発行元 株式会社ダイナミックオーディオ
〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18
ダイナミックオーディオ5555
TEL 03-3253-5555 / FAX 03-3253-5556
H.A.L.担当 川又利明
2015年8月7日 No.1242
感動しました!!Transparent OPC(OPUS Power Cord)を国内最速で試聴!!
「H.A.L.を使って検証し推奨するオーディオ用電源の新展開!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/362.html

ここから始まって…
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0253.html

こちらがVol.2で
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0254.html

↓それから、何と総数43件もの試聴体験談が寄せられました!!↓
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0296.html

ラストはお馴染のこの方でしたね〜。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni0297.html

この"PEIP"企画はベテランのハルズサークル会員であれば懐かしく思われる
でしょうが、これらのレポートは下記の中にありますので、よろしかったら
ご覧頂ければと思います。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/hf_moni.html

【H.A.L.'s“PEIP”インプレッション!!】
「衝撃!!“PEIP”デバイスで統一これほど素晴らしいとは思ってもいなかった!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/366.html

そして、上記のように実際の検証へと進んで行きました。そして、この試聴に
使っていたのが偶然にもVitus Audioだったわけです。下記をご参照下さい。
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/322.html

それから10年後の現在、下記のように新世代のVitus AudioがH.A.L.に登場しました。

H.A.L.'s One point impression!!-Vitus Audioの心技を解き明かす!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1241.html

この偶然に歴代“PEIP”アイテムの中で最高峰と私が感動した電源ケーブル
Transparent OPC(OPUS Power Cord)を国内最速で皆様にご紹介致します!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

10年前の“PEIP”でも話題を集め主役を務めたブランドTransparentを取り扱う
アクシス株式会社 代表取締役社長 室井利夫 氏からアポイントを頂いたのが
7月27日のこと。そして、いよいよ8月4日に実物を携えて来店されたのです。

そんな高価なケーブルが入っているとは思えない普通の梱包材ですが…
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150805-opc.01.jpg

外から取り出すと何と、こんな高級感溢れるトランクケースが表れます。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150805-opc.02.jpg

更に1本ずつスペックシートと資料が添付されていました。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150805-opc.03.jpg

いよいよ現れてきました。これが75万円もする電源ケーブルです!!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150805-opc.04.jpg

実際にセッティングした模様はこんな感じ。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150805-opc.05.jpg

日頃はあまりお見せしないのですが、ラックの裏側はこんな感じです。
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150805-opc.06.jpg

まだ校正前なので最終ではありませんがOPUS Power Cordの公式ファイルです!
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150805-opc.pdf

H.A.L.史上で最も高価な電源ケーブルTransparent OPCの前代未聞のパフォー
マンスに感動した私は早速の新企画を色々と実施することにしました。

先ずは、その試聴体験から述べたいと思います。そのシステムは下記のように
奇しくも10年前と同じVitus Audioを使用した構成となりました。

   ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / Transparent OPC-inspection system ◇
 
………………………………………………………………………………
Abendrot Audio STUTE (税別¥3,500,000.)
http://jp.abendrot.co.uk/
     and
dCS Vivaldi Clock (税別¥1,920,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-clock/
     and
TRANSPARENT PLMM2X(2本)+PI8 (税別¥1,050,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Cardas Audio Lightning BNC Cable
http://www.taiyo-international.com/products/cardas/digital/

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS Vivaldi Transport (税別¥5,230,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-transport/
     and
TRANSPARENT OPC2(2.0m)(税別¥750,000.)+PI8(税別¥490,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
           vs
TRANSPARENT PLMM2X+PI8 (税別¥770,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽
 
TRANSPARENT REFERENCE XL 110ΩAES/EBU DigitaL (XLR)×2 (税別¥960,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1037.html
http://www.axiss.co.jp/ftran.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
dCS Vivaldi DAC (税別¥4,270,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/dcs/vivaldi-dac/
     and
TRANSPARENT OPC2(2.0m)(税別¥750,000.)+PI8(税別¥490,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
           vs
TRANSPARENT PLMM2X+PI8 (税別¥770,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio-Andromeda Interconnect cable XLR 1.5m(税別¥1,070,000.)
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Vitus Audio  SL-102(Anodized Gray) (税別¥7,130,000.)
http://www.vitusaudio.com/en/79989-SL-102 ★E.M.G-board 各々二枚使用
Vitus Audio-Andromeda AC Power cable 1.5m(税別¥420,000.)付属
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html
     and
TRANSPARENT PLMM2X+PI8 (税別¥770,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR02-2+CERABASE 4P (税別¥970,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio-Andromeda Interconnect cable XLR 7.0m(税別¥3,490,000.)
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
Vitus Audio  SM-102(Anodized Gray)(税別¥13,800,000.)
http://www.vitusaudio.com/en/121301-SM-102
Vitus Audio-Andromeda AC Power cable 1.5m×2(税別¥840,000.)付属
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html
     and
TRANSPARENT PIMMX(税別¥540,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/transparent/transparent-2/
     and
finite element MR35+CERABASE 4P(2台/税別¥780,000.)
http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/
………………………………………………………………………………
                ▽ ▽ ▽

Vitus Audio-Andromeda Speaker cable 3.0m(税別¥2,120,000.)
http://www.cs-field.co.jp/brand/vitus/products/andromeda.html
     and
Cardas Audio Clear Beyond 2.5m (税別¥1,174,000.)
http://www.taiyo-international.com/products/cardas/speaker/#beyond

                ▽ ▽ ▽
………………………………………………………………………………
HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improved (1Pair ¥14,250,000.)
http://www.hiro-ac.jp/
     and
H.A.L.'s B-Board×2 (1枚/税別・配送費込み¥122,000.)
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/fan/BZ-bord.html
「特報!!HIRO Acoustic Laboratory MODEL-CCS Improvedとはこれだ!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1199.html
ここに紹介した下記の二枚の写真でImprovedモデルとスピーカー本体とネット
ワークボックスをセットしたのがB-Board
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved01.jpg
http://www.dynamicaudio.jp/file/20150306-model-ccs_improved02.jpg
………………………………………………………………………………

何故私は1本28万円もする電源ケーブルTRANSPARENT PLMM2Xを合計32本もH.A.L.
で使用しているのか。更に同社のパワーアイソレーターPIMMXを7台とPI8を2台
も使用し電源にこだわっているのかと言うと、全てのコンポーネントの潜在能力
をきちんと引き出しておきたいというただそれだけの事なのです。

「H.A.L.を使って検証し推奨するオーディオ用電源の新展開!!」
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/362.html

そして、上記でも述べているように一般家庭のコンセントの手前側で電源環境
を良くしようという目標に向かって妥協したくなかったからです。

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

さて、このようなシステム構成において室井氏が同席しての試聴を始めました。
先ずはデモ機として開封した1本だけのTransparent OPCをどこに使用するのか。
私は過去の経験から迷うことなくdCS Vivaldi Transportと決めました。

絞り込んだ課題曲で先ずは従前からのリファレンスTransparent PIMMXで聴き、
その後にTransparent OPCに差し替えて同じ曲を同じ音量で比較するという
シンプルな検証法でオーディオ信号が流れない電源ケーブルという存在感を
私の耳で確かめていこうというもの。先ず最初の一曲はこれでスタート!!

■THE WEEKEND / EARNED IT(TRADUCIDA EN ESPANOL) 
http://www.universal-music.co.jp/p/UICU-1262

スタジオ録音にしてホールを思わせる広大な空間表現を提示する重厚な低域。
ストリングスを含むアコースティックなバックがヴォーカルを取り囲み、
ハイトーンの透き通った歌声がHIRO Acousticによって浮かび上がる課題曲。

H.A.L.'s One point impression!!-Vitus Audioの心技を解き明かす!!
http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1241.html

熟成したVitus Audioによって聴いてきた一曲を記憶に刻みつけ、電源ケーブル
をTransparent OPCに交換してセンターポジションに戻りリモコンを操作する。
すると…

「えっ!!何…この低域の変化は!!ヴォーカルの定位も変化しているようだ!!」

これだけ電源ケーブルにこだわっている当フロアーで、たった1本のケーブルを
差し替えた瞬間から激増する情報量!!そして、その情報量が実に多項目という驚き!!

HIRO Acousticのたった22センチ口径のウーファーが叩き出す低域は20Hzでも
-7dBという重量感たっぷりの低音を響かせるが、同じスピーカーとは思えない
ような更に重厚な低域に豹変しているではないか!!

そして、特筆すべきは低域の残響が拡散する領域をも拡大しているということ。

ダン!で始まった低音が強烈なスネアの打音に見事に同期して、ズシン!と響く
波長の長い低音を持続させ、それがブン!という空気を震わせるような重低音
へと姿を変え、HIRO Acousticから黒いオーラが放出されたような錯覚を催す
重い余韻が周辺に響き渡っていく。この低音の響きが着地しないで空間を
漂っていく滞空時間をたった1本のOPUS Power Cordがぐっと延長する驚き!!

イントロの13秒間で次々に私の耳に付き付けられる変化要素を直ちに記憶の
ファイルと照合して行き、ヴォーカルが入って来る14秒経過時点で答えが出る!!

「この低域の情報量の増加はトランスポートだけに使った電源ケーブルが引き
 起こしたという事なのか!この低域は私の記憶にはないぞ!!」

しかも、低音の中に含まれる音量感の起伏、揺らぎのような変化をもたらして
いる長い波長がうねるような脈動感がバックグラウンドでオーロラのように
波打つあり様が克明に描かれる。HIRO Acousticのウーファーの前で扇子を
振って空気を揺らしているのではないかと思ってしまう脈動感が見える驚き!!

すると右チャンネルで刻まれるハイハットの質感にも変化があることに気付く。
薄く軽く微細な響きが一定のリズムを刻み、高域方向の情報量が増加した事で
シンプルな楽音に対して光と潤いを与えるという微妙な変化を私は見逃さない。

ゆったりした低音のバックに包まれてヴォーカルが登場するが、そのマウス
ポジションが以前に比べて上に移動しているかのように感じる。私の耳から
HIRO Acousticのトゥイーターまでの距離は約4メートル程、その距離感で
私がセンターにいると見ていたヴォーカルは左右トゥイーターを結ぶ線上
だったはずが、感覚的だが30センチほど上から聴こえてくるという不思議。

解像度が上がりヴォーカルが発した声の発祥地点と、その響きを同心円状に
正確に拡散して行くHIRO Acousticというスピーカーの特徴から推測するに、
もしかするとヴォーカルの垂直方向の定位は本来そこにあったのかもしれない。

それが発生地点と残響の拡散する領域のグラデーションの違いとして分解能の
向上がもたらしたマジックだったのかもしれない。とにかく素晴らしい質感!!

ダイナミックな低音の背景の中で細やかなストリングスが散りばめられている
情景描写にOPUS Power Cordがフォーカスを合わせたかのように、空間に浮か
んでいるというよりは、小音量での伴奏楽器に実態感がともない音数が増える。

伴奏楽器の短いパートが交互に出現する度に以前とは異なる質感と情報量の
変化に次々とフラッグが立ち、電源ケーブルがもたらす再生音の相対論に
左右見開きで比較できるページが私の頭の中に出来上がってしまった驚き!!

疑り深い私は再度PLMM2Xに戻して、1ページ前の記憶を再確認する。間違いない!!

小澤征爾/ボストン交響楽団によるマーラー交響曲第一番「巨人」87年録音の
定番の第二楽章を聴く。先ずはPLMM2Xで熟成したVitus Audioが得意とする
秀麗な実に美しい弦楽器の質感を確認する。これでいいじゃないか!?

比較対象のために左側のページに以前からの音質を写し取り、OPUS Power Cordに
切り替えてからの右ページに変化したポイントを項目別にチェックすべく、
私の頭の中ではもう一人の私がペンを持って待機していた。そして…

「あっ、ここも、これも、あれも…、みんな違うじゃないか!!」

私は癪に障るので内心の感動を隣にいる室井氏に悟られないよう、敢えて表情を
変えずに冷静に聴いている風を装いながら、右ページには三秒ごとに比較結果
としてチェックマークが高速で書き込まれていく有り様に驚いていた!!

冒頭から展開する弦楽五部の合奏において明らかに今まで含まれていなかった
音色の濃淡が加わっている描写力の進化。ヴァイオリン奏者たちが見ている
譜面は真っ白ではなく、まるで各パートごとに微妙に異なるパステルカラーの
色彩を施し、その微妙な中間色に合わせて各自の音色をイメージさせて演奏
させているように質感の諧調を数倍に増やした弦楽器がこの上もなく美しい!!

その変化要因を推測しているうちに、続く木管楽器のパートが始まると回答が
連鎖的にはじき出されてくる。オーケストラの各楽器が発する響き、余韻感の
増加が楽音の質感に影響し、録音されている信号の中に今まで届かなかった
光を当て始めたのではないかと。

つまり、ステージの床に落ちる前に空気に溶けてしまって見えなかった極めて
軽量な音の粒子にスポットを当てて、細やかな響きが消滅する前にキラキラと
微小な輝きとなって空中に漂っている情景を見せてくれるようになったのだ!!

弦楽器の麗しい響きで感じとれる描写力の格段の向上、木管パートが発した
楽音がスピーカーの背後に展開する時に、音響的遠近法の素晴らしさで響きの
消失点を明確にして最後まで残響をトレースできる観察力の素晴らしさ!!

たった1本の電源ケーブルが、ディスクトランスポートという回転系メカニズムを内蔵し、
デジタル信号のみを出力するコンポーネントに与えた変化はオーケストラを
聴くことで影響力の大きさを無言のうちに私にアピールしてきた。

それは言葉にならない言葉で比較する右ページに膨大なチェックマークを瞬時
に記入し、ここでも私はPLMM2Xに戻しての比較でOPUS Power Cordに屈服する
しかなかったのです!!

そして、次に今までVOL.4を良く使っていたのですが、今回は私の判断でVOL.1
の中から選曲した秀逸なスタジオ録音のインストゥルメントで比較する。

■UNCOMPRESSED WORLD VOL.1
http://accusticarts.de/audiophile/index_en.html
http://www.dynamicaudio.jp/file/100407/UncompressedWorldVol.1_booklet.pdf

TRACK NO. 1 CLAUDIA
イントロはピアノ、サックスがアダルトなメロディーラインを奏で、トロン
ボーンが切ない旋律を重ねてくるところでラテン調のリズムセクションが展開し、
全ての楽音が一つのアコースティックな空間で美しい響きを伴う一次反射音が
見事な演出効果となっている曲。この空間情報が音楽の美しさを支えている。
同じルーティーンでPLMM2Xで聴き、そしてOPUS Power Cordに切り替える。

「あっ!!もうここで!!イントロのピアノからして全然違うじゃないか!!」

ピアノの一音がこれだけ響きを含んでいたのかという余韻感の増加がものの
数秒間で認識されてしまう。これは誰が聴いても解かるだろう!!

dCS Vivaldi Transportが出力するのは私が選択したDXDモードの信号。

ハイレゾという言葉は私にはあまり魅力がないもので、既にハイエンドオーディオ
の世界ではディスク再生において8倍アップサンプリングで352.8KHz/24bitの
データ量が当たり前という音を私は聴き続けてきました。

そこに含まれる楽音のディティールに極めつきの再現性を与える分解能の源、
続くD/Aコンバーターにおいて解像度と情報量の向上に必要なデータ伝送の
重要性と言うところに、たった1本の電源ケーブルがもたらした変化量の大きさ。

大編成ホール録音のオーケストラという課題曲で一つの空間提示のスケールアップ
がもたらした臨場感の変化という余韻を引きずりながら、このスタジオ録音で
聴かされた空気感の増大という現象に私は室井氏に悟られないように息を呑む。

ブラスセクションの輝きが増し、吐息のように微細な余韻を空間に振り撒き、
パーカッションの一打一音にも飛び去っていくような余韻感が付加される快感。
演奏空間を再現するために、ここまで電源ケーブルか貢献するかという驚き!!

TRACK NO. 3 TWO TREES
この曲は今回の試聴の中で最も大きな変化量と感動があった選曲でした。
左側にソプラノサックス、右側にピアノだけというシンプルな録音であり、
メローな旋律が実に美しく広大な空間表現が絶品という演奏。

しかし、サックスとピアノは左右スピーカーの軸上に定位するという単純な
パンポッドではなく、センターとLchの中間に、ピアノもセンターとRchの
中間定位という実にステレオフォニックな巧妙な録音が立体感を感じさせる。

つまり、二人の演奏者が発する楽音は各々反対側の空間まで残響の足跡を残し、
互いの響きの空間を共有するような素晴らしい空間再現性が魅力の一曲なのです。

例のごとくPLMM2Xで聴き、室井氏の自画自賛の言葉を聞き流しながら(失礼!)
私は次に起こるであろう変化を予測しつつ、OPUS Power Cordに切り替える。

「あー!!もうこれだ!!全く別物に聴こえてしまう恐ろしさ!!戻れない恐怖!!」

ソプラノサックスが発する1フレーズを耳にした瞬間に、その音色と質感に
生じた変化の大きさに追随する言葉が見つからずしばし戸惑い、結果的に
室井氏に向けた笑顔でギブアップのジェスチャーとしてしまった。

きめ細かさは二乗され、サックスの余韻が作り出す響きの空間が倍増する。
時折バルブの鋭い開閉音がカタカタと散りばめられ、響きのバイブレーション
が心地良くHIRO Acousticの純白のボディーを波打たせるように揺らぐ快感!!

ピアノの打鍵は見事な緩急を付けて一音ずつを空間に放出し、一打ずつの余韻
が中空に漂ううちに次の一音が重なり、残響のレイヤーがクロスしながら空間
に溶け込んで行くまでの時間軸を延長して行く素晴らしさにうっとりする瞬間。

ディスクトランスポートだけに、たった1本の電源ケーブルがもたらした可能性
の大きさに、私はPower supply Environmental Improvementという10年前の
企画で取り上げたTransparentの技術的進化に圧倒されてしまったのです!!

そして、更に…。実は前記に紹介したOPUS Power Cordの開梱の様子は室井氏
が持ち込まれてきた二本目のOPUS Power Cordだったのです。更に1本をどこに
使うのか!? それはアナログ信号の最も上流に位置するdCS Vivaldi DACでしょう!!

全くの新品で開封直後のOPUS Power CordをDACにつなぎ、期待感が表情に出ない
ようにしてセンターポジションに戻り、この曲をスタートさせたのです…!?

「あー!!もう駄目です!飛んで行ってしまいました!!」

OPUS Power Cord二本を使用して、再度TRACK NO. 3 TWO TREESを聴き、その
素晴らしさに言葉を失い、今まで聴いてきた曲を逆の順番で全て聴き直しました。

私はこの時に聴いたOPUS Power Cordが1本から2本使用とした時の音質変化を、
これまでに語ってきた言葉の延長線上で述べることを放棄しました!!

1足す1は2ではなかったのです!!

OPUSとはラテン語の「仕事、作品」の意味を語源とするものであるという。
そして、magnum opusとは(文学・芸術の)最高傑作,(芸術家の)代表作という。

満を持して発表されたOPUS Power Cordがもたらした感動の大きさは予測を
はるかに超えるものであり、これは皆様に何としても実感して頂きたいという
私の使命感に火を付けたものです!!

2本お持ち頂いたうち1本はここに残して行ってもらいました。さすがにこの
OPUS Power Cordを現在のPLMM2Xと同数展示導入するのは不可能ですが、私の
頭の中には既に幾通りか新企画の図面が出来上がっていました!!

             -*-*-*-*-*-*-*-*-*-

■Power supply Environmental Improvement Plan 2015 by Transparent OPC

この新企画はハルズサークル会員限定となります。ぜひこの機会にご入会下さい。


担当:川又利明
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556
kawamata@dynamicaudio.jp

お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!!


戻る