発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.283 小編『音の細道』特別寄稿 *第30弾* 「私が分析した Cesium Frequency Standardの実力とは!?」 |
1.セッティングに関して http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/281.html 4/28に持ち込まれたSymmetricom's Cs3は特にオーディオ用というもので はなく、下記のように通信分野での標準原器として輸入されているもので あり、今回私の元に届けられたのもこの外観のタイプである。 http://www.marubun.co.jp/comnet/datum_9.jsp G-0sに使用されているルビジウム原子発振器の周波数精度は…、 ±0.00005ppm以下とされているのだが、理論上これの1000倍に あたる±0.00000005ppm以下の発振精度を有するというのがセシウムを 用いたMaster Clock Generatorと言うことになる。 ppmとは parts per million 《100万分の1; 微少含有量の単位》 しかし、マイナス14乗、え〜と(^^ゞ 10億分の1という精度ですか? ルビジウムを使ったChronosでさえ驚いたものだったのに、更にその上を 行く時間軸精度の世界があるのだろうか? http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/151.html http://www.timelord.co.jp/consumer-audio/aptlproducts.html まず、このセッティングに関しては下記のようなシステム構成で行った。 -*-*-*-*-今回のリファレンスシステム-*-*-*-*- Symmetricom's Cesium Frequency Standard 3 (RELAXA2+) ↓ 7N-DA6100 BNC ↓ ESOTERIC G-0s(AC DOMINUS) ↓ ↓ ↓ 7N-DA6100 BNC(Wordsync) ↓ ↓ 7N-DA6100 BNC ESOTERIC P-0s+VUK-P0 (Wordsync) (AC/DC DOMINUS & RK-P0 & MEI Z-BOARD & PAD T.I.P) ↓ ↓ ↓ 7N-A2500 XLR ×2(Dual AES/EBU) ↓ ↓ dcs 974 D/D Converter(AC DOMINUS) ↓ ↓ 7N-DA6100 BNC×1 7N-DA6100 BNC ×2 (Wordsync) (SPDIF-2 DSD Audio Signal) ↓ ↓ dcs Elgar plus 1394(AC DOMINUS+SAP RELAXA3PLUS & PAD T.I.P) ↓ 7N-DA6100 RCA 1.0m(2ch Audio Signal) ↓ HALCRO dm8(AC DOMINUS) ↓ PAD BALANCE DOMINUS 7.0m ↓ HALCRO dm68 ×2 (AC DOMINUS×2) ↓ ESOTERIC 7N-S20000 ↓ MOSQUITO NEO -*-*-*-*-*-*-*-*-*- スピーカーにはここ数日間絶好調の演奏を聴かせてくれているMOSQUITO NEO を使用し、昨夜は徹夜でシステムエンハンサーリピートさせてバーンインも 十分に済ませているものだ。 Symmetricom's Cs3(以後はCs3と表記)の本体には一切の脚部はなく、何らかの クッションやインシュレーターを使用するべきなのだろうが、それらの微妙な 音質変化まで検証すると時間が足りないので、今回はRELAXA2+を使用して いっそのことフローティングしてしまおうと考えたものだった。 この状態でG-0sのフロントパネル左側にあるMASTERスイッチを順次切り替え Xtal / Rb / Ext と切り替え、最後のExtでセシウムの登場となる。さあ、 この単純そうで難しい比較試聴がやっと出来る時間が今日は持てたようだ。 2.第一印象と予感 実は、私の第一印象はとても悪かった…(^^ゞ 5/1のこと私は輸入元に次のようなメールを送っていた。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Cs3の通電は今日で三日半と言う時間をかけています。 そして、先ほど単純にG-0sの入力切替で内蔵のルビジウムとの比較をしたの ですが・・・。 上記のシステム構成では、G-0sのルビジウムの音質の方が良いのです。 これまで他の場所でG-0sと二回比較して、どちらもG-0sよりも良かったと言って おられましたが、ここでは全く逆です。Cs3にはゴム脚すらないので、リラクサで フローティングさせるという配慮をしていますが、ラックに対する置き方、セッ ティングの問題とも違うような気がします。 ちなみに、ここのラックはご存知のようにzoethecusなので、それでもアイソ レーション効果は素晴らしいものですから・・・。 ここでは、他の環境やシステム構成とは違ってケーブルに至るまで本当にこだ わったセッティングをしており、持ち込まれた他社の製品でも雑誌の試聴室や メーカーの試聴室とは違った結果が出ることがしばしばあります。 私は価格がすべてではないということを承知しているつもりであり、価格に対 して迎合するような姿勢はありませんので音質をストレートに評価しています。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- セッティング当初にちょっとしたトラブルがあったので、初めて音を聴いたの は三日目だったのだが、生意気にも私はこのようなメッセージを送っていたの である。さあ、まだ一曲だけの瞬間的な印象だが、さて、それを検証しように も試聴室は“NEO”を目当ての来客が相次ぎ、なかなか自分の試聴時間が持て なかったのだが、本日やっと納得できる結果を出せたものだ。 ケーブルやクロックなどの検証に便利な押尾コータロー『STARTING POINT』 6.Merry Christmas Mr.Lawrence を最初に使って再度試してみることにする。 http://www.toshiba-emi.co.jp/oshio/ ポイントは簡単だ、Xtal / Rb / Ext と順番に切り替えて試聴していくのだが、 P-0s+VUK-P0はワードシンクが一旦途切れると再度ロックするまでに30秒ほど かかるので、そのリンク待ちがじれったいものだ。 「Xtal…、ふむふむ、そうだよな〜Rbと比較するとこうなんだよな〜」 「Rb…、そうそう、こうでなきゃ!!」 「Ext(Cs3)…、あれ?? 前回と違って今日はいいな〜? どうしてだ?」 実は、5/1に輸入元に送ったメールで私が最初に試聴したのがこの曲だった。 当時はテンションが緩み空間表現も狭くなり、色彩感はなくなって丸まった ような冴えない音に期待を裏切られたようで憤慨してしまったものだ(笑) しかし、今日のExt(Cs3)で聴く押尾はいいな〜、なんでこんなに違うんだ? 「よ〜し!! もう一度最初から!!」 と三つのポジションを何回も何回も繰り返し、しまいにはRbとの一対一の 比較を繰り返すようになり、この曲の冒頭の30秒間を延々と繰り返し恐らく 20回以上は聞き比べたものだった。 そして、私の胸中にはある推測が芽生え始めていたのである。 多用な楽器が背景を埋めてヴォーカルも同時にチェックできるものをと 「Muse」からフィリッパ・ジョルダーノ 1.ハバネラをかける。 http://www.universal-music.co.jp/classics/healing_menu.html 「Xtal…、あ〜(-_-;)Rbと比較するとヴォーカルの質感とエコー感が…」 「Rb…、そうそう、この解像度があってこその余韻感だ!!」 「Ext(Cs3)…、あれ?? 今度は先ほどのような光沢感がないぞ、どうしてだ?」 ヴォーカルだけではなく低域にも関心を向けてドラムの質感に注意して 聴き続けているのだが、Ext(Cs3)で若干テンションは向上するのだが 期待ほどではない。そこで、「The Best of fourplay」(WPCR-1214)の 5.chant の冒頭20秒間に入っているハーヴィー・メイソンの強烈なフロ アータムをかけることにした。 これを二回順番に繰り返して比較するが、倍音をたくさん含むドラムで の変化は微妙なものであり、それだけでは確信をもてなかった。しかし、 ここでも微小な違いが表れる…、先ほどの私のある推測が頭に浮かんだ。 「一回目のRbと二回目のRbはなんだか違うな〜、同様に最初のExt(Cs3) と今のExt(Cs3)もちょっと違うぞ〜、もしかしたら!? 」 3.クロックの不思議を謎解く あれは2001年7月のこと、限定50台しか製造しないというTimelord Chronosが当時サウンドパーク・ダイナ7FにあったH.A.L.に量産前の デモ機材が持ち込まれて色々と検証を行ったものだった。 そこで思わぬエピソードが起こったのものだった…!? Chronos→dcs 992/2→P-0sという流れでワードシンク信号をリンクさせて いったのだが、dcsの各ユニットにはワードシンクを自動的に最適な位相で 同期させる機能が搭載されており、Chronosの発する10MHzの基準発振信号 を受信しているのだが、当時のP-0sのワードシンク入力にはそのような 機能はなかったのである。 従って、当時のP-0sはリモコンのsyncスイッチを押すごとにdcs 992/2から 送られてくる44.1KHzのワードシンク信号に対してアバウトな位相で同期 させるしかなかったのだが、この同期する位相角によって音質が大きく 変化してしまうのである。 当時タイムロードはデジタルの位相比較器を持ち込んでこられ、P-0sの リモコンを押すタイミングで0度からプラスマイナス180度の範囲で同期 した際の音質変化と位相のズレを比較試聴ながら試聴したものだった。 確かに同期させる位相角によって音質は大きく変化し、Chronosの真価を 評価するには、まるでルーレットを回すような心境でP-0sのリモコンを 何回も押しながら、良い同期位相がでるまで何回も何回も挑戦したもの だった。 このChronosの登場によってESOTERICもMaster Clock Generatorという 分野に関心を高めG-0sの開発に乗り出したものであった。そして、その 開発過程で上記のように同期させる位相角による音質変化の大きさにも 同社は気が付いており、VUK-P0のバージョンアップでP-0sにも自動的に 最適同期位相角を自動調整する機能が追加されたのであった。 約30秒程度の時間をかけてじっくりと最適同期点を調整することを私と しても望ましいこととして歓迎しているのだが、果たして今回のシステム 構成の中で見落としはなかったのだろうか!? -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さあ、ここでちょっと確認なのだが、ESOTERIC G-0sに格納されたルビジ ウム発振器は10MHz ±10ppm以内の1.4〜5Vpp サイン波/矩形波を出力し G-0としてそれを受け取り、周波数系列(44.1kHz/48kHz)の1,2,4倍の 周波数を独立して出力するように加工し直すものだ。 つまり、G-0という存在を母体としてG-0sも外部からルビジウムの基準 発振信号をもらっている形式と考えられるのではないだろうか? 確かに製品として一体型になっていてルビジウム発振器は内蔵されて いる形なのだが、実際にはG-0s内部では個体としてのルビジウム発振器 からケーブルで引き出された信号がG-0の基板に接続されて上記の周波数 系列に作り変えるという作業をしているものだろう。ということは、外部から Ext入力でCs3からのセシウム発振器から基準発振信号を受け取るのと 同じ事にならないだろうか? そして、G-0内蔵の水晶発振器以外から信号を受け取る際に上記のdcs各 コンポーネントやVUK-P0のように、最適同期位相角を自動調整する機能が G-0の入力回路にはあるのだろうか? *このメールはESOTERICにも同時に送信し、この点を公開質問状として 問い合わせ回答を求めるものです。その回答は後日ハルズサークルの 皆様にも配信でお知らせ致します。ESOTERIC開発担当者はよろしく お願い致します。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さあ、このような解説をしていくと、前述のような試聴の過程で私が 推測し疑問に思っていたポイントがお解りいただけるだろうか? つまり、ルビジウムであろうとセシウムであろうと発振周波数は10MHz という高周波であり、それを周波数系列(44.1kHz/48kHz)の1,2,4倍に 再加工するわけだが、その加工処理の回路入り口で同期させる位相管理 によって音質がまばらになるのではということなのである。 そして、次の課題曲でいよいよ私の推測が現実のものとなってきたのだ。 今は廃盤になっていると思うのだが、アンネ・ソフィー・オッターが ムジカ・アンティクワ・ケルンのオリジナル楽器によって歌い上げて いる「マリアン・カンタータ&アリア」(POCA-1077)の12トラック目 「合唱付きアリア:悩み多きこの世と、苦しみにあえぐ人の子」をかけ てみる。この曲はオリジナル楽器のヴァイオリンが導入部で合奏され るが、その清らかさ滑らかさがチェックポイントになるのである。 「Xtal…、そうそう、こんな感じ。緻密さというよりは開放的。音場感も どちらかと言うと水平方向にはあっても奥行き方向には淡白な感じ…」 「Rb…、お〜、かなり滑らかで余韻感が格別だ!!x,y,z軸の各方向に三次元 的に音場感が広がっていくし、さすがだ!! これでこそRbという感じだ」 「Ext(Cs3)…、あれ?? なんということか!! Xtalより質感が悪いぞ!? 弦楽器の音色は砂をまぶしたようにザラザラ。滑らかさなんかどこかに 消し飛んでしまったようだ。オッターのソプラノをこのまま聴く気には なれないほどだ!! え〜い、もうやめた!!」 何気なくスイッチをRbからExt(Cs3)へと二回切り替えただけなのに、この 猛烈な音質ダウンはいったいなんなんだ!! 実は、この瞬間にはカップルで 遊びにこられた20代の若い女性が背後にいらしたのだが「さっきよりも音 悪くなったわ〜」と連れの男性にひそひそ話ししているのが私の耳に入った。 そう、初めて体験される初心者でもわかるほどの音質劣化なのである。 仕方ない、もう一度最初からだ!! と再びXtalに戻し、その音はジャンプして 直ちにRbにすると…、おや? 心なしかさっきよりも弦楽器のすべりが悪く なったのでは? と、直感的な印象を持ったが口には出さず再度Ext(Cs3)へ!? 「おーーー!! こっ、これは!! こりゃあビンゴだ!!」 上記のように以前体験したワードシンクの同期位相角をP-0のリモコンで何度 も繰り返していた時の思いはルーレットかスロットマシンかと思われるような、 まったくの偶然に頼ったトライだったが、やっぱり同様なことがあったのだ!! 「いや〜、なんという美しい音色だろうか。質感はまさにシルクのハンカチが 頬を撫でたように滑らかであり、空間にすう〜っと溶け込んでいく余韻が 絶妙の空間表現を見せる。オリジナル楽器のヴァイオリンに使われている ガット(羊腸)による響きの美しさとはこういうことなのだろう!! お〜、オッターのソプラノが気持ちいい。ビブラートを効かせた歌声が スピーカーのセンターにハシゴをかけて天にものぼって行くように余韻が たなびいていくようだ。こんなオッターは初めて聴いたぞ!! 凄い!!」 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- Cs3の第一印象を私は大変悪く受け止めたしまったのだが、その原因は ここにあったのだ!! G-0のExt入力には10MHzの発振信号との同期位相角を自動調整する機能は ないということだろう。いや、仮にあったとしても、この大きな音質差は ないに等しいものだ。また、G-0s内蔵のルビジウム、つまりRbのポジション においても同期角のズレでどうやら音質は変化しているようだ。これは上記 の公開質問状の回答を待たなければならないが、オーナーの皆様もたま にはスイッチを入れなおして比較してみてはいかがだろうか? そして、その最適同期位相角を的確に合わせるには何度かのトライしかなく、 現状では耳で聴いての判定しか方法はないようだ。それによって高価なCs3は どうしようもないほどの音質に成り下がってしまうか、ルビジウムでの体験 をあらゆる面で上回る可能性を見せてくれるかのどちらかなのである。 4.セシウムクロックの真価を“NEO”が聴かせる!! スイッチを押すタイミングという全くの偶発的な行為で音質がこれほどまで 変動してしまう事実。これでは、まるでビンゴを当てるようなものだろう。 しかし、それを何回も繰り返していると次第に感触がつかめるようになって きた。Ext(Cs3)にて同期した状態で何度も聴いていくうちに、その同期の 仕方が良いかどうかコツがつかめてきたようだ。この同期の状態を解除し てしまうのが惜しまれ、今のうちにと何曲かを聴かなければという気持ちに なってきた。“NEO”を使っての最良の状態で私も演奏を楽しみたいという 気持ちになったのである。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 本日ご来店頂いた何名様かにも聴いて頂きましたが、私も以前から注目 しておりテストにも使用しているYPMレーベルから(YPM-005 )グリーン・ スリーヴスを聴いてみた。なんと、これも廃盤なってしまったと下記の webでは紹介されている。曲は11.荒城の月である。 http://webs.to/ypm 冒頭で鍵盤の左右いっぱいに駆け巡る連打があるが、単音を繰り返し 叩く場面があり時折原曲のメロディーラインが顔をだす。 ベヒシュタインのピアノは立ち上がりが早く音色に透明感があるので、 演奏者のイメージをテクニックによって的確に表現できるという。 1853年にニューヨークで創業したスタインウェイが有名だが、同じ年に ベルリンで創業したのがベヒシュタインである。創業当時からその音の 素晴らしさが評価され、非常に和音の多い曲でも意図する旋律を綺麗に 表現できるということで、あのリストやドビュッシーらは生涯ベヒシュタ インを弾き続けたと言う。 ドイツ生まれのピアノを日本人が演奏し録音した。日本製のCDトランス ポートとMaster Clock Generatorによって時間軸を支えられ、更にCs3 という絶対精度のバックアップを得てdcsのコンポーネントを仕切る。 オーストラリアのアンプに連なるアナログラインを日本製のケーブルが 連結させ、最後にはフランス生まれの“NEO”が私の眼前にベヒシュタ インを蘇らせたのである。 この時のピアノはリアルであるという言葉で語りつくせない感動を与え てくれた。シングルトーンの透明感、“NEO”の中間に光のごとく瞬間的 にきらめくように表れるピアノのアタック。音階が低くなるにつれて スピーカーの素性が問われるものだが、残響のあり方は極めてリニアな 減衰特性で空間に溶け込んでいく。まるで紙飛行機がすーっと滑空しな がら床に落ちるまでの軌跡を目で追いながら滞空時間の秒数を数えてら いれるような、そんな瞬間が繰り返しピアノの音色として“NEO”に 新しい1ページを加えていくのである。演奏者の左右の手が演奏する すべての音階で全く質感を崩すことなく“NEO”のスピード感をその ままに、アタックの瞬間とエコー感の美しさ、それが拡散していく 空間の広さというすべてにおいてCs3での演奏は群を抜いていた。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 先ほどの「マリアン・カンタータ&アリア」で多数の楽音が構成していた 演奏空間の描写力に対して、ピアノのソロという対照的な録音を聴きな がらCs3の貢献がどんなところにあるのだろうかと思い返してみた。 あくまでもExt入力での同期のタイミングで私が“ビンゴ!!”と認めた 時のコンディションだということを前提にRbとの違いをデフォルメして 考えてみた。(ルビジウムが良くないということでは決してありません。 誤解なきようにお願いします。私が感じた相違点を文字通りデフォルメ して述べてみるものです…^_^; ) Rbに対してExt(Cs3)の場合は、ということで…。 ・音場感は広くなります。その広がり方が楽音と楽音の隙間を広くする というものではなく、発声した楽音のエコー感が拡散していく空間が そのまま大きくなる。エコー感の消滅までを良く観察できるので、その 分スケール感がより大きく感じられるという置き換えの表現も出来る。 ・楽音の質感に“音の芯”ができます。これは芯という表現を使ってい るが、グラデーションの濃厚な部分がフォーカスを鮮明にして音像と しての投影面積を絞り込んでいく効果がある。その効果が非常に有効 なのでギターやピアノのソロではシングルトーンの鮮明さが光り質感 が向上し、逆にオーケストラのような大編成では各パートをきれいに 分離させる効果となって全体の解像度を引き上げ結果として聴きやす くなる。もちろん美観を伴った聴きやすさである。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、今回の検証でCs3という高価なものを慎重に試聴したものだが、 ケーブルやクロックというデリケートな比較試聴にはNautilusを使って きたことを皆様も記憶されていることだろう。 しかし、今回のような微妙な変化を分析する場面でも“NEO”が新たな リファレンス・スピーカーとしての存在感を十二分に発揮したのである。 そして、忘れてならないのがESOTERIC“MEXCEL Cable”の実力である。 これらのコラボレーションによって、Master Clock Generatorという 純度を追求する商品の価値観を検証することが出来たということは、 同時皆様にもシステムの最上流に位置するMaster Clock Generatorと 最も下流にあるスピーカーという両端における新たな基準を皆様の 試聴環境にも提案出来るようになったということである。 最後に一言申し上げます。 G-0sのMASTERスイッチでXtal / Rb / Extと切り替えて試聴する場合には、 私が立ち会ってCs3の同期の仕方を確認してから試聴して頂けますよう お願い致します。<m(__)m> 今回の大いなる教訓でした(笑) |
このページはダイナフォーファイブ(5555):川又が担当しています。 | |
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担当川又 |
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