Technical Audio Devices inspection event-Hearing Report


No.0542 - 2010/2/9

東京都杉並区 M M 様より

今回はTADの検証イベントという堅苦しいテーマにしましたが、実際には各種
の比較試聴を取り入れて皆様に楽しんで頂けるように趣向を凝らしたつもりです。
満席状態でたくさんのご参加を頂き本当にありがとうございました。
詳しくは↓ドキュメンタリーをご一読頂ければと思います。
 
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/692.html
 
そして、ご参加の皆様からありがたい試聴レポートを頂きました!!
 
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Vol.2「HB-1にめぐり合った興奮に浸っていましたが、新鮮な刺激でした!!」
 
前回の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0528.html
 
以前の投稿をご紹介します。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0521.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0514.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0477.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0458.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0432.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0425.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0311.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0295.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_hear0286.html
 
川又 様
 
昨日はありがとうございました。
ここ数ヶ月はHB-1にめぐり合った興奮に浸っておりましたが、新鮮な刺激でした。
実は、TAD-CR1を聴いたのは昨日が初めてではなく、数週間前に、HAL1に設置
されて間もない頃に一度聴かせて頂きました。その時の印象は…
 
@HB-1とは対極のスピーカー、
A忠実に再現するのでジャズのライブや少人数のスタジオ録音には最適、
B逆にオーケストラは私の好みとは違うものでした。
 
さて、
emm Labs  XDS1 (税別\2,852,000.)
Playback Designs MPS-5(税別\2,500,000.)
Technical Audio Devices TAD-D600(税別\2,500,000.)
の3種のCDプレーヤーの比較ですが、結論から言えば、Playbackが一番私の
好みでした。バランスが良いですね。聴いていて疲れません。
 
ここからは、プレーヤーを同じ曲で比較した印象です。
 
■Rodrigo Y Gabriela 「11:11」1'Hanuman' inspired by Carlos Santana
すみません。どんな曲だったか忘れてしまいました。
が、当日のメモには次のように書き留めています。
 
EMM;華やか
PB;音の重心が下がり、ノイズフロアが下がった感じがする。
  その結果、リアル感が増す。
TAD;低音がより力強く出る。しかし、余韻成分が強過ぎ、リアル感がなく
  なってしまった。
 
■ラフマニノフ:交響曲第2番|ヴォカリーズ/第二楽章
これは、私の守備範囲なのでしっかり聴きました。
 
EMM;バイオリン、ビオラまでは良いが、チェロ、コントラバスの音量が弱く、
   弦楽器だけ聴いてもバランスが崩れている感じ。あと、管楽器と弦楽器
   の音色が混ざらないのがどうしても気になる。
     フーガ(同じ旋律を時間差で違う楽器が演奏し、追いかけっこのように
     なる)になった時に、別々の会場で演奏している感じに聴こえる。
 
PB;弦と管の音色が混じるので、オーケストラとしての音色を楽しめる。
    CDプレーヤーでこんなに違うものかと驚き。フーガが有機的で楽しい。
    バイオリン→ビオラ→チェロ→コントラバスと旋律が流れるところは本当
    に美しい。ただ、低音がやや不明瞭な感じが残る。
 
TAD;基本的にPBに似ている。やはり好みではないかな〜と思う。
 
■Cheryl Bentyne「コール・ポーター ソング・ブック」より
 Jビギン・ザ・ビギン ☆伴奏はパーカッションだけという曲です。
 
これは守備範囲外の女性ボーカル。
伴奏のパーカッションを中心に聞いていました。
 
EMM;タムタムの打音が締まらない。そのため、雑音の中でボーカルが歌って
   いる印象だった。
PB;タムタムの打音が締まった。
TAD;PBより更にタムタムの打音が締まり、ボーカルの背景がクリアになった。
     その結果、ボーカルが生で目の前で歌っている感じに近付いた。
 
■Rameau: Une symphonie imaginaire
 ☆冒頭1トラックより Les Musiciens du Louvre / Marc Minkowski
  古楽器による弦楽合奏に強烈な太鼓が組み合わされている。
 
EMM;チェロ、コントラバスを弾いているのはわかるが、細かいパッセージに
     なると音程が聞こえてこない。太鼓の音が、打音の後、あまり減衰しない。
PB;太鼓が打音の後、速やかに減衰するのでリズム感が良くなった感じがする。
    専門用語で言うと、弦楽器とパーカッションの縦の線が合った感じ。
TAD;華やか。でも、なぜか現代楽器のような音色になる。
   「あれ、これ古楽器じゃなかったっけ?」と思ってしまった。
 
■Bjork Gudmundsdottir 6.Frosti(フロスティ)  ☆オルゴールです。
 
EMM;特に印象はない。
PB;音の頭が鋭くなる。
TAD;音が干渉して出来る"うねり"も聞こえてきた。一番オルゴールらしい。
 
■THRILLER/MICHAEL JACKSON(ESGA-503) 6.Billie Jean
 
EMM;自分が知っている通りのBillie Jeanだった。
PB;プレーヤーが不調で聞けず
TAD;おおっ、バスドラが"ドスッ"と強烈に鳴ると同時に止まっている。
    高校生の頃、バスドラが"ドスッ"と鳴って直ぐに音がなくなるように、
    バスドラの中に毛布を詰めたりしましたが、久しぶりに思い出しました。
 
■ブルックナー/交響曲第7番 スダーン&東京交響楽団/第三楽章
 
EMM;個々の楽器の音色は素晴らしい。華やか。ブルックナーなら、これでも
     楽しいが、バラバラな印象。フルオーケストラでのフォルテになると、
     低音部は全く聞こえなくなる。
PB;音色に一体感が出る。"オーケストラの音"を楽しむことができる。
    低音部のバランスが自然になった。弦楽器とトランペットが音色を近づけ
    るよう歩み寄った感じがする。トランペットの音が柔らかくなる。
    弦楽器の音にも芯が出来て、力強くなった。
TAD;音色は、より自然になる。トロンボーンの音も、より華やかでありなが
     ら、丸くなった。低音部もよりクリアになった。ただ、やはり好みとは違う。
 
以上です。
感じた通りに書きましたが、的外れな感想だったらすみません。
 
本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
 
           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-
 
川又より
 
M M 様ありがとうございました。ご自身の専門であるクラシック音楽、オーケ
ストラに関しての分析の視点を明確にされてのコメントであり、各々の個性を
専門分野であるだけに詳細なポイントをご指摘頂きました。
 
そして、Kiso Acoustic HB-1Hawaiian Koa & Goldener Madronaのオーナーで
あるだけに、対照的とも言えるスピーカーでの試聴ですから、曲によって得意
なものとそうでないものを聴き分けていらしたようですね。
 
TADもHB-1も両方ともに素晴らしいスピーカーですが、やはり完成度の高さと
いうことがポイントになってくると思います。中途半端は何事も駄目ですね。
 
三者三様の魅力あるプレーヤーの比較でしたが、皆様の好みをその中に当ては
めて頂くことが試聴会の目的でもありました。
 
自分の好みを再発見して頂ければ何よりでした。ありがとうございました。


HAL's Hearing Report