【加工】
目が悪いこともあって先天的に不器用なので恐る恐る削りましたが
大丈夫です、削りすぎないように歯が止まってくれるので安心です。
今のところ失敗はありません。ネジをしっかり締めればOKです。
どちらかというと塗る方が問題で、何枚か塗るとペン先が乾いてしま
いうまく塗れなくなります。ときどき紙に書いてインクの出をよくする
のが良いようです。
試しに削っただけの音質と塗ってからの音質を比較しましたが、削り
6割・塗り4割という感じです。きちんと塗らないと効果が半減します。
削っていて感じるのはディスクによってかなり偏心があるように見え
ることと仕上げの感触が違うことです。特に偏心は輸入盤に顕著なよう
に思います。
【音質】
10ピース程度の編成の室内楽、ピアノトリオジャズ、バイオリン協
奏曲、ボーカルを聴きました。
全体の傾向として感じるのは、ときどき感じていたバイオリンの高域の
きつさが無くなった事、楽器の定位が明確になった事、音の解像度が格段
に上がる事、低音楽器に音の芯のようなものができた事などです。
特にホルンのように定位がわかり難い楽器も演奏者の位置が分かるように
なったのが印象的です。
思うに、それぞれの楽器が本来の大きさで鳴るようになったのではない
かと感じます。今まではそれぞれが少し肥大していて互いに干渉していた
のが加工すると適切な大きさになるため解像度が上がり定位がよくなって
飛躍的に音質が改善されるのだ思います。
ただ何枚も聴いて行くと、どなたかのレポートにあるように高域がきつ
いと感じる事もあります。私は現在DV−50を使用していますが、フィ
ルターを32倍から16倍に変えた方が良い結果になるディスクもあります。
今まで解像度を上げる方向で様々な調整をしてきたので、大元の解像度が
上がったため場合によりコントラストのきついテレビを見ているような印象
になるのだと思います。ナチュラルな方向で調整すれば良好な結果になると
確信しています。
【余談】
どなたかのレポートに「製造段階から加工すればよいのに」というご意見
があったので、メーカーの人間としてCD製造の概略をご紹介しようと思い
ます。皆様方のご参考になれば幸いです。
但し、私は製造に直接かかわっているのではなくかつて生産管理の情報シ
ステムを構築したことがあるため工程を知っているだけなので専門家ではな
いという事をおことわりしておきます。
CD製造工程には、成型・スパッター・コート・印刷・自検・外検・仕上・
出荷という8工程あり、前4工程がディスクそのものの製造工程です。
成型 :暖めたポリカーボネートの玉を上下からムギュっとつぶして無色
透明のディスクを作ります(ネイキッドディスクといいます)
スパッター:薄い金属でできている原盤をネイキッドディスクに押しつけて音
楽信号を転写します。
コート :信号面をアルミ蒸着し保護用のネイキッドを張り合わせます
印刷 :レーベルを印刷します
さてこう見てくると張り合わせ工程があるためCSIのような加工をする
としたらコートの後になると思われます。ただ、上記4工程は全て静止して
いるディスクを上下方向から加工しており、私の知る限り回転させるという
工程はないようです。
素人考えですが物を回転させて加工する設備を新たに導入するには、設備
にかかる費用と加工時間が増えることによる生産性の低下を招くのでメーカ
ーとして取り組むのはなかなか大変ではないかと思います。
またフィリップスが持っているCDの特許に製造工程までが含まれている
かどうかわかりませんが、ここも重要な視点だと思います。
いずれにせよしばらくの間はオーディオを趣味とする者の楽しみの一つとし
てCSIを使って行くのがよいかなと思っています。
。
さあ、あと700枚削らなければ…
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
H・S 様詳細なレポートありがとうございました。
CDの製作過程は大雑把に見ると…。研磨したガラス板にフォトレジストなど
の感光材を塗布し、アルゴンレーザーやヘリウム・カドミウムレーザーなど
を照射してマスター盤を作り、おうとつが逆のメタルマスターを作り…と、
大体12段階の工程がありますね。それらをご説明すると大変なのですが、
H・S 様がおっしゃっているように、ディスクを回転させての研磨ということ
は不可能に近いものです。もとより高圧でポリカーボネイトを型に注入する
際に既に規格化された精度を求められているので、それ以上の整形について
は必要とはされないでしょう。
有意義なご意見ありがとうございました。
|