大袈裟ですが人類の誰もが経験していない音をMODEL-C4CSが
出しているので、それを例えようがなく語りようがないのです。つまり、読者の
経験に類似するものはなく、読者の経験と記憶の一部を使ってのイメージングは
困難であると考えているからです。

では、どうするのか…、答えは一つしかありません。聴いて頂くことのみです!!

最後に私は再度M M 様に感謝申し上げます。奥様ともどもにオーケストラ経験があり、
ご子息とお嬢様も弦楽器を演奏され弦楽四重奏を楽しまれているという音楽一家と
うかがっておりました。

実際に楽器を演奏する方でないと、それもコンサートホールの観客席での体験ではなく、
オーケストラ内部に位置するポジションで様々な楽器の生の音に接してこられたという
体験を私は非常に尊敬し、頂きましたご感想の説得力に脱帽しているからなのです。

観客席とステージ上での音は根本的に違うものであり、M M 様の音楽家らしい見方と
オーディオ的にも理解しやすい言葉の数々に敬意を表し感謝しているものです。
本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願い致します。

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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