《HAL's Hearing Report》
No.0168 - 2004/8/7 神奈川県海老名市 T H 様より 「川又サウンドNEOを拝聴して…!! いいですね〜NEO!! 」 [ESOTERIC X-01 & 8N-PC8100の威力] 今週の月曜日(8/2)、予約して、初めてHALIにお邪魔しました。 X-01の購入検討もありましたが、先ずは川又さんの理想の音を聴かせて頂くことが 目的で、結局NEOの素晴らしさにはまってしまったので、ノーチラスとの比較含めて 2時間半も試聴させて頂き、本当に堪能することができました。 下記のX-01&8N-PC8100ケーブルの購入判断含めて、ありがとうございました。 さて、小生ハイエンドオーディオ歴は3年程度です。30年以上前の高校時代に、 国産コンポから初めて、オープンリールデッキを3世代/10年購入してエアチェック に励んでいたことがあります。 就職後、マンション暮らしが長かったので音楽を満足に聴ける環境になく、ヤマハ のNS1000Mベースのシステムを20年近く使い続けました。3年前に一戸建てに引っ越 してから、再度オーディオを検討開始し、昨年末に現在のシステムになって初めて、 実演をも超えるオーディオ演奏の感動と意味が分かってきたところです。 一言で言うと、艶のあるリアルな音像とその周りの余韻(エコー)の美しさになり ます。ラインケーブルの違いも、このシステムで初めて分かるようになりました。 過去3年間で、システムは、 スピーカー: B&W N805→N802(W/CopperHead) →同(w/BrassShellに交換)、 アンプ: BowTechnology WazooXL(プリメイン) →Accuphase C2400&P7000(セパレート)、 SACD:Marantz SA-14 と徐々に変わり、次第に、理想の音に近づいていることを実感しております。 小型システムから始めたのは、部屋が8畳程度と小さいためで、オーディオの世界の 複数の先輩の薦めにもよるものですが、オケの重量感は基より、器楽曲でも大型シス テムの効果は出ていると実感しています。 NEOの試聴は、小生の購入検討のX-01&G-0sに最近話題の8N-PC8100パワーケーブルを 繋いで試聴させて頂きました。川又さん推薦のおなじみのディスク(小生は初めてで すが)を、1時間程かけて、じっくり聴かせて頂きました。 HAL Iは大型スピーカが多数置かれており、その中では小型の部類のNEOから大音量に びくともせず、かつスピーカの存在を全く感じさずに、楽器や声が明瞭に分離され、 個々に艶のある音像が再現されていました。 特に、「アルルの女」でのオーケストラでの再現力は素晴らしく、これほどの明晰さ と艶、スケール感のある再生は初めての経験でした。押尾コータローのギターの弦の 弾ける音の明晰さとエコーの美しさも抜群でした。 デモとして一番効果があったのは「THE DIALOGUE」でのベースとドラムの圧倒的な 低音のスピード感でしょう。高音と同じ切れ味での低音のパワーとスピードの両立 はもの凄く、川又さんの「このスピードがアルルの女でのオーケストラの全奏直後 のエコーの違いに表れる。」との説明に、納得した次第です。 くせのない音を追い求める範疇でのオーディオの一つの規範になると思いました。 リアルな再生が決して聴き疲れのする刺激的な音でない事もポイントでしょう。 川又さんのデモの後、1時間ほど、自分の気に入っているディスクを8枚ほど聴き、 「演奏」と「音」を堪能させて頂き、上記の結論を確信致しました。 川又さんのディスク程はデモ向きの録音ではありませんが、好きな演奏や、異なる 録音がそれぞれに美しく、楽しめることが大切と考えております。 小生の持ち込んだディスクは下記です。 (1)ショパン、バラード第一番(ポリーニ) (2)ブルックナー、交響曲第五番、第一楽章(バント、BPO) (3)ストラビンスキー、春の祭典(ゲルギエフ、キーロフ歌劇場管弦楽団) (4)マーラー、交響曲第二番、第一楽章(カプラン、VPO)SACD (5)キース・ジャレット、「Whisper Not」からGroovin' High (6)同上、パリコンサート、第一曲開始部 (7)ステイシー・ケント(英国のジャズボーカル)「The Boy NextDoor」からThe Torolley Song (8)ジャシンタ、「Autumn Leaves」から同曲SACD 上記の半分ほどは、CD-SI75で周囲を削ってフェルトペンで黒く塗ってあります。 この作業は、上記の(5)(7)等で、音像&エコーの明確化に効果がありました。 上記の試聴で、川又さんのデモの時よりは自宅の音量に近く(小さめに)設定して、 じっくり音楽を楽しむことができました。個々の楽器やボーカルが、纏まりの良い 音像で膨らまず、本当に美音で鳴っていました。 やはり、オーケストラの再生が最も力を発揮しており、ここまでの個々の楽器の 分離と全体のスケールを出せる実力は本当に凄い! 特に、(2)での弦楽器のブルックナーの霧のような雰囲気の再生と金管のクリアさ の両立も凄いものがあります。 (6)キース・ジャレットでは、五月の来日公演で聴いた時の、繊細で美しい音がよみ がえり堪能することが出来ました。 小生がN805→N802を使ってきたこともあり、B&Wスピーカの究極の再生としてノーチ ラスを小生のディスク(1)(2)(3)(7)で比較させて頂きました。 次回は是非、Stradivari Homageも聴いてみたいですね。 試聴レポートから推察すると、もの凄く艶のある弦楽器の音が想像されます。 長くなりましたが、最後に小生の購入検討でのX-01の試聴について報告します。 X-01は長時間試聴は2回目でしたが、大変くせのない、透明感のある音であることが 確認できました。 更なる目的として、G-0sと最近話題の8N-PC8100の効果の比較を考えておりました。 実は、X-01& G-0s、までの出費を覚悟してお伺いしました。予算の関係で、これを 上限としたことと、未だ電源ケーブルの効果を実体験したことが無かったので、電源 ケーブルの確認意志は伏せておりました。 実際には川又さんの方から先に比較試聴を勧めて頂いた8N-PC8100の効果は絶大で、 NEOシステムでのX-01付属ケーブルとの比較試聴の結果は、一瞬で判る大変明確な ものでした。 X-01(8N-PC8100)& G-0s(8N-PC8100)の音像の明晰さとエコーの美しさとしての音質を 100とすると、G-0s無しのX-01(8N-PC8100)単独での再生は90-95で、川又さんのデモ ディスクで無ければ(録音が優秀でなければ)小生の耳では直ぐに判別できないかも しれない程の僅差でした。 一方、X-01単独(G-0s無し)でケーブルを付属品として比較すると、8N-PC8100使用 時の90-95に対して、付属品のケーブルでは40-50くらいに音が混濁してしまいます。 更に、付属品ケーブルのX-01にG-0s(8N-PC8100)を繋げると60-70程度まで改善され ますが、とてもX-01(8N-PC8100)単独のクリアな音までにはなりません。 川又チューンのNEOならではのセンシティビティの高さもあるかもしれませんが、 是非多くの方に体験して頂きたいと思います。 下記のように自宅でも差を確認しておりますので、X-01を付属ケーブルでお使いの 方は、是非お試し下さい。 なお、上記の8N-PC8100の効果は、小生がN802を購入する際に、島さんの勧めで比較 試聴して即購入した、CopperHeadの有無の差を超える明確なものでした。 HALでの試聴は、高品位な環境と装置が整っているので本当に分かりやすいです。 ということで、X-01&8N-PC8100と限定希少価値とプリアンプ等に使えば効果があり そうなので8N-PC8100を1本余分に2本購入しました。 今後、国産の8NCuの生産も無い可能性が高く、日本の物作りに敬意を払ったことも あります。なお、8N-PC8100の仕上げの良さと、黒塗りの木箱の質も素晴らしく、 添付の解説の作り手の思い入れもエンジニアの感性を打つものがあります。 この機会に壁コンセントもMIL規格のクライオ処理品と交換しました。 ハンドキャリーで持ち帰った8N-PC8100を先行エージングし、作配送されたX-01も 数日はエージングが必要と思いますが、ケーブル2日、本体30時間程度のエージ ング時点で、現有SA-14との差は明確で、音のクリアさが増すとともに、低音のス ピードと量感も増し、ジャズの演奏では効果絶大で、エージング後の更なる改善が 楽しみです。 色々なディスクを立て続けに聴いていますが、「本当にオーディオ(音楽)って 良いものだなあ」という心境です。8畳程度の小さなスペースで使う限り、N802の 実力も相当なものだと再認識できたことも大きな成果です。 X-01の電源ケーブル比較は、エージングのハンデが出ないように、アンプに付属の 長期使用品との差を確認しました。差異は明確に出ており、8N-PC8100ではピアノ の打鍵やギターの芯のある音とエコーとの分離が見事に出ています。 オーケストラも、個々の音像の分離が良く、混濁しません。付属品レベルでは、 楽器の音同士が混ざり、実音とエコーとの分離も今ひとつで、そのため個々の 音像の艶も低くなっています。 小生、電子工学の博士号も取っており、専門家の端くれですが、電源ケーブルに よる音質の向上原因については、科学的に説明しずらいものがあります。 外部クロックの精度向上やCDの加工については、デジタルならではサンプリン グにおける問題、元情報の欠落と補正や精度の問題として説明できます。 ラインケーブルやスピーカーケーブルもインピーダンスの周波数特性の歪みとし て説明できます。電源については、上記のような効果の大きさについて、瞬時電 流供給の仮説等で説明があるのでしょうか。 小生、オーディオについては、試聴事実のみを判断基準としておりますが、技術 屋としての興味で、ESOTERICの技術者の方等で私見のある方がおられたらお聞か せ頂けると幸いです。 「X-01&8N-PC8100」導入効果は実に素晴らしく、自宅でこのような美しい音が聴 ける喜びは何物にも代え難いですね。 本当にありがとうございました。 |