発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナミックオーディオ5555 TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
2016年11月21日 No.1348 H.A.L.'s One point impression!! - Kiso Acoustic HB-G1 Vol.3 |
H.A.L.'s One point impression!! - Kiso Acoustic HB-G1 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1344.html H.A.L.'s One point impression!! - Kiso Acoustic HB-G1 Vol.2 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1347.html 本当に毎日聴き続けているHB-G1ですが、これまで組み合わせたアンプはプリと パワーで2,093万円というプライスで、システム総額を大分押し上げていたものでした。 もちろん、その価値が十分に認められた素晴らしい音質であったわけですが、 450万円のスピーカーに対して、より現実的な組み合わせはないかと考えました。 そこで、同ブランドのVitus Audio SIA-025 (税別¥4,500,000.)を採用することに。 http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/sia-025.html Vitus Audio-Andromeda AC Power cable 1.5m(税別¥420,000.)付属 http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html このSIA-025の定格出力は二種類あり、25W/ch 純A級動作での消費電力は175W、 そして、AB級動作で100Wを出力しますが、その時の消費電力は100Wです。 もちろん今回も音質優先で純A級動作で試聴することにしました。 H.A.L.'s One point impression!!-Vitus Audio SIA-025の魅力!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1265.html そして、上級機のプリSL-102同様に入力感度の切り替えという音質本位の機能性が あるので、迷うことなく4Vに設定して今日も聴き始めたシステム構成が下記です。 ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / Kiso Acoustic HB-G1-inspection system Vol.3 ◇ ……………………………………………………………………………… dCS Vivaldi Clock (税別¥2,120,000.) http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-clock/ and TRANSPARENT XLPC+PI8 (税別¥770,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/power-code/power-cord-2/ and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Cardas Audio Lightning BNC Cable http://www.taiyo-international.com/products/cardas/digital/ ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… dCS Vivaldi Transport (税別¥5,230,000.) http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-transport/ and TRANSPARENT XLPC+PI8 (税別¥770,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/power-code/power-cord-2/ and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ TRANSPARENT REFERENCE XL 110ΩAES/EBU DigitaL (XLR)×2 (税別¥960,000.) http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1037.html http://www.axiss.co.jp/ftran.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… dCS Vivaldi DAC (税別¥4,270,000.) http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-dac/ and TRANSPARENT XLPC+PI8 (税別¥770,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/power-code/power-cord-2/ and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Vitus Audio-Andromeda Interconnect cable XLR 1.5m(税別¥1,070,000.) http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Vitus Audio SIA-025 (税別¥4,500,000.) http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/sia-025.html Vitus Audio-Andromeda AC Power cable 1.5m(税別¥420,000.)付属 http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html H.A.L.'s One point impression!!-Vitus Audio SIA-025の魅力!! http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1265.html and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Vitus Audio-Andromeda Speaker cable 3.0m(税別¥2,120,000.) http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Kiso Acoustic HB-G1(税別¥4,500,000.) http://www.kisoacoustic.co.jp/ and H.A.L.'s Z-Board×2(1枚/税別・配送費込み¥60,000.)スピーカー本体用 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html and H.A.L.'s P-Board×2(1枚/税別・配送費込み¥65,000.)クロスオーバーネット用 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html ……………………………………………………………………………… 上級機のパワーアンプSM-102の定格出力100Wに対して1/4の25Wが気になるところ。 先ずオーケストラがどのように聴けるのか、これを最初に確認しました。 ■和田 薫/伊福部 昭/外山 雄三:日本の管弦楽(マルメ響/広上 淳一) http://ml.naxos.jp/album/BIS-CD-490 伊福部 昭 - 交響譚詩 Ballata Sinfonica I. Prima ballata: Allegro capriccioso このディスクはピークマージンを優先したのか大変録音レベルが低い。特徴的な SIA-025のボリュームコントロールはカチカチと軽快な音を発して音量調整するが、 マイナス表示から0dBへ、そして最大値は+11dBまで上げることができる。 叩き付けるように炸裂する冒頭のフォルテは上級機と変わらぬクリアーな質感、 そして滑らかに展開する弦楽器の質感と金管楽器の透明感が素晴らしく、たった 25Wと思わせない伸びのある音色と空間表現の素晴らしさが際立ちます!! 冒頭からの安定感ある再生音が心地よく、ついついボリュームは最大値まで上がる。 無理に上級機の音質と比較して相違点を上げるとすれば、低域の情報量と音場感において ごくわずかに重量感とスケール感に違いはあるものの、瞬発的なアタックの鮮明さと 緻密な質感に関してはまったく心配なし。能率は86dBというHB-G1を十分に鳴らし 切る威力を確認して念のためにオーケストラをもう一曲。 ■「鬼神」和田薫の音楽 http://www.kaoru-wada.com/ http://www.kaoru-wada.com/?p=854 http://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICC-819/ 5.チェロとオーケストラのための 祷歌 https://www.youtube.com/watch?v=hDDhkPKShAc ケルン放送管弦楽団の副首席チェリストであるOliver Wenholdのソロは見事の一言。 更にセンターに定位したチェロの音像に関して上級機ゆずりの解像度が素晴らしく、 アレグロに移行してからの力感と迫力にアンプのパワーを忘れさせる充実感がある。 八分過ぎに右手奥から突然叩かれるティンパニーの重々しい四連打を期待しつつ 待ち受けていると、その打音のテンションが素晴らしく、オーケストラにおける 弦楽五部の合奏で重なり合うハーモニーの美しさに聞き惚れる!! 前曲よりも録音レベルが高いオーケストラでボリュームは+6dBにて再生したが、 この音量感はHB-G1のベースシステムを正確にドライブしていると実感された!! これだけオーケストラを鳴らせれば何の不安があろうかと、次の選曲に進む!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 音質判定と分析のための課題曲のバリエーションは相当なものがありますが、 最近ずっと聴き続けているHB-G1において今回は演奏を楽しみつつ何かを発見したい という思いがあり、珍しくこんなディスクを聴くことにした。 今ではシリーズ化されて多数のタイトルがある「image」のオリジナル盤です。 http://www.sonymusic.co.jp/artist/image/ ここのコレクションディスクは「IMAGE - EMOTIONAL & RELAXING」のSACDです。 https://www.sonymusicshop.jp/m/arti/artiItm.php?site=S&ima=0219・・・ http://artist.cdjournal.com/d/image---emotional--relaxing/4114063312 多数の課題曲を日々繰り返し聴いているが、職業的意識が先行して音のみ聴いて いる状態が多く、特にオーケストラを聴いた時などは頭の中にあるチェックシートに 採点を書き込んでいるような感じで、音楽を聴いてイマジネーションが膨らむと ということは中々ない。 しかし、サブタイトルのEMOTIONAL & RELAXINGのように、このディスクはリラックス しながら素直な感動にひたれることを以前から自分の感性として承知していました。 ただ、BGMとして聞き流す聴き方が多かったもので、今回のように音質評価の矢面に 立たせてじっくりと試聴するということは正直なところあまりなかったのです。 このSACDは15年前のものですが、この他に下記のオリジナル盤CDもあり、両者を 比較したことも何回もあります。 http://www.sonymusic.co.jp/artist/image/discography/SRCR-2561 特に印象深いのはKiso Acousticと二文字違いで同じ日本製のHiro Acousticで 上記二枚を比較した時に、CDとSACDの音質差がこれ程あったかと強い印象があり、 今回は久しぶりにSACDで私も演奏を楽しもうという気持ちになったものでした。 十分にSIA-025とケーブルのバーンインを行ってから、私もリラックスして聴き始めたのです。 そうしたら…!? 01.霧の浅瀬 (カール・ジェンキンズ) このディスクを聴いた回数だけ聴いたはずの1トラック目の曲。タブラなどの エスニックなパーカッションを背景に綿密に練り上げた女性コーラスが幻想的な 歌声を響かせ、入念に作り込まれたスタジオ録音にして雄大な音場感が素晴らしい。 その冒頭からダンプしながら慎重にリズムを刻むトライアングルの演奏が印象に残る。 ある時はキン、チンと聞こえる打音はイーン!という余韻を残す時もあれば直ちに 消滅することもあり、演奏者が手でダンピングしているのだと思われる。 そのトライアングルの一打一打の音色に叩くごとのバリエーションがこれ程あったのか!? 私はたちまち引き込まれた音質に興味を持ち、通常盤CDで同じ曲を聴き直してみると 確かにSACDとは質感が違う。これはシングルレイヤーのSACDなのです。 SACDではキイーン! チイーン!と楽音そのものが存続した響きがあることに気が付き、 これはリヴァーブや余韻ではなく振動する金属棒がまだ響き続けていたんだと気が付く。 思わず比較したSACDの素晴らしさに納得しつつ、HB-G1のベリリウム・トゥイーターの 素晴らしい高域特性がシンプルな楽音に見事な情報量を提示したことに感心した。 そして、後半ではバックにストリングスが加わり、美しいコーラスが背景を飾り、 そこにコントラバスの長い長いアルコが重厚だが空気感漂う低音を響かせる。 この曲にこんな低域成分があったのか、とベースシステムの控えめな威力の表現に 納得し、ロマンチックな旋律に心癒される思いで聴き惚れてしまった。いいです!! 02.エトピリカ (葉加瀬太郎) もう有名なテレビ番組「情熱大陸」のエンディングテーマ。私はこの曲が大好きで 先程まで三回も繰り返し聴いてしまいました。重厚なエレキベースとパーカッションが どっしりとセンターに定位する中で、葉加瀬太郎のヴァイオリンが実に美しく響く。 スタジオ録音であり他のスピーカーでもさんざん聴いてきた曲ですが、HB-G1で 聴くとヴァイオリンの質感に潤いがあり、バックコーラスが展開する遠近感に等しい 距離感でヴァイオリンの前後定位感を示す。 他のスピーカーでは手前に張り出してきそうな印象を受けたこともあるが、 エンクロージャーの周辺にも音波を放射するHB-G1の音場作りに新鮮さを感じるところ。 これは素敵です!! 1990年に結成されたドイツを活動拠点とする音楽プロジェクトEnigma(エニグマ)の セカンドアルバム(The Cross of Changes/1994年)に収録されている牧歌的な歌声を 思わせるような男性ヴォーカルが遠くから聞こえてくると、そのバックのリズム セクションが見せる音場感が一層広がったように展開する。 お茶の間でテレビの内蔵スピーカーで聴き慣れた曲に、これほどの情報量と多数の 楽音が含まれていたことを再認識するが、そこにKiso Acousticの響き美学が感動的な 情景描写で感動を上乗せしてくれた!!そう、私の頭に中に色々な情景が湧き起こった!! 03.リベルタンゴ (ヨーヨーマ) もう19年前の曲で今まで何度聴いたことがあるやら、と思う程お馴染みの一曲。 ラテンパーカッションやバンドネオンという伴奏楽器にも独特の響きがあることに すぐに気が付くが、ダブルベースの質感が違うという印象を持った。 実は前曲もそうなのですが、HB-G1で聴く、いやKiso Acousticで聴く低音楽器には 独自の響きの要素があることがスタジオ録音を聴き続けていると感じられてくるのです。 ホール録音のオーケストラにおける低音打楽器の振る舞いは、そのステージの大きさに 対してホールの残響も含めて再現されるので音像の輪郭をビシッと決めなくとも心地いい。 しかし、スタジオ録音で聴いていると、響きを作らないはずのベースシステムにも 音像をぐっと凝縮するような傾向ではなく、心地よく空間の中で解放された響きを 保っているということを感じてしまう。 それは密閉型エンクロージャーなので、箱そのものが作る響きという事ではなく、 小口径ウーファーを一定以上の音量で鳴らした時の宿命的傾向だろうと推測した。 その証拠に音量を下げると低域の音像もぎゅっとコンパクトになり、スピーカー そのものが響きの要因となる成分を保有しているのだと感じられた。 設計段階では響きを作らないはずのベースシステムであり、前曲のエレキベース でも同様だったが、私が求める音量に上げていくと創生されたミッドハイレンジの 響きの要素と共通項を持っていることが分かってくる。 意図的なバスレフ方式による低音のリサイクルというものではないが、HB-G1を 総合的に評価する際に、ミッドハイレンジと相性の良い低域というのは、実は 音量によって音像サイズと質感を微妙に変化させた方が好ましいのだと感じられた。 それにしても、ヨーヨーマのチェロは最高です!! いつの間にか楽しもうと思いつつ分析的な聴き方をしてしまう自分を戒め、 この後の曲も新たな感動をもって聴き続けていました。しかし、HB-G1の個性的な 音質をどうしても語りたい曲が表れてしまったのです。これです… 14.アヴェ・ムンディ (ロドリーゴ・レアン&ヴォックス・アンサンブル) 実は、この曲を大変気に入ってしまった私は、このアーチストの他の曲が聴きたく なってしまい、この曲が収録されたCDも買ってしまいました。 幻想的なシーケンサーのループが繰り返す冒頭から、以前にこの曲を聴いた Hiro Acousticでの演奏と比較してしまったのです。 この人工的なシーケンサーの音に生のチェロが加わり、二人の女性ヴォーカルに よる透明な歌声が響き、更にアコースティックなヴァイオリンが重なり合う美しさ!! チェロとヴァイオリンとヴォーカルという三要素はHB-G1の得意とするところであり、 それらが作り出すハーモニーと音場感の美しさに惚れ惚れとしてしまいました。 さて、そこでHiro Acousticで聴いた時の印象が蘇るのです。その時はシーケンサーの くっきりしたタッチも克明に捉え、音像はきりっと引き締まり輪郭は極めて鮮明。 そんな低域のリズムが心地よく、チェロとヴァイオリンとヴォーカルも当然のごとく 見事な分解能を見せて展開する、スピーカーの個性のよる魅力のあり方に納得して いたわけですが、ここでHB-G1の低音を聴いていると見事に中高域の質感にマッチ していることがシーケンサーの音質でも聞き取れたのでした。 それは良い意味で穏やかでたおやかであり、微妙にテンションを緩めて音像の周囲に 境界線を引かず、人工音なのに空間に溶け込んでいくような響きの浸透圧をもって いることが、やはりKiso Acousticであるということを心地よく実感させるのです。 更に、この曲でも納得されられた魅力が感じられました。 16.情熱大陸 (葉加瀬太郎with小松亮太) 小松亮太にとってバンドネオンの師匠だったというアルゼンチンの巨匠ポーチョ・ パルメルの二人が左右で見事な演奏を展開する冒頭部。南米大陸の田舎町の市場を 思わせる雑踏と会話という効果音が周辺から湧き起こり、ラテンパーカッションが 盛大なリズムを叩き出す中で響き太鼓の音。 サンバのリズムを連想させる明るく陽気なリズムセクションの中で一定のリズムで ずしっと響くドラムの質感に、前述の分析で述べたHB-G1のベースシステムによる 巧妙な緊張緩和を施した低音の個性が感じられます。 勇壮なメロディーでありながら葉加瀬太郎のヴァイオリンにはエトピリカと同じ ように距離感を持った前後配置と、ウエットな音色というか潤いのある質感が 大変魅力的であり、伴奏楽器の各パートで感じられる響きの要素と低音楽器の 質感が絶妙なマッチングをしていることを実感してしまいました。 ソリッドでシャープな切れ味を持ちながら、録音に含まれる余韻感を忠実に再現 することで音場感を構築しているHiro Acousticと、全く異なる美意識による響きを 作り出すというKiso Acousticの対極的な魅力が音楽を実に楽しく美しくさせるのです!! その組み合わせの中でVitus Audio SIA-025というスピーカーと同価格のインテ グレーテッドとの相性と魅力を確認することができたのは幸いでした。 私は更に他のインテグレーテッドアンプでもHB-G1を鳴らしてみたくなりました。 次なる候補は果たして何者でしょうか! |
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