《HAL's Hearing Report》


No.0063 - 2001/11/23

神戸市須磨区在住   M・O  様 より


先日はありがとうございました。
せっかくセッティングして頂いたのにわずかな時間しか聴けなくて残念です。 しかも、そのわずかな時間でDiamondとS800の両者を同時試聴とは!!  1時間という時間でありましたが有意義な時間が過ごせました。

ちょこちょこっと感想を送らせていただきます。
しかし、どうも感想というのは苦手であり、そして結構きっぱり考えてしまう 方なのでじっくり聴いて気に入れば「いい音です、気に入りました」、気に 入らなければ「好みではないです」ど断言してしまいますので、あまり深く 考えないんですね。

ですからあまり感想にはならないです、たぶん…。
あ、でもでもしっかり聴いていますので頭の中のファイルにはいっぱい 詰まっています。

しかし、オーディオって結構不思議なものでしてその真ん中っていうのが あって「なんか気になる、気に入る音になるかもしれないから、もっと自 分で何年もかけて鳴らし込んでみたい」という気分にさせるものもあります。

困ったもんですね、オーディオって。

何年か前にEidolonを聞いたときに非常に良かった記憶がありましたので、 一度聴いてみたいという思いがありまして、今回Diamondの試聴をお願い したのです。

持参したいつものCDを早速適当に鳴らしていき、今回は2種類のスピーカーを まったく違うシステムで鳴らすので、どちらがいいとか言うのではなく、その 特徴をつかみにかかりました。

Diamondですがほんと私好みの音出しをAvalonは、未だにしてくれますねえ。 血統ですかねえ・・・。

くっきり浮かんでくるヴォーカル、ベースの切れ味といい空間表現まで何と もいえませんねえ。かつてsystem-5が現役であった頃は私のリファレンスの 音はこれだったのですが6になったとたん音がいきなり硬くなってしまって、 リファレンスの音を失ってしまって愕然ときていたのです。

そのとき出会ったのがEidolonです。

そのときの感動がよみがえってきましたねえ。ホント。

Jeffのアンプで聞いたらもっと空間表現が静かになりそして鮮やかになる だろうなあ・・・と贅沢なことまで考えてしまいました。 しかし、今回はアンプの影響でしょうか?かなりこれはこれで厚みのある ヴォーカルを聴くることができて大変満足しております。 新発見な音でした(たいがい同じ商社のもの同士でしか聞けないですから)。

Signature 800についてですが、なんですか!?

このスピーカーは!!えらく粒立ちが細かく繊細な音まで聞き取れますねえ。 それでいて低音のしまりは抜群ですね。楽器一つ一つの音はもちろんですが、 なにもないところの空気感がまた美しい。

dCSのDDやSACDを聞いた感動に似ていました。 同じCDとは思えぬ音の仕上がりですねえ。「これじゃあSACDいらないなあ…」 なんて考えてしまいました。 それぐらいすごかった。特にクラッシックの編成の大きなものは気持ちよく聴け ました。このときしまったと思ったのが、和もののCDをもってくりゃあよかった と思ったんですねえ。

和ものは音と音のなにもない張りつめた空間も聞いて初めて感動したり、驚い たりできる音楽だと思うんですね。ですからそんなCDをかければいっきに表情 がつかめるかもしれないって思ったんですね。もちろん大きな賭で、だめなら いっきに意気消沈してしまうんですけどね、粗がでやすいので怖いんですが。

でも変な表現ですね「オーディオで音と音の空間を聞く」って。ははは。 やっぱオーディオって変ですね・・・。だからおもしろいんですが。

そんなこんなで両者の音楽攻撃に滅多切り?いやいや、癒された私でした。 気がつけば8時30分、あっという間の試聴でした。

そして、ここまでして頂いて言うのも何ですが、ちょっと気になる点が…。 まあこれはセッティング上仕方のないことですよねえ。双方のスピーカーの 真ん中に隣のスピーカーがあったため、若干フォーカスが甘くなってしまって いたような気が・・・。

後、空調の通気口ですかねえ、ちょっとビビる傾向にあるような。 すいません、生意気なこと申し上げてしまって。

ただ、同じスピーカー、アンプ等、川又さんのフロアーで聞くとみんな生き生 きなっているんですね。「ああ、これが演奏者、録音エンジニア、オーディオ メーカーが伝えようとしていることなんだ。」まさに三位一体ですよね。

しかし、ここまではどこでもありがちですよね。ここがほかよりも大きく引き 離している点が、セッティングです。これが疎かですと、すべて台無しですも んね。これらすべてがそろって初めて本当のオーディオが楽しめるというもの。

そんな音楽が聴ける場所だからこそ全国からオーディオファイルが集まって くるのだと思うし、またここで聴く音楽は楽しませてくれるんだと思います。

それに、オーディオってこんな実力があるのかってほんと感心させられて しまいますもんねえ。 だから、こんな些細なことまで気になってしまうんでしょうね。 たぶん、ほかの店であれば「そんなことどうでもいいや」、いやいや全く気付 かないかもしれません。

ホントここのフロアーでは精神が研ぎ澄まされてくる思いがします。 オーディオの魂が感じ取れるところなんでしょうね、川又さんのところは。

今回、聞いて感じたことを細かく書こうかなと思いましたが、私には川又さん のような表現力がありませんので頭の中にファイリングしておくだけにして おきます。それに感じ方って人それぞれ違いますもんねえ・・・。 そんなこんなで漠然とした感想になりました。

今回も私の急なわがままを聞いてくださり本当にありがとうございました。
「川又さん、S800って侮れませんねえ・・・、ふふふ。」

 今回の試聴CD(っていうかほとんど毎回同じなんですが・・・。)
○Pure acoustic 大貫妙子(川又さんの随筆読んでてついほしくなって 買ってしまいました。でももう4、5年たちますね)
○Between the sheets Four play
○He is christmas Take6
○Watermark enya
○序曲・前奏曲集 Verdi
○time to say goodbye Sarah Brightman
○gettin' to it Christian McBride
○Red rode Bill Miller
以上
嵐のような試聴でありました。

“SHEER”のレポートはまた今度送らせていただきます。

それでは。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

M・O 様ありがとうございました。
鋭いセッティングのご指摘を頂きました(^^ゞ
実は聴かれるスピーカーの真ん中に他のスピーカーがあると良くない…
それは私も十分に承知しており、ゆっくりとどちらか一方を試聴したい
という場合にはどかしているものです。ですから、ちょっと有名になって
しまった福井県のS様もレビューの-No.0213-の最後で述べられていました
ように、真ん中の障害物をどかすと更に見晴らしが良くなります。

私は、限られた時間の中で何を優先して試聴して頂くかを判断して
お相手していますので、どちらかのスピーカーをベストな状態でと
いうことであれば、喜んでセッティングを変更させていただきます。
ただ、ちょっと今回はお時間がなかったようでしたから…。(^^ゞ


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