《ESOTERIC 論文コンクール第二弾---応募作品 Vol.1》
No.0141 - 2003/9/7
No.0737のH.A.L.'s Know-how Q&Aに投稿してくださった 「G-0sインプレッション」 H.A.L.Iでいつものように試聴していると川又さんから突然「Tさんラックの 空ありますか?」(これって殺し文句?)と聞かれ、話を詳しく聞くと今度エソ テリックよりマスタークロックジェネレーターが発売されるとの事。 クロノス+992IIの組み合わせにも勝るとも劣らない性能と説明され、しかも値段 (予価)はクロノス+992IIより安いと聞いて、2台のコンポが一台になりしかも 割安、まさに一石二鳥。まだ現物を見ないうちに予約。 それはH.A.L.Iで痛いほどマスタークロックの重要性を体験しているからです。 これはP-0オーナーなら容易に判断できるものではないでしょうか。 実は一度契約を取りやめている。 今のままでもVUK P-0s+D-70の組み合わせの音質に十分満足しているし、たとえG-0s を導入したとしてもその音質の違いが判断できるか未知数である。 資金的にも厳しい。というのが主な理由である。 しかしH.A.L.IでプロトタイプのG-0sを実際にVUK P-0s+D-70の組み合わせでクロ ックを可変して試聴してあまりの違いに驚き、その場でクレジットにサインした。 今、G-0sを手に入れて感謝している。 何故なら良い音への執着を止めていたかもしれないからである。 8月末日TEACのHP上でも公式に発表されたG-0s。 心配は空いているラックの高さにあまりゆとりが無い事。 配送当日の朝HP上のサイズを確認しギリギリ入ることを確認し、早速受け入れ準備 に取りかかっていた9時頃早々とG-0sが到着。 あらかじめTEACより送られてきたBNCケーブルを配線し、まだ温まっていないG-0s 並びにメインシステムより音出しする。VUK-P0s+VUK-D-70のフロントエンドで クリスタル44.1kHzを基準に押尾コータローを聴く。 まだ目覚めていないせいか時間が経過するごとにどんどん音が良くなっていく。 しばらくCDをかけっぱなしにして十分に温まるまで様子をみる事にした。 試聴CD 綾戸智絵「BEST」 有里知花「hana」 鬼太鼓座「富嶽百景」 綾戸智絵「BEST」より1曲目「Over The Rainbow」の前奏で綾戸自作のバース (verse:詩)の部分に注目しながらG-0sの周波数を切り換える。 VUK P-0sとVUK D-70おのおの切り換えられるが、クリスタルとルビジウム、 44.1kHz・88.2kHz・176.4kHzと全部で18通りの組み合わせがあるので詳細は先の 川又さんの比較試聴に譲るとして、VUK P-0sとVUK D-70には同じ周波数を送るこ とにして試聴開始。 VUK D-70よりVUK P-0sへ176.4kHzのワードシンクを送った音との比較も所有者 なら気になるところであるが、その差異を大と見るか小と見るかは実際に試聴 をお薦めする。私は上記のようにその場で契約した。 クリスタル:44.1kHz ここを基準に比較試聴。VUK D-70よりVUK P0sへワードシンクを送った時の音 よりは音場に奥行きが無く狭い。エコー感も少なく物足りなさが残る。 綾戸智絵がライブハウスで演奏しているようだ。しかし市販のノーマルCDプレ ーヤーではこれが一般的な音なのである。 しかもP-0sとD-70の強力なタックである。しかしアップコンバートを知ってし まい贅沢になった耳には物足りない。 ルビジウム:44.1kHz 同じ周波数でも違いが現れる。声に深みが増し、音像の定位がきっちりし中空 に浮かぶ。ピアノの一音一音に力強さが加わる。しかし音場は依然としてこじ んまりした感じである。 ルビジウム:88.2kHz ブレスがよりリアルになる。ピアノのタッチの細かなニュアンスまで聴き取れ、 長めになったホールエコーが美しい。ハスキーなボーカルの声のかすれ具合が ゾクっとくる。 ルビジウム:176.4kHz 録音時のバックグラウンドノイズが鮮明になる。手に取るように表情まで分かる。 臨場感がアップしすぐそこに綾戸がプレイしているようだ。 どこまでも続くエコー。声の一瞬のタメ。綾戸のネイティブイングリッシュ独特 の舌の使い方まで目の前にいる人のように感じられる。音も上下に伸びるが一粒 一粒の音の粒子に力強さが加わる。スポットライトに照らされていることに例え ると、44.1kHzではピンスポット、176.4kHzではより広く明るく照らされている 感じである。 下位の周波数で聴き取りにくかった音が、どんどん耳に入って来て改めてCDの情 報量の可能性を見せ付けられる。 以下はルビジウム176.4kHz入力での試聴だが、まず有里知花の「hana」。 J-POPでは優秀な録音で、バックの音が重低音から超高音まで広がり、そこにあく まで透明で伸びやかなボーカルが加わり申し分がない。 ルビジウム176.4kHz入力では、低音のうねりを聴こうと思えば低音を、ボーカル のストレート感を聴こうと思えばボーカルに集中でき、極めてバランスよく録音 されている事があらわになる。 私のようなJ‐POPファンにはCCCDという強敵の前に暗たんたる気持ちであるが、 ルビジウム176.4kHzではCCCDの欠陥をいとも簡単に暴いてしまう。紗のかかった ような、エネルギー感のない、演奏に厚みがないと残念な事ばかりである。 次に鬼太鼓座「富嶽百景」。 先日鬼太鼓座のライブで初めてバチさばきをみたが、音の立ち上がり、太鼓の パートのセパレションはG-0sの導入は正解であった。微妙に位置のずれた各演奏者 の立ち位置を指差す事ができるくらいである。 これからも進化していくP-0はまるで生き物のように成長していきます。 G-0sという強力なサポートを受けP-0の奥深さに感銘を受ける毎日です。 G-0s自身の柔軟性にも特記すべきものがあります。 将来を見据えたG-0sの登場はクロックという信号の重要性をオーディオ界しいては ビジュアルにも問いかけをしている問題作だとも思うのです。 今回、H.A.L.s know howを含め迅速な対応をしていただいた川又店長及びエソテ リックの方々にお礼を申し上げます。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- H.A.L.'s Circle Review No.0739てご紹介した新企画「ESOTERIC 論文コンクール 第二弾!!」に早速のご応募を頂きました。 ハルズサークル会員のみの企画ですから、関心をお持ちの方はこちらからご入会下さい。 |