今回のマラソン試聴会の会場はここ。10月24日金曜日の朝9時から大量の
商品の搬入とセッティングが始まった。
http://www.dynamicaudio.jp/mar27/mar27_acc.html
参加メーカーは30社あまりだが、運び込まれる商品数だけでも半端ではない。
中でも私がもっとも心配していたのが、合計41台にも及ぶzothecusのラックの
セッティングである。アイソディクスと呼ばれるアイソレーション用のクッシ
ョンをz.4/Rでは一台に付き80枚も貼り付けるという作業があり、このセッテ
ィングが完了したのがお昼近くになっていました。
錚々たるコンポーネントがマウントされた壮観な眺めがこれ!!
これだけの物量をマウントするのも現場でのアレンジが必要でした。
電源部が独立していたり、後方での配線の都合もあったりで、上遠野が
悩みに悩んで上手にセットアップしてくれました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/f-end.jpg
そして、パワーアンプも凄い物量になってしまった!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/p-amp.jpg
これだけの機材をセッティングして、やっと音が出始めたのは夕方6時くらい
になってからでした。そこから各スピーカーのポジションを聴きながら
調整していくわけですが、このホールの使用制限時間が夜9時までという
ことなので、とてもじゃありませんが一日で終わるはずもなく、25日の
初日はまたまた朝9時から会場に入ってセッティングの続きを行いました。
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フロントエンドの機材は事前にある程度計画性をもってレイアウトできる
のですが、パワーアンプのレイアウトはすべて私のアドリブで決定したもの
です。というのは、スピーカーを置く位置によってスピーカーケーブルが
届くものとそうでないもの、モノラルアンプの場合には両側にということ
から散々悩んだ挙句にこのように前後二列のレイアウトとなりました。
その向こう側に見えているのがH.A.L.2 東チームのフロントエンドです。
そのパワーアンプの群れの後ろから客席を望むとこのようになっています。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/aud.jpg
後方の傾斜している客席に椅子を追加して250席をキープしましたが、
それでも満席の状況になってしまいました。
ステージ上ではやはりDOMINUSが這い回っています(笑)
さて、いよいよ私が定刻通り開会のご挨拶を述べさせて頂き演奏が開始
されました。スケジュールは分刻みで、配線の時間、スピーカーの置き換え
の時間、そして音が出ないというトラブルにも見舞われ予定時間よりも
次第に遅れが出てきてしまいました。
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約20名にも及ぶ関係各社の皆さんが5分間というインターバルの中で
100キロ以上はざらというスピーカーを入れ替えて、配線を繋ぎ換える
作業はF1グランプリのピットインの様相です。さて、その中でも今回の
目玉というべきポイントをいくつかご紹介しましょう。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/l-n.jpg
手前のNautilusはおなじみのものですが、組み合わせはプログラムを
ご覧頂ければと思うのですが圧巻なのがAll LINNシステムです。
1台のKOMRIに対してKRIMAX SOLOを4台使用し、プリアンプをトップに乗せた
この画像はなんともコンパクトな迫力モノ(笑)でした。聞く所によると
輸入元でもKRIMAX SOLOのデモ機材を8台は揃えられないので、LINN本社
から急遽送ってもらったという前代未聞のシステム構成です。
いや〜、これは凄かった!!
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そして、噂のTAD M1も大勢のお客様の前で本邦初公開となりました。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/m1.jpg
私は、このスピーカーをこれだけ大きな空間でどのように鳴らすかという
ことで、この曲を使用したのです。
OCTAVIA OVXA-00008 「THE DIALOGUE」(1トラック) WITH BASS
100Hz以下を再生する本格的なサブ・ウーファーを持つM1の低域は、以前の
TADに見られたように大変強力なものであり、キックドラムの音圧をホール
全体にビシッ!! と決めてくれました。これは凄かった!!
今後もここで試聴可能です
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/ant-rush.jpg
さて、次に登場したのがこの両者。定価は同じ750万円だがコンセプトが
まったく違う両者の対決です。このように画像で見るとPASS Rushmoreの
方が重たそうに見えるのだが、実はROCKPORT ANTARESは軽くそれを
上回る180キロという重量なのです。それをセッティングするのも大変です。
私はVERVE POCJ-1252 CHRISTIAN McBRIDE 「GETTING'TO IT」(10トラック)
NIGHT TRAINでウッドベースのソロをかけましたが、いや〜、これは爽快でした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/jm-new.jpg
そして、これも日本初公開のJM LAB GRANDE UTOPIA TYPE Bです。堂々たる
偉容のGRANDE UTOPIAはどんな曲をかけてもびくともせず、また私が選曲
した古い録音のバッハ バイオリン協奏曲も大変美しく再生し文句なし!!
これも29日からここで随時試聴可能になります。
さて、本邦初公開というのはスピーカーだけではありませんでした。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/x-ux.jpg
EOTERIC の期待の新製品 X-01(上)とUX-1(下)が同時比較できるという
のも今回が初めてのことでしょう。24日の搬入日の当日までESOTERICの
開発で音質を調整し、ぎりぎりになって持ち込まれたものでした。
そうそう、その間にあるのは噂のWADIA921ですね。
私は、この両方でA&M UIGA-7001 STING 「SACRED LOVE」 (14トラック)
MOON OVER BOURBON STREET をかけて比較し、会場の皆様にどちらの音が
良かったかを挙手によって応えて頂きました!! そしたら…(^^ゞ
そして、同社のマスタークロックG-0sから100KHzのユニバーサルクロック
を使用した状態と使用しなかったときの音も実験しました。これも来場者
の皆様に手を上げてご返事頂きましたが、圧倒的にマスタークロックの
必要性を皆様が感じられたようです。
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さて、時間も迫ってきてプログラムも残り二つとなってきました。これまで
は手作業で重たいスピーカーを運び、配線もその都度すべて手作業で切替え
るということを繰り返してきましたが、1セット325キロのFULL EPILOGUEを
どうするのか、そして6台で約600キロのTRIO+6BASSHORNをどうするのか??
この演出とセッティングを考えたのも私でした!! (^^ゞ
ハルズサークル・レビュー始まって以来初の動画情報です。
ダイヤルアップ 56kbps 用
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/final-56k.wmv
ブロードバンド 500kbps 用
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/final-500k.wmv
私が撮影したものですが、ステージが見えてくるにしたがってカメラに収ま
らずに、思わず数歩後ろに引いてしまい画面が揺れてしまったことをお許し
下さいませ。それほどスケールの大きなセッティングだったものですから(^^ゞ
本格的な画質では静止画をご覧になってください。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/op-pho/m27/epi-tri_6b.jpg
実は、予定していた新製品のパワーアンプVTL Siegfried (900万円)の入荷
が間に合わなかったため、急遽VIOLA SPIRITO(475)+VIOLA BRAVO (800)に
切替えての演奏となりました。偶然にも現在執筆している随筆の最新作での
ペアリングと同じになってしまいましたが、その音は凄かった!!
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さて、こうしていても次々にご意見ご感想のメールを頂戴し続けており、
皆様からの期待の大きさと喜びを感じることが出来て私もうれしく思います。
比較試聴についての厳密さを考えると、事前の準備が大切なのは私も承知して
いるのですが、空席での測定の満席での音圧測定では大変に開きがありますし、
残念ながらリハーサルの時間も限られているので中々難しいものがあります。
ご満足頂けなかったポイントは次回への貴重な参考としてしっかりと頭に
入れて今後に取り組んで参りたいと思います。ありがとうございました。
そして、私はこのようなイベントの最初にいつも申し上げていることが
あります。
「このように大きな空間で大勢での試聴では製品を吟味するようなシビアな
試聴は最初から困難なものです。どうぞ集団見合いのような感じて、あの
製品のここが良かったな〜、という印象をお持ち帰り頂いて、後日当社の
各店におきましてじっくりと試聴してから音質を判断して頂ければと思い
ます。私は、このようなイベントはエンターテイメントとしてオーディオ
を通じて音楽を楽しんで頂くということで、皆様のご理解を頂ければと
願っているものです。」
私自身が、このようなイベント会場では厳密な試聴はできないということを
百も承知で取り組んでいるということを、どうぞご理解頂ければと思います。
そして、皆様の感性でコンポーネントを吟味して頂くために、日ごろ当社の
店頭における実演に力を注ぎ、設備としての試聴環境も作り上げてきたもの
であるということです。どうぞ、今回のマラソン試聴会において、これは
なかなか見所があるぞ、と思われた製品がありましたら、どうぞダイナミック
オーディオ各店をご利用頂きましてじっくりと試聴して頂ければと思います。
マラソン試聴会は、今後の試聴と可能性につながる“音の架け橋”であれば
何よりであると願っているものです。
皆様のご来店を心からお待ちしております。<m(__)m>
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