発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.277 「2004年夏、小さな巨人が日本のオーディオシーンを変える!?」
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この前兆はステレオサウンドの2×3センチという小さなモノクロ写真から 始まった。ステレオサウンドNo.150の222ページ左側の一番下にAudio Machina というスピーカーが紹介されていることを誰か気に留めた人がいただろうか? オーディオ業界の中で情報の伝達速度で問題が起こるといけないので、ここで は正式な輸入元を明かすことはしないが、このAudio Machinaが開発した全く 新しいコンセプトのスピーカー、The ULTIMATE MONITORの試作機がここに 持ち込まれたのである。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 横幅16.5センチ、高さと奥行きが約40センチ、重量は10キロ以下、センターに 2.5センチ・トゥイーター、その上下に12センチウーファーが二個という構成。 それらのドライバーを取り付けているバッフル面はアルミのインゴットから削 り出した50ミリという分厚いもので、その後方に流線型に連なる本体はカーボン コンポジット素材による超ハイテクのボディーが印象的だ!! さて、言葉だけではピンとこないだろうと思い、社名は明かせないが輸入元 に内緒で撮影したのがこの画像です(^^ゞ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pdf/040328/machina.doc -*-*-*-*-*-*-*-*-*- KRELLのLATシリーズでも採用されたスキャンスピークの高速ユニットを 使用しており、トゥイーターはソフトドーム型で若干のフロントホーン 形状のバッフルに取り付けられている。スタンドはサウンドアンカー社の もので別売であり、右側の写真でつや消しのスタンドと本体の境目が 観察できると思われる。ただ、The ULTIMATE MONITOR本体は上下の 丸い形状は同一であり、それを受ける台座の部分は巧妙に同じカーブで 受けるように削り出しているのである。 また、The ULTIMATE MONITORには専用のラインレベルでインアウトする イコライザーが付属している。幅44センチ、奥行きと高さは7センチ程度 のブラックボックスであり、内臓バッテリーにより完全なDC駆動となって いる。これは乾電池がなくなったらフタをあけて交換するというシンプル な発想のユニットであり、実際の基板の大きさは名刺サイズ程度の小さな ものであるという。このユニットの英語のネーミングが凄い!! The Bomb という名前が面白い。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 一般的にエレクトロニクスのイコライザーを使って低域補償をしようと した場合には、スピーカー本体の低域の減衰特性が限りなくフラットで あることが求められるものです。 このフラットに…、という意味は-6dB/octできれいな減衰特性でなけれ ば、電気的にリニアなブーストをした場合に適正なレスポンスが得られ ません。本体の素材と構造にこれほどこだわったというのは、そこに ポイントがあるからで、言い換えればNautilusのウーファーにおける 原理と共通のものがあると言うものです。ちなみにメーカーからの資料 によると2ウェイのクロスオーバー周波数は4KHzであり、それも-6dB/oct で設定されているようだ。 能率は90dB/2.83V/1mということから標準的なところであり、インピー ダンスは平均値で4オーム、再生帯域はそのままでは+/-1dB 70Hz-18KHz であるが上記のThe Bombを使用するとなんと-3dBで25Hz-20KHzまで拡大 するという。The Bombの機能はただの低域補償だけではないようだ。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 今回はGOLDMUNDの贅沢なシステムで試聴したのだが、口径12センチの ユニット4個で、55畳広さがあるここの試聴室で堂々たる鳴りっぷりを するのだから驚いてしまった。何人かの来店客は後ろにあるTAD-M1が 鳴っているのですか? と問い合わせされてくるほどの鳴りっぷりであり まず低域の表現力が素晴らしいのに驚く。ただそれはグイグイと強制 的に不自然なテンションを強調するような低域ではなく、オーケストラ のバスをゆったりと鳴らし、スタジオ録音のウッドベースではきっちり とピッチカートの引き締まった表現もこなし、これには開いた口がふさ がらない。 日本ではニア・フィールドでのリスニングが多いと言われるが、この トゥイーターはソフト・ドームという質感が大変好ましい応答性で 聴く人に伝わるのである。それは、どうしても12センチのドライバー で低域のストロークを求めてしまい、そのような挙動のウーファーと つながるトゥイーターでは質感に荒さが出る可能性もあるのだが、 なんともスムーズで聴きやすい高域が印象に残るものである。 日本にサンプルを送ってきたメーカーは私たちの意見を求め、更に 今後の改良を重ねて数ヵ月後には正式に市場投入したいという構想 であるという。 予定価格は380万円と高価なのだが、こんなコンパクトなスピーカー で極上のオーケストラやスウィングするジャズを楽しめたらなんと 素晴らしいことでしょうか!! 今回のインプレッションは大いに私の記憶に残りました。あとは ファイナル・モデルの仕上がりに期待したいものです。そして、その ときが来たらハルズサークルの皆様には真っ先にお知らせしましょう!! どうぞご期待下さい。<m(__)m> |
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