発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL:(03)3253−5555 FAX:(03)3253−5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.130 「ノーチラスの底なしの潜在能力はMIMESIS 29.4EVOLUTIONによって更新された!!」 | |||||||||||||||||||
私が初めてこの情報を耳にしたのは8/28のことであった。まだゴールドムンドの web siteにも公表されていない新製品が準備されていると言う。当然話しをされる 輸入元の担当者からも内密に、くれぐれも内密にという前置きの後に聞かされたのが このMIMESIS 29.4EVOLUTIONの情報であった。発表は10/13の「インターナショナル オーディオショー」においてと言うことなのだが、私としては数年ぶりにノーチラス に組み合わせるアンプとしてゴールドムンドのいずれかを4セット発注しなければ というタイミングであった。当時はまだ価格が決まっておらず、私としても多少の 躊躇はあるものの、ノーチラスの新しい可能性を追求し、そして旺盛な好奇心を満 たすためにも思い切って決断しなければならなかった。結果的に決まった価格 はペアで600万円、4セットでは何と2.400万円という規模のオーダーである。 http://www.stellavox-japan.co.jp/goldmund/gmproduct/index.html#Anchor34618 さて、実際に品物が4セット揃ったのは10/20の深夜であった。一台68キロもある アンプを傷ひとつ付けずに搬入するのも汗だくの仕事で、ステラヴォックスジャ パンの担当者も大変な重労働となってしまった。そして、スタッキングされた姿 が…。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/001024/294evo4.jpg ちなみに、細かいことであるがMIMESIS 29.4EVOLUTIONのフロントパネル中央の金色 のプレートは保護シールを貼り付けてあるもので仕様変更ではありません。念のため。 さて、このMIMESIS 29.4EVOLUTIONを採用してのノーチラスシステムのあらましは、 スピーカーへの信号の流れに沿って逆に見ていくと以下のようなシステム構成と なった。 Nautilus←PAD RLS SPEAKER CABLE←GOLDMUND MIMESIS 29.4EVOLUTION←GOLDMUND LINEAL INTERCONNECT CABLE←Nautilus Channel Divider←GOLDMUND LINEAL INTER CONNECT CABLE←Connoisser 3.0←GOLDMUND LINEAL INTERCONNECT CABLE←GOLD MUND MIMESIS 20←PAD DIGITAL RCA DOMINUS ←ESOTERIC P-0s 電源ケープルはMIMESIS 29.4EVOLUTIONのみ付属のGOLDMUND POWER CABLEを使用して いる。しかし、このパワーアンプの電源供給も壁コンセントのPAD CRYO-L2からAC DOMINUSと同社のEXTENTIONBOXを通じて供給されているものである。その他はすべて AC DOMINUSを使用している。出来上がったシステムの全景がこれ。前回お知らせした JEFFのピラミッドの両翼を固める形でMIMESIS 29.4EVOLUTIONがセッティングされ た。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/pho/001024/294evo-nauti.jpg
この搬入当日は簡単に再生音に異常がないことを確認したのみで、夜も遅くなって
しまったことから特に入念な聴きこみはせずにPADのシステム・エンハンサーを
リピートさせて家路についたものである。 さあ、約12時間に及ぶウォームアップを終えて、いよいよ本格的に演奏を始める ことにした。やはり最初はヨーヨー・マの「シンプリーバロック」(SRCR2360)だ。 耳が記憶しているほどに聴き込んだ旋律が、さーっと流れ出してくる…!!。 「あれ、違うよ、違う。昨日までのHi-Current Versionノーチラスと違うよ!!」 思えば、ここ数年ノーチラスを鳴らしてきたのはLINN KLIMAXを除けばアメリカ製の アンプばかりであった。そして、それらのシステムをアップグレードしながら ノーチラスの成長すべき方向性を求め、また実現してきたものであったのだが…。 いやはや、この清涼感あふれる音像のたたずまいと透明感は何と例えたらいいのだ ろうか。ヨーヨー・マの後方に控えるアムステルダム・バロック・オーケストラの 解像度とフォーカスイメージが、これほどまでになかったほど緻密に、かつ精緻に 表現されるものだから、解像度は接近したようなリアリズムで迫り、エコー感が 以前にも増して噴出するものだから距離感が遠のく情緒感と雰囲気が素晴らしい。
「あっ、そうだ、あの時のようだ」と思わず頭に浮かんだのがコンタクトレンズ??
実は、前日の19日は私の誕生日であり、同時に運転免許更新の最終日であった。
数年前から右目の乱視がひどくなり、とは言うものの日常生活では不自由しないの
で、今までの更新もごまかしながらパスしていた。今回も大丈夫だろうとたかを
くくって地元の警察署に出向き、交通課のカウンターのおばさんに「ハイ、それで
はこれを見て下さい」と、覗き込んだ視力測定の機械に見えたものは幻のような
陽炎のような模様だけであった…。 ホール録音の余韻のしずくが最後の一滴まで聴く人の視野に入ってくるような 生々しさは語る言葉に事足りない。「よし、わかった。それではスタジオ録音 ではどうだろうか」と次なるディスクを取り出した。「GRPオールスター・ ビッグバンド・プレイズ・ジャズスタンダード」(MVCR99)の6曲目、リー・モー ガンの代表作である「ザ・サイドワインダー」をかけることにした。 ランディ・ブレッカーがリー・モーガンのトランペットを、トム・スコットが ジョー・ヘンダーソンのテナー・サックスのパートを担当すると言うのが聴き どころであり、8ビートをジャズ的なブルースと組み合わせたノリのいい曲だ。 ディブ・ウェックルのドラムス、アレックス・アクーニァのパーカッション、 そしてベースはジョン・パティトゥッティという強力なリズムセクションの イントロからして爽快な演奏が始まる。「ああ、何たることか」同じ曲を これまでに数え切れないほど聴いているはずなのに、こんな音だったとは。 スリリングでインパクトのあるリズムセクションは抜群の切れ味を発揮し、 他社のアンプでは経験しようがなかったほどの“時間短縮”が行なわれている。 そして、刃の上に落ちかかった髪の毛がすぱっと二つに分かれて落ちていく のではないかと思わせるような、鋭利であり高速反応のホーンセクションが 展開する。しかし、しかしですよ、驚くことに聴きやすく透明感にあふれる ブラスの響きなのである。ゴールドムンドのアンプで他社のスピーカーを 鳴らしたときのような、首筋に鋭利な刃物がひたっと押し当てられたような 緊張感がないのである。これですよ、これがEVOLUTIONの真価である。 さて、先ほど述べた“時間短縮”とは何のことか??すべての楽音の滞空時間 がこれまでのアンプより各々で圧縮され短時間に立ち上がっては消えていく のである。その結果、明確なエコー成分が録音されていれば、それは本来の 直接音と明確に分離して余韻としての認識が鮮明になる。仮に楽音の直接 音の制動感があまく、ディスクに記録されている時間軸では発音を終えてい るにもかかわらずスピーカーから音の残滓がもれ出ていてはこうはならない。 最高の加速と最高のブレーキングによって、スピーカーの出力が極めて瞬時 にコントロールされている証しである。しかし、ただこれだけではハイス ピードとは言えない。本当のハイスピードというのは入出力波形における 完全な相似形を意味する。つまり、歪として理解できる最小単位の波形の 粒子においても、その相似性を完璧なものにするという概念なのである。 この追随性が高まれば高まるほど再生音は滑らかに潤いを帯びてくるもの なのである。従って、このときの強烈なホーンセクションの大音量はいた ってスムーズであり、聞き苦しさは皆無である。これが聴く人に清涼感と も言える心地よさを提供するものだから音圧の大きさが全然苦にならず、 生演奏に近い音量感においても快感だけを抽出していくのである。 「こりぁ!凄いぞ!!」本当の意味での迫力は刺激によって演出されたもの ではない。聴き疲れしない演奏にこそハイスピードの概念が生きている という象徴的なビッグバンドが目の前で炸裂していくのである。 それからというもの、かける曲のすべてがこれまでとまったく違うインパ クトを残し、演奏のひとコマひとコマを事例に挙げて述べていくには荷が 重い。とにかく、ノーチラスにおける私の経験においても過去最高の演奏 が現実のものとなったようである。もちろん、これまでに取り組んできた 数多くのアンプとの相性に問題があったと言うことではない。 更に、EVOLUTIONへのアップグレードを果たしていないゴールドムンドで あれば、また私の評価も多少違っていたかもしれない。仮にゴールドムン ドの主張する個性に対して、各論としての一部分の批判をする人があると すれば、その批判の対象となっているキャラクターをレバションは見事に 取り除いてしまい、それまでに培ってきた同社の技術力と感性の評価にか ぶせられていたフィルターをあっさりと取り払ってしまったと言えるだ ろう。まさに快挙である。
私は先ほどのコンタクトレンズの一件で考え直して見たのだが、どうやら 日常の生活の中で遠くのものがボケていてもストレスを感じないように 自己暗示をかけながら世の中を見ていたらしいのである。自分の感性で 評価するたびに、更に上へ上へと潜在能力を余裕を持って更新していく ノーチラスにはまだまだ未開の境地が隠されていると言うことである。 そして、それらの体験をいっしょに確認して下さる、ここに集われる多く のノーチラスオーナー自身が今回のMIMESIS 29.4EVOLUTIONの登場に大き な衝撃を受け、しかも生涯使い続けるであろうスピーカーの次なる発展の 方向性としてごく自然に受け入れられていると言う事実に大きな意義が あると思われる。ノーチラスが本来目指している再現性のベクトル、そし てゴールドムンドが発足当時から標榜してきたハイスピード伝送の概念。 正に、この両者は今世紀の終わりに決定的な遭遇を果たしたと言ってよい だろう。 私に対して「川又さん、ノーチラスのベストマッチのアンプは何ですか」 と何十回、いや百回以上質問されてきたかもしれない。私はその都度に 「お客様の事情を伺ってから導入しやすい選択をお勧めしています。 なぜならステレオアンプで四台、モノアンプでは八台ものアンプを部屋に 入れるわけですから、単純に音質だけでは特定できないものなんですよ。」 とお答えしてきた。でも、これは今でも変わりはない。予算、スペース、電源、 発熱、どれを取ってみても、まずは可能であるかどうかから話しをしなけれ ばならない。従って、私がこれまでに販売してきた多くのノーチラスによる アンプのペアリングに関しては根拠が揺るぐものではなく、現在でも当時の 選択に間違いはなかったと自信がある。 しかし、私に対して以下のような質問がなされたときには、今なら明確な 回答を用意することが出来たのである。「川又さん、色々な条件はすべて 考えずに、音質のみという条件でノーチラスに最もマッチングするパワー アンプはなんでしょうか。」「ハイ、それでしたら…!!」 私の発言が雑誌の記事や評論家のコメントなどと最も異なることは、自分の 発言と評価を実証できる用意があると言うことです。ですから、私の評価は 体験できる実例として皆様にも検証していただき、その長年の蓄積が今の私 を支えています。「ここで聴いて感動しなかったら何もお買い上げ頂かなく て結構です。まずは、どうぞゆっくりと演奏を楽しんでいって下さい。」 どなた様にも申し上げる私のご挨拶です。次にこのセリフを聞いて下さる方 を今日も私はお待ちしています。
◇◆◇◆◇------「Hi-end AV debate」------◆◇◆◇◆
皆様、大変お待たせいたしました。本日より「Hi-end AV debate」のプログラムを
公開しております。どうぞご覧下さい。 そして、開催期間中の営業体制に変更がありますのでお知らせいたします。
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