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H.A.L.担当 川又利明


No.140  「なるか!?H.A.L.オリジナル商品第四弾の新企画がまたも面白い!!」
 私はこのブリーフニュースの中でもmurata ES103Aのデザインを「ジェット戦闘機のエア・インテイクを連想させるES103の前面デザイン」と述べているが、そもそも振動板?ではなく呼吸体の音源の前方にショートホーンとして機能する形状の円筒を取り付けているのは、若干だが音圧を押し上げる効果と呼吸体に指が触れないようにという配慮からのものであった。
 しかし、私はこの記事の中で述べているように、プロテクトの目的はわかるのだが、音源である呼吸体の正面にホーン形状のものをつけてしまうとおのずと指向性は抑制されてしまうことになる。ノーチラスのように球面波で音波を拡散しようとしているスピーカーには、ビーム状で音波を発射するES103との組み合わせでは理想まであと一歩であると考えてきた。

 そして、ES103は単純に高域の量を追加するというレベルのものではないのである。以下は本文中にも登場している村田製作所の技術開発本部・第3開発グループ商品開発室の中村室長からのコメントである。


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 昨年の「オーディオエキスポ」で球形ツィーターの効果を証明するの簡単な実験として聴診器と中空チューブを用い、左右音に時間差があると先の音だけ認識してしまう聴覚のマスキング現象の不思議を体験していただきました。

 実験の結果、時間差は1/10,000秒程度で遅れた音が認識できません。すなわち倍音を多く含む楽器の音色を再生する場合、スピーカーに周波数による時間差が生じると僅かな倍音しか認識できず、球形ツィーターで遅れた時間軸を補完することで認識できる倍音の数が増し広がり感が得られるのでは?音色はマイクでは測定できず聴覚評価によるのも、このあたりにあるのではと考えますがいかがでしょうか?

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 なるほど、と私は思いました。スーパー・トゥイーターの役目としては高域の音圧を量として加算するものではない、倍音成分の補足によってメイン・スピーカーに正確な音色の表現力を復活させるという考え方であるり、ノーチラスとのペアリングによっても十分にその理論を実現していると私は考えている。

 そうすると、量的な追加ということをあまり意識しなくてもいいのだったら、呼吸体という音源の前に何枚ものフィンを持つプロテクター代わりの円筒で多少の音圧の増加など意識しなくても良いのではないか。むしろ、ノーチラスのようにほぼ完璧な指向性をもつ球面波再生をES103も目指すべきではないのか、ということを中村室長に申し上げたのである。

 そして、何ともうれしいことに、中村室長は開発の段階ですでにノーチラスを意識したES103の試作機を作っていたというのである。そして、それを私がここで行なったES103Bの特注品のように、マイクスタンドで中空にセットできるように改造してくれたというのである。さて、その画像がこれである。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/010405/es103_nautilus.jpg
「おぉーーー、いいじゃないですか!!」と思わず声に出してしまいました。ちょうどN801のトゥイーター部に似せたようなデザインだが、通常のES103よりは遥かに球面波の再現性が向上することでしょう。ただ、見ておわかりのようにケーブルのコネクターが現在はないことがネックであるが、何せ試作品の段階である。これを実際にノーチラスに組み合わせてどうなるか。そして、これを商品化できるかどうか。益々楽しみが増えてきました。今月中には中村室長が実物をお持ち頂けるということで、本当に私も期待しているものです。もちろん、皆様がここでの実験に参列できるようにご案内も致しますし、私のレポートもハルズサークル会員の皆様には配信いたします。
 どうぞご期待ください。
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