《HAL's Hearing Report》
No.0034 - 2001/10/09
東京都北区在住 K・N 様より
スピーカーがちょっと新しく、Nautilusシリーズの末っ子。アンプは10年前、CDは5年前と、ローエンドの物です。リスニングルームは、横長の約22畳で、床はピンポイントで数百キロの重量物を置いてもなんとも無いしっかりした物でナラ材のフローリング仕上げ、壁も2重構造で、とてもライブな部屋です。 視聴報告の前に、もう一言。 私がリスニングルームにしているのは、都内の自宅では無く、渓谷沿いで対岸は小高い山々と云う環境にあるアトリエなんです。そして、聴き方が少し変わっているかも知れません。と言っても、逆立ちしながら聴いている訳ではありませんが。横長の部屋の長編は中央に出窓を挟んで3カ所の大きな窓があります、その出窓の両サイドにスピーカーを設置しています。壁を見ながら音楽を聴くのを好まないので、窓を全開にして景色が恒に見える状態で聴いています。川のせせらぎ音、鳥のさえずり、そよ風を耳にしながらCDをかけます。チョット室外の木陰で聴いている様な感じなんです。そして、自然の音って結構大音量なんですよね、どんなにボリュームを上げても窓を開けているので、川の流れる音や鳥の声は聞こえて来ます。そんな状態で聴いているので参考になるかどうか分かりませんが?。スピーカーの間隔は2m強でリスニングポジション迄は3.5mです。 早々、"SHEER"の前後の比較をしました。使用している機器が、スピーカーは小型のブックシェル型で、アンプも現代の物とは違い余りレンジの広い物では無いので、今までは特に低音が今一歩って感じだったのです。 そして"SHEER"後は、・・・信じられません。・・・何で?、どうして?、こんな物で?(価格も含めて)。「トリックではありません、これがハンドパワーです」って感じです。何がどう変化したかって言うと、クリアーになりました。霧が晴れたみたいに。中高域がとても澄み切った感じになりました。中域は、艶が出た感じです。そして一番驚いたのが、今まで聞こえなかった低域が歯切れ良く再生されるではありませんか!チョット大げさかも知れませんが、30cmウーハー並に。・・・参った、降参です。見直してしまいました、Nautilus 805を、じゃあ無くって"SHEER"を。今まで聞けなかった、ウッドベースの最低音や、1つになって聞こえていた音がハーモニーとしてちゃんと。あまりの変わり様に戸惑っています。「何が?」では無く「全てが」って感じなので。 視聴ディスク("SHEER"後の感想です) 1.パトリシア・バーバー/nightclub(BLUE NOTE TOCJ-66090) ハスキーなパトリシアの歌声に艶が出ました。ピアノのタッチも明確になり、シンバルの音も痺れます。そして、ウッドベースが明確に鳴りました。 2.ジェーン・モンハイト/Come Dream With Me(Victor VICJ-60744) ちょっと耳障りだったジェーンの高域が澄んだ感じになり、声全体が潤んでいます。ぞっこん惚れちゃいました。バックの演奏が立体的になり、ベースは申し分無い。聞き惚れるくらいに。 3.ダイアナ・クラール/When I Look in your eyes(UNIVERSAL VIVTOR MVCI-24014) SN比が上がった感じです。楽器の1音1音が明瞭に聞こえる様になった。 4.Richie Beirach Trio/ROMANTIC RHAPSODY(VENUS TKCV-35091) 元々録音が良いので変わらないかな〜って思っていましたが、1番変化が大きかったかも知れません。ピアノのタッチ、倍音、全てが明確になった。H.A.L.ならともかく、家でこのベース音が聴けるとは思っていませんでした。ドラム、シンバルは涙が出そうな位、リアルになった。3回続けて聴いてしまいました。 5.イーグルス/HELL EREEZES OVER(GEFD-24725) 全体にクリアーになり、再生レンジが広がった印象です。特に"Hotel California"は泣いちゃいます。イントロの12玄ギターの1音1音が生々しくなった。ベース、ドラム、パーカッションが歯切れ良く聞こえる。ライブの雰囲気が一層感じる。 6.ムター&カラヤン+ベルリンフィル/モーツァルト・バイオリン協奏曲5番(grammophon 415 327-2) ダイナミックレンジが広がった感じです。高域がクリアーになり、ムターのバイオリンソロが耳に付かなくなった。オーケストラの各パートが鮮明に。N805がこれだけのスケールで鳴るとは思ってもみませんでした。全体の重心が下がった感じで落ち着いて聴ける。 7.イ・ムジチ/モーツァルト・セレナード第13番(PHILIPS PHCP-3588) クリアーになり、レンジが広がった感じです。バイオリン、ビオラ、チェロ、バス、全てが明確になった。重低音の迫力が出た感じです。(6.と同じ) 8.由紀さおり・安田洋子/童謡ベストコレクション秋冬(東芝EMI TOCT-24445) 妻の要請で視聴しました。声が澄んで艶やかになった。伴奏の重心が落ち着いている。 一通り聴いてから、川又式ノーチラスセッティングの内振りを試してみました。感動しています。N805でも同様に変化がありました。音場全体が前後左右、更に上下にまで広がり、ゆったりした感じになりました。小編成のオーケストラやトリオ等の各楽器の位置が明確になりました。中低音の重心が下がり、安定して全体音が聞こえる。部屋のどの位置からでも音像が明確になった。但し、私の部屋でのN805の場合は90度より120度くらいの方が臨場感が有り聴き易い様に感じました。 全てに於いて感謝しております。 但し、困った事があります。3800円のクリーナーを使っただけとは、家人は思って無い様で、何か高価な物に取り替えたと確信している様で、私の言っている事を信じません。「3800円のそんなクリーナーで変わる訳無い、本当の事を言いなさい、正直に言えば怒らないから」と疑っています。・・・はぁ〜。 更に、持っているCD全部を"SHEER"する事を考えると。そして、"SHEER"しないと聴けなくなってしまった事にです。 それでも、懲りずに頑張りますので、川又様には今後とも宜しくお願いいたします。H.A.L.で何か新調出来る日を楽しみにしています。 |