発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
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H.A.L.担当 川又利明
    
2018年4月9日 No.1466
 H.A.L.'s Reference Audio Rack Renewal Planが遂に実現しました!!

私はオーディオラックもコンポーネントの一部と考えています。そのこだわりは
H.A.L.創設以来のものですが、その歴史を振り返ってみると20年前に遡ります。

1998年9月25日のことでした。それまではオーディオラックと言えば重量が何キロで
板厚が何十ミリあるから、これほどのものだったら何も不満はないだろうという
既成概念を木っ端微塵に打ち破った非常識な価格のオーディオラックの登場でした。
そのzoethecus audioを日本で初めて大量導入することにしたのです。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20061220/remember_zoethecus_1998.htm

今は輸入元アクシスのサイトにも当然残っていない貴重なファイルがこれです。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20161029/20161029-flame_zeoth.pdf
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20161029/20161029-z1.pdf

この体験から私はラックに関しても妥協すべきではないという信念のもとにH.A.L.の
音質の土台を構築してきたものでした。しかし、2005年6月のzoethecusの廃業と
いうことでリファレンスラックという柱を失ってしまったのでした。

そこで、私はどうしたか…、それまでの経験を活かし国内業者の協力を得て自分で
作ってしまおうと企画したのがオリジナルラックProject H.A.L.C(ホーク)でした!!
自分で企画し実験試聴も行いzoethecusを超える音と自負できる仕上がりでした。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/halc/

上記の特設サイトでお分かりのように2007年春にスタートしたプロジェクトでしたが、
その時は既に世界不況の前兆となるサブプライム問題がアメリカで起こっていたわけです。

Project H.A.L.Cは発売以来順調にセールスを続けていたのですが、翌年のリーマン
ショックを契機に次第に不況の嵐が襲ってきたという時代には皆様も覚えがあること
と思います。

職人技による100%国産ラックとして多くの皆様に評価して頂いてきましたが、
次第に受注が細くなり反面生産工場からは製造ロットの台数を多くしなければ
コストが維持できないという事態に陥っていきました。つまり、一台ずつの受注
生産では価格維持が困難になってきてしまったのです。

それでも、何とか頑張っていたのですが2011年3月11日にそれは起こりました。
東日本大震災の余波は経済的にも趣味の世界にも大きな打撃となり、せっかくの
オリジナルラックの継続販売を遂に断念せざるを得ない状況になってしまいました。

では、今更10年前に遡って旧態依然としたラックを使うのか、いや、それは出来ない!
Project H.A.L.Cの展示品が残っているうちに比較試聴して、それを超える音質の
次世代リファレンスラックのオーディションを行い決定したのがこれでした!!

2011.12.21-No.2655- (本文中の価格は当時のものです)
「次世代H.A.L.リファレンス・オーディオラックはこれに決定しました!!」
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/885.html

奇しくも1998年にzoethecus audioを日本にもたらしたアクシス株式会社がドイツの
ハイエンドオーディオラックfinite elementeを正式輸入し、その実物をここで
入念に試聴しての採用ということになったのです。当時の様子は下記写真にて。
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20111221/2011.12.21.01.jpg

実を言うとfinite elementeというブランドは当時スキャンテック販売という会社が
小規模に輸入しており、その当時にも私は販売したことがあったのですが、
アクシス株式会社は現地メーカーの開発者を日本に招き、そのテクノロジーを
細部に至るまで改めて日本に紹介することで音質の素晴らしさを啓蒙したのでした。

同社のPagode Master Reference Rack/HD02(当時の商品名)を7台展示するという
ことは世界初というものであり、試聴の上で選択したハイエンドラックに関して
長らく継続できる基盤を構築することができたのでした。しかし…

           -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■アクシス株式会社より販売店向け告知
http://www.axiss.co.jp/news/information/

さて、これまで弊社が輸入販売してまいりましたfinite elemente製品(Germany)は、
まことに残念ながら、今後一切の取り扱いが不可能な状況となりましたので、
謹んで以下にご案内申し上げます。

finite elemente 製品は、2009年より弊社が輸入代理業務を引き継ぎ、これまで
ハイエンド・オーディオラックを中心に多くのオーディオファイル諸氏から
高い評価を頂戴してまいったのですが、ここ数ヶ月間は、生産体制が不明確になり、
ご注文いただいたお得意様には、納期などを含め何かとご迷惑をお掛けした状態
が続いておりました。

そうした事態に対し、弊社と致しましては、状況改善にさまざまな努力を重ねて
まいったのですが、しかし、遂にこの度、finite elemente社とのコンタクトは、
同社すべてのスタッフへの電話やメール、ファックスなど、一切の通信手段が
完全に遮断されてしまい、同社製品のお引き合いにお応えすることが全く不可能な
状況に陥ってしまいました。

そうした状況下で、かつ、メーカー自体の存続すら不明瞭な昨今におきまして、
これまで、finite elemente 製品の販促にご尽力いただいた販売店の皆様には
たいへん申し訳なく、また、まことに残念ではございますが、同製品の取り扱い
中断を余儀なくせざるを得ない由、ここにご案内申し上げる次第です。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

上記の情報は2017年10月には輸入元サイトにて結論だけが公開されていましたが、
突然の輸入業務中断ということになってしまい、またしてもリファレンスラックと
いう土台を再検討しなければならなくなってしまったのです。

2018年1月のこと、私が次世代リファレンスラックとして白羽の矢を立てたのは
以前にも取り扱いと販売実績があったARTESANIA AUDIOでした。
http://www.artesaniaaudio.com/ja/

そのEXOTERIC三段仕様ラックをここに持ち込み、finite elementeとの比較試聴を
しつこいほどに入念に行ったのです。これは私にとって貴重な体験でした。

それは歴代のリファレンスラックを審査した時代にはなかったHIRO Acousticという
素晴らしいスピーカーによって比較試聴することができたからです。

その時に使用したシステム構成は下記になります。Transparent OPUSシリーズを
最高レベルで採用した素晴らしい検証システムにてラックを吟味できたことです!!
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/H.A.L.sSoundRecipe_HIROAcousticVol.4.pdf

結論から言えばfinite elementeとARTESANIA AUDIOは互角と判断しました。

そして、次世代リファレンスラックとしてARTESANIA AUDIOが全ての検証項目で
finite elementeを上回る必要性まで追求しなくともよいだろうという考えを
持つようになったのです。それは次のようなポイントを発見したからです。

https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180410/20180410-ARTESANIA.pdf

上記リンクのカタログで4ページ目に[9]LINEAR ARMSという解説がありますが、
スパイクとISOLATION DISCSの位置関係を写真のように簡単に動かすことができます。

私は同じコンポーネントでも、4個のISOLATION DISCSの間隔を広げた場合と狭めた
場合で比較試聴したのですが、その両者では微妙に…いや! 私の感性では結構大きな
違いがあることを確認しました!

つまり、ISOLATION DISCSの配置を調整することでfinite elementeに近似する音質と、
私の解釈にて異なる方向性の音質へと変化させることが出来るという確信を得たのです!!

これだったら私がfinite elementeに求めていた美意識を存続させることも出来るし、
システム構成とスピーカーの選択によっては角度の違うベクトルの音質も実現できる
というチューニングの醍醐味も魅力の一つとして提供できるという発見をしたのです!!

でも、それは具体的にはどういう調整法なのか!?

それは私のノウハウであり、この場で一般公開するのは差し控えさせて頂くことに致します。

ARTESANIA AUDIOを実際に導入しようというお客様に対してのみ、私が提供できる
付加価値として商品といっしょに販売していきたいと考えております!!

さて、これからのリファレンスラックとして私は試聴の上でARTESANIA AUDIOを
全面的に採用することに致しましたが、更なるこだわりもありました。

下記の株式会社ステラが輸入するEXOTERYC 三段ラックフレーム + KRION棚板セットを
そのままでということには致しませんでした。
http://stella-inc.com/019artesaniaaudio/index.html

上記webサイトのEXOTERYCシリーズの標準仕様の高さよりも5センチ全高を低くし、
標準品の上下棚板間隔は21.5センチずつなのですが19センチになってもトップの
高さで65センチとなるように特注サイズとしました。

更に、輸入されているブラック仕上げの標準色ではダークすぎるので、輸入元でも
過去に輸入したことがないシルバー仕上げにて発注したのです。

その結果、標準仕様三段ラックの税別定価¥945,000.なのですが…
1台につき特注価格として何と税別¥1,090,000.となってしまいました!!

■ARTESANIA AUDIO PRICE LIST
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180410/20180410-ARTESANIAprice.pdf

これを8台導入することになり総額¥8,720,000.です。そして、TechDAS Air Force Oneを
セットするためにPLATFORMS & TABLES FOR TURNTABLEも特注仕様にて¥480,000.を発注し、
合計920万円となってしまいました。私のこだわりですが経営的には大変です。

■2018年4月4日待ちに待ったARTESANIA AUDIO特注ラックをセッティングしました!
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/2018.04.04.01.jpg
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/202018.04.04.02.jpg

■アングルを変えて眺めても美しいです!!このシルバー仕上げにして良かった!
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/2018.04.04.03.jpg
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/2018.04.04.04.jpg

■収納したコンポーネントとも調和している正面からの眺めです!
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/2018.04.04.05.jpg
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/2018.04.04.06.jpg

■特注仕様PLATFORMS & TABLES FOR TURNTABLEでTechDAS Air Force Oneもバッチリです!
https://www.dynamicaudio.jp/5555-7F/news/20180404/2018.04.04.07.jpg

作業を終えての第一声を聴きましたが、想像以上! 期待以上という音質でした!
次世代リファレンスラックで更なる音質向上を目指して行きたいと考えています!!

そして、更に素晴らしいハイエンドオーディオの世界を体験して頂ければと
皆様のご来店をお待ちしております!!

川又利明
担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!


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