《HAL's Hearing Report》
No.0169 - 2004/9/24 東京都渋谷区 A A 様より 「熱い9月のオーディオ狂想曲」 9月1日 午後 私のメールボックスに、HAL通信が着信。 開封と同時に、「えー、それは無いんじゃないの....」と絶句。 それは、P-01/D-01の製品発表のメールであった。 昨年の2月に、P0-S+VUK-P0の最終版を購入し、更にPADのDOMINUS、AC/DCケーブル、 TIP、Z-Bord、ローゼンクランツのRK-P0を装備し、完成したと思っていた理想のシ ステムが、根源を揺さぶられた。 現在のシステムは、ソース側がCDトランスポートが3台(P-O以外は、dCSのVerdi と、Sonic FrontierのTransport3)、D/Dが1台(dCSの974)、D/Aが2台 (dCSのElgarとSonic FrontierのProcessor3)である。 ここに、EsotericのG-0Sから、クロックを供給している。 とは、言ってもSonic Frontier の製品は、真空管を使用した、デジタル系で、 クロック入力はない。 だが、この音色には非常に味があり、捨て難い魅力を発散して居り、未だ現役。 プリアンプは、CTC BuildersのBlowtorch、パワーアンプはAriaのWT-350XMである。 スピーカは、Audio PhysicのMedeaに、村田のES103Aを足している。 ケーブル周りは、クロック以外、PADのDominusで繋ぎ、(但し、一部電源ケーブル には、ShunyataのAnaconda VX 及び αを使用中)、自分ではこれ以上の音はない と、悦に入っているのである。 が、しかし、私の指は勝手に決算特典を請求していた。 9月2日 川又氏の定休日に、一通のメールを更に送っていた。 そのメールには、 >P-01に関して質問があります。 >P-01単体と、P-0をCDとして、比較した時の >貴殿の感想を一言で教えて下さい。 と書いたのだった。 あ〜、禁断の質問を、自ら発してたのだ。 9月3日 川又氏から返信 >まず、ここのP-0sは・・・・ >ESOTERIC P-0s+VUK-P0 (AC/DC DOMINUS & RK-P0 & MEI Z-BOARD & PAD T.I.P) >このような約250万円のオプションを追加してチューニングしたものであり >長年に渡り私のリファレンスでした。 >そして、試聴した当日はD-01を固定して、このP-0sとP-01を比較試聴しました 。 >私は、正直に言って、この瞬間に「やられた!!」とうめいたものです。 >解像度、質感、情報量などと私が日頃述べている音質的なパラメーターのすべてに >おいてP-01が勝っておりました。ちなみに8N-PC8100を使用していますが・・ このメールを読んだ瞬間に、心は決まってしったのだった。 所詮、自分のシステムで貸し出し試聴して最終判断が出来ないものに関して、ここ 数年川又氏の助言を鵜呑みにし、成功体験を重ねる私に迷いは欠片も無かった。 それから、下取り等の相談の後、運命の9月14日を迎えた。 9月14日 支払いの為、午後5555の7階へ行き、話していると、腕利き営業マンの川又氏 が、直前の週末に開かれた試聴会での、D-01のパーフォーマンスを熱弁され、オー ディオ狂の自尊心を刺激するのだ。あ〜短絡的な....!!! 「じゃ、D-01も」と、言っていたのだった。 だが、話はここで終わらい。 >川又氏:「8N-PC8100はお使いでしたっけ?」 >私:「いえ。DOMINUSがいっぱいあるので....」 >川又氏:「でも、是非一本使ってみて下さいよ。現物を持って帰れますよ。高級感 >のある木製化粧箱に入って良いですよ。」 >この時点で、ワイフになにも言っていない私は逡巡。でも、川又氏がここ迄言うの >だからと、 >私:「じゃ、それも一本。だけど、箱は要りません。」 この時、幸運にも同店でクロノスに使用していたバーンイン済みの現物をダイナ ミックオーディオのビニール袋に入れ持ち帰ったのだった。帰宅後、ただの備品 のような顔をして、クローゼットに収納。 9月17日 2日間の出張から、18時に帰宅。 誰も家にいない事を確認し、比較試聴を開始。 10分程、数枚のCDをAC−DOMINUS(プラズマバージョン)で聞いた後、 DOMINUSに比較すると、かなり頼りないケーブルに余り期待はしていなかったの だが、8N-PC8100を接続し3分もしない内に、D-01用に2本の8N-PC8100を発注する メールを送信していた。 その、音の解像度、厚み、臨場感、どれをとっても、Esotericの勝ちであった。 普通なら、話は此処で終わりそうなものなのだが、敏腕営業マン川又氏は更に追い 討ちを掛けるのだった。 9月18日 丁度、ワイフと食事に出掛ける途中と言う事もあり、この日も試聴会があったのだ から、上手くすると、現物を少し試聴出来るかなとの下心もあり、ワイフを伴い、 19時過ぎに来店。 支払いを済ませると(この時、ワイフは始めてケーブルの事を知る。だが、いつも の事なので、その場は事無く過ぎた。) 川又氏が「聴いていく時間あります?」と尋ねるので、渡りに船とばかり、是非」 と飛びつく私。 この日試聴したシステムは、P-01/D-01にG-0Sからクロックをフィードし、Halcro のプリとパワーを経由し、スピーカーはMOSAUITO NEO。 自分のシステムと方向性も違い、P-0sとの比較試聴をしたのでもないので、かなり、 大雑把な感想になってしまうのだが、確かに、CDの情報を最大限に拾い、音楽とし て艶やかに演奏しているように、聞こえていた。 P-01/D-01の音に関しては、後日改めて感想を述べたいと思う。 暫く、勝手にCDを試聴させて頂いて、そろそろと立上がり掛けると、川又氏が、 「G-OSのACを8N-PC8100から変えて見るから、聴いて見て下さいね。」と一言。 時間に余裕があったので、では「DOMINUSのリキッドと繋いで下さい。」と私。 比較試聴をすると、いきなりワイフが「こっち(8N-PC8100)の方が全然良いね。」 と言ったのだった。確かに、私の耳も、またまたEsotericに軍配を上げていた事は 間違えないのだが。「もう一本、カードでも良いです?」と言わされていた。 後日談 常々、ワイフは彼女の友人に、「我が家のオーディオラックには、様々な革と 色違いのエルメスのバックが飾ってあるようなものだ」と、私の感覚を説明し ているのだが、後日、ショッピングに同伴した時に、「このバックはケーブル 1本分ね。」とか、「これは、2本分かな」とか、圧力を掛けられ、大枚を叩く ハメに陥った事は、想像に難くない事と思う。 |