発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナミックオーディオ5555 TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
2016年5月23日のこと、幅40センチ奥行き50センチ高さ25センチのこんなトランクが届きました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.12.jpg 中を開けてみると布製バッグとこのような付属品が。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.13.jpg ビロード生地に上品なリボンのバッグにはあるキーが入っていました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.14.jpg このトランクケースで、まだまだ無名で新進気鋭のオーディオブランドの製品が 私の元に届いたのでした。しかし、滞在期間はわずか三日間ということでしたが、 それはたちどころに私を虜にしてしまったのです!! さあ、そのセクシーな背中を見てみましょう。左側のリングにはブランドネームが、 そして右側のリングにはシリアルナンバーが。まだ“FIFTEEN”と若い!! http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.08.jpg 前述のキーをそこに置いてみました。このように発注者の名前が刻印されるという 完全なオーダーメイド・ハンドメイドの製品なのです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.07.jpg では、このキーとは何をするためのものかというと、下記写真のビスを回すためのものです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.06.jpg では、この上記写真の黒くて丸いのは何かというとこれです。直径5センチで 厚さ1センチのフエルトがインシュレーターとして取り付けられているのです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.03.jpg もったいぶらずに早く見せろ! はい、ごもっともで…。正面から見るとこれです!! http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.09.jpg 大変見事なメタルワークで精巧な作りと美しい仕上げにしばし惚れ惚れしてしまいました。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.10.jpg Dimensions - Height:110mm Width:305mm Depth:345mm Weight:14KG http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.15.jpg ■シリアルナンバー15を日本に送ってきた新進気鋭のブランドとはこれです!! http://www.thebespokeaudiocompany.com/ そうです。このメーカーの製品は今のところこれだけ。プリアンプです。 しかし、ただのプリアンプではありません。完全なPassive Pre-amplifierなのです!! さて、リアパネルをご覧下さい。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.05.jpg このように6系統の入力も2系統の出力と予備端子用が1系統ありますが、電源入力は ありません。左下の端子はリモコン用電源のものです。 発注する際には上記の端子をRCAかXLRか、予備端子として出力を設定すればバイ アンプ駆動用に2系統の出力も設定できるという事で、これらの入出力端子の設定と フロントパネルの入力セレクターの表示もオーナーの指定によって注文します。 そして、オーダーを受けたメーカーは下記のような確認書を送ってきます。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160524-01.pdf さて、上記で黄金のキーを使うための黄金のネジをご覧頂きましたが、ボトムの 中心に一本だけあるビスは何のためにあるのか? それは外見上一切のビスが見えない 構造であるため、トップパネルを内側から締め込んで固定するためのものだったのです。 さあ、Passive Pre-amplifierの中身とはどんなものか、トップパネルを外すと… http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.01.jpg ご覧のように一切のプリント基板がない完全な空中配線による見事な仕事ぶりが 見えてきます。シールドケースに収められた完全ハンドメイドのトランスがふたつ。 フロントパネルの左側が入力セレクターで右側がボリュームノブとなります。 ここでリモコンでボリュームを上げ下げするとカチカチの軽快な動作音がします。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.02.jpg この黒い部分がステッピングモーターで、ボリュームシャフトをカリカリと回します。 私は輸入元の暫定資料を最初に読んでアッテネーター装備とあったので、てっきり この部分に小さな固定抵抗が取り付けられているのではと考えたのですが間違いでした。 ポリュームノブの向こう側にはカラーコードが散りばめられた小さい抵抗がぴっしり 集結しているのではと思ってしまう古い人間は私だけでしょうか(笑) ここで簡単にBespoke Audioの処女作であるPassive Pre-amplifierの原理に関して 簡単に触れておきたいと思います。 先ず一般的なプリアンプのように電源部と増幅回路と基板というアクティブな要素は 一切ありません。実は、プリアンプ…日本語では前置増幅器と言いますが、実際には 入出力電圧として増幅するという仕事はほぼやっていないのが現状なのです。 一般的なパワーアンプの入力感度は大体1ボルトから大きくても2-3ボルトくらい。 簡単に言うと定格出力100Wというアンプが100Wを出力する時に必要な入力電圧と いうのが1ボルトということになるのですが、ごく普通の家庭で音楽を聴くとすると スピーカーの能率にもよりますが、数十ワット、または数ワットくらいでしょうか。 この部屋で私が鳴らしている音量をそのまま出せるユーザーはかなり少ないものです。 ここでプリアンプの入力でCDやテープデッキ、FMチューナーやフォノイコライザーと いうソースコンポーネントが送り込んでくる電圧はラインレベルとして大体が最大値で 2ボルトくらいでしょうか。一部のDACでは出力電圧を6ボルトに出来たり、最初から 最大で4ボルト設定というものもありますが、おおよそこのような電圧の信号を プリアンプは受け取っているわけです。 それらの信号電圧をそのままパワーアンプに伝送したらどうなるか、試しにやって みようという勇気のある方は中々いないと思います(笑) このように実際にはアンプでありながら、プリアンプが出力するのはボリューム コントロールのために数ミリボルトというレベルまで絞り込まれるのが普通なのです。 この前提でCDが登場した1982年から数年間は、CDプレーヤーの出力電圧が高いと いうことでアッテネーターのみを使いパワーアンプに直結するという製品や手段が 色々と議論されて登場したものでした。 しかし、私はそのようなプリアンプなしでアッテネーターのみという使い方を実際に 試してみて、再生音は平面的になり奥行き感がなく、演奏のダイナミックさが乏しく 抑揚もなくなり、音楽から躍動感を奪ってしまい、ただ音像だけが小粒になるという 音質傾向に見切りをつけていました。やはりプリアンプが必要なのです!! そのような経験から、今回のBespoke Audioが一種のアッテネーターだという輸入元 社長の言葉を数か月前に聞いた時には全く期待していませんでした。その時は…!? 以上のような前提で、今回私がBespoke AudioのPassive Pre-amplifierを聴き、 皆様に推薦したくなった素晴らしさの要素は何なのだろうかと考えてみました。 それはBespoke Audioの職人であるルーシー・ガストール氏が一つずつ手巻きで 製作する特注トランスの素晴らしさと言い換えることが出来ると思いました。 このPassive Pre-amplifierにはボリューム調整のためのアッテネーター、つまり 抵抗器は使っていないという事なのです。 皆様もご存じのようにトランス(変圧器)は一次側と二次側に巻き線があり、その ターン数の比率によって電磁誘導の原理によって二次側に発生する電圧が変化してきます。 トランスには多数の種類があり、電圧変換だけでなくインピーダンス変換や絶縁、 オーディオ用としてはアウトプットトランスやシールド用としても色々な用途と 製品があることは周知の通りでしょう。 そして、Passive Pre-amplifierでは二次側から47種類の巻き線数の異なるタップを 設定し、47ステップの二次側電圧を取り出すことでボリューム調整しているのです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.02.jpg この写真で見えるのは左右独立のライントランスの二次側でプラスマイナス各々が 47ステップなので、合計188本の配線が集結し、そのどれを出力端子に接続させるか という大変細かく巧妙な多接点スイッチなのです!! トランスの電磁誘導による電圧伝送なので、シグナルパスとしてオーディオ信号の 経路はいったんは完全に遮断されており、万一プリアンプの入力以前に何らかの ノイズ成分が混入していたとしても導体でつながっていないわけですから二次側に 侵入してくる影響を極力排除できるわけです。しかし、完全に耳に聞こえるノイズと して音声信号と同様な波形のものは伝送されます。誤解なきよう。 この写真の小さなスイッチは本体底部にありますが、シャーシアースによるノイズの 発生に対処するために接地対象をフローティングさせる切り替えスイッチなのです。 ここでも実験した結果、アンプの組み合わせによって発生していた微量なノイズが この切り替えでピタッとなくなったのは嬉しい配慮と設計でした。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160523-bespoke.04.jpg このように、一般的な固定抵抗を使ったアッテネーターではないということが、 このPassive Pre-amplifierの最大の特徴だったのです!! -*-*-*-*-*-*-*-*-*- さて、こんな私でも初めてというジャンルのPassive Pre-amplifierを何と組み合わせ して評価したらいいのだろうか、と考えてしまいました。一般的な電源を持つプリ アンプと比較してもちょっとな〜と思っていたら、この手がありました。 ◇ Bespoke Audio Passive Pre-amplifier-inspection system ◇ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC G-01(税別¥1,350,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g01/index.html and TRANSPARENT OPC2+PI8 (税別¥1,240,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/power-code/power-cord-2/#cnt-power-cord and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6100II BNC(Wordsync用)×3 (税別¥750,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300_6100_2/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso P1 (税別¥2,500,000.)本体 ★E.M.G-board二枚使用 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html and TRANSPARENT OPC2+PI8 (税別¥1,240,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/power-code/power-cord-2/#cnt-power-cord and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Grandioso P1内臓D/Dコンバーターによって176.4KHzにアップサンプリング ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Nagra HD DAC with MPS (税別¥3,364,000.) http://www.taiyo-international.com/products/nagra/hddac/ and TRANSPARENT OPC2+PI8 (税別¥1,240,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/power-code/power-cord-2/#cnt-power-cord and finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ 上記Nagra HD DACよりダイレクトモードにより下記ケーブルを使用して比較 ZenSati Seraphim / Interconnect cable XLR 1.5m(1Pair 税別¥1,823,000.) http://www.zensati.com/ http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/960.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Bespoke Audio Passive Pre-amplifier(予価/税別¥1,700,000.) http://www.thebespokeaudiocompany.com/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Wire World Eclipse old model 5.0m ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… JEFFROWLAND MODEL 925 (税別¥8,700,000.) http://www.taiyo-international.com/products/jrdg/model925/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ The Odin 2 Loudspeaker Cable 1.5m 1ペア税別 ¥4,500,000. The Odin 2 Jumper Cable 0.34m 1ペア税別 ¥1,000,000. http://www.dynamicaudio.jp/file/20160426-odin2.02.jpg http://nordost.com/odin-supreme-reference/odin2/speaker-cable.php http://www.dynamicaudio.jp/file/20160426-odin2.01.jpg ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… B&W 802D3 Piano Black (1Pair ¥3,600,000.) http://www.bowers-wilkins.jp/Speakers/Home_Audio/800_Series_Diamond http://www.dynamicaudio.jp/5555/4/800top.html ……………………………………………………………………………… そうです、Nagra HD DACに搭載されているアナログボリュームとの比較であれば 両方ともにパッシブな音量調整法ということで理解しやすいのではないかと!! しかし、Nagra HD DACのコントロールノブを押してメニュー画面を呼び出し、 オーディオセッティングからアウトプットレベルの設定変更をいちいち行うと いう操作を繰り返し、同時に配線変更も行うのですから手間のかかる比較試聴です。 最初に何を聴こうかというと、B&W 802D3を展示して以来この曲が大のお気に入りで 最近はテストに頻繁に使用しているこの曲からスタートです。 『SPARK』上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト 上原ひろみ(p) Anthony Jackson(b) Simon Phillips(ds) http://www.hiromiuehara.com/discography/ ただし、私が使うのは同じタイトルでも音質が大きく違うSHM-CD<プラチナ盤>です。 さて、ここで前述したようにプリアンプとは入力された信号の電圧よりも実際は かなり低い電圧を出力しているという実態に関してコメントしておきたいと思います。 今回のパワーアンプJEFFROWLAND MODEL 925はゲインを26dBと32dBで選択が可能ですが、 私は音質的には32dBの方が好ましく思っており、それで試聴をしています。 上記のようにCDプレーヤーやDACの出力電圧は最大変調時で2ボルトから6ボルトを 出力しているのですが、それを受けたプリアンプが仮に1ボルトを出力したとしましょう。 パワーアンプのゲインが32dBということは、1ボルトを入力すると約40ボルトの 電圧となってパワーアンプの出力となりますが、これを802D3のような公称イン ピーダンス4オームのスピーカーに送り込んだとすると400Wというパワーになります。 逆に考えると40Wでスピーカーを鳴らす場合にはプリアンプの出力電圧は0.1ボルトと いうことになり、言い換えれば100ミリボルトです。一般的に家庭で鳴らしている 音量からすると更に低い電圧で10Wで鳴らすとしたら25ミリボルトという事になります。 このようにプリアンプの仕事は入力信号の切り替えとポリューム調整ですから、 音量調整のためには入力信号の電圧をどれだけ減衰させて出力しているのかという 実態を感覚的にご理解頂ければと思います。 そして、私の経験から802D3を使って試聴している音量では、瞬間的なピークで 500W前後でのボリュームとなっていると推測されます。あるいはそれ以上でしょうか。 この曲は正にこのくらいの音量で聴くことで各項目を注視して、迫力と正確さの 両方でオーディオシステムの評価と分析を行うのに適していると考えています。 このアルバムで私が選曲したのは7.WHAT WILL BE,WILL BEというダイナミックな一曲。 キーボードのユーモラスなイントロからSimon Phillipsのパワフルなドラムと Anthony Jacksonのずっしりと沈み込む重量感のベースが先行します。 ベースはセンター定位ですが、ドラムは右にシンバル左に低音階のタムが並ぶと いう左右に広いパンの設定。同様に上原ひろみのピアノも右に高い音階のキーで 左側は低音という左右スピーカーの両翼に広がる定位での録音です。 ドラムには多数のマイクを使っているので、様々な打楽器の音が左右スピーカーの 中間に並び、一打ずつの解像度が極めて克明にオンマイクで録音されています。 ピアノが入ってくるまでの数秒間のイントロでドラムとベースのエネルギー感が 見事なまでに802D3というスピーカーの新技術を音質として表現しており、打音を 素晴らしいスピード感で立ち上げ、一打ずつのインパクトの瞬間を鮮明に捉える!! 「何なんだ!!この情報量の素晴らしさは!!」 Bespoke Audio Passive Pre-amplifierはトランスによる音量調整。インダクターと いう原理から高域の情報量が減衰するのではないかという幼稚ながら根本的な不安は シンバルの輝くように透き通る響きを聴いただけで一瞬にして飛び散った!! 更にトランスをシグナルパスに使用することで楽音のテンションが緩むのではと いう危惧もありましたが、このドラムの各パートのきりりと引き締まった打音と ビシッとアタックの瞬間が以前にも増して加速されたような高速反応を示す!! 「参ったな〜、これがもともとの純粋な信号による切れ味なのか!!」 カーボン抵抗を使ったアナログボリュームで聴いていた時に感じられなかった 鮮烈なインパクトが先ずは情報量の保存性という項目で私に驚きと感動をもたらす!! トランスによる伝送帯域の減少があるのではという予測はあっけなく覆りました!! 「それにしてもベースが気持ちいい!!なんで重量感がアップしているんだ!!」 私は信号電圧を絞り込む役目のプリアンプの変化によって低域の質感がこうも 変化するのかと、あっけにとられる思いでAnthony Jacksonの切れ込み沈み込む ベースの再現性にスピーカーの優秀さを感じるとともに、Bespoke Audioが新機軸と して提供してくれたボリュームコントロールによる正確な波形伝送というロジックを 素直な気持ちで学習してしまう自分に驚いてしまった!!気持ちいい低域なのだ!! 一秒間に数回は鍵盤を叩いているだろうと思われる高速タッチの上原ひろみのピアノ!! 「不思議だ! なんで明るく鮮明に感じるんだろう!!」 この変化には驚きました。左右スピーカーの中間にhummingbirdの目に見えない 羽ばたきが繰り返されるように、上原ひろみの指が踊っているイメージが湧き起こる!! そして、その一音一音がストロボライトに照らし出されるような輝きを見せる!! ダイヤモンドトゥイーターの高域特性の素晴らしさはレスポンスだけでなく トランジェント特性が素晴らしいことも魅力の一つだが、それをトランスという 旧来からあるデバイスが引き立ててくれることの妙技が今私の目の前で展開された!! 楽音の反応速度だけでなく、音波の発生のミリセコンド後にやってくる余韻感。 それもBespoke Audioが新しい世代間を感じさせるパフォーマンスが次の選曲で明らかになる!! ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 いつもは最初に聴くこのマーラーを二番目にしたのは、最近802D3で感激し体験してきた 記憶との照合に先ずは上原ひろみのディスクを使ってみようという好奇心からだった。 再度セッティングを戻し聴き直し、もう一度Bespoke Audioに切り替える。 私の記憶に最前の音場感の展開と弦楽器の質感がしっかりと残っているのを確認し、 リモコンで2とラック目を選択してスタート!! 「ちょっと待った!!なんで弦楽器がこう変わるのか!!あっ、それだけじゃない!!」 先程まで左右スピーカーの中間に定位していた弦楽器群の音像がほぐれている!! ヴァイオリンの集団が自分の視野の中で一定の面積をもって空間に定位していたが、 そこにふくよかな余韻感をエアブラシで音像周辺に響きのオーラとして吹き付けた かのように、潤い感が耳にやさしい弦のたなびく残響をもたらす変化の美しさ!! いやはや、これには参りました。ボリューム調整法に関してBespoke Audioが もたらしたトランスを用いるという方法論に彼らはいつから勝算を持っていたのか? 私が今までに経験したことのない微小信号の保存性が、オーケストラの再生音に 与えた美的要因が純度の高い伝送にあるという真実を突き付けてきたのでしょうか!! 電源によってアクティブな回路で伝送するアンプでは、伝送信号の純度を保つことを 基板の上では実現して来たのだろうが、出力電圧を絞り込むという仕事に関しては レジスターという素子を使わざるを得なかった。 多数の固定抵抗を同軸シャフトの周囲に配置するもの、DACチップのように集積化 したデバイスをDSPによって内部抵抗の組み合わせを瞬時に変更して一定の減衰量を 指定する機構など、技法に進化はあるものの信号が抵抗を通過するという宿命は同じ。 しかし、今Bespoke Audioによって私の眼前で展開するオーケストラの流麗な響きと 高純度な楽音によって、今まで知らなかった音質をこともなげに提示する新たな オーディオシステムの誕生に私は安らぎを含む感動に胸を熱くしてしまったのです!! ダイナミックなスタジオ録音で近代的な素晴らしい解像度を誇る高品位ディスクで、 Bespoke Audioがもたらした過去との相違点を発見してきた私は、更に聴き慣れた オーケストラの再生音で空間の調和という新たな視点を分析項目に加える事となった!! ピアノの質感で直感した変化がオーケストラで、特に弦楽器の質感にもたらした 潜在的な音に対する美意識の具現化という聴く人、一人ずつが持っている音楽に 対する触覚をBespoke Audioが大いに刺激し、体験したことのないオーケストラの 演奏を皆様のアンプとスピーカーにもたらすことでしょう!! そして、実は少ない時間ではありましたが、私はESOTERICのGrandioso P1から Grandioso D1へと接続を変更し、下記で述べたGrandiosoによる素晴らしい情報量を Bespoke Audioへ注ぎ込んだのです!! 「H.A.L.'s impression-壮大で緻密なESOTERIC Grandiosoを聴く-Vol.1」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1088.html 時間が許す限り聴き続けた課題曲のすべてにおいて、ソースコンポーネントが 送り出している情報量の桁の違いというものを驚きながら実感したのです!! Bespoke Audioはパワーアンプとスピーカーだけでなく、ソースコンポーネントの 価値観をも変えてくれたのです!!同じプレーヤーがこんな信号を出していたのかと!! 本当に後ろ髪引かれる思いで本日、Bespoke Audioをお返ししました。 その前に撮影できた貴重な写真がこれ。 ■本日二時間だけ試聴出来た精悍なブラック仕上げを下記にて初公開!! http://www.dynamicaudio.jp/file/20160525-bespoke.16.jpg http://www.dynamicaudio.jp/file/20160525-bespoke.17.jpg そして、今回の私の感動体験を皆様に提供していく準備が下記のように整いました。 ■プレス発表されていない輸入元の公式ファイルを下記にてご紹介します。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20160525-Bespoke.pdf このBespoke Audioの処女作、本体サイズはH110mm W305mm D345mmで14Kgです。 出荷される時のトランクは幅40センチ奥行き50センチ高さ25センチです。 このコンパクトさは捨てがたい魅力であり、皆様の自宅で体験して頂くのに大変 都合のよいサイズでしょう。業者には値段は言えませんが宅急便で発送できて セッティングするのも楽です。私は高価な電源ケーブルも推薦していますが、 その必要もないわけですから…。これをどのようにプロモーションするのか!? 先ずは小手調べということで、ハルズモニターの予約を募集致します!! このような最新企画を実施しているハルズサークルに是非ご入会下さい!! |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!! |