発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明




2008年11月13日
No.628 「H.A.L.'s One point impression!!-素晴らしいです!!AESTHETIX!!」
お陰さまでというか、日頃のハイエンドオーディオに対する追求姿勢を認めて
頂き、各社から新規導入する新ブランドの製品を音質評価して欲しいという
要望が寄せられるのは常日頃のこと。

東京インターナショナルオーディオショーの出品される新製品の情報が耳に
入り始めたころだったか…

「店長、ショーが終わったら聴いて欲しいものがあるんですが…」

という輸入元担当者の言葉を、その時にはいいですよ〜という軽いノリで聞い
ていたものでした。

何かと言えば、このブランドです。

http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/626.html

まだ輸入元のwebサイトにもアップされていない新製品がふたつ。

http://www.dynamicaudio.jp/file/081104/IoEclipse.pdf
http://www.dynamicaudio.jp/file/081105/CallistoEclipse.pdf

今回は先にVacuum Tube Line Stage Preamplifier Callisto Eclipseを聴か
せて頂くことになったのですが、セッティング当日はすぐに試聴してもバーン
インが出来ていないだろうということと、日々の業務の忙しさがあって中々
聴くことができず、二日間ほどじっくりとバーンインしてから先日本格的に
聴き始めたものでした。そうしたら…、これがまた素晴らしいのです!!

なぜ直ちに断言できるほどの実感を持てたかというと、次のシステム構成を
ご覧頂ければお分かり頂けるでしょう。
しかし、語る言葉がすぐには見つからなくて困ってしまうほどでした。


◇AESTHETIX Callisto Eclipse/Dual Power supply model-inspection system ◇

………………………………………………………………………………
ESOTERIC G-0Rb(税別\1,350,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/g0rb/
     and
H.A.L.'s original-JORMA DIGITAL/SMB Internal Wire (税込み\88,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/544.html
     and
ESOTERIC PS-1500MEXCEL+7N-PC9100(税別\1,250,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
     and
H.A.L.'s original“Z-board” (税込み\57,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
H.A.L.'s original“P-board” (税込み\68,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)(税別\240,000.)→and ESOTERIC D-01
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/mexcel/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC P-01+VUK-P01(税別\2,500,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500MEXCEL+7N-PC9100×1(税別\1,250,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
     and
H.A.L.'s original“P-board” (税込み\68,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 Dual AES/EBU(税別\560,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/7nda6300/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
ESOTERIC D-01+VUK-D01(税別\2,500,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/p01_d01/
     and
ESOTERIC PS-1500MEXCEL+7N-PC9100×2(税別\1,600,000.)
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/ps1500/
http://www.teac.co.jp/av/esoteric/powercable/9100mexc.html
     and
H.A.L.'s original“P-board” (税込み\68,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/508.html
     and
Project“H.A.L.C”H.C/3M(税込み\500,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/halc/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-A2500 RCA 7.0m (税別\2,280,000)
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7na2500/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
AESTHETIX Callisto Eclipse/Dual Power supply model(税別\3,950,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/file/081105/CallistoEclipse.pdf
http://www.zephyrn.com/2008new/02information/topics.cgi
     and
TRANSPARENT PLMM+PI8(税別\606,000.)
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
     and
Harmonic Resolution Systems SXR Audio Stand/3Frame(税込み\2,030,000.)
http://www.stellavox-japan.co.jp/news/news/
http://www.stellavox-japan.co.jp/news/pdf/SXR.pdf
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-A2500 MEXCEL XLR 7.0m(税別\2,280,000.)
http://www.teac.co.jp/audio/esoteric/7na2500/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HALCRO dm88 ×2 (税別\8,000,000.)
http://www.harman-japan.co.jp/product/halcro/dm88.html
http://www.halcro.com/productsDM88.asp
          and
TRANSPARENT PIMM+PLMM(税別\606,000.)×2set
http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

ESOTERIC 7N-S20000 MEXCEL 5.5m(税別\2,660,000.)★これが素晴らしい!!
http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7ns10000/index.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
MOSQUITO NEO(税別\4,800,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/oto/oto54.htm
     and
H.A.L.'s original“B-board”(二枚/税込み\256,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/B-bord.html
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/521.html
………………………………………………………………………………

そうです。今まで何か新しいものを検証するときに多用してきた、最も信頼
のおける私のリファレンスシステムそのものにプリアンプのみを変更しただけ
というシステム構成なのですから、その変化は一目瞭然というものでした。

管球式アンプのバーンインは念入りにと三日目に入ったCallisto Eclipseの
リモコンを手にしていつものソファーに腰掛けたのは一昨日の午前中のことでした。
それから三日間というもの毎日聴き続けています。

先ず最初に何の迷いもなく自然にかけたのがいつものこの曲でした。

■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章/小澤征爾/ボストン交響楽団

もう何百回と聴いてきたであろう旋律が始まった時に衝撃が走りました!!
私の耳と大脳に総動員をかけて記憶のなかの“音種”を検索し始めました。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ここで言う音種とは:私が思いつきで勝手に使い始めた造語です。(^^ゞ

種(しゅ、英・羅: species)とは、生物分類上の基本単位である。
2004年現在、命名済みの種だけで200万種あり、実際はその数倍から10数倍
以上の種の存在が推定される。生物学上または分類学上では次のような序列に
よって階層が定義されています。◆ドメイン→界→門→綱→目→科→種◆

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

形態的種、生物学的種、生態学的種、地理学的種、進化学的種など学術的には
色々な分類があるということですが、私はオーディオ的種、音質的種、などの
意味から再生音の傾向を分類する手段の総称として勝手に音種なるものを考え
てみました。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

私の長年の経験による実に多数の“音種”のファイルをいくらめくって見ても
この“音種”に一致するものはありませんでした。

「いったい何なんだ? この例えようもないふくよかさと奥深さは!?」

HALCROとESOTERICを核にしたNEOのシステムはこれまでにも電源関係やラック
の音質検証はもちろん、各種ケーブルの評価や新しいプレーヤーなどをテスト
するための文字通りリファレンスシステムであったわけだが、この変わり様は
いったい何だというのか? プリアンプというものがこれほど支配力を持って
いたということを改めて実感させられたものだった。

冒頭の弦楽器が鳴り始めた瞬間に“音種”という単語がポンと私のボキャブラ
リーに追加された。こんなヴァイオリンの質感は初めてのものであり、その
流麗であり滑らかな再生音は今までのプリアンプの“音種”と比べて一線を
超越した美しさがある。

この例えようもない弦楽器の艶やかさは管楽器でも同類項の美点を有しており、
クラリネット、フルートなどのソロパートの響きは清廉なステージの空気感を
象徴するようであり、見事な音場感を展開する。

そう、管球式のプリアンプにしてS/N比が極めて高いことが直感できる。
私は意地悪にもP-01をストップさせてCallisto Eclipseのコンコンと音のする
ボリュームを更に上げていった。

普通であればサーッという残留ノイズが表れてきてもおかしくないのに、まだ
まだ上げても何も聞こえてこない。これはどういうことだ?
とうとう最大ボリュームに達した時にNEOのトゥイーターから申し訳なさそう
にシューというノイズが出てきた。何ということだろうか!!

演奏を聴いていて大変ノイズフロアーが低く感じるのは単純に残留ノイズと
して耳が検知する雑音成分だけで評価されるものではない。演奏中の空白部分
と余韻感が素晴らしいということによって判定できるものだが、本当にこれが
真空管を使ったアンプ何だろうかと私はわが耳を疑ってしまった。

そして、楽音の質感だけでなく私が日頃から追求しているサウンドステージが
他に例がないくらいに忠実に再現されているのである。これは言い換えれば
左右スピーカーという音源位置の間の空間に楽音がどれだけ定位するかという
見方であり、私は音源間の中間定位として表現しているものだ。

左右のNEOのスピーカーユニットがある位置関係を全く無視して、その内側に
忠実なオーケストレーションが展開し、特に弦楽器群の定位感・存在感が目前
の中空にくっきりと浮かび、かつスピーカーという音源に定位が貼りつかない
という名人芸を披露してくれる。そうです、それでこそスピーカーが消えると
いう形容詞を初めて使うことのできる資格があるというものです。

しかも、それをプリアンプがになっていたという驚きが私の常識を覆したと
言うものでした。

この後には私の定番のテスト曲をすべて聴きつくし、オーケストラで感じられ
た美点がすべての演奏で実感できたことは言うまでもない。まさに新種の発見
ということで改めて“音種”という造語の妙を一人で感じ入ってしまった。

この音をどう表現したらよいのか? 未体験であり、強烈な美意識を感じるが
ゆえに私は語るべき言葉を探し求めることになってしまいました。

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、小澤征爾/ボストン交響楽団によるマーラー交響曲のすべてをここの
試聴室のディスク・ライブラリーに保有しているということ。
また、他の選曲においても小澤征爾指揮の作品を複数コレクションしている
ということから、私は小澤征爾の指揮と録音された音質に対しては一ファンで
あるということを認めないわけにはいかないだろう。

http://www.universal-music.co.jp/classics/artist/ozawa/uccd1214/index.html

そんなことから上記のサイトウ・キネン/ベルリオーズ:幻想交響曲を購入し
て聴き始めていたことも自然な成り行きというものかもしれない。しかし、
ベルリオーズ:幻想交響曲は他の指揮者とオーケストラによる録音が三枚ほど
ここにあるのだが、今回は最新録音のこのディスクに私は心酔してしまった。

いや、正確に言えばCallisto Eclipseの魅力というバックボーンがあったから
こそ、三日連続で幻想交響曲を聴き続けているという前例のない現象が起きて
いるというものだろう。この幻想交響曲の背景を調べたことで、私がどのよう
な表現性を持ちいたら良いのか、その発想のヒントに下記を引用してみました。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

幻想交響曲(Symphonie fantastique, 原題:「ある芸術家の生涯の出来事、
5部の幻想的交響曲」
Episode de la vie d'un artiste, symphonie fantastique en cinq parties
作品14は、フランスの作曲家エクトル・ベルリオーズが1830年に作曲した最初
の交響曲。

◆作曲の経緯と初演

1827年、ベルリオーズはパリでシェイクスピア劇団による「ハムレット」を
観た。その中でオフィーリアを演じたハリエット・スミスソンに熱烈な恋心を
抱き、手紙を出す、面会を頼むなどの行動に出る。

しかしながら、彼女への思いは通じず、やがて劇団はパリを離れてしまう。
ベルリオーズはスミスソンを引きつけるために、大規模な作品を発表しようと
いう思いを抱いていたが、激しい孤独感のなかで彼女に対する憎しみの念が
募っていく。

彼は、まもなくピアニストのマリー・モークと知り合い、恋愛関係に発展する。
この曲はそのさなかに作曲された。なお、1829年には作曲者によって、交響曲
についての文章が発表されている。

初演は1830年12月5日、パリ音楽院でベルリオーズの友人であった指揮者フラ
ンソワ・アブネックの指揮により行われた。

多くの自作曲が演奏されたが「幻想交響曲」は最も注目を集め、第4楽章は
アンコールにこたえてもう一度演奏されたという。出版は15年後の、1845年で
あった。その後、1855年までの間に、幾度か改訂が重ねられ、特に1855年の版
では、プログラムノートも含めて大きな変更が加えられている。

婚約関係まで進んだベルリオーズとモークは、彼女の母によって1831年に破局
させられ、モークはプレイエルの息子カミーユと結婚した。

モーク母娘とカミーユを殺害しようとするほどの怒りに駆られたベルリオーズ
であったが、翌1832年、スミスソンと再会することになる。彼女は「幻想交響
曲」の再演を聴きに来ていたのである。

それをきっかけに、ベルリオーズの心に再び火がつき、今度はスミスソンも
彼の愛を受け入れた。ベルリオーズの当初の目的は叶い、2人は1833年に結婚する。

「恋に深く絶望しアヘンを吸った豊かな想像力を備えたある芸術家」の物語を
音楽で表現したもので、ベルリオーズの代表作であるのは周知のとおり。

以下の引用は、1855年版の作曲家自身のプログラムに基づく翻訳であるという。

「病的な感受性と激しい想像力に富んだ若い音楽家が、恋の悩みによる絶望の
 発作からアヘンによる服毒自殺を図る。麻酔薬の量は、死に至らしめるには
 足りず、彼は重苦しい眠りの中で一連の奇怪な幻想を見、その中で感覚、
 感情、記憶が、彼の病んだ脳の中に観念となって、そして音楽的な映像と
 なって現われる。愛する人その人が、一つの旋律となって、そしてあたかも
 固定観念のように現われ、そこかしこに見出され、聞えてくる。」

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

ベルリオーズという多感な想像力と豊かな感受性を持つ芸術家がまず存在し、
恋愛とアヘンというトリガーによって幻覚的、幻想的な性質を持ち得る交響曲
が生み出されたというものだが、「固定観念」(イデー・フィクス、固定楽想
等と訳す場合もある)とは、楽曲全体を通して繰り返し現れる主題(旋律)
を私は過去のオーディオシステムによる既成概念として理解しようとしていた。

今まで連綿として繰り返してきた試聴という行為で何かを発見し、また“音種”
のレベルアップをしてきたという自負があるのだが、どうにもCallisto Eclipse
によって引き起こされた音質変化は過去の事例の引用では表現し得ないものだ。

つまり、この突然変異的な“音種”の出現にこそ幻覚的、幻想的な性質という
ものを感じてしまうのである。

第1楽章「夢、情熱」 (Reveries, Passions)の冒頭ではゆったりとした木管
楽器の合奏から流れるような弦楽器が次第に数を増やしながら、最初はほの
暗かったステージに徐々に照明が当たり始めてオーケストラの各パートに光が
注がれていくようにステージが広がっていく。

もう、この段階でCallisto Eclipseがまき散らす媚薬のような甘美な音色に
私はくらくらしてしまうのであった。


今までに知り得なかった魅惑的な音色の乱舞をどのように私がイメージとして
捉えたか、それを表現したいという一念から10数年前の記憶を呼び起こしていた。

それはBS放送での番組でアメリカの画家がいかに簡単に美しい風景画が描ける
かということを30分番組で実演するというアート系トーク番組だった。

油彩画に詳しい方はすでにご存じの技法なのだろうが、支持体となるキャンパス
があり、その上に前膠(まえにかわ)と呼ばれる絶縁層を施し繊維の酸化を防ぐ
ということ。

絶縁層と描画層との間に地塗りをして絵具の発色を良くし描画特性を高める
地塗り層(下地)があり、実際にはその上に描画していくことになり、それを
描画層という。最後に、その上にニス層を重ねて酸化による変色や汚れから
保護することで仕上げとなる。

そんなことは今になって知ったことだが、当時その番組の画家は白いキャンバス
にほぼ原色の絵の具を2インチの平筆で均一に塗りつけていったものだった。
軽妙なトークを繰り返しながらテキパキと動く画家の手先に惚れ惚れしたもの
だった。

彼が描くのは大自然の風景画であり、夕日をバックにする景色であれば下地に
は赤や黄色を、青空を背景にした山々を描くのであれば青一色を先ずキャンパス
に均一に塗っていく。

そして、それが乾いたら再度純白の絵の具を同様に均一に塗り広げていき、
まるで下地の絵の具などなかったかのようにキャンパスは真っ白な状態に
戻っていくのである。この作業を毎回最初に行うところから番組が始まった。

さて、いざ画家が描き始めるのだが、先ず遠景の遠いところから描き始める。

ここで、ちょっと油彩画の技法について調べてみると…

平塗り/暈し(ぼかし)/モデリング/スフマート/グレーズ/スカンブル/ハッチ
ング/クロスハッチング/マスキング/デカルコマニー/フロッタージュ/コラー
ジュ/ドリッピング/ドライブラシ

などなど実に様々な技法があり、そのどれを彼が用いていたかということは
私にはわからないものだ。しかし、これだけは確実に記憶していることがある。

原色の下地を隠すように白い絵の具でキャンパスを初期化したはずなのだが、
それにパレットで調合した絵の具を塗り重ねていく、または色を置いていくと
いうことで森林の木々や水辺の草花、山裾の遠景が湖に反射して水面に逆さま
に映る様子などを実にテンポよく巧妙に描いていく。

そして、その中で私が最も感動したことは、色を乗せていくのではなく、あえて
薄めの絵の具を含ませた筆で下地の原色とその上の白い絵の具、その三種類の
色彩がキャンパスの上で予想しがたい融合を見せて幻想的な色彩が新しくそこ
に誕生するというテクニックだった。

一般的には乾性油としてはリンシードオイル、ポピーオイルなどが用いられる
というが、このオイルを多めに含ませた筆だけでも上塗りした白い絵の具を
意図的に数回走らせるうちに下に隠れていた原色と白が魅惑的な混じり具合で
えも言われぬ美しい新色がキャンパスの上に躍り出てくるのだった。

見たところ白いキャンバスにしか見えない下塗り済みの白さの上に、このよう
な筆の扱いで予想もしていなかった色彩感が出現していく過程を私は感嘆の
思いで見つめていたものだった。

一見したところただの白、その平常心として例えられる純白の下には一瞬の
幻想と狂気が潜んでいて、それを呼び起こすことで幻覚的、幻想的な新種の
色彩が誕生してくるというイメージが、まさにAESTHETIX Callisto Eclipseに
よって引き起こされた麻薬的な魅力の“音種”と言いたいのである!!

            -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

松本 長野県松本文化会館でライブ録音された小澤征爾とサイトウ・キネン
オーケストラの幻想交響曲は、私の想像を超えて甘美な響きとリアルで衝撃的
な音質、つまり現実と幻想の両方を織り交ぜながら進行していく。

私が魅惑的な弦楽器の調べに酔いしれていると突然のティンパニの打撃音が。
この打撃音が何ともスピード感ある鋭利な響きであり、その打音の余韻感が
見事にステージの奥行き感を指し示すのだから管球式アンプということであり
がちなふんわり暖かいだけの音というイメージを根底から覆していく。

「こんなスリリングなティンパニを聴くのは初めてかもしれない!!」

第二楽章でのハープの爪弾きが見事に花を咲かせ余韻感を振りまき、弦楽器の
調べは更にしなやかに展開する。こんな調子だから聴き終わることがつらい!!

有名な第4楽章「断頭台への行進」ではうねるようなグランカッサの連打が
コントラバスのアルコとくっきりセパレートする。管球式アンプは輪郭表現が
曖昧だ…なんて誰が言ったことか? 私だったか^_^;

第5楽章「サバトの夜の夢」での弔鐘は輝く金属の質感を見事に音質で表し、
あれほど弦楽器を麗しく聴かせるCallisto Eclipseにこんな二面性があったの
かと戸惑うほどのハイテンション、かつ剛性を耳で感じるほどのリアルな鐘の
音ではないか!!

久しぶりに感動の大きさは文章量に比例する、という私の一節をこのままずっと
継続していきたいような魅惑の音質がH.A.L.の空間に漂っているのです!!

私が追求し求めてきたハイエンドオーディオの世界に、まったく新しい新種の
“音種”を発見しました。私にとっては衝撃的な“音種”の発見です!!

AESTHETIX Callisto Eclipseを皆様のシステムにインストールすることで、
オーディオ的トランス状態が体験できます!!

さあ、これをお聴きになる勇気はありますか!?


このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。
担当川又 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556
E−mail:kawamata@dynamicaudio.jp
お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!

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