発行元 株式会社ダイナミックオーディオ 〒101-0021 東京都千代田区外神田3-1-18 ダイナ5555 TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 H.A.L.担当 川又利明 |
No.1015 2013年3月9日 【感動発見⇒H.A.L.'s impression!!-ESOTERIC C-02 Dual-Mono!!】 「シグナルパス完全モノラル!!ESOTERIC C-02 Dual-Monoの物凄さ!!」 【新発見⇒H.A.L.'s impression!!-ESOTERIC C-02の素晴らしさ!!】 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/1007.html 上記における「価格と国籍を超越したESOTERIC C-02に私は感動した!!」という 私の分析と評価は全くそのままに、下記の新企画をスタートしています。 DYNAMIC AUDIO 5555 Monthly Hi-Fi 2013 第二弾 ESOTERIC http://www.dynamicaudio.jp/5555/MonthlyHi-Fi/201303/ そして、この↓写真をご覧下さい。 http://www.dynamicaudio.jp/file/20130306/c-02_dual-mono.jpg なんだなんだ…!? 似たような風貌のESOTERIC製品がやたらいっぱいあるが、 川又は何をたくらんでいるんだ!? はい、確かにその通りでございます(^^ゞ この一カ月余りで私はMark Levinson No.53で鳴らすTAD-R1MK2を何時間、いや 何日間聴き続けてきたことか。この集中した試聴は本当に久しぶりのことで、 日米両国のハイエンドオーディオ・コンポーネントの素晴らしいマッチングと 可能性の大きさに感動し続けた来たものでした。 しかし、今回は更に驚きと感動をこのシステムで体験することになったのです!! ◇ H.A.L.'s Sound Recipe/ESOTERIC C-02 Dual-Mono inspection system ◇ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC G-01(税別\1,350,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/g01/index.html and TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別\695,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み\870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6100 BNC(Wordsync用)×3(税別\720,000.)★生産完了 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/mexcel/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC P-01+VUK-P01(税別\2,500,000.)★Black Ravioli BF-2×4 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/p01/ and TRANSPARENT PLMM2X+PI8(税別\695,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み\870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-DA6300 XLR 1.0m×2 (税別\560,000.)★生産完了 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7nda6300/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC D-01+VUK-D01(税別\2,500,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/d01/ and TRANSPARENT PLMM2X×2+PI8(税別\935,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み\870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ STEALTH Sakra balanced XLR / 1.0m (税別\1,400,000.) http://www.stealthaudiocables.com/products/Sakra/sakra.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… ESOTERIC C-02×2 Dual-Mono(税別\2,800,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/c02/index.html and TRANSPARENT PLMM2X×2+PI8(税別\935,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER and finite element Pagode Master Reference Rack/HD02+CERABASE 4P(税込み\870,000.) http://www.axiss.co.jp/fFE.html ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ ESOTERIC 7N-A2500/XLR 7.0m(税別\2,280,000.) http://www.esoteric.jp/products/esoteric/7na2500/index.html ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Mark Levinson No.53(1Pair 税別\7,200,000.) http://www.harman-japan.co.jp/marklev/poweramp/no53/ and TRANSPARENT PLMM2X×2+PIMMX×2(税別\1,440,000.) http://www.axiss.co.jp/transparentlineup.html#POWER ……………………………………………………………………………… ▽ ▽ ▽ Viard Audio Design Platinum speaker cable 3.0m(税別\900,000.) http://www.take5japan.com/ja/product/platinum/viard-audio-design-platinum-hd-speaker-cables ▽ ▽ ▽ ……………………………………………………………………………… Technical Audio Devices TAD-R1MK2(1Pair 税別\7,000,000.) http://tad-labs.com/jp/corporate/press/120830_01.html ……………………………………………………………………………… このようにトランスポートP-01からDual-AESで出力された左右二本のデジタル ケーブルから二台のモノラルDAC D-01へと、そしてアナログ変換された信号を 二台のプリアンプC-02へと伝送され、最後はモノラルパワーアンプからスピーカー へという究極のモノラル伝送2チャンネルシステムを実現したことになります!! 140万円のプリアンプはここH.A.L.では驚くほどの価格ではないだろう。 この↓風景を目前にして私が何を感じ思ったのか!? http://www.dynamicaudio.jp/file/20130202/ESOTERIC_C-02.jpg と、前回は述べたものでしたが、ESOTERIC開発部門の人達もやったことが無い というESOTERIC C-02×2 Dual-Monoは意外と簡単にセットアップ出来ました。 二台のC-02そのものには何も手を加えていないのです。各々のC-02の片チャンネル だけに入出力を与え、リモコンで操作するだけで完璧な同期でボリューム調整 もインプットセレクトも出来ます。ただし、ボリューム設定の前には一度手動 で両者のボリュームをゼロとしてリモコンで操作を開始して頂くだけです。 こんな物好きな実験がC-02の潜在能力を引き出すことになるとは…、私も期待 はしていましたが想像以上のクォリティーに急遽レビューを書かなくてはと 思いたったものでした。 -*-*-*-*-*-*-*-*-*- C-02を1台でステレオ使用とした場合と、もう1台の右チャンネルのみを使い 入出力2本のバランスケーブルをつなぎ換えるという手間を一曲ごとに繰り返します。 1台でも2台でもいったんセットしたボリュームはそのまま同じくして、ケーブル のみの差し替えを何回となく繰り返し課題曲を聴いていきました。 最初に1台ステレオ使用、その次に2台でのDual-Mono使用として比較試聴して 事細かくチェックしながら聴き続けました。それが驚くほどの結果に…!! 先ず最初は大貫妙子の22 枚目のアルバム“attraction”から「四季」です。 http://www.onukitaeko.jp/ この曲のイントロは小倉博和のギターと高水健司のウッドベースの第一声から 違いが表れます。 「ギターのアルペジオの質感がきれいになってる!!ベースは重く引き締まっている!!」 シンプルな表現ですが、正にこの一言に尽きます。 次の瞬間、TAD-R1MK2のジャスト・センターから藤井珠緒がすーっと上げた トライアングルを絶妙の力加減で叩く。何だ!!この質感の変化は!! 「インパクトの瞬間の輝きは昔ながらの電球で言えば60Wから100Wになったぞ!!」 陳腐な表現で申し訳ないのですが、皆様が実際に聴かれると思わずイメージ されるような現象が確認出来るはずです。いやいや、Dual-Monoいいです!! 「つないだ手に夏の匂い 海へと続く道」 トライアングルの打音の直後、大貫妙子のヴォーカルが入ってきた。 これはですね〜、冒頭のヴォーカルからはリヴァーヴが盛大に感じられるが、 「求め続け待ちぼうけの あなたのいない季節」 このフレーズになるとリヴァーヴが減少するという録音のあり方も確認した。 さて、ここで一つの結論です。一般的にはステレオパワーアンプをモノラル アンプに変更すると同じ出力でも音場感が増大するという傾向があり、私も 確認していたものですが、この場合C-02 Dual-Monoによって音場感が拡大する かどうかについては大差なし、という確認が出来ました。 これは私から強く明言しますが、ESOTERIC C-02は1台ステレオ使用でも前回の インプレッションで繰り返し述べたように本当に素晴らしい音場感の再現性を 持っているものであり、その響きの領域、拡散していく広さが拡大するという ことはDual-Monoでも微妙な変化しかなかったということで、オリジナル状態 にて確認出来る音場感で納得と満足のいくところです。さて、ヴォーカル!! 「おー!!こんな大貫妙子聴いたことが無いぞ!!口許サイズが縮小している!!」 一眼レフのフォーカスレンズを絶妙なタッチで素早く回して、ファインダーに 写っている彼女の表情と輪郭がすーとジャストフォーカスになった瞬間です。 C-02 Dual-Monoで聴くヴォーカルの音像の何と凝縮された小ささであることか!! しかも、C-02のソロ演奏で証明されていた余韻感はふくよかな響きをそのままに、 左右スピーカーの両翼まで余韻の尾を引きながら拡散していく美しさは口許が 鮮明になった分だけエコー感とのセパレーションを高め見事の一言!!これはいい!! 「山は燃えて草は枯れて 瞳は秋の色」 このフレーズの直後にひそやかなピアノが登場する。センターのヴォーカルの やや右後方に定位するように控えめな音量でゆったりとした演奏だが、その 質感に変化があることを私の耳は捉えていました!! 「あれ! このピアノはクリスタルだ!!」 何とも単純な表現なのですが、ピアノの打音のひとつひとつが背景に透けて 見えるように透明度を高め、ハンマーのアタックの瞬間がピン!!と引き立つ テンションの高まりをこともなげにC-02 Dual-Monoがやってしまったのだから 困ってしまった。私も表現すべきコメントを頭の中で急ぎ探したらクリスタル が最初に浮かんできたというもの。いやいや、これはピアノ好きな人は堪らな いだろうな〜、と思わず口角が緩む一瞬でした。 ヴォーカルの音像提示、その輪郭の強調の仕方とサイズの違い、ピアノの一弦 の音質にもたらされたC-02 Dual-Monoの威力、こんなプリアンプあったか!! 「風が立てば 心寒く 陽だまりの冬」 この最後の“冬”の発声の直後に篠原ストリングスの弦楽器がチェロから入ってくる。 チェロが二人、ビオラ一人、そして篠崎正嗣ご本人を含め三人のヴァイオリン がTAD-R1MK2の周囲の空間を見事に埋め尽くし、ギター、ベース、ヴォーカル の背後にポジションを取っている。 6人の篠原ストリングスが弧を描くようにTAD-R1MK2の後方に展開し、流れる ようなアルコの繰り返しが空白を埋め尽くすようにヴォーカルの背景に浸透していく。 ステレオプリからモノラルプリへと切り替えて気がつく。この弦楽器の質感!! 「錯覚か!?いや、違う!!確かに違う!! まるで…!?」さて、ここです!! C-02 Dual-Monoにしてから最も顕著に聴きとれる進化のあり方として弦楽器の 質感の素晴らしい向上が発見出来ました。どのように素晴らしいのか、私は これを表現するのにどんな比喩がふさわしいか考えてしまいました。 で、あればオーケストラを聴けば確認出来るし、何かしら弦楽器の質感に関して ふさわしい表現が見つかるのではないかと考え、No.2990でMarkLevinson No.52 で体験した恒例の課題曲を聴いてみようと、またまたステレオとモノラルの C-02を比較試聴したのです。すると… ■マーラー交響曲第一番「巨人」第二楽章 小澤征爾/ボストン交響楽団 「おー!!来てます!!これも弦楽五部の立体的な位置関係と定位感は抜群!!」 No.2990で私はMarkLevinson No.52+No.53で描くオーケストラの素晴らしさを 弦楽器群の前後左右のレイヤーが見事にセパレーションして、弦楽五部の個別 の再現性が素晴らしいと評価していた。その観察点ではC-02 Dual-Monoにおい ては最初からクリアーしていることを先ず述べておきたい。 しかし、群集楽器の再現性とは異なる相違点がDual-Monoにしてから明らかに あるということがオーケストラの第一声を聴いた時から直感されていた。 あとは、この違いをどう表現したらいいのか!? 「弦楽器の質感が実に滑らかになっている!!実に美しい弦楽器はまさに…!!」 カルティエでもエルメスでも良いので、皆様がご存じのシルクプリントの優雅 で色彩感豊かに仕上げられたスカーフをイメージして下さい。手に持てば指の 間を何の抵抗感もなく、すーっとすり抜けていくような柔軟性と光沢感と艶。 それだけ見て触れれば高級感ある肌触りが素晴らしいスカーフですが、そこに 敢えて低温のアイロンをすーっと当てた瞬間に表れる輝きと思って下さい。 それだけでも十分に美しかったスカーフにわずかなスチームが当てられ、 肉眼では気づかなかった平面性を更に高める事で、鮮やかなプリント模様の 多彩な色彩感から発せられる反射光が艶やかな質感で蘇ったかのようです。 いえいえ、織りの細かいブロード生地の綿で作られた洗いざらしのワイシャツに 見られる起伏が、今度は強めのスチームを噴き出すアイロンが通った後のように 見事にシワが伸ばされて、袖を通す時の爽快な肌触りに生まれ変わった瞬間と 例えたらどうでしょうか。 綿素材の柔軟性ある肌合いは肌に馴染みやすいものですが、アイロンを当てた 後は繊維の素材感に秩序がもたらされたように光沢感を帯びる様子をイメージ して頂ければ良いかもしれません。 歴史あるボストン交響楽団の弦楽奏者たちが奏でる弦楽器の音色が、これほど 見事な調和を見せて私の耳を撫でるようにして消えていく快感がDual-Monoに してから出現したのですから驚いてしまいました。実に素晴らしい!! 弦楽器の質感にこれほどの進化を見せるC-02 Dual-Monoはホール録音の醍醐味 を改めて教えてくれるものだが、スタジオ録音での大貫妙子も素晴らしかった。 それでは、と最近聴き続けているこれを試そうか! ■Stereo Sound Flat Transfer Series/石川さゆり「天城越え」 http://www.dynamicaudio.jp/audio/5555/7f/brn/990.html 「おー!!これはいい!!ストリングスの透明感が素晴らしい!!」 冒頭の三味線と琴の瞬発力ある和楽器のテンションがきりりと引き締まって いるのは気のせいか!? そして続くストリングスの清らかとさえ言える展開は 今までの記憶とやはり違う!!そして…石川さゆりのヴォーカルがスピーカー 中央の空間にふ〜と浮かび上がります。おや!? 「ちょっと待ってよ!!ヴォーカルの音像がスマートになったか!?」 これまで散々このチェックポイントで機材を変えて試聴するごとに、この点に 関しては述べてきましたが、いやいや〜この時のキュートな石川さゆりの歌声 はなんとしたことでしょうか!!チャーミングと言ったらお叱りを受けるかも しれませんが、憂いと潤いの両方を含み、しっとりとしながらも芯があり、 さ行の発音には全くのストレスレスという伸びやかなヴォーカルに一瞬我が耳 を疑うような変化が! ステレオ使用からモノラル使用へと、一台のプリアンプの片チャンネルしか 使用しないという贅沢なシステムで前述のような完全モノラル化を果たした。 しかし、この↓中の「Features」のページを開いてみて下さい。 http://www.esoteric.jp/products/esoteric/c02/index.html そのトップには「左右独立の完全デュアルモノ設計」とあります。 ESOTERICがここまで強調している設計のこだわりがあるのだから、当然1台での ステレオ使用で設計思想に不備があるのだろうか…、という疑いはありません。 私はずっと以前にdCSのElgarが全盛期の時代に、このElgarをESOTERIC P-0s からのDual-AESデジタルアウトを左右に分けて接続してのモノラル使用を 実験したことがありました。DACでのモノラル化で当時の感動を良く覚えています。 でも、それとは違う進化を遂げているのが、今回のシグナルパスの完全な モノラル化なのです。 課題曲の各々で感じられた質感の向上はパルシブな立ち上がりの楽音でも、 そして連続する弦楽器のような楽音でも、そして空間に定位するヴォーカルの 音像表現の変化でも、以前に感じた音質変化とはベクトルの方向性が違うのです。 さあ、これを確認するために私はこの曲を続けて聴いてみることにしました。 ■Stereo Sound Flat Transfer Series/石川さゆり「朝花」 http://www.stereosound.co.jp/cd/index/ss/sscdr002/ イントロにおけるアコースティックギターのアルペジオの一弦一弦の描写力、 これには呆れるほどの違いが最初から表れています。 解像度の向上と余韻感の向上、音像を克明にすると残響とのセパレーションが 引き立ち、質感が濃厚になるのにフォーカスが更に一段階鮮明になる快感!! そんな変化を瞬時に察した私が石川さゆりのヴォーカルの変化を一瞬で予測して 待ち構えていると、正に推測通りの変化が表れているではないですか!! 「いやいや、待ってよ!!このヴォーカルが聴いたら元に戻れないじゃないか!!」 皆さん、頭の中に白紙のトレーシングペーパーを三枚用意して下さい。 そして、微細な響きを発しているセンターより左よりの空間に定位している アコースティックギターの細やかなアルペジオの一弦一音に対して皆様なりの 想像力で細いペン先で描く音のデッサンを書いて頂きましょう。 次は同様にセンターにぽっかりと浮かんでいるヴォーカルの口許を大胆な タッチでトレーシングペーパーの中央にデッサンして下さい。 最後にはセンター右寄りに登場してくるセカンドギターの音像も、極細の ペン先を使って輪郭を描き、透けて見える紙の右側にデッサンして下さい。 これを二枚のトレーシングペーパーに忠実にコピーしたとしましょう。 さて、この三枚を光にかざして透かしてみると、手に持って一応重ね合わせて 両手を伸ばした距離で眺めたとしたらどうでしょう。二人のギター奏者と ヴォーカルのデッサンで描かれた輪郭の線、直線的なものも曲線も、その距離 で見ても大体は一致していて三人の存在感はシルエットとしては問題なく観察 出来ることでしょう。 しかし、手と指で三枚を重ね合わせた透かし絵をぐっと近付けて至近距離で 観察したらどうでしょうか。わずか1ミリ、いやコンマ何ミリというずれでも 近くで見ると各部の線がダブリ滲んで見えるものでしょう。 その状態で今度はデスクの上で三枚を立ててトントンと縦横の両端を揃えて きっちりとずれを修正したとしたらどうでしょうか。今まで三枚を透かして デッサンの輪郭線を観察するとダブっていたところも一致して、しっかりと 一本の線として見えてくるものです。 さあ、このようなイメージで三枚のトレーシングペーパーに描いた同じデッサン がきちんと重なって、描画の線が正確に一致したイメージがC-02 Dual-Monoに よって変化した音質のイメージなのか!! と先読みされた方がいたら残念でした。 半透明のトレーシングペーパー三枚をきっちりと重ね合わせてから、光に透か して少し斜めから観察してみたとしましょう。そうです!!紙の厚さを斜めから 観察して三本の描線も厚みを持って見えてしまうものです。しかし!! このシンプルな編成と絶妙な録音によって音質判定の貴重な素材として得られる この曲で、私がC-02 Dual-Monoによって見せつけられた変化とはこれです!! ■二枚のトレーシングペーパーを取り去ってしまったのです!! オリジナルのデッサン一枚に描かれた情景を初めて見せられました!! それはペン先の筆圧によって微妙に変化する描線の太さが場面によって違うと いうことを発見し、2Bの鉛筆や黒炭によってすーと、黒一色の濃淡で紙面に 音の余韻を描く水墨画のようなグラデーションの緻密な階層があったのかと いう驚きと発見に私は感動してしまいました。 ギターの一弦を描線一本として、ヴォーカルのビブラートをまとって消えて いく消滅までの過程を黒から純白への滑らか、かつ実に多彩な段階の濃淡が あるということを示してくれたのです!!これには参りました!! ここで私は新たな発見をしました。前述では音場感に大差なしという分析結果 を述べていましたが、余韻感の拡散領域という視覚的印象での面積はその通りです。 しかし、余韻が広がっていく空間の広さは同じ程度なのですが、その同じ領域 において、上記のようにオリジナルのデッサン一枚によって見せつけられた 楽音一音を純粋な描画一本としての究極の再現性は、同サイズの音場感における 内部での情報量の拡大として認識出来るのです。こんな体験は私も初めてです。 ESOTERIC設計陣の情熱と努力の賜物として「左右独立の完全デュアルモノ設計」と いうキャッチフレーズを私は何ら否定するものではありません。いや、むしろ そこまで厳密な設計をしてくれたからこそ、1チャンネルの伝送に1台という 発展形の可能性を含む事が出来たものだと考えています。 C-02 Dual-Monoが聴かせる再生音は他のプリアンプでは真似のできない美しさ があります。私の好奇心が発見した、こんな大きな可能性を知ってしまった私は 感動と興奮で黙っていることが出来なくなってしまいました。 大変残念ですが、こんな贅沢な試聴システムは未来永劫に常設しておくことは できませんが、聴きたいというご要望を頂ければ皆様がご来店頂ける日までは 維持しておきたいと思います。 問題は、このレビューをハルズサークル配信ではなく、webに一般公開した時に 読んだのが何時かということになりましょうか!?申し訳ございません<m(__)m> 取り合えず、今週末から一週間くらいはセッティングを維持出来ると思います。 ESOTERICでもやっていない事ですから、当然他のショップでもやっていません。 H.A.L.だからこそ、私だからこそ実現し発見した音!!どうぞご来店下さい!! |
担当:川又利明 |
TEL 03-3253-5555 FAX 03-3253-5556 kawamata@dynamicaudio.jp お店の場所はココです。お気軽に遊びに来てください!! |