発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.1125 2014年7月29日 「E.M.G-board感動の音質と新たな発見とは!?」 ■最終版H.A.L.'s E.M.G-board 感動の音質と新たな発見とは!?■ H.A.L.'s E.M.G-boardの第二次試作、これは即ち商品化のための量産試作と いうことで販売する製品と同じものを一枚だけ制作したというもの。 その外観やセッティング事例などを先に説明しているが、実は試聴ポイントは 以前よりも項目数が増えており、E.M.G-boardの有り無しという単純な事だけ でなくチェックしなければと考え、このシステム構成で試聴する事にした。 ◇ H.A.L.'s Sound Recipe / H.A.L.'s E.M.G-board inspection system Vol.2 ◇ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC G-01(税別¥1,350,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g01/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6100II BNC(Wordsync用)×3 (税別¥750,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300_6100_2/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso P1 (税別¥2,500,000.)★H.A.L.'s E.M.G-board使用 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥360,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Wire World Platinum Starlight 7 HDMI Cable 1.0m(税別¥100,000.) http://naspecaudio.com/wire-world/hdmicable-series7/ ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso D1 (税別¥2,500,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p1d1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6300II XLR 1.0m×2 (税別¥580,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300_6100_2/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC C-02×2 Dual-Mono(税別¥2,800,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/c02/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and TRANSPARENT PI8+ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(税別¥815,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-A2500/XLR 7.0m(税別¥2,280,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7na2500/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC Grandioso M1 (1Pair 税別¥2,800,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/m1/index.html and ESOTERIC 7N-PC9500MEXCEL(2本/税別¥720,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7npc9500/index.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1044.html and finite element Pagode Master Reference HD10+CERABASE 4P(2台/税別¥720,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Zonotone 7NSP-Shupreme 1 / 2PairをBi-Wireにて使用 (2.0m/1Pair 税別¥220,000.)and(2.5m/1Pair 税別¥258,000.) http://zonotone.co.jp/products/speaker-cbl.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Technical Audio Devices TAD-R1MK2(1Pair 税別¥7,000,000.) http://tad-labs.com/jp/consumer/reference_one/ ……………………………………………………………………………… この写真の中央にESOTERIC C-02×2 Dual-Monoがあり、その下には黒いボードが セットされていることにご注目頂きたい。 http://www.dynamicaudio.jp/file/2013.12.01.03.jpg そのボードとはPAD T.I.P(Total Isolation Platform) であり、この製品が 電磁波が再生音に与える影響というものを私に最初に教えてくれたものでした。 電磁波がオーディオケーブルに影響を与えているという事を知らしめてくれた のもPADでしたが、それまでは電磁波と音質との関連性など誰が気にした事で しょうか。そして、早いものでT.I.Pの登場から既に14年も経過していました。 拙い文章ですが、当時の思い出は↓こちらでご覧頂ければと思います。 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/107.html 今回のシステムはESOTERIC Grandioso P1以降はモノDAC、モノ・プリアンプ、 モノ・パワーアンプとアナログ信号のシグナルパスを全てモノラル化している わけですが、そのプリアンプとG-01というマスタークロックにT.I.Pを採用し、 その基点となるCDトランスポートにE.M.G-boardを使用して比較試聴しました。 先ずは最初に何も使用しない状態から聴き…。と先ずこの段階で後述のために 一言触れておかなければならないことがあります。ラックです! finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み¥870,000.) http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/finite-elemente/ finite elementeの代表作「Pagode Master Reference」では、異なる6つの ピッチ(220Hz・486Hz・512Hz・550Hz・670Hz・882Hz)のロッド型“Resonator”を トップとボトムのテンショニング・フレームに4箇所ずつ2つのバリエーション を内蔵し、コンポーネントに特に有害となる1.2kHzに及ぶ連続帯域の、音圧に よる空気振動、ラック自身の固有共振の最大70%を、そして、床からの振動の 最大90%を、熱エネルギーに変換・振動吸収します。 フレームと棚板とのカップリングは高さ調整を可能とするスパイクに加えて ウレタン系ガスケットを併用しその効果をさらにバックアップしています。 そして、当フロアーのHD02には更にCERABASEを装備させています。 http://www.axiss.co.jp/brand/finite-elemente/ceramic-ball-interface/ これによって、ただラックに乗せているだけという事ではなく、このラックに よってのアイソレーション効果が最初から再生音に反映されているということ。 これが後述するE.M.G-boardに付属させたフエルトの使用法に関係してきます。 ■大貫妙子“attraction”「四季」今回もこの曲から試聴を開始しました。 http://www.onukitaeko.jp/ 先ずは前記のようにPagode Master Referenceのシェルフに置いただけの状態で 聴き、いつものように比較のために音のテンプレートを私の頭の中に定着させます。 次に、以前述べていた初回試作品にアース線を接続して再度同じ曲を同じ音量 で聴きます。アース線の有無に関しては再三実験しているので今回は最初から アース線を付けてE.M.G-boardの効果を再確認しました。 そして、いよいよ最終版の量産試作E.M.G-boardを使用して試聴という三段階 で比較を進めて行くことにしました。 先ずは最終版E.M.G-boardでアース線をつながずに「四季」をかけてみると…。 「あ〜、イントロのギターのアルペジオがジャストフォーカスで引き締まって 更にウッドベースの音像の面積がきゅっと縮小したね〜。えっ、ヴォーカル の音像も変化しているじゃないか! アルミボードの肉厚をわずかに厚くした だけなのに、これは最初からVibration and Mechanical Groundingの効果が 割り増しになったことを実感させられるね!」 以前にも述べていますが、厚くなったと言っても二枚で6ミリのアルミボード。 この質量が振動を吸収するという現象はさほど期待出来るものではありません。 ポイントは搭載するコンポーネントのフットである三点、または四点の接地点 による機械的レゾナンスを共有化すること。つまりはフットの下にあるラック のシェルフ・棚板に対して一種類の振動モードに集約して機械的な振動を整理 するという効果だということを欲張らずに狙っているという事です。 アース線がなくてもE.M.G-boardでの電磁波吸収効果は既に機能しているわけ ですが、前作の試作品と比較しての安定感が再生音の随所に感じられます。 ギターのアルペジオから一弦一弦の鮮明さの向上、低音弦楽器であるベースの ピッチカートが発する音像面積の集束効果、そしてヴォーカルの音像でも 同様に楽音の輪郭形成に関わるポイントで最初から好スタートを切りました!! さて、ここでVibration and Mechanical Groundingというこだわりから、なぜ 付属品にフエルトを付けたのか、というポイントについて説明しなければと思います。 前に紹介した下記の写真を再度ご覧下さい。付属品のフエルトを貼り付けた E.M.G-boardをGrandioso P1の上に置いてコンポーネント本来のスパイクフット の位置関係と照合しているところです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20140627-emg20.jpg ■注意 このフエルトには粘着シールが貼ってありますので保護シールをはがして貼り 付けてしまうと強力に接着されてしまい中々剥がれなくなってしまいます。 フエルトの効果を確認したい時には保護シールを剥がさずにご使用下さい。 取り扱い説明書でも図解していますが、このフエルトはコンポーネントの フットの位置と合わせてご使用下さい。フットの位置とフエルトの位置が極端 にずれているとE.M.G-board自体がわずかですが変形してしなってしまう可能性 があります。コンポーネントの荷重がかかる所に使用して下さい。 フエルト未使用でラックに直置きでは。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20140627-emg17.jpg フエルトを使用すると2ミリほど浮き上がって隙間が出来ます。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20140627-emg21.jpg このようにフエルトを使用すると置き台よりわずかに隙間が出来るわけですが、 それは置き台・ラックの性質との兼ね合いで使用するかどうかを判断して下さい。 さて、ここでの試聴では上記のようにPagode Master Referenceという高性能な ラックでの音質評価をしているわけですが、私の選択としてはラックそのもので アイソレーション効果があるものではフエルトは使用しない方が音像の縮小と 輪郭再現性が優れていました。その場合にはE.M.G-boardを直接置いて下さい。 どのようなラックであれば直接E.M.G-boardを置いた方が良いのか。 ここで使用しているfinite element、古くはzoethecus、そしてProject“H.A.L.C” として販売してきたラックなどが代表的なところと言えます。 ★関連リンク zoethecus http://www.axiss.co.jp/fzeoth.html Dynamicaudio完全オリジナル商品ハイエンドオーディオ仕様超高級ラック登場 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/471.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/472.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/473.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/474.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/476.html http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/477.html アイソレーション効果を狙ったラックとして共通するポイントがあります。 それはラックの総重量、材質、という物量的なものではなく構造的なものです。 ラックの各部品の連結ではスパイクを多用したり、棚板を支持する部品として 柔軟性のあるものを使用したり、ラックの構成要素の組み合わせで振動対策を 施しているものというのが広い見方での解釈となります。 そのように棚板そのものが乗せるコンポーネントからの振動、床からの振動の 両方から隔離されるような設計のラックでしたら直接E.M.G-boardを置くという 使用方法を推薦致します。もちろん、その場合にはラックの性能に音質は影響 を受けるという事が大前提となります。 そして、そんな時こそ、あのBlack Ravioliがあれば、どんなラックを使用し ていても理想的なセッティングが出来たものなのですが実に惜しいものです。 Black Ravioliオーナーの皆様にアドバイス致しますと、Black Ravioliとの 併用に関しては、既存のBlack Ravioliセッティング状態であればラック棚板 とBlack Ravioliの中間にE.M.G-boardをセットします。 あくまでもBlack Ravioliはコンポーネントのボトムと接触するように配置 するようにして下さい。E.M.G-boardの電磁波吸収効果は十分に発揮されます。 「音像は限りなく小さく輪郭は極力鮮明に、そして音場感は雄大に広がる!」 私の求める音像と音場感の理想像は相反する方向性であるわけですが、使用して いるラックにアイソレーション効果がない場合にはフエルトを使用された方が 良い場合があります。もちろん、使用者の好みで選択して頂ければ良いもので すが、Black Ravioliが入手出来ない現状では、Pagode Master Referenceを 使用しての状態ではフエルトを使用しない方が音像も小さく音場感も広がった という事で今後の試聴へ至る前提として頂ければと思います。 ただし、商品としての汎用性と様々なラックと使用環境において、E.M.G-boardの 効果をより多くの皆様に実感して頂くための標準付属品とした配慮です。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 試聴インプレッションと解説の文章が入り混じってしまうのが私の悪癖ですが、 主観的感想を述べる合間に技術的基礎知識が皆様に伝わればという事で寛大な ご理解を頂ければと思います。そうこう言いながらも試聴は続いています! 私の耳から空間に広がる感性のアンテナにひっかかった複数のチェックポイントで 最初から合格点を上げられる音質に安心して課題曲を聴き終え、次の実験は いよいよアース線をつないでの比較試聴です。 これまでは重たいGrandioso P1を持ち上げてはE.M.G-boardをいちいち入れたり 外したりという比較試聴を何回も何回も繰り返してきましたが、ここからは アース線の切り替えだけなので少しは楽になりました。シャーシのみに接続 されたアース端子を持つESOTERIC製品では、アーシングの効果を実験するには 適したコンポーネントであると、ありがたくさえ思えるものです。 先ず最初はGrandioso P1では下記のように接続しました。そして「四季」を 同じボリュームでスタートさせました。すると… http://www.dynamicaudio.jp/file/20140627-emg18.jpg 「おー!!イントロから感じるノイズフロアーの低さは何だ!?」 実は再生音のノイズフロアーが低下するという事は逆に弱音成分が鮮明になって くるということなのです!! ギターのアルペジオは弦と指先にスポットライトを当ててクローズアップした ビジュアルのように鮮明で緻密な響きが湧きあがって来るようです!! ウッドベースの低音は音像としての面積を凝縮させるのに、たゆたうような 低音の響きが残響として広がっていく領域が三割増しです!! 一拍おいて叩かれたトライアングルの打音!!これは何だ!!と思わず目を見張る! 鮮やかに輝く金属のトライアングルが残響という金粉を中空に振り撒いたかの ように、そして楽器そのものにバックライトが入っていたかのように周辺を 明るく照らし出す変貌ぶりは何と例えたらいいのだろうか! 今までにも電磁波キャンセルというアクセサリーやボードはPAD T.I.Pをはじめ として何種類も経験してきましたが、アース線の接続によってこれほど音質が 変化するものは記憶にありません。何を隠そう初期のT.I.Pにも実はアース線 があったのですが、理論上ではあった方がいいと言われながらも実際に使用し てみると、アース線をつないでも驚くような変化は他の商品ではありませんでした。 しかし、このE.M.G-boardにおけるアーシングの効果は絶大としか言えません! その証拠はヴォーカルが始まった時にも驚きと感動によって証明されました。 「えっ、このヴォーカル…、リヴァーヴの深さと広がり方が今までと違う!」 前述のトライアングルの打音における輪郭再現性の格段の進化、ピンポイント の光点が輝きながら余韻感を拡散していく美しさ、それらがヴォーカルでは どうなるのかという私の推測を30%ほど上回る変化に、戸惑いと感動の両者が 私の頭の中で渦巻き状態になってしまいました。この変化は凄いぞ!! TAD-R1MK2の同軸型CSTドライバーはことさら定位感が素晴らしいが、左右の CSTドライバーの高さでジャストセンターに浮かびあがった大貫妙子の口許は 見事な輪郭を描き、正面から風を受けて彼女の髪をなびかせた風が後方に 流れ去っていく空間に実に広大な音場感を展開する!! スタジオワークで施されたリヴァーヴだと分かっていながらも、彼女の声が 左右と奥行き方向に微風に流される芳香のような余韻感を漂わせる美しさと して感じられる環境を、E.M.G-boardが目に見えない電磁波のしがらみから すくいあげ作り上げてくれたのだ!! ノイズフロアーの低下は微弱な信号を音として聴かせてくれるというものだが、 ヴォーカルの背景にストリングスが並んで展開する後半では一段と魅力が高まる。 弦楽器のしなやかさは余韻感が正確に再現され、乾燥状態から潤いのある空気 を作り出し、CSTドライバーの左右間隔4.2mという空間の両翼まで心地良く 広がるストリングスが彼女の肩より少し高い位置で多数の色彩感を見せながら 展開する。いやいや…、これ程の音響的情景描写がたった一枚のボードで実現 出来るとしたら、他のコンポーネントにも複数使用したら…いったいどうなるのか! サビが近づくとセンターのヴォーカルの背後で鈴が鳴らされる。何と清廉な 質感と解像度の鈴の音だろうか。多数の鈴が一振りで鳴らされる分離感と自然 な響きが聴き手に安らぎをもたらす。 そして、圧巻は右チャンネルからのクラベスの音。ある時にはインパクトの 瞬間は鋭いが打音が金属的な印象になったり、伸びて行くはずの残響が早々に 終わってしまうという現象があったが、E.M.G-boardは小さなクラベスという 楽音にも前例のない美しさをもたらしてくれた。 ベリリウムを素材としたTAD-R1MK2のCSTドライバーの高速応答性はこれまで にも様々な場面で誇張感のない自然な響きとアタックを両立してくれた。 クラベスの打音の瞬間から長い減衰時間を経て消えていく響きは右チャンネル の奥深くにまで達し、インパクトのその瞬間で感じられた楽器は木片であると いう木の質感を残響の中にもしっかりと感じさせ、鋭い立ち上がりから響きの 最後に消えかかる余韻の残照までの滞空時間が以前よりも長く清らかだ! 連続する楽音のヴォーカルや弦楽器では潤いとして感じられたE.M.G-boardの 効果のあり方が、小さい木片であるクラベスの打音では微小な響きの成分の 保存性を高めるということで人間が知覚できない電磁波の影響を知らせてくる。 マイクロUSBプラグの反対側にXLRプラグを付けているのはオプションとして 開発されたもの。ESOTERIC製品にはアース端子が装備されているが、他社製品 でアース端子がない場合にはどうするか、その一つのアイデアがこれ。 これらの経験からE.M.G-boardにはアース線の使用が本当に重要な要素であると 実感されたのだが、ここでGrandioso P1での接続例を思い出して頂きたい。 ESOTERIC Grandioso P1の場合 http://www.dynamicaudio.jp/file/20140627-emg19.jpg アース端子がないコンポーネントを使用する際に、アンプやプレーヤーの空き 端子に接続してアーシング出来ればと考えたのものでした。アース端子がない コンポーネントでは表面の塗装の上にアース線の小型Yラグ・スペードプラグを 接触させても効果はありません。 ですから、コンポーネントのビスを緩めて小型Yラグ・スペードプラグを接触 させて欲しいのですが、上記のように空き端子を利用するというアイデアは 大変有効であり面白いものです。 しかし!!凝り性の私からするとESOTERIC製品での比較実験では音質的に違いが ある事を発見しました。 Grandioso P1での場合ですが、アース端子に接続した場合と、MU-FXLRという オプションのアース線を使用してデジタルアウト端子のXLR1番ピンにアースを とった場合には微妙に音質が異なります。 コンポーネントに装備されたアース端子に接続した場合を基準にすると、 microUSB to XLRプラグまたはRCAプラグというオプションを使ってアーシング した場合には、基準に対して音像が多少大きくなります。同時に楽音の質感と して色合いが微妙に薄くなる傾向があるようです。 しかし!!アース線を使わない場合と比較したら格段にアーシングをした方が 良いという基本的性質は変わりません。これは重要なポイントです。 前述のフエルトを使用するかどうか、という考え方は使用しているラックに 関連性があると述べました。アイソレーション効果があるかどうかという点です。 それと同じですが、私の推奨としてはESOTERIC製品でアース端子があれば、 そこに接続するのがベストです。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20140627-emg18.jpg しかし、dCS Vivaldi Transportのようにアース端子がない場合はどうするか。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20140627-emg26.jpg 先ず、前記のmicroUSB to XLRプラグまたはRCAプラグというオプションケーブル を使用した場合に音像サイズが多少大きくなるという現象を使い手がどう捉えるか という判断を優先したいと思います。 つまり、聴く音楽がクラシックを中心としたホール録音で空間の広さとゆとり を優先したいという場合。アコースティックなジャズやヴォーカルなどの スタジオ録音ではあるけれど雰囲気を重視したいという場合などです。 そのような場合にはオプションケーブルを使用されてもE.M.G-boardの効果は しっかりと確認することが出来ると思います。そして、私のように音像は常に ジャストフォーカスでコンパクトサイズを望み、エッジを利かせた輪郭表現で しっかりと楽音を描きたいという場合にはネジを緩めてYラグを挟んで下さい。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- 私がハイエンドオーディオとして指向している音質傾向を再度述べさせて下さい。 「音像は限りなく小さく輪郭は極力鮮明に、そして音場感は雄大に広がる!」 そして、そのために必要な要素はコンポーネントの選択やセッティング、 そして環境作りと実に多項目に渡りますが、その中で目に見えない要素として Electromagnetic wave and Mechanical Grounding ということが言えます。 機械的要素としてのMechanical Groundingではラックの選択やBlack Ravioli などで実験することが出来ますが、目に見えない電磁波、しかもそれを定量的 に計測したり、耳に聴こえるようなノイズとして現象が表れるわけでもなく、 またビジュアル化して影響を分析したりする事が出来ません。 ですから、オーディオシステムの再生音に電磁波がどのように関係しているかは E.M.G-boardのような除去可能なもので実験し、結果として観察してみるしか ないものです。つまり、E.M.G-board電磁波の影響を知覚させてくれる音響的 リトマス試験紙みたいなものです! 皆様のリスニング環境で実は電磁波がどのように影響しているのか、それを 排除することで使用しているコンポーネントの投資効果が高まるとしたら…!? その解答を現実のものとして提示し、皆様のオーディオ環境に対しては可能性 の追求として、今後はE.M.G-boardを大切に販売していきたいと考えています。 そして、皆様の体験と感動をネットを通じて公開していく事で日本中の音楽と オーディオ愛好家の皆様に音質的貢献を果たしていきたいと考えています!! |
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